12月初旬、都内の紅葉名所もそろそろ落葉が始まる時期です。
伊豆方面の紅葉も見頃を過ぎて、徐々に枯れ木が目立ち始めましたので、今年最後の紅葉狩りに益山寺(ましやまでら)の大きなカエデとイチョウを眺めにいってきました。
昨年初めて行った時に眺めた一面真っ黄色な景色が忘れられず、今年も再訪してみました。
その後はお隣の伊豆三山を縦走して、あわよくばそちらの紅葉もと考えていたのですが、こっちの木々は落葉始まっており、半数は落葉してしまっていました。
もしあなたが、11月は諸事情で動けず、ピーク到達の比較的遅い伊豆で最後の紅葉を狙ってみようと思っているようでしたら、状況把握の参考になるかと思います。
是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2022/12/3
天候:曇り時々晴れ
エリア:伊豆エリア
コース概要:伊豆箱根鉄道駿豆線「大仁駅」〜雄飛滝〜益山寺〜発端丈山〜城山〜葛城山〜伊豆箱根鉄道駿豆線「田京駅」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)伊豆箱根鉄道駿豆線「大仁駅」からスタート
(帰)伊豆箱根鉄道駿豆線「田京駅」から帰路へ
概要
益山寺(ましやまでら)
益山寺は、静岡県伊豆市堀切にある標高300mの益山という山の山頂にある真言宗のお寺です。
境内の中央には、静岡県で一番大きいとされている大カエデが生えていて、11月下旬から12月中旬にかけて見事な紅葉を見せてくれます。
お隣には、大カエデに負けないくらい大きなイチョウも生えているので、ピーク時には赤と黄色がいっぱいの素敵な境内となります。
訪問する人も少ないので、静かに紅葉を楽しむにはとてもおすすめなスポットなので、喧騒が苦手でしたら訪れてみてください。きっと気に入ると思います。
今回は紅葉のピークを少し外してしまったようなので、ピーク時の様子は、昨年の記事にてご確認ください。
伊豆三山(いずさんざん)
伊豆三山は、伊豆半島の北部にある城山(じょうやま)、葛城山(かつらぎやま)、発端丈山(ほったんじょうさん)という3座の山々の総称です。
標高452mの葛城山を最高峰にすべて500mに満たない低山ですが、それぞれの山頂からの眺めは秀逸で、次のような眺望を楽しめます。
- 城山:眼下を流れる狩野川と大仁の市街地の様子や、天城山、箱根の様子を楽しめます。富士山もギリギリ確認できる位置なので、天気の良い日は確認して見てください。
- 葛城山:山頂には物見櫓のような展望台が設置されていて、その上から360度の展望が楽しめます。特に富士山方面への眺めが絶景で、沼津アルプスの山々の先に沼津市街地、そして愛鷹の山々を経て富士山に至る眺望は「一見の価値あり」です。
- 発端丈山:眼下の内浦湾とその先に広がる駿河湾や、西伊豆につながる金冠山や達磨山の様子、そして対岸の富士山、お隣の葛城山山頂への眺望などが楽しめます。
伊豆三山については、何度も登っているので、過去の山行記録も見てもらえたらと思います。
雄飛滝(ゆうひたき)
雄飛滝は、静岡県伊豆市堀切にある落差30m規模の滝です。
柱状節理(ちゅうじょうせつり)と呼ばれる、ブロック状の筋が入った岩の間を水が落ちることで、様々に水筋が変化する目に楽しい滝になっています。
駅から歩くとなると1時間ほどの車道歩きが必要なので、なかなかお手軽とは言えない場所ですが、その分、ゆったり静かに滝の流れる音を楽しめますので、ゆっくりとした休日にでも訪れてみてくださいね。
また、滝壺の脇には、動明王像が祀られていますが、小さな橋を渡った反対岸にあるので、ご挨拶する際には足元にはご注意ください。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 450 m
最低点の標高: 11 m
累積標高(上り): 1449 m
累積標高(下り): -1462 m
総所要時間: 07:39:22
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
- 雄飛滝
- 益山寺
- 発端丈山山頂
- 城山山頂
- 葛城山山頂
雄飛滝
今回の山行ルート上の展望ポイントの一つ目は「雄飛滝」です。
こちらは展望ポイントというよりか紅葉スポットになります。
滝壺から見上げる滝の様子も素敵でしたが、秋のこの時期は周辺の紅葉たちも良い感じに色付いて素敵でした。
今回はちょっと散り際に入ってしまっていたようなので、次回はピークを狙って再訪してみたいなと思います。
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益山寺
今回の山行ルート上の展望ポイントの二つ目は「益山寺」です。
こちらも展望というよりも紅葉スポットですね。
境内の丁度中央にある、片方に大きく腕を広げたような大カエデと、高く空に伸びる大イチョウが、赤と黄色のコラボを演出してくれます。
大カエデの紅葉も見事なのですが、わたし個人としては、秋のこの時期特有の大イチョウの下に広がる黄色い空間がとても好きです。
今回は先客がいらっしゃったので、さらっと眺める程度になってしまいましたが、それでも素敵なひとときを楽しめました。
注意点としては、あくまでもお寺の境内なので、大声で談笑したり歓声を上げるような場所ではないという点でしょうか。
ゆっくり静かに鑑賞できると良いですね。
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発端丈山山頂
今回の山行ルート上の展望ポイントの三つ目は「発端丈山山頂」です。
ここからは、いつもどおり眺めのよかった場所になります。
発端丈山頂は、かつて南北朝時代には三津城(みとじょう)という山城が作られていた展望に優れた場所です。
前出したとおり、次のような眺めが楽しめます。
- 東方面:葛城山山頂の様子。
- 西方面:内浦港とその先に広がる駿河湾の様子。
- 南方面:木々が邪魔で展望なし。ぎりぎり、天城の山への眺望がかすっている感じ。
- 北方面:正面に富士山。これだけで十分。十分。
山城を作るのに平地にならされたのか、滞在しやすいたいらな広場になっていますので、レジャーシートを広げてのんびりするなり、座りやすい大石を探して腰を下ろすなりして、展望を楽しむには良い場所です。
特に海への眺めが好きなようだったら、絶対気にいると思うので訪れてみてくださいね。
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城山山頂
今回の山行ルート上の展望ポイントの四つ目は「城山山頂」です。
城山は、東側の切り立った岩壁が特徴的な山で、山頂も東方面への眺望に優れた場所となっています。
その分、他の三方への眺望はイマイチで、西方向においては全く眺望がありません。
そんな極端な場所ですが、東方面に限っては絶景で、眼下を流れる狩野川とその周辺に発達した大仁の街並み、視界の隅にかろうじて入っている富士山、箱根、天城の山々を眺めることができます。
非常に小さい空間なので、多くの方が滞在するのには不向きです。
後続の方が現れたら、場所を譲るなどしてサッと来て、サッと帰るようにできるとよいかと思います。
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葛城山山頂
今回の山行ルート上の展望ポイントの五つ目は「葛城山山頂」です。
葛城山山頂は、伊豆パノラマパークというレジャー施設エリアになっていて、展望に優れたスポットが数多く存在しています。
主なスポットとしては次のものがあります。
- 山頂展望台:三角点の隣に設置されている見晴台。富士山はもちろんのこと、360度全方位に展望優れたスポットです。
- 碧テラス:ロープウェイの山頂駅正面ある広場。富士山への眺望に優れていて、人工的な逆さ富士をたのしめるよう、広場中央に長い水盤が設置されています。
- さえずりの丘展望台:山頂を挟んで碧テラスの反対側にある展望台。こちら側からは、眼下の大仁田市街地の奥に、天城山、天城峠、達磨山、金冠山といった、伊豆中部の山々が一望できます。
- 幸せの鐘:恋人とならすと幸せになれるとかいう鐘の設置されている場所。ここでも富士山を正面に望むことができます。富士山を眺めながら二人で鐘を鳴らすとかロマンチックですよね。
非常に人気のあるエリアなので、お天気に恵まれた日は大変混雑するのですが、展望抜群であることには変わりありません。
また、ロープウェイは片道乗車も可能です。山頂駅で係の方に言えば、片道切符を販売してくれます。
これをうまく使えば、夕暮れの紅富士を楽しんだ後、ロープウェイで降ってしまうということも可能です。
ただし、ロープウェイは普段17時台には営業終了しますので、乗り遅れのないように注意する必要があります。
関連リンク
伊豆パノラマパークについては、公式HPをご確認ください。
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今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:ソフトシェル、レインウェア、薄手フリース
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
今回の山行のコンディションは次の通りでした。
- 天候:曇り時々晴れ
- 気温:登り始めから10度前後の暖かい気温。下山時も同じくらいの気温を維持してました。
- 活動場所:標高500m未満
今回も日中の格好は半袖Tシャツのままとなりました。
先週の奥多摩と同じくらいの気温でしたが、日差しがあって暑いぐらいでした。
ただ、葛城山山頂のレジャー施設内の人々はコートやダウンジャケットを羽織っていたので、体を動かさないと寒いんだろうと思います。
下山後は、日差しもなくなり肌寒さを感じるようになったので、薄手の長袖Tシャツとフリースを重ね着して過ごしました。
天気予報では寒いと言われていましたが、伊豆に関してはそうそう寒くはならないのかもしれませんね。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
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山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、伊豆箱根駿豆線大仁駅から車道を進んで「益山寺」へ入り、そこから伊豆三山の縦走路に繋げるプランとしました。
大仁駅までのアプローチは、次のとおりです。
- 東京駅からJR東海道線で「三島駅」へ
- 「三島駅」から伊豆箱根駿豆線に乗り換え、「大仁駅」へ
途中のおトイレは、「三島駅」「大仁駅」それぞれにあります。
「三島駅」のおトイレは駅の構外にも構内にもありますが、「大仁駅」のおトイレは、駅の構内にしかありません。忘れずに立ち寄ってから改札を出ると良いでしょう。
そして、「大仁駅」の駅前広場には誰でも無料で使える足湯があり、その周辺に椅子が設置してあります。
これらをお借りすると、身支度も楽にできるかと思います。
色々準備できたら出発しましょう。
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伊豆箱根鉄道駿豆線「大仁駅」〜雄飛滝
「大仁駅」を出発したら、東芝テック工場を通過して狩野川大橋を渡ります。
橋を渡ったら、狩野川記念公園前から堀切方面へ折れて進みます。
道なりに30分ほど進むと、堀切新田と書かれたバス停が見えるので、そこから少し進んだ先にある分岐を折れて小山田川沿いを遡行していきます。
そこからまた30分歩くと、今度は「雄飛滝」と「益山峠」への分岐に突き当たります。
それぞれ片道20分程度なので、まずは「雄飛滝」方面へ向かいます。
普通の車道を登っていくと、何も無い道端に「雄飛滝」と書いてある案内が立っていて、下の方にうっすらと滝が見えてきます。
そこが「雄飛滝」となります。
車道から滝壺に降りるには、滑りやすい階段道を降りる必要があるので転ばないよう注意しつつ降ってください。
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雄飛滝〜益山寺
「雄飛滝」の滝壺でマイナスイオンを浴びたら、来た道を分岐まで引き返して「益山寺」へ向かいます。
意外と急な坂を登っていくと、徐々に民家が減っていき「益山寺」へ到着します。
おそらく、大カエデと大イチョウは境内に入ったら一発でわかるでしょう。
二本並んで正面石階段の先に立っていますので、階段の下や階段の上から眺めて、光の加減が良さそうなところで記念撮影していくと良いでしょう。
二本の巨樹の間を通過したら本堂があります。
一礼一拝でご挨拶したら、右手に向かうと伊加麻志神社(いかましじんじゃ)があります。
こちらの本堂の先に伊豆三山の縦走路があります。
神社に向かってご挨拶して、そのまま縦走路に向けて登っていくと効率が良いでしょう。
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益山寺〜発端丈山
「益山寺」境内を後にしたら、穏やかな傾斜のトラバース道を登って伊豆三山の縦走路に合流します。
まずは一番近いピーク「発端丈山」へ向かうことにして左折して尾根筋を登っていきます。
2、3のアップダウンを繰り返していくと、人影がチラつくピークが見えてきます。
そこを登り切ると「発端丈山」の山頂となります。
南を除いた三方に開けた、とても開放感のある山頂です。
しばし眺望を楽しんでから、次のピークに向かうこととします。
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発端丈山〜城山
「発端丈山」の次は、順当にいけば「葛城山」なのですが、毎回それだと飽きが来るので、今回は先に「城山」へ向かってみることにします。
途中の「葛城山」への2つの分岐を共にスルーして直進します。
一度、車道に出て、また山道に戻ってから30分ほど進むと「城山」山頂への分岐が見えてきます。
ここから山頂方面にむかい、15分ほど歩くと「城山」山頂に到着です。
おそらく直下の岩壁を登ってきているクライマーたちの掛け声を聴きながら、しばし眺めを楽しんだら、今回最後のピーク「葛城山」へ向かいます。
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城山〜葛城山
「城山」山頂から最初の分岐に戻り、今度は来た道を逆走して進んでいきます。
車道を通過して、葛城山背面登山口の案内が見えたら、そちらへ折れて登っていきます。
ここは、今回の山行での核心部になるだろう区間で、骨のある急坂が30〜40分続きます。
かなりきついので、木の根っこや岩などを掴みながら全身運動で登ると安定するでしょう。
急坂を登り切ると、パラグライダーの離陸場に到着します。
ここからの眺めも素晴らしいので、一瞬立ち止まって楽しんでいくとよいでしょう。
その後、木々の中をガイドロープに沿って進むと「葛城山」山頂施設の敷地に到着です。
以前はボードウィーク付近からの侵入になった記憶があったのですが、今回は「幸せの鐘」の柵外からの侵入となりました。
その後は、ボードウィークで半分だけ残った紅葉を楽しんでから、山頂の展望台へ登り展望を十分楽しんだら、一番近い駅となる「田京駅」へ向かって降っていきます。
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葛城山〜伊豆箱根鉄道駿豆線「田京駅」
「葛城山」山頂から、アスレチックエリアを抜けて山道に戻ります。
ロープウェイの下を潜ってしばらく降ると、車道と合流するポイントに降りてこれます。
ここからは車道を永遠と降っていくことになります。
安定したアスファルトなので、ちょっと早足で降ってしまっても良いでしょう。
30分ほど降っていくと、みかん園が見えてきて、さらに降ると大門橋まで降りてくることができます。
ここまで降りてしまえば、あとは街中の道です。迷う心配も無く「田京駅」まで到着できることでしょう。
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おまけ
今回の伊豆山行もお風呂は熱海に寄り道していくことにしました。
いつも通り「駅前温泉浴場」に入ってみると、かなりの混雑っぷりで洗い場もいっぱいでびっくりな状況だったのですが、たまたまそのタイミングだけだったようです。
一山越えたら普段通り地元の方と2名だけみたいな状況になってくれましたので、ぬるくなった湯船にドバドバ高温の温泉を足してあっついお風呂を楽しんで帰宅しました。
熱海といったらやっぱり熱湯風呂ですよね。
「熱海駅前温泉浴場」については、別の記事に詳しくまとめてます。よかったら、こちらも併せて読んでいってくださいね。
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まとめ
紅葉も見納め時期に訪れた伊豆の益山寺と伊豆三山の様子でした。
伊豆は関東よりも南に位置しているからか、紅葉のピークが遅いです。
12月に入っても、まだ楽しめるスポットが残っています。
もし、お仕事などの都合で11月に紅葉を楽しめなかったということでしたら、伊豆界隈の紅葉スポットを確認してみてください。
意外なところに見頃マークが残っているかもしれませんよ。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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