春夏秋冬、いろんな季節の山に登ってみると雪山にも挑戦したくなってきますよね。
でも、いきなり冬の八ヶ岳や北アルプスなんかに赴くのは自殺行為です。まずは、標高の低い山で雪の積もった山道についての経験を積んでみるのはいかがでしょうか。
この記事では関東圏の2,000m未満の低山を対象に、雪の積もった山に登るときに必要な基本装備や服装について紹介していきます。
雪山での基本装備
それでは最初に、雪の積もった低山に登るときの基本装備についての解説です。
まずは、必要な装備の一覧を示した後、カテゴリ毎に詳しく述べていきます。
ザック
まずはじめは、春先や秋口に背負っていくザックについてです。
これは30L~40Lぐらいの中型ザックを推奨します。
雪が積もるような時期は、フリースやダウンジャケットなどかさばる防寒着が増えますので、10L級の小型ザックでは窮屈です。
このような状態だと、休憩時のものの出し入れに手間取って余計な時間がかかってしまいます。
いつでも素早く動けるように大きめのザックを使うようにすると良いです。
足回り
足回りについては、無積雪期と同じハイカットの登山靴を推奨します。
保温材入りのアルパイン仕様となっている登山靴もありますが、低山ではむしろ暑くなりすぎるので不要です。10本刃や12本刃といった本格的なアイゼンやピッケルもオーバースペックです。
雪の高山へのリハーサルということでも無い限りは、刃が低く靴底が安定するチェーンスパイクを準備するのがよいでしょう。
水筒
水筒は、500mlサイズの魔法瓶タイプにするのが良いです。
この時期は、ペットボトルを裸でザックの外にくくりつけていると凍って飲めなくなる恐れがあります。凍らなかったとしても、キンキンの冷水状態になってしまい飲みづらくなるので、平温を保っておける魔法瓶タイプの水筒で赴くことをおすすめします。
小物
小物の中で、雪山のために追加するものは「サングラス」と「使い捨てカイロ」になります。
低山であっても、雪の積もった稜線に出ると照り返しにあいます。
ルートによっては、長期間の照り返しで雪目になってしまう恐れがありますので、サングラスを忘れずに持参しましょう。
使い捨てカイロは、停滞してしまったときの保険に持っていくとよいでしょう。
電子機器
雪山でもヘッドライトは必須装備です。
他の記事でも散々説明してきているのに敢えてここでも述べるのは、それだけ大事な装備なんだという風に受け取ってもらえたら幸いです。
雪の降る時期は、他の季節にも増して日が落ちる時間が早いです。
人工の灯りなんてどこにも無い山の中で日が落ちてしまうと、ほとんどの場合は暗闇の中に取り残されることになります。
こうなってしまうと、山中で一夜を過ごすことになってしまい、次の日の予定が大きく狂うことになります。
そんなときに、ヘッドライトがあれば日没後にも自力下山が可能になってきますので、リスク回避のために必ず持っていくようにしてください。
加えて、日頃からちゃんとライトがつくことを確認すること怠らないようにしましょう。
医療品
医療品については、胃腸薬と感冒薬、傷薬と絆創膏を一つにまとめてた救急パックの他に、雪焼けへの対策として日焼け止めを持っていくとよいでしょう。
非常用品
非常用品についても、他の季節の登山と同じ装備になります。
停滞用のエマージェンシーシートに、救援用のホイッスル、その他突発事項に対応するための細引きを忘れずにザックに常備しておきましょう。
雪山でのレイヤリング
続いては、雪の積もった低山でのレイヤリングです。
当然ですけれど、雪の積もるこの時期はかなり寒いです。風が出ているとぐんと体感温度が下がり、更に寒くなります。加えて、山までの移動時も普通に寒いので、フリースやダウンジャケットだけでなく、厚手の帽子や手袋も準備するとよいでしょう。
詳しくは、次の記事にまとめて載せているので一緒にご確認ください。
雪山で注意すること
最後に、雪の積もった低山での登山で注意しておく点についても述べておきます。
雪目に気をつける
雪の積もったの低山での登山で注意しておく点の1つ目は「雪目に気をつける」です。
前章でも述べましたが、低山であっても一面雪の積もった稜線などでは日光の照り返しによって紫外線の強度が増します。
そのような場所に、裸眼のまま長時間滞在していると眼球が焼けてしまい雪目を発症するかもしれません。最悪の場合、目が痛くて開けていられないといった状態になるかもしれません。
予防策としてサングラスをつけるようにすると良いでしょう。
日焼け止めを忘れない
雪の積もったの低山での登山で注意しておく点の2つ目は「日焼け止めを忘れない」です。
スキーのときと同じく、雪の積もった山では日焼けします。
日焼けは火傷の一種です。ひどいときはめまいやだるさから停滞を余儀なくされるかもしれません。
なによりも、部分焼けにしかならないので見栄えが悪いですので、日焼け対策を忘れずに行うようにしましょう。
トレースの無い場所では慎重に行動する
雪の積もったの低山での登山で注意しておく点の3つ目は「トレースの無い場所では慎重に行動する」です。
関東の低山なら、ほとんどの場合トレースがあるとは思いますが、早朝立ちしたりするとトレースの無いシーンに出くわすかもしれません。
最初の足跡を自分でつけるというのは、なかなか興奮するものですが、できるだけ慎重に足を運ぶようにしてください。
特にしっかり雪が積もっていて地面が見えない場合、場所によっては隠れていた空洞を踏み抜いて足を取られたり、雪の中に埋もれていた木の根に滑って転んでしまうかもしれません。
そういったことで足を掬われたりしないように慎重に行動するとよいでしょう。
まとめ
関東圏の低山を対象に、雪の降る時期の登山に必要な装備や服装、注意点について解説してきました。
この時期の登山は危険を伴いますが、しっかりとした装備や服装で万全の体制で望めばリスクは格段に下がります。
この記事を読んでもらうことで、雪山での基本装備や服装について把握いただいて、安全に楽しい山行にしていってください。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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