2022j年7月1日より山梨県側で富士山開山となりました。
開山と同時に、沢山の登山者が登頂を目指して訪れたようです。
ただし、登山バスが夏山ダイヤに変わるのは7月16日で、それまで、富士山駅からの始発分は9時30分と、車の無い日帰り組には時間的な制約があります。
それでも、山頂までの道は解放されているわけなので、偵察と称してわたしも登れるところまで登ってきてみました。
今回登れたのは八合五芍まででしたが、もしあなたが今夏に吉田口からの登頂を目指す予定なら、参考になる点あるかもしれません。
是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2022/7/2
天候:曇り時々晴れ
エリア:富士山エリア
コース概要:富士急バス「富士スバルライン五合目停留所」〜吉田口六合目〜吉田口七合目〜吉田口八合目〜吉田口八合五芍〜下山道〜富士急バス「富士スバルライン五合目停留所」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)富士急行線「富士山駅」から富士急バスで、「富士スバルライン五合目停留所」へ
(帰)「御殿場新五合目停留所」から富士急バスで、富士急行線「富士山駅」へ
概要
吉田ルート(よしだるーと)
吉田ルートは、4つある富士山の主要登頂ルートの中で唯一山梨県側にある登山口です。
本来であれば、「富士山北口本宮浅間神社」を起点とした山麓から続く歴史ある登山道なのですが、「富士スバルライン五合目」まで路線バスが通っているので、中腹から登ることができます。
ただし、7月初旬の開山日から9月初旬の閉山日までの間しか五合目より上のルートは解放されないため、この限定された期間を狙って、それこそ世界中から登山者が訪れる人気の登山ルートとなっています。
詳しくは、主要4ルートをまとめた記事に書きましたので、以下リンクよりご確認ください。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。
また、「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 3460 m
最低点の標高: 2249 m
累積標高(上り): 1383 m
累積標高(下り): -1321 m
総所要時間: 06:05:51
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
- 吉田八合五芍近くの下山道分岐地点
吉田八合五芍近くの下山道分岐地点
今回の山行ルート上での展望ポイントは「吉田八合五芍近くの下山道分岐地点」です。
以前の記事でも書いた通り、富士山は周囲に同等の大きさの山脈がないので、天候が良ければ、どのタイミングでも絶景が楽しめます。
特に標高3,000m以上の高さから見る下界の眺めは秀逸です。
超リアルなGoogleアースを見ているような感じです。
いや、これだと本末転倒ですね。すみません。
この日も、雲で見えない部分の方が多かったですが、位置関係を考えながらのんびり眺めていると、とてもワクワクします。
是非、この夏は標高3,000mまで登ってこの眺めを楽しんで下さいね。
ギャラリー
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、特にありませんでした。
- 特になし
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
この日も、関東を始め、下界では猛暑となりましたが、富士山山中は雲がかかっていて気温的には少し大人しめな感じでした。
その代わり、湿気が高くて半袖Tシャツで行動していましたが、五合目付近では汗が止まらずな状況でした。
山頂まで登って仕舞えば稜線の突風で寒さを感じるかもしれませんが、山腹を歩いている程度なら標高3,000mを超えても、涼しい程度でむしろ心地よい感じでした。
交通機関での移動中も、基本は半袖Tシャツで問題無かったですが、唯一、帰りの高速バスのクーラーが効きすぎて、長袖Tシャツを重ね着することとなりました。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は「富士スバルライン五合目停留所」からのアクセスです。
吉田口登山道は7月1日より開放されましたが、登山バスが夏山ダイヤに切り替わるタイミングは7月16日です。
このため、「富士山駅」の始発は9時30分となりますが、混み合うことを想定して電車での移動は
始発からとしました。
「東京駅」からのルートとしては、高尾行き中央線に乗って終点「高尾駅」で下車。松本行きに乗り換えます。
つぎは「大月駅」で下車。富士急線に乗り換えて「富士山駅」へ向かうという流れになります。
「富士山駅」でのおトイレは、構内に一つと、バス切符売り場内に一つあります。15分ほど歩けばコンビニもありますが、暑いこの時期に歩いて向かうにはちょっと遠い感じです。
夏場であればバス切符売り場も早くから開いているので、そちらでおトイレをお借りするのが無難かなと思います。
バスの往復チケットを購入する次いでにお借りすると効率的でしょう。
「富士スバルライン五合目」にも公衆トイレあるので、ここで無理におトイレに立ち寄らなくても良いのかもしれませんが、バスの乗車時間は1時間ほどあります。乗る前に一度すませておいた方が安心でしょう。
ちなみに「富士スバルライン五合目」の店舗内のおトイレは有料ですが、公衆トイレは無料です。
なるべく公衆トイレを使う様にして、小銭は上層部で必要になった時のために温存しておくのが賢いかもですね。
「富士スバルライン五合目」にいっぱいあるベンチの一つをお借りして身支度を整えたら出発です。
馬の厩舎が見える方向に向かって進んでくださいね。
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富士急バス「富士スバルライン五合目停留所」〜吉田口六合目
まずは、吉田ルートに乗るために「吉田口六合目」に向けて進みます。
厩舎前の五合目総合管理センターで、富士山保全協力金を支払ったら、県道702号富士精進線に出て、吉田口六合目へ向かいます。
この県道は下界への眺望が良く、河口湖まで続く広大な樹海を眺めることができます。
少し降り気味の坂道なのも歩き始めには良いかもしれません。
これが登りに転じるのは「泉ヶ滝」からです。
序盤は、アスファルトや石畳がつづきますが、徐々に富士山らしい砂利混じりの滑りやすい坂道に転じていきます。
そして、土砂崩れ対策のシェルターを抜けると「吉田口六合目」に到着です。
ここから、本格的な登山道に入っていきます。
靴の紐を結び直して、気合い入れ直して出発しましょう。
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吉田口六合目〜吉田口七合目
「吉田口六合目」からは、富士山特有のザレた九十九坂が続きます。
永遠と続く砂防壁の規模には驚かされますが、これぐらいしないと防げないほど土砂災害が多いということでしょう。
関連して、この日は少しびっくりしたことがありました。
山道の端っこで休憩していた40代くらいの三人組の一人が談笑しながらストックで山道の縁をつついて砂や小石を下方にザラザラと落としているのを見かけました。
行為に気がついた先導役の方に「絶対やめて」と真顔で注意されて、それ以降はやめていましたが、それでもニヤニヤし続けていたのには、ちょっと眉を顰めてしまいました。
普段、登山しない人からすれば、小石一つの落石に人を殺せるリスクがあるということは、イメージしづらいのかもしれませんね。
富士山登山道の至るとこに「コロナ禍の新マナー」なんていうのが掲げられていましたが、もっと基本的な注意点を掲げてもらったほうがいいんじゃないかな、なんて思ってしまいました。
脱線してしまいましたね。話を戻します。
「吉田口七合目」直下まで登ると、今度は溶岩石の積み重なったガレ場に突入します。
ガイドのロープや鎖が設置されていますが、足場はコンクリートで固められているので安定して歩きやすいはずです。
なるべく、足を上げないで済むルートを探して小股に登り上げていくと良いでしょう。
むしろ、山小屋直下の階段が難所になるように感じます。
段差の大きい階段が多くて、大股に足を上げないといけないんです。
ここではバテないように、ゆっくりと登ってくださいね。
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吉田口七合目〜吉田口八合目
「吉田口七合目」から「吉田口八合目」にかけては、ガレ場を中心に登っていくことになります。
前出の通り、なるべく足を段差が小さいルートを探して、体力温存しつつ進むと良いです。
そして、「吉田口八合目」からはこのルートのメインストリートとなる山小屋ラッシュに突入です。
わたしの中のイメージだと、山の中の集落のイメージで、山道よりも小屋通しを繋いだ階段道みたいな道中だったように感じます。
ちょっと大袈裟に記憶しているかもしれませんが、階段が多かったのは確かなので、疲れたら小屋前のベンチで休憩入れながら登っていくと良いでしょう。
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吉田口八合目〜吉田口八合五芍
「吉田口八合目」の山小屋ラッシュ大トリは「吉田口本八合目」です。
ここは、須走ルートとの合流地点となっていて人口密度がさらに上がります。
沢山あるはずのベンチもほぼ埋まっているような状況になっているので、混雑が苦手なようなら速やかに通過してしまっても良いかもしれません。
ただし、ここから急登の渋滞区間に入っていくことになるので、結局は混雑に身を置くことになるのは覚悟しておいてください。
そして、「吉田口八合目五芍」を通過したところに下山道への分岐があります。
ここから山頂までは1時間ほどで到着できますが、体調不良などにより直ぐに下山したいときのエスケープルートに使えるので覚えておくと良いでしょう。
ここから山頂までは概ね1時間といったところですが、今回は15時をタイムリミットに設定していたのでここまでで下山することとしました。
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吉田口八合五芍〜下山道〜富士急バス「富士スバルライン五合目停留所」
吉田ルートの「下山道」は、御殿場ルートの「大砂走り」や須走ルートの「砂走り」に比べると、砂利の盛り具合が少ないので降る時の膝にかかる負担が大きい感じです。
先の二つのルートの様に、砂利の盛られた場所に足を落としてクッションにしたり速度を落としたりといったことができないので、富士山以外の山と同様に、腰を低くして膝のクッションを活かしながら降ると負担軽減になります。
我流になってしまうのであなたの歩き方に合わない可能性もありますが、わたしがこのルートを降りる時に気をつけている点、上げてみます。
何か参考になれば幸いです。
- 膝は伸ばし切らずに、軽い屈伸状態を維持して膝への負担を軽減する
- 重心は後ろ気味にして、万が一転倒した時はザックをクッション代わりにできる様にする
- 「大砂走り」とは逆に砂利の少ない固い地面の方に足を落として滑らないようにする
- 足を落とす時はベタ足気味にして、靴底全面の摩擦力を活かして速度を抑える
- 歩幅は小さめに、テンポよく降りることで、いざという時の小回りが効くようにする
イメージとしては、少しテンポアップしたひげダンスといったところでしょうか。例えが古いですか。すみません。
長丁場の下り坂を降り切ると、短い樹林帯を通過し、「吉田口六合目」に出ることができます。
ここからは、きた道を戻って「富士スバルライン五合目」まで戻ります。
バスの時間に余裕がある様でしたら、お土産屋さん巡りや冨士山小御嶽神社で下山のご挨拶していってください。
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おまけ
夏場の登山は、汗が凄いですね。
今回も、汗だくになってしまったので、お風呂に入ってから帰ることにしました。
いつも感じるのですが、富士山登山って下山後のお風呂に困るシーンが多いんですよね。
吉田ルートも「ふじやま温泉」ぐらいしか目ぼしい入浴施設を見つけられなくて、「富士山世界遺産センター前停留所」で途中下車して、歩いて向かうこととしました。「河口湖駅」や「富士山駅」から無料巡回バスが出てはいるのですが、徒歩の方が早い時が多い印象です。
富士急ハイランドパークのお隣という好立地なためか、入浴料1,800円とまあまあお高めの設定なのが唯一かつ、最大の難点なのですが、その分、施設はかなり綺麗です。お風呂の種類もたくさんあってゆっくり楽しむには良いところでした。
帰りも、高速バスの停まる「富士ハイランドパーク停留所」が近いので重宝します。
この日も最終便となりましたが、該当の停留所から高速バスに乗って新宿まで帰りました。
ふじやま温泉については、次の記事に詳しくまとめてます。一緒に読んでいってくださいね。
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まとめ
富士山吉田ルートを途中まで登った時の様子でした。
富士スバルライン五合目までのバスが、夏山ダイヤになっていないので、まだ登山客の数としては控えめなんだろうと思いますが、それでも多くの登山客が登っていて、8月に入ったら激混みになりそうな予感をヒシヒシと感じました。
また、空気が薄い場所なので、道中口元を隠す気遣いをしてくれる方の数は少ない印象です。
その点が気になるならば、シーズンピークの8月を避けるとか、毎年ダントツに登山客が多い吉田ルートではなく、他のルートでチャレンジするなどを考えた方が良いかもしれません。
それでは、今シーズンあなたが夏空の剣ヶ峰で笑顔で記念撮影できること願っています。
ここまでお読みくださりありがとうございます。
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