山のアクシデント|爆竹は山での熊よけとして効果はあるのかを検証

アクシデント

安価で軽量、昔から民家や農家で野生動物を追い払うために使われてきた「爆竹」。

着火が必要という手間はありますが、1発だけでも結構大きな発破音を出し、束のまま使えば更に長い時間発破音を出し続けてくれるので、元来臆病な熊に対しても効果があるという意見を耳にするとことがあります。

同時に、むしろ驚いた熊が襲ってくるのでやめたほうが良いとの意見もあり、果たしてどちらが正しいのか悩ましいところですよね。

もし効果があるなら、高価な熊よけスプレーの代わりに使えることになるので、経済的に非常に助かることと思います。

そこで、今回は爆竹は山での熊よけに有効かを、色々な書籍やネットの情報より検証してみました。

なるべくお安く、それでいてより確実な熊対策を望んでいるあたなへの最適解となればば幸いです。

この記事でわかること

・「爆竹」は山で遭遇した熊よけに効果があるかがわかる

爆竹は山での熊よけとして効果はあるのか

早速、結論から述べますと「爆竹は山での熊よけとして有効。ただし効果は一時的」となります。

このため、爆竹を鳴らして熊を撃退した後は、その場には止まらずに速やかに安全な場所まで下山する必要があるかと考えます。

そして、これら結論については実際に野生に接触して試したわけでは無いので、あくまで座学による個人的な意見となります。

従いまして、これから述べる3つの理由についてもご確認いただいた上で、最終的にご判断いただければ幸いです。

爆竹は山での熊よけとしては有効だけど「一時的」とした3つの理由
  • 爆竹は古くから野生動物の追払いに使われてきた実績がある
  • 熊の聴覚は人間よりも優れており大きな音を嫌がる傾向がある
  • 発破音に慣れてしまった熊もいる

爆竹は古くから野生動物の追払いに使われてきた実績がある

爆竹は山で遭遇した熊よけとしては有効とした理由の一つ目は「爆竹は古くから野生動物の追払いに使われてきた実績がある」からです。

今でこそ少なくなりましたが、昭和の時代の田畑では定期的に大きな発破音を鳴らして鳥獣から穀物を守ることを行なっていました。

わたしの地元はコメどころ福島だったということもあり、「パン!パン!」と大きな発破音を鳴らす田畑がそこらじゅうにあったと記憶があります。

最近では、次の写真のような電流が流れる柵で田畑を囲むなどの対策が主流になってきているようで、このような発破音というのは減少傾向にあります。

奥多摩、飛竜山からの下山風景。麓の畑はほとんど柵で囲まれていました。

それでも、長年に渡って使われてきた大きな音で野生動物を追い払うという手段は有効で、同じ野生動物である熊にも有効だろうとの判断から、熊よけとして機能するだろうという結論に至りました。

熊の聴覚は人間よりも優れていて大きな音を嫌がる傾向がある

爆竹は山で遭遇した熊よけとして有効とした理由の二つ目は「熊の聴覚は人間よりも優れていて大きな音を嫌がる傾向がある」からです。

熊の生態を説明する様々な資料がありますが、聴覚については「他の野生動物には劣るが人間よりも優れていて、特に高音に敏感」という説明がなされております。

一例として、宮城県公式Webサイトの説明を引用しておきます。

聴覚:高音に敏感で低音に鈍感

引用:宮城県公式Webサイト「ツキノワグマってこんな生き物です」

このため、甲高い発破音のする爆竹も有効に機能するだろう結論に至りました。

実際に野生の熊に向けて爆竹を鳴らしてみた動画がありましたので、掲載しておきます。

ただ、ちょっと微妙なのは爆竹を鳴らして1秒もしないうちにカメラを止めている点ですね。これでは、逃げ出したように見えたけど、実は方向転換して反撃してきた可能性も否定できませんので、頭から鵜呑みにするのは危ないかもしれません。

発破音に慣れてしまった熊もいる

爆竹は山で遭遇した熊よけとしては有効とした理由の三つ目は「発破音に慣れてしまった熊もいる」からです。

野生の熊の中には、人に慣れてしまい、大きな音だけでは逃げ出さない個体が増えてきているようです。そのことを示す動画がありましたので掲載しておきます。

場所は北海道、対象はヒグマということで、場所も対象も一致はしていないのですが、同じ熊と言うことで本州のツキノワグマも少なからず類似しているだろうと考えています。

結論に「一時的」という条件をつけた理由はこの辺りにあります。

爆竹の基本情報と使う時の注意事項

ここまで、爆竹は山で遭遇した熊よけとして有効なのかについて解説してきました。

一時的とはいえ、有効なんだと思っていただけたでしょうか。

ここからは、爆竹に対する基本性能についてと、実際に使う時の注意事項について述べていきます。

爆竹の基本情報

まずは、爆竹に対する基本情報です。

爆竹は、中国伝来の主に催事に利用するための花火で、古くは漢の時代まで遡れるようです。

お正月や季節の変わり目の祭事の際に厄除けに鳴らすのが一般的な使い方ですが、映画やドラマの中で、中国獅子舞と合わせて連続して爆竹を鳴らすシーンを取り入れている作品も多く、中国らしさを演出するアイテムとしての役割も担っているようです。

日本国内では、主に玩具として流通しており、2cm程度の小型の紙筒に詰められた火薬で販売されています。

昔は、駄菓子屋やおもちゃ屋などの花火コーナーに常備されていましたが、最近はあまりお目にかかることがなくなりました。大きな音が近所迷惑になるからなのでしょうか。世知辛い世の中になってきました。

それでも、通販サイトでは普通に購入できるようなので、興味がありましたら、そちらから購入するのが面倒がないかもしれません。

爆竹を鳴らすときの注意事項

続いては爆竹を鳴らすときの注意事項です。

以下、3点に気をつけて使うようにしましょう。

爆竹を鳴らすときの注意事項
  • 湿気に気を付ける
  • 周囲に気を付ける
  • 後始末に気を付ける

湿気に気を付ける

爆竹を鳴らすときの注意事項の一つ目は「湿気に気を付ける」です。

爆竹は火薬に添加して音を鳴らすので、火薬が湿気っていては使い物になりません。

持ち出すときには、ジップロックの袋に入れるなど、水に触れたり、湿気に当たるようなことが無いようにしてください。

保管するときにも湿気の当たらない風通しの良い日陰で保管するようにすると良いでしょう。

なお、乾いているからと日差しの強い場所に放置するのはやめましょう。自然発火により暴発ということはまず無いですが、長期間紫外線を浴びつつけると包んでいる紙筒や火薬の劣化して発火しなくなる恐れがあります。

周囲に気を付ける

爆竹を鳴らすときの注意事項の二つ目は「周囲に気を付ける」です。

今回使う想定のシーンは、山中での熊との遭遇時ということで、冷静に周囲の様子を気にしている余裕などないかもしれませんし、多くの人がいる場所に元来臆病な野生熊が出没するということもほぼあり得ないかとは思います。

それでも、鳴らす方向に人が居ないか、発破することで落石、崩落などが発生しそうな場所ではないかといったところは、可能な限り注意を払うようにする必要はあるかと思いますので、事前知識として覚えておくと良いでしょう。

後始末に気を付ける

爆竹を鳴らす時の注意事項の三つ目は「後始末に気を付ける」です。

先にも述べた通り、今回使う想定のシーンは、山中での熊との遭遇時です。

このため、爆竹を鳴らした後の後始末など考えている時間の方が少ないかもしれません。

それでも、爆竹の燃えカス、マッチの擦りカスなどは持ち帰る、もしくは、砂をかけて確実に消化してから立ち去るなどの配慮は必要になってくるかと思います。

自分の残してしまった火種が山火事に発展したなんて、後味悪くて仕方ないですよね。

万が一、爆竹を使う機会があったら注意するようにしてください。

このように、爆竹は山中で扱うには少々難があるものということがわかるかと思います。

次の章では、爆竹の代替として利用できるだろうグッツについて紹介していきます。

爆竹の代替として熊よけに利用できるグッツの紹介

それでは、爆竹の代替として熊よけに利用できるだろうグッツを2つ紹介していきます。

それぞれ、爆竹と違って別途火種が不要で、使用後に燃えカスが残ると言ったことが無いので、より利用しやすいものたちになります。

参考にしてみてください。

爆竹の代替として熊よけに利用できるグッツ2選
  • 玩具のピストル
  • 電子ホイッスル

玩具のピストル

爆竹の代替として熊よけに利用できるだろうグッツの一つ目は「玩具のピストル」です。

昭和世代にとっては、懐かしい玩具でしょう。

カネキャップと呼ばれる8発の火薬の詰まったリング型のカートリッジを装着し、トリガーを引くことで、撃鉄が火薬を叩いて音を出す拳銃のおもちゃです。

実際に弾丸は出ないので、小さい子供向けといった位置付けですが、なかなか大きな音がする点や火薬に発火するためのライターなどが不要なことから、お手軽なカラスよけとして渓流釣りに持っていく人もいるようです。

かなり大きな音がするようで、猪退治に使えるといったコメントもあるようです。

猪、退治に使っます。

音が鳴るので猪もビックリして逃げます☆

引用:Amazonカスタマーレビュー

野生の猪まで逃げ出すほどの音が出るということで、熊にも有効だろうと代替グッツに上げさせていただきました。

ピストル&カネキャップ
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電子ホイッスル

爆竹の代替として熊よけに利用できるだろうグッツの一つ目は「電子ホイッスル」です。

こちらは、充電式の指向性のある大音量ブザーといったグッツです。

120dbの大音量が出るとのことですが、普通に暮らしている中でデシベルで音の大きさを聞かれてもピンとこないですよね。

どこかに目安はないかと探してみたところYahoo!知恵袋に回答がありました。

120dBは飛行機のエンジン音くらいと言われています

引用:Yahoo知恵袋

本当に飛行機のエンジン音に匹敵する音が出るなら、熊を含めて野生動物全般逃げ出すだろうと思いましたので、代替グッツの2つ目に上げさせていただきました。

まとめ

爆竹は山での熊よけとして有効なのか

有効。ただし一時的。

爆竹は山での熊よけとしては有効だけど「一時的」とした3つの理由
  • 爆竹は古くから野生動物の追払いに使われてきた実績がある
  • 熊の聴覚は人間よりも優れており大きな音を嫌がる傾向がある
  • 発破音に慣れてしまった熊もいる

爆竹の代替として熊よけに利用できるグッツ2選
  • 玩具のピストル
  • 電子ホイッスル

効果は一時的ですが、爆竹は山で遭遇した熊よけとして有効だという点について述べてきました。

いかがでしょうか。あなたにも納得できる理由になっていたでしょうか。

ただ、有効ではあるのですが、咄嗟のシーンではかなり使いづらいイメージがありますし、木々の多い山中で火気を扱うのはリスク高い行為と思いますので、どちらかといえば、代替の玩具のピストルもしくは電子ホイッスルを用意することをおすすめします。

どちらも、比較的安価で手に入るのでお試しに購入してみるのも悪くないかもしれませんね。

最後に、その他の熊よけグッツをまとめた特集ページがありますので、そちらも読んでいってもらえたら嬉しいです。

それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

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