山行の記録|富士山御殿場ルートは眠さMAXになったので途中バックレしちゃいました

山行

富士山の開山期間は短いです。

例年通りに行くと、今年も9月10日に閉山になることでしょう。

更に、8月末日で運行終了する登山バスもあるので、わたしのように公共交通機関のみでアプローチしている人間からすると、8月末日を過ぎたあたりから山頂に至ることはなかなか厳しくなってきます。

そんな短期間の中でもできるだけ沢山登って置けるように、今週も富士山登頂を目指して御殿場ルートから登ってみることにしました。

結果の方は見事に途中敗退。原因は久々に発症した高山病でした。

何年も発症することなく高所登山をしていたので、勝手がわからずに即決で下山してしまいましたが、発症するとどんな感じか、少しだけ実体験をお伝えできるかなと思います。

この辺りは個人差があるとは思いますが、あなたがまだ高山病にかかった事がない様だったら、どんな感じに症状が出始めるのか、そしてどんな感じにキツくなるのかが少し把握できるかもしれません。

是非、最後まで読んでいってくださいね。

基本情報

まずは、今回の山行についての基本情報です。

山行の基本情報

日付:2022/7/17

天候:雨のち晴れ

エリア:富士山エリア

コース概要:富士急バス「御殿場口新五合目停留所」〜新六合目〜八合目〜大砂走り〜宝永第一火口〜富士急バス「富士宮口五合目停留所」

難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆

交通機関:

(往)JR御殿場線「御殿場駅」から富士急バスで、「御殿場口新五合目停留所」へ

(帰)「富士宮口五合目停留所」から富士急バスで、JR東海道線「三島駅」へ

概要

御殿場ルート(ごてんばるーと)

御殿場ルートは、4つある富士山の主要登頂ルートの中で静岡県側にある登山口の一つです。

全登頂ルートの中で最長の長さを登ることになる難関ルートです。

加えて、道のほとんどがザレた滑りやすい区間となっていて、更に体力を奪ってくれる修行やトレーニングにはもってこいなルートになっています。

詳しくは、主要4ルートをまとめた記事に書きましたので、以下リンクよりご確認ください。

今回の山行上でのポイント

地図上の位置と標高

まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。

また、「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。

ご自由にご活用ください。

合計距離: 14893 m
最高点の標高: 3458 m
最低点の標高: 1431 m
累積標高(上り): 2334 m
累積標高(下り): -1398 m
総所要時間: 08:51:38
Download file: climbing-record-20220717.gpx

歩いた軌跡

続いては、GPSデータを元にした軌跡です。

市販の地図

今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。

本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。

わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。

ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。

5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。

おすすめ展望ポイント

今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。

展望の楽しめたポイント
  • 御殿場八合目
御殿場八合目

今回の山行ルート上での展望ポイントは「御殿場八合目」です。

半分くらい雲に覆われてしまいましたが、駿河湾や西伊豆の海岸線の様子を楽しむ事ができました。

また、見上げた山頂方面には、永遠と頂上まで続く九十九折りと、そこを登るカラフルな登山者たちの様子を確認することができました。

山頂のように山腹に邪魔されないスカッとした眺めとはいきませんが、山腹からでも十分に眺めを楽しめるのは富士登山のとても良いところだと思っています。

ギャラリー

御殿場八合目の山小屋跡からの眺めです。雲多めですが、この日は海への眺望が楽しめました。こちらは駿河湾の海岸線です。
肉眼では、手前雲海の奥に西伊豆の海岸線がうっすら見えていたのですが、写真だとどうでしょう。見えているでしょうか。
足元に宝永山が見えるので、箱根小田原方向になります。雲が晴れれば相模湾も眼下に見えるのですが惜しいことです。
御殿場方面は雲の中ですね。残念です。
北は完全に雲に遮られていますね。奥に積乱雲っぽいのがありますので、下界は雨が凄そうですね。
振り返って山頂方面です。細く見える九十九坂を登れば山頂到着です。目算で1時間といったところでしょうか。

注意した方が良さそうな区間

今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、特にありません。

純粋に体力勝負な区間が続くルートになっています。

50歳を過ぎて、ガッカリしてしまうほど体力減退が進んでしまったわたしにとっては、このルートは結構キツいルートの一つになってしまいましたが、20代、30代の若者たちがガツガツと追い抜いて登って行きますので、体力さえあればパワープレイでなんとかなるルートだと思います。気張ってチャレンジしてみてください。

ただ、下山道の「大砂走り」は登山靴のソールにかなりダメージが入ります。新調した靴で降るのはあまりおすすめはしませんので、その点だけご注意くださいね。

注意した方が良さそうな区間
  • 特になし

今回の山行での服装

今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。

同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。

  • ベースレイヤー:半袖Tシャツ
  • ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
  • アウター:ソフトシェル、レインウェア
  • ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
  • その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋

この日は雲を上抜けするまでの間に土砂降りの雨の中を移動することになりました。

最初からレインウェアを着込んでスタートすべきでしたが、タイミングを逸してしまい、半袖Tシャツに薄手のズボンのままでずぶ濡れになりながら歩くこととなりました。

しかし、雲を抜けてしまえば強い日差しが続き、すぐに乾いた服装で登山再開する事ができました。

場合によっては、生乾きのまま高地に入って冷たい強風に煽られる事態になっていたかも知れず、ちょっと不注意だったかなと反省しています。

七合目を過ぎると予想通り冷たい強風に煽られるようになってきたので、以降はソフトシェルを羽織り活動することとなりました。

交通機関での移動は、半袖Tシャツのみ。今回は電車での行き来となったので、空調も控えめで快適に移動となりました。

以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。

あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。

山行の記録

ここからは、今回の山行について述べていきます。

アプローチ

今回の富士登山、天気予報が一番良さそうだった「御殿場新五合目停留所」からアプローチすることにしました。

「東京駅」からのルートは東海道線沼津行きの始発に乗り込むところから始まります。

そして、しょっちゅう「くにず」と呼んでしまう「国府津駅(こうず)」で御殿場線に乗り換えて「御殿場駅」まで向かいます。

「府」が無いじゃんと思われるかもしれませんが、脳内ではなんでか消えてしまうんですよね。我ながら困ったものです。

さて、「御殿場駅」で下車したら、富士山口側の階段を降りて急ぎバス停に向かいます。

ここで急ぐ理由は、混雑しやすい有人の切符売り場の列になるべく早く並ぶためです。

「御殿場駅」は「御殿場新五合目」「須走五合目」と二つの登頂ルートへ向かうバスが発着する場所となります。そして、二つともに始発時間は7時35分になりますので、この時間帯のバス乗り場はかなりの人が訪れます。

加えて、登山バスは往復チケットを購入する事で、かなりお得に登山口まで移動できるので、事前に往復チケットを購入しようと切符売り場に長蛇の列ができることになります。

恐らく、チケット未購入者がいるのにバスが出発してしまうことは無いとは思いますが、臨時便が出ているのも見たことが無いので、ギリギリの時間になると十中八九立ち乗りになってしまいますので、速やかに並んで座席確保出来るようにすることをお勧めします。

ちなみに、御殿場新五合目を往復するときの価格差は次のような感じです。

  • 片道運賃:1,130円(往復にすると2,260円)
  • 往復運賃:1,570円

概ね、3割引といったところでしょうか。

金融資産ピラミッドの最下層「マス層」の住人たるわたしとしては、これはかなり大きな差額となるので、いつも往復チケットを活用させてもらっています。

そして、違う登山口で登下山する場合はフリーきっぷ(3,200円)というのもあります。

例えば、「富士宮ルート」で登って、帰りは「御殿場ルート」の「大砂走り」を駆け降りたいといった場合には、このフリーきっぷというやつが活用できます。

富士急バスの公式ページを載せておきますので、こちらも参考にオトクな富士登山をお楽しみくださいね。

https://bus.fujikyu.co.jp/news/detail/id/738

また、バスに乗り込む際に検温があり問題なければ検温バンドを腕につけるように促されます。

こいつが結構難物で、一度手首に装着してしまうと片手で外すのは容易ではありません。ハサミかカッターが必要になるレベルでがっちりハマってしまいます。

そこで、手首からギリギリすり抜けるぐらいの輪っかを作って付けておくことをお勧めします。こうしておくと、下山後スルっと外せて面倒が無いです。

最後に、大事な大事なおトイレ事情です。

「御殿場口新五合目」の公衆トイレはなんと無料です。しかも、かなり綺麗なんです。

バス停からは少し降った位置にありますので、出発前に立ち寄っておくと幸せになれます。活用くださいね。

ギャラリー

東京駅から東海道線沼津行き始発に乗って行きます。「国府津駅」での乗り換えをスムーズにするため先頭車両に乗っておきます。
珍しく「東海道線」と点灯させたまま電車が入って来ました。いつもは回送とかなんですけど、運用変わったのかな。
「国府津駅」に到着したら、進行方向にある改札方面へ向い、この階段を降ります。乗り換え時間が5分ぐらいしか無いので、落ち着いて急いで移動してください。
「御殿場線のりば」の案内に沿って3番ホームへと登ります。
左側に停車中の車両が御殿場線です。直ぐに出発するので、まずは車内に入ってしまってから席を探しましょう。ちなみに、御殿場駅の改札は最後尾車両が近いです。
御殿場駅に到着したら、ホームから階段を登ってこの改札を通ります。「東京駅」から来た場合は、自動改札通れないので有人改札側に並んで精算しましょう。精算終わったら、左手「富士山口」へ降りて行きます。
この階段を左に降りるとバスのりばがあります。いや閉山期と比べて、下車する人数ハンパなく増えてます。
バス乗り場にある切符売り場の列です。途中に切符の自動販売機もあるので活用すると捗ります。確か、最初に言語を選んで、次に出てくるメニューの一番下が富士山登山口への切符になります。全て往復チケットになっているみたいなので、フリーきっぷが欲しい場合は有人窓口にまわってください。
「御殿場口新五合目」行きは1番のりばです。既に並んでますね。
天気が良いとここから富士山が見えるのですが、残念無念です。
待つ事なくバスが到着したので乗り込みます。「御殿場新五合目」までの乗車時間は40分。これでも早い方なんですよ。ちなみに「須走口五合目」への乗車時間は1時間あります。立って乗っていくとちょっと疲れちゃうかもしれません。
「御殿場口新五合目」に到着です。新が付くだけに色々綺麗です。因みに、おトイレはこの場所から右手少し降ったところにあります。
登山口に立つ鳥居です。一礼して端っこから潜ってスタートしましょう。

富士急バス「御殿場口新五合目停留所」〜新六合目

それでは、登山口にある鳥居よりスタートして行きます。

まずは、小手調べの整地された砂地の道を進みます。

10分も進むと最初の山小屋「大石茶屋」が見えてきます。

看板を見るにここは宿泊も出来るようですね。

「大石茶屋」を過ぎると、登山道、下山道に分かれて道が伸びて行きます。

新五合五勺「次郎坊」までは、どちらを進んでも大差無いのでしょう。トレラン勢は下山道を使って登っていました。

「次郎坊」からは、下山道が急斜面となるので、素直に登山道から登るのが良いでしょう。

ここから九十九折りのザレた道を淡々と登っていくことになります。

昨年までは、この淡々とした道が七合目休業中の「日の出館」まで続いていましたが、今年からは新六合目「半蔵坊」という山小屋が出来て、少し変化があって登りやすくなった気がします。

初年度だからか、店先には紅白の紐で飾り立てられた大きな草履が掲げてありました。

御殿場といえば、やはり草履ということなんでしょうね。

ギャラリー

登山口の鳥居を潜ってスタートして行きます。まずは、整地された砂地を進みます。
しばらくすると山小屋が見えて来ます。
「大石茶屋」です。ここは宿泊もできるみたいですね。
宿泊の方々でしょうか。ご家族連れの面々が登山の準備をしていました。その間を縫って先に進みます。
ここから本格的に登山道に入って行きます。左の木の階段が登山道です。右の広い道が下山道です。
ここから七合目まで4時間の見積りですが、現在のわたしの登山ペースと大体同じでした。
ここからも細かい砂と小石の道が続きます。
緑の双子山が綺麗です。
写真では青空が見えますが、実はこの時、パンツもびしょ濡れになる土砂降りの中を半袖Tシャツに薄手のズボンという普通の格好で歩いてました。他の方々はレインウェアを着用していましたので、そちらを見習ってくださいますように。
右隣を走る下山道は、トレラン勢がえらいスピードで駆け上がって行きます。あの系統の人々ってほんとヘンタイしかいませんよね。勿論、褒め言葉ですよ。ホントですよ。
お天気が良ければ、この矢印の先に富士山山頂が見えるのですが、雲で隠れてしまっていました。
「次郎坊」手前の分岐です。ここ左に登るときつい下山道に入り込んでしまうのでご注意ください。
地面の様子を撮ってみました。こんな感じにちょっとした砂浜を歩いているイメージです。ええ、あなたの想像通りに、登ってるとかなり疲れます。もーバテバテです。
五合五勺「二郎坊」に到着すると、足元で老夫婦が仲良く座って休んでいました。なんかちょっと羨ましい。
この辺りで標高2,000mです。出発してから概ね1時間で「須走口五合目」と同じくらいの高さまで登ったことになります。
九十九折りの坂道を登っていくと、ようやく、雲を突き抜けました。雲を突き抜け星になるのはジュリーでしたっけ。昭和バンザイ。
振り返って、下界の様子です。雲が視線の下になりました。
見上げると山小屋が見えて来ました。
新六合目「半蔵坊」に到着です。
でっかい草履が御殿場らしさを醸し出していますね。
新六合目からの眺め。半分雲の中でした。
かろうじて双子山の山頂は見えました。よかった。よかった。

新六合目〜八合目

オープン間もない「半蔵坊」を通過した後も、九十九折りの坂道が続きます。

他のルートに比べてザレ場が多い分、体力の消耗が激しいですので適宜休憩を入れつつ進むのが良いです。

途中の六合目山小屋跡から少し登ったところに「鉄ワラジ」がありますが、今回は体力温存のため立ち寄ることなく通過しました。どんなものか気になるようでしたら、次の記事でご確認ください。

六合目を通過して30分ほどで七合目「日の出館」が見えてきます。

ここから七合九勺までは山小屋ラッシュです。

そして、標高3,000mを越えて空気が高山のそれへ変化する場所でもあります。

寒さに備えて上着を着込むなり、高山病に備えて水分補給するなりしてから進むと良いでしょう。

「日の出館」の次は七合四勺「わらじ館」、その次は七合五勺「砂走館」と登っていき、赤土のガレ場に突入してから1時間ほどで七合九勺「赤岩八合館」に到着です。

以前は、ここを八合目と勘違いしていましたが、実際には七合九勺というのが正解で、30分ほど登った先にある山小屋跡地が正しい八合目なんだそうです。

そして、この八合目を通過したあたりから強烈な眠気に襲われます。

前触れは、少し息苦しさを感じたことぐらいでしょうか。その他は、この前の週に須走ルートから登頂した時とほぼ変わりませんでした。

既に山頂も見えており目算で1時間の距離、気合いで登れるかなと思って足を進めてみたのですが、眠気の方が強く意識が飛んでしまうシーンが増えてきました。

そうこうしているうちに、十歩ほど歩いたら休憩入れないと足が前に出ないような状態に陥ってしまったので、このまま山頂に向かって時間と体力を浪費するよりも、余裕あるうちに下山してしまった方が得策だろうと、気持ちを切り替えて下山することとしました。

ギャラリー

新六合目からもザレた道を進みます。
途中ブルドーザー道と交差しますので、間違えて「ブル道」に入らないように。
山頂方面には巻雲というのでしょうか、筋っぽい雲が不思議な模様を描いていました。
だいぶ砂利も浅くなって歩きやすくなった道を進みます。
六合目の小屋跡を抜けると
御殿場六合目の案内が立ってました。後ろにチラ見している鉄棒が「鉄のワラジ」の在処です。今回は体力温存のため(実はバテバテだったので)立ち寄らずにスルーしちゃいました。
ここまで登ると宝永山も足元に見える様になりました。しかしここから見ると海坊主みたいに見えますね。海坊主見た事ないんですけど、イメージです。イメージ。
この辺でもペースが上がらずにチンタラ進みます。年齢による体力の低下をヒシヒシと感じます。
チンタラチンタラ歩いているとようやく七合目の小屋が見えて来ました。
先ほど跨いだブル道を再度跨いでいくと
標高3,000mの高みに到達です。ここから高山地帯に突入です。でも、この時点では全然余裕だったんですよね。高山病、何が原因だったのかなあ。
七合目休業中の「日の出館」前です。意外とここで休んでいる方多かったんですよね。この先の小屋前のベンチ借りればいいのにと思ったものです。
七合目からの眺めです。微かに西伊豆の海岸線が見えてます。いい感じです。
海坊主な宝永山の先には、広大な自衛隊の演習場が見えますね。
御殿場方面は雲の中で
北の方も雲の中でした。今日は北方面はダメっぽいなあ。
次の山小屋は七合四勺「わらじ館」です。
もうすでに見えてますね。
そんな訳で10分ほどでわらじ館に到着です。スイカがソソられます。
シンボルの金庫も健在ですね。そして日の丸が今日も元気にパタパタ旗めいていました。
続いては七合五勺「砂走館」。こっちも直ぐそこです。
着いちゃいました。
この辺りから西方面も少し見えるようになってきます。雲の切れ目から駿河湾の海岸線が見えています。
こちらは西伊豆の海岸線です。太平洋、広いですね。
眼下に宝永山。こうしてみるとやっぱり少し尖っているんですね。
雲の奥に相模湾が見えそうなんですが、もうちょっと高度が上がれば見えるかなあ。
北は安定のわた飴状態でした。
ここからは赤い火山石が目立つガレ場になります。
見上げると、気象庁の中継小屋の先に七合九勺「赤岩八合館」が見えて来ました。
鳥居だったのではと思われる二本の柱の通過して
中継地点まで登ります。
「赤岩八合館」も大分近くなって来ました。あと30分といったところでしょうか。
そのまま登って山小屋であと少しというところで下界を眺めます。
高度が上がって、御前崎と思しき地形まで見えるようになってきました。
太平洋。ホント広大だわー。
西伊豆の海岸線です。これなら分かりやすいですね。
雲の合間から伊豆半島の形もなんとなくわかりそう。どうでしょうか。
小田原方面。相模湾見えてそーなんだけどちょっと厳しいかな。
そして御殿場方面。まーまー見えて来ましたね。
そして「赤岩八合館」前に到着です。時計を見ると14時になっていたので、遅い昼食をとります。もうちょっと早く摂取するつもりだったのですが、こんな時間になってしまいました。
おにぎり二個食べたら先に進みます。
こんな感じの九十九坂を登っていくと
八合目「見晴館」跡地に到着です。
閉鎖中というステータスは廃業とは違うんでしょうか。石組をベンチ代わりに寛ぐ人々が結構いました。
ここからの眺めはこんな感じです。まずは西南方面の駿河湾沿岸の様子です。
こちらは南方面の伊豆半島。
南東方面の相模湾。沿岸部は雲に覆われてますね。地平線ギリギリの薄い陸地はもしかすると房総半島なのかもしれません。知らんけど。
そして山頂に至る九十九坂の様子です。あと1時間は掛からんだろうなーというところでしたが、どうにも動けなくなってしまったので即下山することにしました。

八合目〜大砂走り〜宝永第一火口〜富士急バス「富士宮口五合目停留所」

下山を決めたものの足元はまだ頼りない感じです。

この状態で駆け降りるとコケそうだったので、ゆっくりと半歩ずつヨチヨチ歩きで降りていきます。

そんな隣を、もの凄いスピードで駆け降りるお父さんが、もの凄い勢いで大コケしてかなりびっくりするシーンがありました。

わたしの隣を通過した後、体が斜めになりながら徐々に足が空回りし始めてたので、途中で止まれなくなったみたいです。アレですね、運動会の親子リレーでコケるお父さんの図そのままでした。立ち上がった後にお仲間と談笑していたので大事にはならなかったようでホッとしました。

わたしの方は釣られてコケることもなく、無事に七合五勺「砂走館」まで降ってこれました。

しかし、「大砂走り」に備えて前屈みにゲイターを装着している最中に、今度は頭痛も現れ始めて歩くときの衝撃が頭に響くようになってきました。

このまま「大砂走り」を降るよりも、「宝永第一火口」を経由して富士宮口五合目に降った方が、距離も短いので頭痛に悩まされる時間も少なく出来るだろうと、下山する方向を切り替えて進んでみることにしました。

「馬の背」まで降り、宝永山山頂の分岐はスルーして、「宝永第一火口」の底へ直行します。そこからは、宝永遊歩道を通って「富士宮口六合目」「富士宮口五合目」と降って行きましたが、確かに距離的には短いものの、道中に細かなアップダウンがあり、予想と反して頭痛に優しいルートとはなりませんでした。

特に「富士宮口六合目」から「富士宮口五合目」に降る区間は、一般的な固い地面の下山路でなかなか頭に響く道でした。

これはクッション性の高い「大砂走り」をそのまま駆け降りてしまった方が、楽だったかもしれません。

次回から同様の事態に陥ったら「大砂走り」から「御殿場新五合目」に降るルートを採用することにしようと思います。

それでも、最後には虹を見る事ができたり、帰りのバスにすぐに乗れたりと、ツキに見放される事なく無事に下山することができました。

ギャラリー

どうも足元がおぼつかないので、コケない様にノロノロと降って行きます。
まずは、八合目まで降って来ました。
更にちんたら降って
「赤岩八合館」を通過。
二本の柱を潜ります。
七合五勺「砂走館」まで降ったら、ベンチを借りてゲイターを装着しましたが、屈んだ姿勢を取ったことで頭に血が昇ったのか、このタイミングから頭痛が始まりました。
お構い無しに、スピード上げて降り始めたのですが
頭に響いて痛いので、少しペースダウンです。
そのまま「大砂走り」に突入しましたが
降りながら宝永山方面に降ってしまう方が良いかなと考え直して、そちらの分岐へ進みます。
この辺りはゆっくり通過して
宝永山への分岐に突入します。
こんな看板も設置したのですね。更にわかりやすくなって良きことです。
いわゆるプリンスルートを行くツアー二組とすれ違います。この時点で15時を過ぎていたのでお泊まり組ですね。良きことです。
「宝永馬の背」に到着です。風がとても弱かったのが意外でした。
山頂には寄らずに富士宮口へ直行します。
振り返った山頂の様子。雲に入っちゃいましたね。
宝永第一火口の様子。夕方だからか赤土の赤さが目立たなくなってました。
火口まで降りて
記念に一枚撮ったら、落石が怖いので速やかに先に進みます。
ズキズキな頭には、登り坂もキツイんですよね。鼓動が早まると頭に響くのです。
なので、以降はゆっくり登って、ゆっくり降りてを繰り返して行きます。
折角なので、宝永山の奇景を眺めて
山頂方面も眺めてから先に進みました。良き眺め。良き、良き。
この日は、穏やかなはずの宝永遊歩道すらアップダウンのあるツラい道に感じてしまいました。
鼓動が早まる度に、ドクドクとこめかみ周辺に痛みが広がるのでゆっくり、ゆっくり進みます。
コースタイムに忠実なペースを維持しつつ、山荘まで到着しました。
開山したことで「宝永山荘」開店中です。
「雲海荘」も同じく開店中です。山小屋が開いていると安心感がありますね。
最後のひと区間「富士宮口五合目」までの降りを進みます。
頭ズキズキさせながら硬い地盤の降り坂を降って行きます。
ゴール手前のおトイレが見えて来ました。
おトイレを通過して更に降ると
有名な「富士山表口五合目」の看板がありました。これで、もう勝ったも同然ですね。
車道まで降って、Uターン気味に進みます。
と、その前に。案内所のお父さんが、虹が見えてるよと教えてくださって、運よく眺めることができました。
しばし虹を眺めたら、バス停にある方へ向かいます。
見上げると雲がかかった山頂の様子も見えました。
バス停の上方までくると、一台バスが停まっています。エンジン掛かっているみたいだったので頭痛いのをガマンして階段を駆け下ります。
交通整理のお兄さんに「三島駅」行きだと教えて貰い、ゲイターも脱がずにまずは席確保のため乗り込みました。その後も何人か乗り込んできましたが、しっかり座って、ひと眠りしながら駅まで戻ることができました。
「三島駅」についてみたら薄暗くなっていましたが、お風呂に入れる時間はありそうです。「熱海駅」で途中下車して汗を流してから帰ることにしました。

おまけ

今回は急遽「三島駅」から帰ることにしましたので、熱海駅で途中下車して良く使わせてもらっている「駅前温泉浴場」に立ち寄ってから帰ることにしました。

熱海駅で途中下車することになりますが、ここで一度降りておくと、JR東日本、JR東海の管轄を跨がなくなり、以降東京方面の駅では自動改札が使えるようになってくれます。

そして「駅前温泉浴場」ですが、名前の通り「熱海駅」からは歩いて5分もかからない位置にありとても利便性の高い施設です。

地元の方がメインの公衆浴場みたいな施設なので、建物は古いし、湯船も小さいですが、ちゃんとした温泉なのに、入浴料が500円(2022年7月現在)と破格な点が一番の魅力です。

据え置きの石鹸やシャンプーは無いので、フロントで追加購入する必要はありますが、それら含めても600円で熱海の熱いお湯に浸かれる場所はちょっと他に無いと思います。

めちゃめちゃ熱い湯船を、でかい蛇口からドバドバに出る水道水で薄めて入るというスタイルも、昔ながらに豪快ですごく気持ち良いんです。

小綺麗なスーパー銭湯も良いですが、こんな感じの銭湯もたまには良いものですよ。

熱海に立ち寄る機会があったら、是非、一度赴いてみてくださいね。

ギャラリー

いつもお世話になっている「駅前温泉浴場」に寄り道です。地元のお子様達と一緒でしたが、皆、カラスの行水ですぐに居なくなったので、あつーい湯船を占有して、頭痛を吹き飛ばしてから帰路に着きました。
熱海駅からは、高崎線乗り入れの便が出ているのでわたしの家の最寄駅まで乗り換え無しで行けちゃうのがとても助かります。この日もウトウトしながらも、無事に家まで辿り着ことができました。お疲れ様でした。

まとめ

富士山御殿場ルート敗退の様子でした。

わたしの今回の例だと比較的軽症でしたが、重度の高山病では行動不能に陥ることもあるらしく、なかなか厄介な病のようです。

帰った後に調べてみた感じだと、対処方法は高度を下げて酸素の濃い地点に戻ることらしいので、結果的に今回の判断で間違っていなかったようです。

この日、このタイミングでしか味わえない感情、見る事ができない風景というのは確かにありますが、体調不良をおしてまで継続する必要はありません。

リベンジを誓って、準備することもまた楽しいひと時となりますので、登山の最中に何か体に異常を感じたら大事に至らないうちに、下山する決断を取っていただければ幸いです。

寧ろ、こんな時はパパッと予定変更して下山を決められる方がカッコいいと思いますよ。

最後に、おさらいの意味を込めて、高山病について予防と対策もまとめてみました。一緒に復習になったら嬉しいです。

それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

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