今シーズンは、午前2時に富士スバルライン五合目へ到着する深夜直通バスが運行していると聞き、数年ぶりに富士山を歩いてきました。
午前3時の開門と同時に吉田ルートを登り、久須志神社から最高地点の剣ヶ峰へ向かいました。
その後、お鉢を一周して吉田口下山道を下ってきました。
登っているときには、大きな体調不良は感じませんでしたが、下りに入ってからは頭痛を感じるようになり、こまめな休憩と水分補給を入れながら、ペースを落として下りました。
この記事では、深夜の五合目の様子、吉田ルートの岩場、お鉢巡り、下山道での体調変化を含め、当日の山行を実用情報とともにまとめます。
あわせて、歩いたルートをまとめたイラスト地図も掲載しています。

当日の空気感は、短い映像にして残しています。
山行概要
今回の山行の概要をまとめておきます。
全体の流れを、はじめに軽く確認できます。
基本情報
- 歩いた日:2026/7/11(土)
- 空模様:晴れ。日中は日差しが強く、火照った肌に高所に吹く冷風が心地よかったです。
- ルート(登り):富士スバルライン五合目バス停 → 吉田口六合目 → 本八合目 → 久須志神社 → 富士山本宮浅間大社奥宮 → 剣ヶ峰
- ルート(下り):剣ヶ峰 → 久須志岳 → 吉田口下山道 → 吉田口六合目 → 冨士山小御嶽神社 → 富士スバルライン五合目
- 行動時間:約12時間(休憩、参拝、山頂での行列待ちを含む)
- 歩いた距離:約16km
- 累積標高差:登り約1,620m/下り約1,620m
この日の服装
- 乗り物移動中
- トップス:半袖シャツ
- ボトムス:薄手のズボン、厚手の靴下
- その他:なし
- 活動中
- トップス:半袖シャツ
- ボトムス:薄手のズボン、厚手の靴下
- その他:薄手の手袋、ネックゲイター、てぬぐい
- 休憩中
- 活動中と同じ服装でした
この日の装備・食料の使用状況
- 深夜の富士スバルライン五合目でゲートが開くのを待つ間だけ、ウィンドブレーカーを羽織りました。
- 歩き始めこそ肌寒さを感じましたが、日が昇ってからは気温が上がり、休憩中も半袖シャツで過ごしました。なお、天候や風の強さ、高低差によっては寒さが強まる可能性があるので、防寒着も持参していきました。
- 水の消費は約800mlでした。昼食時に約500mlを飲み、残りは下山中に休憩するたび、少量ずつ口に含みました。下山時には頭痛が出ていたので、この日の水分摂取量が十分だったかは判断できません。
アクセス
- 行き:富士急バス「富士スバルライン五合目バス停」
- 帰り:富士急バス「富士スバルライン五合目バス停」
トイレ
- 富士スバルライン五合目:あり(夜間でも利用可能な無料トイレがありました)
- 吉田口登山道沿いの山小屋:あり(現地で見た範囲ですが協力金200〜300円となっていました。小屋によって異なる可能性があるので、利用時には現地で案内をご確認ください。)
- 山頂各所:あり(こちらも現地で見た範囲ですが協力金300円でした。同様に正確な金額は現地で案内をご確認ください)
コースの特徴
- 難易度:富士スバルライン五合目から山頂まで長い登りが続きますので、相応の体力が求められます。また、七合目あたりからは岩混じりの急坂が続くので、視野を広くもって、無理なく通過できる位置を選ぶ必要があります。長時間の山歩きに対応できる体力と、岩場や不安定な足場を安全に歩く経験が必要だと感じました。
- 危険箇所:山頂のお鉢巡りでは、「大沢崩れ上部」と呼ばれる箇所を通過する際に注意が必要と感じました。二人がすれ違える程度の道幅はありましたが、片側は火口に向かって切れ落ちていて、反対側は大沢崩れに向かう急斜面となっていました。また、麓から噴き上げる風を直接受ける場所でもあったので、足元だけでなく風の強弱にも注意が必要でした。
- 見どころ:登山中に見下ろす眺め。山頂からの遮るもののない眺め。巨大な火口の様子。
- 向いている人:体力に自信のある人、遠くまで見渡せる大展望が好きな人
コース詳細
スタートからゴールまでの流れを、区間ごとにまとめます。
分岐や道の様子も含めて、実際に歩いた順に沿って記録していきます。
スタート〜前半(富士スバルライン五合目~吉田口ルートを登って、久須志神社の立つ山頂へ)
午前2時に富士スバルライン五合目バス停に到着。
真っ暗な場所を想定し、ヘッドライトを準備してバスを降りました。
でも、ところどころ照明が灯っていて、降車後にザックから荷物を取り出す程度であれば困りませんでした。
ただ、少し離れると途端に暗くなるので、行動前にはヘッドライトを点灯しました。
灯りを確保したら、周囲の様子を確認します。
まずはゲート前、開門時間は3時となっていますが、入山料の受付は開いていて、3時前でも支払いができました。
開門直前に並ばずに済んだのは助かりました。
次にトイレですが、ここも常時灯りがついているようで、しかも無料で利用可能です。
隣の待合室のようなスペースも灯りがついていて、滞在可能でした。
ただ、備え付けの椅子は少ないので、譲り合って使う必要がありそうです。
わたしも、空いていた一席を借りて、開門まで待つことにしました。
開門5分前、ゲート前に赴くと、入山料支払いの受付に行列ができています。
午前3時になると予定どおりにゲートが開き、一人ずつ入山していきます。
麓の夜景を横目に、六合目まで休まずに登ります。
安全指導センターの灯りが見えてきたところで、夜景を眺めて小休止。後続の人たちに追い抜いてもらい、改めて自分のペースで登り始めます。
少しずつ朝日に染まっていく登山道を黙々と登ります。
雲に隠れてしまい、日の出そのものは見ることができませんでしたが、赤く染まる筋雲がきれいで印象的でした。
ヘッドライトをしまい、七合目からの岩場に備えます。
数年前に登ったときは、このあたりから渋滞が起きていましたが、このくらい早朝だと、スムーズに登ることができました。
マイペースに登っていくと、須走口との合流地点となる本八合目に着きました。
早朝、須走口から登ってきた人、山小屋泊まりでこれから山頂に向かう人、わたしと同じく吉田口から登ってきた人、さまざまな人たちで混雑しています。
ベンチも空いていないので、少し登ったところで朝食を済ませて、登りを再開します。
次第に急になっていく坂道では、頻繁に休憩を入れて、ゆっくりと登りました。
ようやく見えてきた山頂直下の鳥居をくぐると、久須志神社前に到着。ここも、たくさんの人で賑わっていました。
数年ぶりの久須志神社への参拝を済ませたら、最高地点となる剣ヶ峰へと向かいます。
中盤(久須志神社から時計回りにお鉢を巡り、浅間大社奥宮へ、そして日本一高い剣ヶ峰へ)
久須志神社と剣ヶ峰の位置関係は、火口を挟んでほぼ反対側。
時計回り、反時計回り、どちらからもほぼ同じ距離なので、今回は時計回りに進むことにします。
徐々に見えてくる、足元の宝永火口に目をやりつつ、まずは浅間大社奥宮へと到着です。
ここでも数年ぶりの参拝を済ませ、ふと横を見ると山頂郵便局の入り口が開いていることに気がつきました。
これまでの日帰り富士登山だと、山頂に着く頃には営業時間が終了していることが多く、珍しさもあって寄り道していきます。
狭いながらも、郵便局として必要な業務は行なっていて、ここから郵便を出すこともできるようです。
記念に、登頂証明書の色紙を購入して、最後の急坂となる馬の背を越えていきます。
足早に下りてくる人とぶつからないように隅に寄って、ゆっくり登ると、山頂記念撮影の待ち行列が見えてきたので、休憩ついでに列へと並びます。
わたしの番になったので、自分の写らない山頂碑を撮影して、火口を見下ろします。
焼け爛れたような大穴は、少し現実感を失うくらいの大きさで、数年ぶりに眺めても圧倒されました。
来る機会の限られた場所なので少し長めに滞在した後、火口縁の反対側を歩いて吉田口下山道まで戻ることにします。
後半~ゴール(剣ヶ峰から、お鉢の反対側を歩いて、吉田口下山道へ、そして富士スバルライン五合目へ下山)
先ほどよりも長くなった行列の脇をぶつからないように下りて、大沢崩れ上部に向かいます。
この辺りは、細尾根というほど細くはないものの、片側は火口に向かって切れ落ちていて、反対側は崩壊の進む大沢崩れに向かう急斜面となっています。
麓から吹いてくる強めの風に煽られないように慎重に進みます。
大沢崩れ上部に立って、麓まで達する巨大な割れ目を眺めたら、通行禁止となっている白山岳を巻いて、久須志岳へと向かいます。
久須志岳は、なだらかな地形で、剣ヶ峰や火口だけでなく、外界に広がる景色も見通せました。
少しの間、景色を楽しんだら、久須志神社に黙礼しつつ通過して、吉田口下山道へと進みます。
ここからは、砂礫の深く積もった急坂を下ることになるので、小石が靴に入り込まないように、スパッツを装着しておきます。
砂礫がクッションとブレーキの役割をしてくれて、テンポよく下っていきましたが、本八合目あたりまで下ってきたところで、頭痛がするようになりました。
いったん、休憩したら治るだろうと期待したのですが、改善しないので、頭痛薬を服用してから、ゆっくりと下ることにしました。
足早に駆け降りてくる人たちに接触しないように隅に寄り、こまめに水分補給をしながら、下りていきます。
バスの最終時間まで十分に余裕があったので、症状が強くならないか確認しながら、ゆっくり富士スバルライン五合目まで戻りました。
バス停まで進むと、長蛇の列ができていたので、待っている間に、小御嶽神社へも参拝。
いつもバスの時間ぎりぎりとなり、見送っていた御朱印を頂戴して、帰宅の途につきました。
見どころ
この日歩いていて印象に残った風景や草花をまとめます。
その日の天候や季節によって印象は変わると思いますが、ひとつの参考として残します。
風景・展望
登山途中や山頂からは、雲海に浮かぶ山々や河口湖、山中湖、そして湖畔の街並みを見通すことができました。
また、山頂から見下ろす大きな火口は、普段の低山歩きでは見ることのない眺めでした。






名所・史跡・観光地
富士山は古くから信仰の場所で、各所に神社や社を見ることができます。
お鉢巡りの際には、久須志神社と富士山本宮浅間大社奥宮を、それぞれ参拝しました。
富士スバルライン五合目へ戻った後は、冨士山小御嶽神社にも立ち寄り、御朱印をいただきました。


嬉しかったです。

この日一番のひととき
お鉢巡りの途中、麓から噴き上がってくる冷風を浴びながら、雲海に浮かぶ山々を眺めたひとときが、記憶に残りました。
注意点と装備
歩く前に気をつけておきたい点と、この日の装備を整理します。
季節や天候によって変わる部分もありますが、参考のひとつになればと思います。
注意点
富士登山は長丁場です。それに見合う体力が必要です。
手元の「旺文社 山と高原地図」に掲載された標準コースタイムを合計すると、剣ヶ峰まで往復する場合は10時間を超えます。休憩や混雑による待ち時間を加えると、実際の行動時間はさらに長くなります。
これだけの時間歩き続けるのに不安を感じるようなら、無理せず山小屋泊を含む余裕ある行程も検討してください。
また、富士山の各登山道は、とても整備されてはいますが、歩くのはあくまでも登山道です。
不安定な山道を歩き慣れている必要もあります。
吉田ルート限定での話になりますが、七合目あたりから岩場の登りが増えて、進む位置によっては岩に遮られて、いったん戻って登り直すこともありました。
視界を広く保って、ルートを予測しながら歩く経験を、少しでも積んでおくと安心です。
加えて、脱水症状や高山病にも注意が必要です。
富士登山は森林限界を超えた高さまで登ります。
日差しが直接降り注ぐ環境で、長時間動くことになるので、たくさん汗が出て、脱水症状になるかもしれません。
必要な水分量は、天候、行動時間、発汗量などによって変わります。
こまめな休憩と水分補給をする必要があります。

装備
- 靴:登山靴
- 持参した服装:
- 肌着:半袖シャツ
- 中間着:薄手の長袖シャツ
- 外着:ウィンドブレーカー
- その他:防寒具(薄手のフリース)、雨具、薄手の手袋、薄手のズボン、厚手の靴下、ネックゲイター、スパッツ、てぬぐい
- 飲食料:水(2リットル)、昼食(おにぎり2つ)、行動食(のど飴)
- 主な持ち物:ヘッドライト、熊鈴、熊スプレー、スマートフォン(用途:緊急連絡、GPS記録、撮影)
- 重さ:8kgぐらい
まとめ
このコースが合いそうな人
- 体力に自信のある人
- 遠くまで見渡せる大展望が好きな人
今回の山行のひとこと
数年ぶりの富士登山は、午前3時から歩き始めたことで、お鉢巡りや山頂での滞在を急がずに進めることができました。
一方で、下山時には頭痛が出ており、早朝から長時間歩く際の体調管理の難しさも感じました。
今後、深夜便を使った山行をする際は、その日の睡眠状況、体調を考慮して、より慎重に行動することにします。
今回の山行は、当日の雰囲気を残すために、イラスト地図としてnoteにも残しています。

また、イラスト地図の作り方は、別の記事で手順として整理しています。


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