先週、コロナ陽性発症で山をお休みしてしまったので、今週はリハビリということで奥多摩の大岳山へ馬頭刈尾根(まづかりおね)から登ってみました。
馬頭刈尾根はいつも下山ルートに使っていて歩き慣れているはずでしたが、反対に登ってみることでまた違った気づきがあって新鮮な山行を楽しめました。
大岳山に登ったあとは、御岳山、日の出山と縦走して最後はツルツル温泉でフィニッシュと定番ルートを巡って下山してきました。
もし、馬頭刈尾根を登りルートで使ってみようと思っているなら、今回の記事は色々参考になるかと思います。
是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報

まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2022/12/24
天候:晴れ
エリア:奥多摩エリア
コース概要:軍道停留所〜高明山〜馬頭刈山〜鶴脚山〜つづら岩〜富士見台〜大岳山〜御岳山〜日の出山〜つるつる温泉停留所
難易度:体力☆☆、技術☆☆、危険☆☆
交通機関:
(往)JR武蔵五日市線「武蔵五日市駅」から西東京バスで「軍道停留所」へ向かい、そこからスタート
(帰)「つるつる温泉駅」から富士急静岡バスでJR見延線「富士宮駅」へ向かい、そこから帰路へ
概要
大岳山(おおだけさん)
大岳山は東京都唯一の村、西多摩郡檜原村と奥多摩町の境目にある標高1,266mの里山です。
特徴的な山の形をしており、奥多摩のランドマークとして古くから山座同定の基点として活用されていたようです。
また、山頂直下の大嶽神社は狛犬の代わりに可愛らしいオオカミの像が脇を守っているオオカミ信仰に通ずる神社として有名です。
大嶽神社については、別の記事にまとめています。興味ありましたら、一緒に読んでいってくださいね。
御岳山(みたけさん)
御岳山は、東京都青梅市にある標高929mの里山です。
山頂付近までケーブルカーで登れることから、一般観光客も多く訪れる奥多摩で人気のスポットです。
特に桜や紅葉の時期になると、ライトアップイベントが開催されて更に大盛況となります。
山頂には武蔵御嶽神社があり、ここもオオカミ信仰に通じた神社として有名で、元旦には、初日の出を見るために多くの参拝客が訪れる場所でもあるようです。
日の出山(ひのでやま)
日の出山は、東京都の青梅市と西多摩郡日の出町の境目にある標高902mの里山です。
お隣の御岳山からは1時間で登れるご近所さんということもあり、この二座を縦走した後、そのままつるつる温泉へ下山、汗を流した後に帰宅するというのがさまざまなところで紹介されている定番の山行プランとなっています。
また、名前の通り日の出の方向、東方面への眺望に優れており、空気が澄んでいる冬場には新宿の高層ビル街やスカイツリーはもとより、横浜のランドマークタワーやベイブリッジまで見通すことができます。
元旦には、御岳山から縦走してこちらで初日の出を拝む方もいらっしゃるようで、低山ながら眺望に優れたとても素晴らしい里山となっています。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、次の通りです。
- つづら岩周辺
つづら岩周辺

今回の山行ルート上の注意した方が良さそうな区間は「つづら岩周辺」です。
静岡県の沼津アルプスや愛鷹山塊の山々を歩いた後だと「危険?どこ?」なレベルではあるのですが、バランスを崩して転げ落ちると山道に戻るのは非常に難しいだろうレベルのトラバース道が続く箇所となっています。
通過の際には、万が一に備えて慎重に上り下りするようにしてください。
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おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
- 白倉分岐近くの展望所
- 大岳山山頂
- 日の出山山頂
白倉分岐近くの展望所

今回の山行ルート上の展望ポイントの一つ目は「白倉分岐近くの展望所」です。
白倉方面から馬頭刈尾根に乗り上げて、大岳山方面へ5分ほど進むと石のベンチが3基ほど設置されている展望地があります。
ここから、富士山と檜原村の集落を眺めることができます。
木々の間から眺める形となるので、開放感はあまりないですが、逆に額縁に飾った富士山の絵画みたいな写真が撮れるかもしれませんよ。
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大岳山山頂

今回の山行ルート上の展望ポイントの二つ目は「大岳山山頂」です。
ここでは、富士山を正面に手前に広がる御前山や三頭山への縦走ルートの様子、更に奥にある奥秩父や丹沢の山々も眺めることができます。
山頂碑も富士山方面に立っているので、撮影スポットとしてとても秀逸ですが、撮影に適している場所が一方向に限られるので、混雑している時は人が映り込み安いのでその点はお気をつけください。
合わせて、自分自身も人のカメラに映り込まないよう、山頂碑前を占有しないような配慮があると良いかと思います。
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日の出山山頂

今回の山行ルート上の展望ポイントの三つ目は「日の出山山頂」です。
前出の通り、東京都新方面の眺望に優れていて、天気が良いタイミングに訪れることができると、なかなかの大展望が得られます。
流石に50歳を超えたわたしの目ではスカイツリーはもう見えませんが、もっと手前の西武ドームなんかは、まだまだ肉眼で確認できます。
今回のルートで一番開放感の得られる場所になりますので、御岳山まで遊びにきたら、是非、足を運んでみてくださいね。
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今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:ソフトシェル、レインウェア、薄手フリース、薄手ダウンジャケット
- ボトムス:中厚手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、中厚手の手袋
今回の山行のコンディションは次の通りでした。
- 天候:晴れ
- 気温:登り始めは軍道停留所で-1℃、午後13時ごろに訪れた御岳神社で5℃前後でした。
- 活動場所:標高1,000m未満
今回は、0℃からのスタートで日中も一桁台の気温ということもあり、半袖Tシャツ、薄手長袖Tシャツ、ソフトシェルという出立で行動していました。
稜線は風が結構吹いていたのですが、3枚着込めば寒さは感じず、快適に下山まで漕ぎ着けることができました。
下山後は日暮れてしまい更に寒さが増しましたが、これにプラスして、フリース、ダウンジェケットと着込むことでこちらも震えることなく帰宅まで過ごすことができました。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。


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山行の記録

ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、いつもと逆順に馬頭刈尾根の終着点「軍道停留所」(ぐんどうていりゅうじょ)からスタートして「大岳山」まで登り、そこからは別尾根を辿って「御岳山」「日の出山」と縦走、「つるつる温泉」へ下山するプランとしました。
「軍道停留所」までのアプローチは、次のとおりです。
- 東京駅から、JR中央線で「立川駅」へ
- 「立川駅」から、JR青梅線に乗り換えて「拝島駅」へ
- 「拝島駅」から、JR武蔵五日市線に乗り換えて終点の「武蔵五日市駅」へ
- 「武蔵五日市駅」から、西東京バス上養沢(かみようざわ)行きに乗り換えて「軍道停留所」へ
途中のおトイレは「立川駅」「拝島駅」「武蔵五日市駅」それぞれにあります。「軍道停留所」にも簡易トイレはありますが、どうせなら綺麗で直近の「武蔵五日市駅」構内のものをお借りするのが良いでしょう。
身支度する場所としては「軍道停留所」の反対側に設置されてる長椅子が良いかと思います。
準備ができたら、自然体験学校の脇の急斜面の村道を登っていきましょう。
関連リンク
西東京バス「武蔵五日市駅」ののりば案内ページを載せておきます。運行状況や発着時刻の確認にご活用ください。
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軍道停留所〜高明山
「軍道停留所」から村落の間を縫って登っていくと真新しい感じの神社が見えてきます。
高明山(こうみょうさん)の山頂から遷座(せんざ)されてきた高明神社で、この足元から沢沿いの細い道に入っていきます。
ここまで案内板が頻繁に立っているので迷わないと思います。
沢沿いの道を登り切るとようやく本格的な登山道に入ります。
最初のうちは歩きやすい道ですが、次第に段差の大きい木の階段が増えていき、「瀬音の湯」からの合流地点を超えたあたりから、傾斜のある直登区間に突入します。
二つある鳥居を過ぎると、高明神社跡地に到着です。かなり広い空間で、当時の神社の大きさが想像できます。
なお、高明山の山頂はここではありません。
ここから5分ほど登った広場にあります。
山道上でも無いので踏み忘れないようご注意ください。
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高明山〜馬頭刈山
高明山を過ぎると、少し降ってから登り坂を登っていきます。
途中、振り返ると関東平野を眺めることができますが、そうそう頻繁に振り返っていると時間が勿体無いので、サラッと確認する程度にしておきましょう。
坂を登り切ると、関東富士見百景の石碑がありますが、木々に隠れてちょっと眺めるには難ありなので、ここもスルーして先に進んでしまいましょう。
10分ほど平坦な道を進むと「馬頭刈山」山頂広場に到着です。
ここからの眺望もあまり期待できません。
かろうじて「大岳山」の特徴的な山塊が見える程度でしょうか。
尾根の名前を冠したピークですが、停滞する意味は薄いので速やかに先に進んでしまいましょう。
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馬頭刈山〜鶴脚山
次のピーク「鶴脚山」(つるあしやま)へ向かう途中で、少しだけ富士山を眺めることができる場所があります。
本当にかろうじてなレベルなのであまり期待はできませんが、それでも富士山が見えるとテンションがあがるものです。
ばっちり確認して先に進むと良いでしょう。
ここからはガッツリと降って、降った高低差よりも高く登っていくことになります。
登り坂を登り切り、少し平坦な道を進むと「鶴脚山」の山頂に到着です。山頂碑が立っていますが、展望はほとんどありません。
今回は冬場で落葉により「大岳山」から「御岳山」へ続く隣の尾根の様子が見えたのが収穫になるでしょうか。
ちょっとだけラッキーな眺めを楽しんだら、ここからアップダウンの続く馬頭刈尾根の中心部分に突入していきます。
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鶴脚山〜つづら岩
「鶴脚山」を過ぎると、結構ガッツリとしたアップダウンを繰り返して高度を上げていくことになります。
健脚なら登りごたえのあるルートですが、そうでも無い場合は少しペースを落として登っていくと良いです。
途中、南方面への眺望が開けて富士山が見えるポイントがあります。
足下にはやすらぎの里の特徴的な建物も見えるので、少し立ち止まって一息入れると良いでしょう。
少し前に「払沢ノ滝」へ歩いた時にみた建物になります。次の記事に建物の写真一枚だけあったので興味あったらチラッと確認してみてください。
富士山を眺めて一息いれたら「つづら岩」まで悪路が続きます。
先に述べたように、静岡の沼津アルプスや愛鷹山界隈の里山達からすれば、ただの通過地点なレベルではありますが、ガイドロープが貼ってあったり、雨の日は滑りそうな岩場があったりで、少々慎重に進んだ方が良いでしょう。
そして何度目かのアップダウンを通過すると、目の前に聳え立つ岩場が見えてきます。
今までの風景とは異質なので、すぐわかるかと思います。
このでっかい岩の塊が「つづら岩」と呼ばれる場所で、有名なクライミングスポットとなっています。
いつもはクライマーな人々が金具をカチャカチャさせていますが、この日は誰も登っておらず静かに通過することとなりました。
やっぱり、クリスマスイブ。山に来る人は少ない時期なのかもしれませんね。
「つづら岩」を通過した後は降る機会が減って、登り一辺倒になっていきます。
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つづら岩〜富士見台
「つづら岩」を通過して、登り坂をじわじわと登っていきます。
夏場であれば、笹藪の中を藪漕ぎしつつ進むような区間ですが、冬はそんな苦労も全くなく進めるのは助かるところです。
加えて、木々の間から周囲の展望も得られて、それほど苦にはならずに進めるかと思います。
そして、ちょっとした木の階段を登ったところで「富士見台」の東家に到着します。
名前の通り、ここは富士山の展望スポットとなっていて、ちょうど木々の間から富士山方面だけチラッと眺めることができるようになっています。
東家だけでなく、設置されているベンチの数も多いので休憩場所には適しているかと思います。
そして、ここから「大岳山」にかけては、富士山スポットの続く楽しい区間に入っていきます。
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富士見台〜大岳山
「富士見台」を通過すると、笹藪を通過する中で大きく3ヶ所の富士山眺望ポイントを通過していくことになります。
最初は、コの字に設置されたベンチが特徴の高台です。
ベンチ正面にちょうど富士山が位置する座りの良い眺めを楽しめます。
続いては、その高台から大岳山方面に3分ほど降った場所で、木々の間から覗く富士山を眺める形になります。
最後は、先に眺望ポイントの一つとして挙げている白倉への分岐を越えて5分ほどにある展望地です。
ここも木々の間から眺める形の富士山になりますが、足元の村落がアクセントになって変化ある眺めを楽しめます。
その後は、直登の急坂区間となるので「大岳山」山頂まで気を許せない状況となりますが、上記の3ヶ所それぞれで富士山を楽しんで進んでいくと満足度が高い山行になるのではと思います。
そして、小さなお社を越えたところから急坂区間に突入です。
今まで登ってきた坂とはレベルがだいぶ違うので、気合い入れ直して取り掛かってください。
場所によってはよじ登る感じに登っていくと、山頂にあるベンチ横から山頂広場に飛び出ます。
他のルートよりもキツい分達成感があって楽しいルートです。
是非、一度は登りに使ってみてくださいね。
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大岳山〜御岳山
「大岳山」山頂で、展望を楽しんだら次のピーク「御岳山」へ向かいます。
大嶽神社奥宮までは、岩場の急坂を降っていく形になります。
結構、遭難事故が起こっている場所のようなので、念の為、慎重に降ってください。
また、奥宮周辺は粘土質の滑りやすい坂道です。
コンディションが悪い日は、わたしも滑って転倒することがある区間なので足を置く場所の見極めにご注意ください。
奥宮を通過したら、あとは淡々と降っていく区間となります。
途中に数ヶ所鎖場もありますが、むしろ鎖使わない方が安定して下れると思います。
「御岳山」テリトリーまで降ってしまえば、後は遊歩道状態です。
大きくて歩きやすい道を進み、「御岳山」山頂にある御岳神社まで歩き切ってしまいましょう。
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