昨年から富士山の様々なルートを山麓から歩いていますが、残すところ御殿場口と村山口の二つとなりました。
今回はその中の一つ、御殿場ルートの山麓から御殿場新五合目までの区間と、その先にある双子山までの区間を歩いてみました。
山麓から御殿場新五合目までの区間はバスが通ってはいるのですが、歩いて行き来することもできることを知っておけば、もし最終バスに乗り遅れたとしても焦ることは無くなると思うので情報として知っておいて損は無い内容かなと思います。
それほど長い内容ではありませんので、最後まで読んでいってみてくださいね。
目次
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
山行の基本情報
日付:2022/5/7
天候:曇り
エリア:富士山エリア
コース概要:富士急バス「中央青年交流の家停留所」〜馬返し〜御殿場新五合目〜下双子山〜上双子山〜御殿場新五合目〜馬返し〜富士急バス「中央青年交流の家停留所」
難易度:体力☆☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)JR御殿場線「御殿場駅」から富士急バスで、「中央青年交流の家停留所」へ
(帰)「中央青年交流の家停留所」から富士急バスで、JR御殿場線「御殿場駅」へ
概要
御殿場ルート(ごてんばるーと)
御殿場ルートは、宝永大噴火の際に降り積もったスコリアと呼ばれる軽石が敷き詰められた広大な斜面を昇り降りするコースです。
詳しくは、過去の山行記録にまとめてます。以下のリンクよりご確認ください。
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双子山(ふたごやま)
双子山は、御殿場ルート登山口「新御殿場口五合目」から徒歩1時間にある、上下二つの側火山の総称です。
こちらも詳しくは前回の山行記録にまとめてます。以下のリンクよりご確認ください。
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今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。
合計距離: 24238 m
最高点の標高: 1930 m
最低点の標高: 704 m
累積標高(上り): 1442 m
累積標高(下り): -1441 m
総所要時間: 07:07:31
Download file:
climbing-record-20220507.gpx
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
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ポチップ
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、残念ながらありません。
本来であれば双子山のそれぞれの山頂からの眺めが絶景なのですが、今回は真っ白な雲の中で展望は望めませんでした。
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、次の通りです。
双子山それぞれの山頂付近
今回の山行ルート上で注意したほうがよさそうな区間は、「双子山それぞれの山頂付近」です。
往来に技術が必要な箇所では全く無いのですが、今回雲の中を歩いてみて油断すると危なさそうだと感じたので、念のために上げさせてもらいました。
麓までは、ガイドとなるロープが引いてあるので、例え天候不順でも迷わずに行き来することができますが、それぞれの山頂までのルートにはガイドとなる指標がありません。
上双子山に至っては、人口に積まれたであろう石積みの中に三角点が紛れ込んでいて、山頂を示す案内もありません。
このような場所でホワイトアウトしてしまうと、戻るべき方向を見失いやすいので注意が必要です。
天候不順で訪れる場合は、GPS地図、コンパスを駆使して常に現在地を把握しながら行き来してください。
ただし、晴れた日であれば見晴らしの非常により絶景地ですので、その心配は不要です。
結論としては、晴れた日に訪れるのが正解ということになるのかなと思います。
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今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:薄手のフリース、ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
今回は、スタートからゴールまで半袖Tシャツで活動しました。
この日は、曇り空ではありましたが車道歩きの際にはほぼ無風、五合目より上へ登って初めて風を感じるような天候だったので、急激に体温を奪われることなく歩き切ることができました。
5月中旬で風の無い日であれば、富士山五合目付近でも半袖で凌ぐことはできそうです。
交通機関での移動中は、半袖Tシャツと薄手の長袖Tシャツでちょうど良い感じでした。
日の暮れた帰りの電車の中、全開の窓から入ってくる風を肌寒く感じましたが、追加で何かを羽織るほどではありませんでした。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、通年運行している富士急バス「中央青少年交流の家停留所」までバスで向かい、そこからスタートとしました。
東京駅からは、JR東海道線の下り線を使い「国府津駅」まで向かいます。
そこからJR御殿場線に乗り換えて「御殿場駅」で下車、富士山口のバスターミナル1番のりばからバスに乗って向かうルートとなります。
駅構内、構外どちらにもおトイレはありますので、バスの時間と相談しながら適宜お立ち寄り下さい。
駅から「中央青少年交流の家停留所」までは20分弱で到着できます。
停留所にあるベンチが空いているようなら、そこで身支度して出発しましょう。
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富士急バス「中央青年交流の家停留所」〜馬返し
停留所をスタートしたら、まずは直線の車道歩きです。
隣が陸上自衛隊の広い敷地となっているので、見晴らしが効いて解放感があります。
その代わりというのも変ですが、交通量は結構あります。
しかも、長い直線の道ということで、高速道路と間違えて運転なさっているドライバーも見受けられますので、エンジン音が聞こえてきたらご注意ください。
長い直進が終わると、傾斜のあるスラローム地帯に入ります。
車が登れる程度の傾斜ですが、足腰に負荷は掛かるのでバテないペースで登っていって下さい。
「馬返し」地点は、目印となる案内が立っていますが、あまり目立ちません。
見落としたとしても、大勢に影響はありませんが、周囲に目を配る意味も込めて見つけておくと良いでしょう。
あとは、近道となりそうな枝道が多数開いていますが、ほぼ全ての道は陸上自衛隊の敷地内に向かっています。試しに入ってみるといった行為は控えておいた方が良いでしょう。
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馬返し〜御殿場新五合目
「馬返し」以降も車道歩きが続きます。
緑豊かな車道を右へ左へ大きくスラロームしながら進んでいくと、水ヶ塚へ向かう道と「御殿場新五合目」へ向かう道の分岐点に到着します。
ここからは、もう一段傾斜がキツくなりますが、残すところ1時間弱の距離です。
頑張って、登り切ってしまいましょう。
途中に、英国海外航空機墜落の慰霊碑が立っています。
気になるようなら立ち寄っていくもの良いでしょう。
「御殿場新五合目」へ到着したら、第一駐車場奥の「幕岩・二つ塚(双子山)入口」へ向かいます。
本来の「御殿場登山口」はシーズンオフは完全封鎖しているからです。
屋外ではあるので、木々の隙間を探せば入れなくは無いですが、通年開放されている入り口が近くにある訳なので、使わない手はありません。
駐車している車に注意しながら、そちらへ向かいましょう。
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御殿場新五合目〜下双子山〜上双子山
「幕岩・二つ塚(双子山)入口」からは、スコリアの堆積した砂丘歩きとなります。
歩くたびに足元が滑って後退するので、非常に体力を消耗します。
海岸線を歩くと思いのほか疲れるあの状態と似ています。
また、天気が良い日であれば見晴らしが良く、現在位置の把握も容易ですが、悪天候の際はこの見晴らしの良さが裏目に出てしまいます。
近くに目印となるものが少ないため、自分がどこを歩いているか見失いやすくなってしまいます。
正しいルートには、ガイドとなるロープが張ってあるので、可能な限りこのロープを見失わないように進むと良いでしょう。
GPS地図があれば問題無いだろうというご意見もありますが、100%故障しないとは言い切れません。
可能な限り、自分の位置を把握しつつ進むようにして下さい。
ただ、このガイドロープも双子山麓まで来ると消失します。
山頂までは、GPS地図やコンパス、それと己の感覚で進むことになります。
短い距離ではありますが、くれぐれも道迷いを起こさないように注意しつつ進んでください。
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上双子山〜御殿場新五合目
双子山それぞれの山頂を踏んだら、来た道を辿って「御殿場新五合目」まで戻ります。
「幕岩」経由で周回するというルートもありますが、天気も悪いので今回はパスしてしまいました。
帰りは大石茶屋を経由しないルートで降りましたが、対してショートカットできるわけでも無く、わざわざそうする必要もなかったかもしれません。
「御殿場新五合目」まで戻ってしまえば、後は車道歩きのみです。
車道の下り坂は、登山靴で歩くのには少々難儀します。
靴紐を調整してマメなど作らないように、ゆっくり降るようにしてみて下さい。
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御殿場新五合目〜馬返し〜富士急バス「中央青年交流の家停留所」
ここからは、ひたすら車道を降って行きます。
まずは、水ヶ塚方面との合流地点まで降り、そこから御殿場方面に向けて車道脇を降って行きます。
午後に入ると更に交通量が増えるので、行き来する車やバイクには更に注意が必要です。
この日、ある一台のバイクが追い抜いていく時に、わたしの結構近くを通過していき、びっくりしたタイミングがありました。
わたしがビビリなだけなのかもしれませんが、コーナー取りの邪魔だと主張したかったのかもしれません。
世の中、どんな人がいるかわかりませんので、エンジン音が聞こえてきたらできるだけ車道の隅に移動してやり過ごすのが良さそうです。
スラローム地帯を抜けて、直線まで降ってしまえば「中央青年交流の家停留所」までは、目と鼻の先です。
引き続き行き来する車やバイクに気をつけつつ、一気にゴールしてしまいましょう。
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まとめ
富士山御殿場ルートの山麓から五合目を経由して「双子山」まで歩いた様子でした。
公共交通機関を使った山行で、交通機関の最終便を逃すというのは意外と致命傷になる恐れがあります。
登山口があるような場所に通っている交通機関はバスしかない場合がほとんどです。
最終バスを逃したらタクシーを呼んで最寄りの交通機関まで移動することになります。
しかし、場所によっては電波が入らない可能性もありますし、携帯電話自体がトラブルで使えなくなる可能性もあります。
そうなってくると、登山口でのビバークとなりますが、これはもう立派な遭難です。
防寒着やビバーク装備がなければ、凍えもしますし、飢えもします。
そんな時に、一度でも登山口から街まで歩いた経験があると、最悪歩いて帰れば良いと腹を括れるので、気負いなくその後の行動を取ることができます。
万人向けではありませんが、もしあなたがわたしと同じく公共交通機関を使った単独行がメインの人だったら、どこかで登山口から街中まで歩く経験をしておくことをおすすめします。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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