どうやら2022年の富士山も、7月1日に無事山開きを迎えることができそうです。
今年もしっかり登頂しておきたいので、一度、標高3,000mぐらいの高さまで登って足腰の調子を見ておこうかなと、御殿場七合目まで登ってきました。
あわよくば、山頂付近まで行ってやろうと思ってたのですが、最近平地歩きが多かったせいか全然足が上がらず、七合目でも精一杯。ヒーヒー言いながらの山行となりました。
それでも、6月中盤の富士山はまだ肌寒いこと、未整備の登山道は結構荒れていることなどがわかり、色々と勉強にもなりました。
6月の富士山、どんな風なのか興味あるようでしたら、今回の記事で少し伝わるかもしれません。
どうぞ、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
概要
御殿場ルート(ごてんばるーと)
御殿場ルートは、富士山五合目から山頂に続く4つの主要ルートの中で最長の長さとなるルートです。
スコリアと呼ばれる軽石状の火山石が広範囲に堆積した、これぞ富士山という風景を醸し出しているルートです。
詳しくは、過去の山行の記録に書いていますので、興味ありましたら次のリンクよりご確認ください。
宝永山(ほうえいさん)
宝永山は、江戸時代中盤となる宝永4年(1707)に起こった宝永大噴火の際に生じた宝永第一火口縁の先端に当たるピークです。
詳しくは、これも過去の山行の記録に書いてありますので、興味ありましたら次のリンクよりご確認ください。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。
また、「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 3037 m
最低点の標高: 1438 m
累積標高(上り): 1849 m
累積標高(下り): -1844 m
総所要時間: 06:59:23
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
宝永山山頂から馬の背までの稜線
今回の山行ルート上での展望ポイントの一つ目は「宝永山山頂から馬の背までの稜線」です。
今回は、宝永山山頂が雲の中で展望は絶望的だったのですが、その代わりに山頂から馬の背までの稜線で眺めを楽しめました。
特に下界方面への眺めが素晴らしく、山中湖から御殿場市街地にかけての山麓への眺望をかなり楽しむことができました。
ギャラリー
御殿場七合目
今回の山行ルート上での展望ポイントの二つ目は「御殿場七合目」です。
休業中のわらじ館前から、眼下に雲を見下ろしつつ、更に高みにある澄み切った青空を楽しむことができました。
それ以外にも、雲の合間から見える山中湖や御殿場界隈の様子も楽しめて、素晴らしく良い雰囲気を味わえました。
ギャラリー
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、次の通りです。
宝永第一火口縁から山頂へ登る区間
今回の山行ルート上で、注意した方がよさそうな区間一つ目は「宝永第一火口縁から山頂へ登る区間」です。
宝永山へ登る際の危険地帯として、以前から何度か掲載している区間となります。
宝永第一火口の内側は地盤が不安定です。
加えて、富士山山頂から火口の底までの間には障害物がありません。
もし、落石が発生したら止まることなく底まで転がり落ちる可能性が非常に高い場所になります。
底には何基かベンチも置いてあるので、休憩場所になってはいますが、この場所での長期滞在はあまりお勧めしません。
記念撮影のために一時立ち止まる程度に留めて、速やかに宝永山山頂のある稜線まで登ってしまうか、反対側の宝永第一火口縁まで進んでしまいましょう。
ギャラリー
御殿場七合目から六合目の下り区間
今回の山行ルート上で、注意した方がよさそうな区間二つ目は「御殿場七合目から六合目の下り区間」です。
昨年、御殿場ルートを降った時に、この区間は回避ルートが設定されていた記憶があるんですが、雨風による陥没部分が目立っていました。
この下りルート、大砂走りと同じくザレた急坂で駆け降りるには適している場所です。
調子良くスピードが乗った状態のまま通過しようとして、穴に足を取られてしまうと、勢いがついた状態で転倒することになるので相当に危険です。
もしも、この区間を通過する機会があったら、なるべくブレーキを掛けつつゆっくり目に通過するようにしてください。
ギャラリー
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
この日は、雨上がりの湿気が多い日でしたので歩き始めから半袖Tシャツで挑みました。
それでも、樹林帯は蒸し蒸ししていて、高度が高くならないと汗が滲む状況でしたが、宝永山の稜線に出てからは、強風に煽られて汗だくだった体もすっかり乾き切って肌寒さの方が強くなったのでソフトシェルを羽織って凌ぎました。
交通機関での移動中は、ソフトシェルの代わりに通気性の良い長袖Tシャツに変えることで暑すぎず、寒すぎずの車内を過ごすことができました。
梅雨時期は天候、気温がとてもよく変わるので、ウェアの脱着は小まめにしていくのが良いですね。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、「水ヶ塚公園」からのアクセスです。
御殿場ルートなら御殿場新五合目からが普通なのですが、実は、5月末の宝永山登山の時に富士宮六合目のバリケードが開放されているのを見かけて、富士宮ルートから登ってやろうと思っての「水ヶ塚公園」スタートでした。
結果は、5月末の開放が特別だったようで、安定の冬季閉鎖中。
仕方がないので、急遽、御殿場ルートに切り替えての山行となりました。
そのようなわけで、「東京駅」から「水ヶ塚公園」までの乗り継ぎですが、まずはJR東海道線で「三島駅」へ向かいます。
そこから、富士急バスの水ヶ塚公園行きに乗って終点まで向かう流れとなります。
途中、おトイレは「三島駅」の構内と構外に一つずつと「水ヶ塚公園」園内に複数あります。
「水ヶ塚公園」まで我慢しても良いですが、バスの乗車時間は1時間ぐらいありますので、「三島駅」でも立ち寄っておいた方が良いでしょう。
身支度は「水ヶ塚公園」園内のベンチを使わせて貰えば捗るかと思います。
諸々準備できたら、「須山登山口」へ向かってスタートです。
ギャラリー
富士急バス「水ヶ塚公園停留所」〜宝永第一火口縁
須山登山口からの登山道は、樹林帯から始まります。
この時期は新緑がとても綺麗で、苔むした地面と合わせて緑いっぱいの山道を気持ちよく歩くことができます。
ただ、標高はまだそれほどでもない1,500m前後なので、結構、蒸し暑く感じられます。
少し肌寒いくらいの服装でスタートするのが良いでしょう。
高度が上がるにつれて、徐々に涼しい風が吹いてきて三合目「御殿庭中」に着く頃には程よい涼しさとなっていきますが、ここからはザレ場に突入するので運動量が増して、今度は体の内側から暑くなってきます。
実際に快適になってくるのは第二火口縁に当たる稜線に出たあたりからです。
この日は、雲の中だったので涼しさ通り越して肌寒さを感じることにはなりましたが、山登りでハードに体を動かすなら、肌寒いくらいがちょうどいいだろうと思います。
「宝永第一火口縁」まで登ったら、一旦、富士宮六合目に向かうことにします。
ギャラリー
宝永第一火口縁〜富士宮六合目〜宝永第一火口縁〜宝永山
「宝永第一火口縁」からは、宝永遊歩道を通って「富士宮六合目」まで向かいます。
そのまま、山頂方面に向かうつもりでしたが、山頂方面のバリケードが復活していることがここでやっとわかります。
どうしたものかと一瞬途方に暮れてしまいましたが、気を取り直して御殿場ルートから登ってみることにしました。
もと来た宝永遊歩道を戻っていくと、雲の合間から愛鷹山の山頂付近だけが薄らと見えてきます。
そして「宝永第一火口縁」まで戻る頃には、火口への眺めが復活しており、その奇景を楽しむことができました。
ここから稜線に出ることに備えてソフトシェルを羽織、火口の底へ向かいます。
無事に火口の底を通過し、宝永山山頂のある反対側の火口縁へ向かうザレた急坂を登り始めた頃、視界の異変に気がつきます。
目障りに飛ぶ大量の羽虫でした。
前日の雨で大量発生したのでしょう。明るい色のソフトシェルにびっしりと取り憑いてきてかなり不快な思いをしてしまいました。
ただそれも、稜線に出るまでの間です。
登り切ってしまえば、強い風で全て吹き飛ばされて、手で払い落とすまでもありませんでした。
この日の「宝永山山頂」は雲の中ではありましたが、御殿場方面の眺めだけは確保でき楽しむことができました。
ここから、御殿場ルートに向かい更に高度を上げていきます。
ギャラリー
宝永山〜馬の背〜御殿場七合目
「宝永山山頂」から火口縁の稜線を辿って「馬の背」についたら、今度は、御殿場ルートの登り方向の道へ向かいます。
降り方向からも登れるようですが、砂浜のように細かな火山石が積もった急坂を登るのはとても難儀です。ここは素直に登り方向の坂道から登ることにします。
九十九折りの坂道を登っていくと、段々と息が上がって足の運びも鈍ります。
歩いては休みを繰り返して、ようやく「御殿場七合目」の山小屋前まで到着してみると、雲を眼下に収めながら上空には青空が広がっていて、とても気持ちの良い眺めを楽しむことができました。
もうあと一踏ん張りして八合目まで行きたいところでしたが、この日はここでギブアップ。
大砂走りを降って、御殿場新五合目からバスで帰ることとしました。
ギャラリー
御殿場七合目〜富士急バス「御殿場新五合目駅」
七合目はすっかり夏山の雰囲気になっていることが確認できたので、降り方向の道に入って進んで行きます。
宝永山との分岐に至るまでの区間は、雨風による陥没箇所が何箇所も穴を開けているので、注意しながら進みます。
宝永山との分岐を越えたら、ようやく大砂走りです。
そこからはハイウェイ状態でグングン高度を下げていきます。
途中、振り返って富士山山頂や宝永山山頂への眺めを楽しんだりしつつ降ったのですが、それでも、ここの降りは早いもので、さっくりと「御殿場新五合目」まで降り切ってしまいました。
最終バスの時刻をみると30分ほど余裕があります。
その間に、おトイレと着替えを済ませて、暫しのんびりとした後、バスで御殿場駅へ向かい、そのまま高速バスで帰路につきました。
ギャラリー
まとめ
山開きの前に、富士山御殿場七合目まで登った様子でした。
七合目の標高3,000mの高さまでなら、すっかり雪も溶けて富士山も夏山な雰囲気に突入していましたが、風はまだ冷たく、時々雹も落ちてきたりしていたので、快適に登るのにはもう少し気温が上がってくるのを待った方が良さそうでした。
開山まであと少し。今から待ち遠しいですね。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
コメント