これから登山をしたいと思い立ったとき、まず最初に知っておくべき事柄に必要な登山装備というのがあります。
どんな装備があり、そのなかで何が必須装備なのかというのを事前に把握しておくことができれば、山中で起こるアクシデントへの対応も容易になってきますし、無駄な装備に手を出すことも少なくなるので、出費を抑えることにも繋がります。
この記事では、関東圏の2,000m未満の低山に登ることを想定したときに必要となってくる装備を重要度の高い順に紹介します。合わせて、季節別の分類というのもしてみますので、あなたが最初に赴こうと思っている季節に合わせて、どんな装備が必要になるか把握するのに役立てていただければ幸いです。
登山装備を重要度別に分類するとどうなるか
それでは、登山装備を重要度の高い順に、必須装備、推奨装備、任意装備の3つに分類します。
まず一覧で示した後、それぞれ内訳を解説していく流れでいきます。
必須装備の紹介
まずはじめは、登山をするにあたり必ず必要となる必須装備の紹介です。
並べると次のような装備になります。
- 行動着
- レインウェア
- ザック
- 登山靴
- 水筒
- 地図&コンパス
- ヘッドライト
- 通信機器
行動着
山に持っていく必須装備の1つ目は「行動着」です。
裸で山の中を歩き回るわけにもいかないので、必須なのは当然ですが綿の服装は避けるようにして下さい。登山では汗を大量にかきますので、すぐに乾かない綿製の服だと汗冷えしてしまいます。
汗冷えは、体温を急激に奪ってしまい、悪くすると低体温症を発症してしまうかもしれません。そうなったら即遭難となってしまいますので、行動着は必ず速乾性の高い化繊のものを使って下さい。
レインウェア
山に持っていく必須装備の2つ目は「レインウェア」です。
山の天気は変わりやすいと言いますが本当にそうです。麓では快晴だったのに山中を歩いているうちに雨模様に変ってたというようなことが普通におきます。
また、山中は足場が不安定なので傘を指すことで片手が埋まってしまう状況もできれば避けたいですし、傘をさしたまま狭い山道を人とすれ違うと危ないですので、レインウェアを必ず持って行くようにしましょう。
そして、山で使うレインウェアはちょっと高いですが、透湿性の高いゴアティックス製にしておくと、汗抜けして、身体が冷えることを防げます。
この辺りにも考慮すると良いです。
ザック
山に持っていく必須装備の3つ目は「ザック」です。
登山は自前で持っていく装備が多くて、重量がかさみます。
ショルダーバックでは、紐が肩に食い込んで苦痛です。両肩や腰に重さを分散できるザックを持っていくほうがよいです。
タウンユースのもので代用も可能ですが、丈夫さに不安がありますし、背中の通気性に難がありますので登山用のものを新調したほうがよいでしょう。
そのときは、20~40Lぐらいの中型ザックにしておくと、今後さまざまな季節に登山をしたくなったときに対応しやすいですよ。
登山靴
山に持っていく必須装備の4つ目は「登山靴」です。
山道は、岩場があったり、背丈の長い笹草が映えていたり、泥濘んでいたりと何かと不安定です。
このようなコンディションの場所を歩くのに、靴底の薄いスニーカーでは足元を安定させるために無駄な筋肉が使われて疲れてしまいます。
厚底で踝まで保護してくれるハイカットタイプの登山靴で挑むようにすると良いでしょう。
水筒
山に持っていく必須装備の5つ目は「水筒」です。
登山に限らず、人間が生きていくために飲料水は必須です。水が飲めない状態が3日続くとその人は死んでしまうとも言われています。
例え2時間程度で帰ってこれるような登山ルートに臨む場合でも、水筒は欠かさず持っていきましょう。
また、購入したペットボトルの飲料をそのまま持っていくでも十分ですが、魔法瓶タイプの水筒もおすすめです。
このタイプは長時間水温を維持できるので、寒い時期には温かいお茶、暑い時期には冷たい氷水などを持っていくことができるようになります。
山頂でお気に入りのお茶を飲みながらゆっくりするのも、なかなか良いものですよ。
地図&コンパス
山に持っていく必須装備の6つ目は「地図&コンパス」です。
最近はスマホで実行できるナビアプリの精度が上がってきて、山行にも十分耐えられるものが多数出回ってきています。
これらのナビアプリを活用すれば、山行中に地図を読む必要もなく自分の現在地を常に把握しておくことができますが、それもスマホが正常に稼働できているうちです。
故障や電池切れで動かなくなった場合に備えて、紙媒体の地図とコンパスは欠かさずに持っていくようにしてください。
ヘッドライト
山に持っていく必須装備の7つ目は「ヘッドライト」です。
ザック、登山靴、レインウェアの3種類の装備は、登山に必須な三種の神器なんて言われたりもしますが、ヘッドライトも必須装備として忘れてはいけません。
ヘッドライトがあると、たとえ日が暮れたとしても自力で下山ができるという安心感を得られますので、例えばなんらかのトラブルで下山時間が遅れてしまったとしても焦ること無く行動できます。
人間焦りが生じると、視野が狭まってトラブルを多発してしまうものです。
山中常に平常心を保っていられるようヘッドライトも忘れずに持っていくようにしましょう。
通信機器
山に持っていく必須装備の8つ目は「通信機器」です。
ここでいう通信機器とは、携帯電話やスマートフォン、携帯用アマチュア無線機を指します。
これらを持っていると、いざというときに救助要請ができるという保険となります。
予備電池や充電器と合わせて必ず持っていくようにしてください。
推奨装備の紹介
続いては、登山をするにあたり持っていくとなにかと重宝する推奨装備の紹介です。
並べると次のような装備になります。
- 防寒着
- 医療品(薬、絆創膏など)
- 非常用品(エマージェンシーシート、ホイッスル、細引きなど)
防寒着
山に持っていく推奨装備の1つ目は「防寒着」です。
山は標高が高いこともあり、平地に比べれば気温が低めなので防寒着を1枚持っていくと、肌寒さを感じた時に重宝します。
特に汗抜けの良いフリースであれば、休憩中だけでなく移動時のアウターとして使うこともできますので、ザックの容量に余裕があれば1枚入れておくと重宝します。
医療品
山に持っていく推奨装備の2つ目は「医療品」です。
胃腸薬、総合感冒薬、傷薬を1まとめに救急パックに入れて持っていくとバラけなくて良いでしょう。
他にも目薬や湿布など、道中必要と感じるものを付け足していくと良いでしょう。
非常用品
山に持っていく推奨装備の3つ目は「非常用品」です。
これは必須装備に含まれるかもしれませんが、緊急事態に備えるための装備たちになります。
怪我や体調不良でビバークを強いられた場合に備えてエマージェンシーシートと、滑落して肺や喉を損傷してしまって大声が出せない時に備えてのホイッスル、そして様々な用途に使える細引きをザックの奥に常に入れておくと安心です。
少し値段はしますが、ソロ用のツェルトもあると万が一のときの生還率が格段にあがります。
お財布と相談しつつ、購入検討するのもよいでしょう。
任意装備の紹介
最後に、登山するときに無くても別に困りはしないけど、有ったら便利だなという任意に持っていく装備の紹介です。
並べると次のような装備になります。
- インソール
- トイレットペーパー
- 傘
- レジャーシート
- カメラ
インソール
無くても別に困らないけど、有ったら便利な任意装備、1つ目は「インソール」です。
インソールとは、登山靴の中敷きです。
もともと登山靴には中敷きが敷いてあるので、インソールが無くても歩くことに支障はでません。
ただ、自分の足に合ったインソールを使うと、歩くときの姿勢が矯正されて疲労度を大きく減らせたり、膝痛が治ったりとプラスに働くことが多いです。
逆に、自分に合っていないインソールを使ってしまうとマイナスに働いてしまうので、最初のうちはショップスタッフに相談して選ぶと安心です。
トイレットペーパー
無くても別に困らないけど、有ったら便利な任意装備、2つ目は「トイレットペーパー」です。
トイレットペーパーの用途は細引きと同じく様々で、本来の用途以外にも、ティッシュの代わりに鼻をかむのに使ったり、食事後の食器を拭うのに使ったりと、もっていけば色々と重宝します。
芯を抜いてジップロックの袋に入れて持っていくと良いでしょう。
傘
無くても別に困らないけど、有ったら便利な任意装備、3つ目は「傘」です。
これは山中で使うのではなく、登山口までの移動しているときに雨に出くわしたとき用の折り畳み傘になります。
雨のときには、街中でもレインウェアを着るでも全然差し支えはないですが、雨に濡れたままのレインウェアで混雑している電車やバスに乗り込むのにはちょっと抵抗があると思います。
こんなときのためん、軽くて小さい折り畳み傘を1本持っていると役に立つこともあるでしょう。
レジャーシート
無くても別に困らないけど、有ったら便利な任意装備、4つ目は「レジャーシート」です。
このレジャーシートは、100円ショップにおいてある1人用のビニールシートのことで、休憩時に広げることで、靴を脱いで休むことができます。
夏場にガッツリ歩いた後などには、靴を脱いで楽になりたいものです。重さも微々たるものですし、一枚持っていってもよいでしょう。
カメラ
無くても別に困らないけど、有ったら便利な任意装備、最後は「カメラ」です。
風景や山行の記録を残すためにカメラを持って登山に来る人は多いです。
わたしはスマホについているカメラで十分事足りてますが、凝った人だと一眼レフの重いカメラを担いで登ってきたりしています。
この装備こそ、無ければ無いで済んでしまいますが、何気なく山行の風景をカメラに納めているうちに別の楽しみを発見できるかもしれません。
もし、興味があればスマホのカメラから使いはじめてみても良いでしょう。
ただ、カメラは「底なし沼」とも聞きますし、ハマりすぎにはご注意くださいね。
登山装備を季節別にわけるとどうなるか
ここまで、登山に必要な装備を必要度の高い順に解説してきましたが、オールシーズン通して、毎回同じで良いというわけでもありません。
季節ごとに持っていく装備に違いがでてきます。
それぞれの季節ごとに必要となる装備については、別の記事にまとめていますので、必要により以下の記事から確認いただければと思います。
まとめ
関東圏の低山を対象とした山で必要となる装備について述べてきました。
今回の記事で、登山用の装備の中で、どんな装備が必須になるかわかってもらえたかと思います。
すべてを一度に揃えるというと高額となってきてハードルが上がってしまうので、さまざまな山に登りつつ少しずつ装備を充実させていくのが良いでしょう。
もし、全部の装備を揃えたらいくらぐらいになるかという点に興味があるようでしたら、以下の記事が参考になるかと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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