これまで歩いたことのなかった千葉方面の山へ向かい、房総の富山から伊予ヶ岳を歩いてきました。
富山は『南総里見八犬伝』ゆかりの山。歩いてみると、物語の舞台となる場所が、いくつも静かに点在していました。
本記事では、歩いた流れと注意点を静かに整理しています。
あわせて、イラスト地図と当日の様子も掲載しています。

当日の空気感は、短い映像にして残します。
山行概要
今回の山行の概要をまとめておきます。
全体の流れを、はじめに軽く確認できます。
基本情報
- 歩いた日:2026/4/29(水)
- 空模様:曇り空。朝は海からの湿った空気で蒸しましたが、時間が経つにつれて気温が下がり、夕方には半袖では肌寒くなっていました。
- ルート(行き):岩井駅 → 福満寺 → 富山南峰 → 里見八犬士終焉の地 → 富山北峰 → 六地蔵登山口 → 伊予ヶ岳南峰 → 伊予ヶ岳北峰
- ルート(帰り):伊予ヶ岳北峰 → 天神郷バス停 → 富山北峰 → 里見八犬士終焉の地 → 富山南峰 → 福満寺 → 伏姫籠穴 → 岩井駅
- 歩いた時間:7時間くらい(小休憩込み)
- 歩いた距離:21kmほど
- 登り下り:1,200mくらい
シーンごとの格好
- 乗り物移動中:半袖シャツ、薄手長袖シャツ(朝は少し蒸し暑く感じましたが、帰りは長袖で丁度よかったです)
- 活動中:半袖シャツ
- 休憩中:半袖シャツ
アクセス
- 行き:JR内房線「岩井駅」
- 帰り:JR内房線「岩井駅」
おトイレ
- 岩井駅:あり(駅構外)
- 福満寺:あり
- 富山南峰:なし
- 里見八犬士終焉の地:あり(簡易トイレが2基ありました)
- 富山北峰:なし
- 六地蔵登山口:なし
- 伊予ヶ岳南峰:なし
- 伊予ヶ岳北峰:なし
- 天神郷バス停:あり
- 伏姫籠穴:あり
コースの特徴
- 難易度:初級者向け
- 危険箇所:伊予ヶ岳南峰直下の鎖場。伊予ヶ岳北峰直下のロープ区間
- 見どころ:富山北峰展望台、伊予ヶ岳南峰および北峰からの眺め。伏姫籠穴の雰囲気。
- 向いている人:高台から眺める海が好きな人。アスレチック感のあるクサリ場が好きな人。のどかな村落の雰囲気が好きな人。
コース詳細
スタートからゴールまでの流れを、区間ごとにまとめます。
分岐や道の様子も含めて、実際に歩いた順に沿って記録していきます。
スタート〜前半(岩井駅から福満寺へ。登山口から富山へ入り、南峰、里見八犬士終焉の地と巡って、北峰の展望台へ)
JR内房線の岩井駅で下車。駅前広場のベンチを借りて身支度を整えつつ、ポスターや案内図で『南総里見八犬伝』関連の観光地情報も収集します。ある程度、状況がわかったところで出発です。
まずは、駅広場隅にあった「伏姫と八房の像」と案内文を眺めて、富山登山口のある「福満寺」へと向かいます。
30分ほどの車道歩き。行き交う自動車に注意しながら「福満寺」へ到着。隣接のおトイレをお借りしてから登り始めます。
登山路はしっかり整備されていますが、階段の段差が大きく、登るたびに息が上がっていきます。黙々と集中して登ること1時間。まずは、「富山南峰山頂」に到着しました。
朽ちた神社や仏像が残っており、その場の静まり返った空気を乱さないよう、軽い会釈のみで立ち去ります。
少し進むと、岩井海岸を一望できる場所に、「里見八犬士終焉の地」と書かれた東屋が立っています。
そこから、少し階段を上がると「富山北峰山頂」に到着です。こちらの山頂はベンチが多数と展望台が設置されていて、多くの登山客がくつろげるスペースになっていました。
朝食の準備を始める人々を後に、伊予ヶ岳へと向かいます。
中盤(富山を下山。村落の間を抜けて、六地蔵登山口から伊予ヶ岳への登山開始、南峰、北峰と巡って、天神郷バス停へ)
「伊予ヶ岳」へと向かうため、一旦、富山を下山。村落と畑の中を進みます。
地元の方々と挨拶を交わしつつ、軽快に舗道を進み、六地蔵登山口から、改めて山道に入っていきます。
ここからは「伊予ヶ岳」の登山道に入ります。やさしめだった富山とは少し毛色が異なってきます。
ところどころにロープの垂れた、ぬかるんで滑りやすい急坂が続き、滑らないように注意しつつ登っていきます。
1時間ほど登ると東屋が見えてきて、クサリ場ルートと巻き道ルートを選べるようだったので、今回はクサリ場ルートを選択。少し長めのくさり場を登り切ると「伊予ヶ岳南峰山頂」に到着です。
ベンチが一つ設置されていて、その奥の岩峰の上に展望台が設置されています。
360度に開けた眺望が得られるだけでなく、絶好の撮影スポットにもなっていて、皆、双耳峰の富山をバックに記念撮影を楽しんでいました。
南峰から5分ほど軽く上り下りすると、もう一つのピーク「伊予ヶ岳北峰山頂」にも到着です。
南峰に比べると、エリアが小さいですが、目の前を遮るものがない分、富山方面がよく見えました。横を見ると、先ほどまで立っていた「南峰山頂」を見返すことができ、感慨深い眺めを味わうこともできます。
ここからは、先に分岐のあった巻き道ルートを逆方向から戻っていく形になります。ぬかるんだロープ場が続くので、滑らないように足元に注意しながら下っていくと30分ほどで東屋まで戻ることができます。
登りたかった山々への登頂を果たしたので、「天神郷バス停」へと下山します。こちらのルートは、ひろくて歩きやすく、メインルートはこちら側だったのかと思いながらバス停までノンストップで下ってみると、次のバスの到着は1時間後となっていました。
このまま1時間近くの公園でくつろいでもよかったのですが、歩き足りない気がして、富山経由で歩いて戻ることにしました。
後半~ゴール(天神郷バス停から、もう一度富山へ。福満寺方面に下山した後、伏姫籠穴へ寄り道した後、岩井駅へ)
村落と畑の道に戻り、改めて、富山へと登ります。
「里見八犬士終焉の地」へ戻ってきたところで、帰りのルートを確認します。大きく3つのルートがあるみたいでしたが、「福満寺」へと下るルート以外には、警告の看板が立っていたため、無理せずに登ってきた道を辿って駅方面へと下山することにしました。
ついさっき登ってきた道ということもあり、迷うこともなくスムーズに下った後、交差点の先に「伏姫籠穴」への道標が立っていました。折角なので、寄り道していこうと、道標に沿って向かってみることにします。
小学校の前を通過して、枯れ葉の積もった林道を30分ほど登ると「伏姫籠穴」と掲げられた、かなりしっかりした入口が見えてきました。
門を潜り、よく整備された階段を登り切ると、行き止まりに「伏姫籠穴」がありました。一緒に掲げてあった説明文を読むと、伏姫と八房が逃げ隠れた場所とのこと。穴の中には、伏姫を示す白い大きな玉を囲むように八つの黒い球が並んでおり、本当にここに籠っていたのかもと思わせてくれる、雰囲気のある場所になっていました。
しばらく穴の中を覗いていると家族連れが登ってきたので、場所を譲って、「岩井駅」まで戻り、余韻を楽しみつつ帰宅の途につきました。
今回は、房総の富山、伊予ヶ岳を縦走しながら、『南総里見八犬伝』ゆかりの地を巡ってみました。登山自体は軽いものでしたが、ピークからの眺めだけでなく、昔懐かしい物語の舞台も一緒に味わうことのできる山行となりました。
山だけを目指して歩くつもりが、物語の舞台にもふれることができ、思いがけず印象に残る一日になりました。
見どころ
この日歩いていて印象に残った風景や草花をまとめます。
その日の天候や季節によって印象は変わると思いますが、ひとつの参考として残します。
風景・展望
「富山北峰山頂」の展望台や、「伊予ヶ岳南峰山頂」「同北峰山頂」からひらけた展望を得られます。特に「伊予ヶ岳南峰山頂」からは360度、全方位を眺めることができます。




季節の要素
さまざまな里山に咲く花々ですが、道端に咲くシャガの花が目立っていました。また、見頃過ぎでしたが、富山北峰の広場にツツジがたくさん咲いていました。


地元の名所
『南総里見八犬伝』ゆかりの地として、駅前に「伏姫と八房の像」、富山の山頂付近に「里見八犬士終焉の地」、富山中腹に「伏姫籠穴」など、物語の舞台となる場所が点在していました。



この日一番のひととき
フィクションではありますが、「伏姫籠穴」がなかなか雰囲気があり、味わい深いひとときを過ごせました。
注意点と装備
歩く前に気をつけておきたい点と、この日の装備を整理します。
季節や天候によって変わる部分もありますが、参考のひとつになればと思います。
注意点
- 「伊予ヶ岳南峰」直下の鎖場が、有名な難所になっています。取り付けられたクサリはしっかりしていて、距離も短めですが、登り一方通行になっていて引き返しづらいルートになっています。不安を感じるようでしたら、無理せず、巻き道を使う方が良いかもしれません。
- 「伊予ヶ岳北峰」直下のロープ区間も下る際には注意が必要です。多くの登山客に踏み固められて滑りやすくなっている箇所が多く、下るときにはロープをブレーキ代わりに使って、少しずつ下るのが良さそうに感じました。


装備
- 靴:登山靴
- 主な服装:
- 肌着:半袖シャツ
- 中着:薄手長袖シャツ
- 外着:薄手フリース
- その他:ウィンドブレーカー、雨具、薄手手袋、薄手ズボン、厚手靴下、ネックゲイター
- 飲食料:水(2リットル)、昼食(おにぎり2つ)、行動食(のど飴)
- 主な持ち物:ヘッドライト、クマスプレー、スマートフォン(用途:緊急連絡、GPS記録、撮影)
まとめ
このコースが合いそうな人
- 海を眺める低山歩きが好きな人。
- 物語ゆかりの場所もあわせて歩きたい人。
- 舗装路も含めて、しっかり歩きたい人。
今回の山行のひとこと
展望だけでなく、物語の面影をたどる時間も、静かに印象に残る山歩きでした。
今回のルートは、イラスト地図としても残しています。

イラスト地図の作り方については、別にまとめています。


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