秋山で頭に思い浮かべることといえば紅葉ですが、秋風にそよぐススキ野というのも外せない風物詩ですよね。
そこで、今回は伊豆稲取にあるススキの名所「細野高原」をのんびり歩いてきました。
その足で、三筋山まで登って河津駅の方へ下山してきたのですが、途中にあった三段滝というマイナーな滝が思っていた以上にゴキゲンな場所だったので、一緒に乗せてみました。
コロナ禍もひと段落落ち着き始めていることですし、そろそろ伊豆の秋を楽しみたいと思っているあなたにぴったりの内容になっていると思いますので、是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2022/10/23
天候:曇りのち晴れ
エリア:伊豆エリア
コース概要:伊豆稲取駅〜細野高原〜三筋山〜三筋山遊歩道〜中の沢歩道〜三段滝〜筏場停留所
難易度:体力☆☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)伊豆急行線「伊豆稲取駅」からスタート
(帰)「筏場停留所」から東急バスで伊豆急行線「河津駅」に向かい、そこから帰路へ
概要
稲取細野高原(いなとりほそのこうげん)
稲取細野高原は、静岡県の東伊豆町にあるススキとパラグライダーで有名な観光名所です。
高台にありながら、海までの距離が短いため、海への展望に優れており、特に伊豆諸島への眺めが絶景で、快晴の空の下で眺めることができたら、わたしと同様に一発で虜になることでしょう。
10月から11月にかけては、海すすきと題したイベントが開催されていて、伊豆稲取駅からの直行バスが出るようになるので、初めて訪れるならこの時期がおすすめです。
イベントの詳細は、東伊豆町公式HPに記載されてますので、そちらをご覧ください。
以前わたしが書いた記事にも、もう少し詳しい概要を載せてますので、こちらも併せて参考にしてもらえたら嬉しいです。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 875 m
最低点の標高: 21 m
累積標高(上り): 1833 m
累積標高(下り): -1833 m
総所要時間: 07:31:47
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
- 三筋山山頂直下絶景ポイント
- 三筋山遊歩道休憩地
- 三段滝
三筋山山頂直下絶景ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントの一つ目は「三筋山山頂直下絶景ポイント」です。
細野高原のススキ野を抜けて到達できる三筋山山頂からの眺めは、とても素晴らしいですが、それよりも手前に絶景ポイントなる場所が設定されています。
実は山頂にはちょっとしたススキの群生地があって南側への展望はそれほど良くはありません。
こちらのポイントは、そういった点もクリアされていて、海への展望だけとってみると山頂よりもダイナミックに楽しめます。
パラグライダーの離陸ポイントにもなっているので、風が穏やかな日であれば、テイクオフする瞬間を目にすることができるかもしれません。
わたしも実際、2度ほど滑空していく瞬間を見せてもらいました。
他人事ながら滑空する瞬間はメチャメチャ気分がアガるので、運良く飛び立つ準備している方を目にしたら立ち止まって見学させてもらうと良いですよ。
ベンチも2つほどあるので、そちらに座ってのんびりするのもよいですが、芝生の上に寝転がってお昼寝するのも悪くありません。
その場合は、朝露などで芝生が濡れていないか念の為に確認してからお試しくださいね。
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三筋山遊歩道休憩地
今回の山行ルート上の展望ポイントの二つ目は「三筋山遊歩道休憩地」です。
旺文社の地図にある展望地よりも三筋山寄りになりますが、ベンチが一つ置いてある休憩地からの眺めも秀逸です。
伊豆の島々は三筋山の山体に隠れてしまいますが、伊豆大島、天城山と開放感のある眺めを楽しめます。
三筋山山頂から10〜20分くらい歩くので、海すすきイベントで訪れた観光客が訪れることは皆無なので、素晴らしい眺めを独り占めで楽しめます。
たまに訪れる八丁池からの縦走してきた登山者が通り過ぎますが、三筋山山頂で休憩入れるプランが多いのでしょう。この場所で一息入れるのをみたことは無いですね。
もし、あなたが人酔いしやすい体質なら、人気ある三筋山山頂よりも、こっちでのんびりすることをお勧めします。
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三段滝
今回の山行ルート上の展望ポイントの三つ目は「三段滝」です。
中の沢歩道の登り口にあるローカルな滝で、一つずつの落差は大したものでは無いのですが、三つ繋げるとなかなかの長さになります。
溶岩流が固まった滑らかな岩の上を滑り落ちるように流れていく水がとても美しい滝になってます。
手すりやロープなどは設置されておらず、自然のままな場所なので、コバルトブルーに泡立っている滝壺の目前まで行って覗き込むことができるので、かなり楽しい場所でした。
反面、足を滑らせたら掴むものがないので、ストンと滝壺に落下することになるので、その点は注意が必要です。
おそらく落差、深さもそれほどでは無いのでずぶ濡れになるだけで済むとは思いますが、水量豊富なので、雨の日前後に落ちると思った以上に危ないかもしれません。
土曜日の正午近くに訪れましたが、人は皆無だったので、水の音を聞きながらのんびりするのにはとても良い場所になってました。
近くまで来たら訪れてみてください。
ちなみに、溶岩流を流れる滝というと富士山須走口にある6月の雪解け時期だけに姿を表す「まぼろしの滝」が有名ですね。
以前、赴いたときの記事がありますので、興味あったら見比べてみてくださいね。
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Instagramに動画もあげてみたので、こっちで動きあるのが見れると思います。一緒に見てってください。
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、特にありません。
半分以上が車道歩きなので、山靴でマメなど作らないようにだけご注意ください。
- 特に無し
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
今回の山行のコンディションは次の通りでした。
- 天候:晴れ
- 気温:歩き始め8時ごろで16℃前後、下山後16時ごろで23℃前後
- 活動場所:標高800m前後
10月中旬ですが、晴れ間の広がる伊豆方面はまだまだ暑いですね。
アップダウンが少ない遊歩道だったので、それほど汗はかきませんでしたが、登山装備を担いでのお散歩は半袖Tシャツじゃ無いと暑くて厳しい印象でした。
空身でススキ野を歩いていた人々は、長袖シャツに薄手の上着を羽織っているパターンがほとんどでしたので、トレランレベルの軽装だったら長袖Tシャツでも良いかもしれませんね。
移動中も半袖Tシャツで十分でしたが、都内に戻ってきた22時ごろは流石に半袖だけだと寒かったです。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
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山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
三筋山や細野高原には過去何度か訪れていますが、その時は伊豆稲取駅へ下山することがほとんどでしたので、今回は逆回りに伊豆稲取駅から登り始めてみることにしました。
このため、東京駅からは次のようなアプローチをとりました。
- 東京駅から、JR東海道線沼津行きの始発に乗って熱海駅で下車
- 熱海駅から、伊豆急行線伊東行きに乗って伊東駅で下車
- 伊東駅から、伊豆急行線伊豆急下田行きに乗って伊豆稲取駅で下車
伊豆急行線は、運賃がリゾート価格なので出来ればオトク切符で節約したいところですが、伊東駅以降の駅窓口にいかないと購入できません。今回は途中下車する時間が無かったので定額で向かうこととなりました。
伊東駅では余裕がなかったですが、手前の熱海駅での乗り換え時には10分ほどの余裕があります。
ここで、おトイレや朝食を購入するというのも悪く無いでしょう。
伊東駅での乗り換え後は、40分ほどで伊豆稲取駅に到着です。
伊豆稲取駅は自動改札になっていて、東京駅から直行してきてもタッチで精算できますので、そのまま出場してしまってください。
この点は、ほんと興味深い点だと思っていて、同系列のはずのJR東日本とJR東海では管轄が一駅でも跨いだら、今だに有人窓口でしか精算できないのに対して、伊豆急はじめ私鉄各社のシステムではスムーズにJRからの乗り入れに対応しています。
この違いは何なのでしょうね。JRのシステムもどっかのみずほ銀行みたいに修復不可能なくらいスパゲッティなソースコードになっちゃっているのかしらね。
ちょっと、余談が過ぎました。話を戻して、伊豆稲取駅前の様子を説明に移りますね。
ここはタクシー乗り場がメインとなっていて、バスの停留所は駅前広場からちょっと離れた位置にあります。
もし、海ススキイベント中の臨時バスを利用するなら、その点にはご注意ください。
今回は、歩いて向かうつもりなので、おトイレ済ませたら坂を歩いて進んでいくことにします。
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伊豆稲取駅〜細野高原
「伊豆稲取駅」からは、坂道を登って「細野高原」に向かいます。
通る道は狭いものの、交通量は意外と多いので、行き交う車やバイクにはご注意ください。
なかなか勾配のある集落内の坂道を登っていくと、途中から「細野高原」を示す案内が出てきます。
これらに沿って進んでいけば、すんなり到着できるはずです。
途中で余裕があったら、振り返ってみると遠く伊豆諸島が見えたりするので、休憩がてら振り返ってみるのもお勧めです。
キャンプ地が消えてきたら「細野高原」まであと少しです。
細野高原第二駐車場に入場受付のプレハブが建っているので、入場料を払って先に進みましょう。
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細野高原〜三筋山
入場受付から5分ほど車道を登ると、今度は「細野高原第一駐車場」に到着します。
イベント期間中は、ここで催し物や出店なんかをやっていますので、興味があれば立ち寄ってみてください。
かなり立派なおトイレもあるので、長い車道歩きで緊張しているようなら、お借りすると良いでしょう。
ここからは、ススキの草原を突っ切る林道を辿って行くことになります。
徐々に高度が上がってくるにつれて、ススキだけでなく海への眺望も楽しめるようになります。
歩いているとわかると思いますが、ススキも意外と旬は短くて10月中旬を過ぎると山頂に近い位置から徐々に枯れて倒れていってしまうようです。
訪れるなら10月上旬をターゲットにしておいた方が良いかもしれませんね。
何箇所かある展望ポイントを通過していくと「三筋山」山頂が見えてきます。
山頂には櫓があって、そこからの眺めも秀逸ですが、非常に人気があるのでひっきりなしに誰かが登ってます。
記念の一枚を撮ったら、あまり拘らずに少し離れた位置で展望を楽しむか、三筋山遊歩道にある休憩場所まで進んでしまうのが良いでしょう。
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三筋山〜三筋山遊歩道
「三筋山」山頂から「八丁池」方面に進みます。
芝生の急坂を降っていくと、一旦、車道に降り立つことになります。
ここは、風力発電機たちのメンテをするための車が通る道で、普通は通る車ありません。
歩きやすいように歩いて差し支え無いかと思います。
その後、山道と車道を交互に昇り降りしていくと、途中に休憩所や簡易トイレが見えてきます。
必要によりお借りするとよいでしょう。
なお、最初から最後まで車道を歩くことも可能ですが、距離が遠くなったり、逆に石ころが転がってて歩きづらかったりしてたので、あまりおすすめでは無い感じでした。
「三筋山遊歩道」を端まで歩くと、休憩用の東家が見えてきます。
ここから真っ直ぐ進むと「八丁池」方面に繋がり、天城峠などから下山することが可能ですが、今回は、ここから未踏な「中の沢歩道」を降って河津駅方面へ下山していきます。
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三筋山遊歩道〜中の沢歩道〜三段滝
「中の沢歩道」に入ると、山道とアスファルト道とが交互に現れる歩きづらい道になります。
ただし、基本一本道なため、迷うといったことはないので、ぬかるみに足を取られないよう足元に注意して歩けば問題無しなはずです。
それと、落石によるものか、結構な量の石が転がっていたので、一定量は頭上にも意識を向けておいた方が良さそうです。
曲がりくねった道を2時間ほど降ると、ワサビ畑が見えてきてその脇に「三段滝」の案内が立つ場所まで降ってこれます。
「三段滝」までは5分もあれば到着できますし、途中のアップダウンも皆無に近いので、よほど疲れている状況でも無いなら、積極的に寄り道していくのをお勧めします。
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三段滝〜筏場停留所
「三段滝」を楽しんだら、路線バスの通る天城街道まで降ります。
キャンプ地、鉢ノ山と通過して2時間ほど歩くことになります。
降り一辺倒の車道歩きとなるので、膝への負担が結構あります。
膝が笑ってガクガクしてしまわないように、無理ないペースで降ってください。
途中に、佐野川遊歩道への入り口があります。
渓谷好きならそちらを進む方が楽しいでしょう。
今回は、試しに車道側を進んでみましたが、こちらは遊歩道よりも早く天城街道まで降れるので、急ぎの場合は車道を駆け降りる方が早いかもしれません。
また、最寄りのバス停ですが「三養院前停留所」が一番近いバス停です。
今回は、時間に余裕があったので一つ先のバス停「筏場停留所」まで歩きましたが、「三養院前停留所」まででゴールとしてしまって差し支えありません。
その場の状況でご判断くださいね。
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おまけ
今回寄り道したお風呂は、わたしの中では定番になっている「熱海駅前温泉浴場」です。
実は、熱海の別の入浴施設を試してみるつもりだったのですが、臨時休業っぽい看板が立っていたので、いつもの温泉に寄り道していくことにしました。
安定の安さに、安定の熱湯風呂で、足が痺れる熱いお湯で疲れを癒してから帰路につきました。
「熱海駅前温泉浴場」については、次の記事に詳しくまとめてますので、一緒に読んでいってくださいね。
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まとめ
秋の風物詩、細野高原の海ススキ鑑賞の様子でした。
ススキが輝くのは、早朝、夕方の陽の光が伸びている時なのですが、これだけススキの草原が広がっていると曇りの日の日中でも、なかなかの見応えになります。
加えて、海への眺望と合わせて楽しめる場所はそれほど多くは無いと思います。
臨時バスの出ている10月から11月初旬までの期間であれば、かなりアクセスは容易だと思いますので、風にそよぐ広大なススキの野原で癒されたいなら、一度赴いてみてくださいね。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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