伊豆のガイドブックを読んでいると、岬の突端がニョキっととんがっている「烏帽子山」が目につきます。
交通の便が悪く、公共機関での日帰りは厳しい場所と聞きますが、行けなくはないんじゃないかと足を運んでみました。
結果は、途中で色々あって気分が優れずに引き返してしまうことになりましたが、全然日帰り可能なことはわかりました。
また、ロールプレイングゲームのダンジョンみたいな石丁場跡「室岩洞」や、海への眺望に優れた遊歩道「岩地歩道」にも立ち寄ったので、そのときの様子を掲載しました。
それぞれ一時間程度で見て回れる小ぶりな観光ポイントでしたので、西伊豆で軽く遊ぶときに覚えておくと、空き時間を埋めるのに丁度良いと思います。
是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2023/6/4
天候:晴れ
エリア:伊豆エリア
コース概要:
東海バス「松崎バスターミナル」〜牛原山〜室岩洞〜岩地歩道〜東海バス「子浦浜停留所」
難易度:体力☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)伊豆箱根鉄道駿豆線「修善寺駅」から、東海バスで「松崎バスターミナル」に向かい、スタート
(帰)「子浦浜停留所」から、東海バスで「松崎バスターミナル」へ。その後下田駅行きに乗り換えて、「蓮台寺駅停留所」で下車、伊東線へ乗り換えて帰路へ
概要
烏帽子山(えぼしやま)
「烏帽子山」は、静岡県賀茂郡松崎町にある標高162mの海に突き出た突端で、遠目からもよくわかる鋭角なピークが特徴的な山です。
この急峻な地形は火山岩頸や火山の根やと呼ばれるもので、火山が噴火する時にできた縦穴の中で、マグマが冷え固まり、その後、時間をかけて海からの侵食を受けて出来上がった特殊な地形です。
火山の土地「伊豆」にはよくある地形で、伊豆三山のひとつ「城山」も、火山の根に当たるようです。
山頂には、雲見浅間神社があり、西伊豆の海岸線や富士山への眺めを楽しむことができるそうです。
聞いた話になってしまうのが大変口惜しいですが、今回は遠くから眺めるだけで終わってしまったので致し方ありません。
近い将来、リベンジして山頂からの眺めを紹介しますので、暫し、お待ちくださいね。
関連リンク
伊豆半島ジオパーク公共HPに詳細が掲載されていました。こちらも参考にしてみてくださいね。
室岩洞(むろいわどう)
「室岩洞」は、静岡県賀茂郡松崎町にある観光スポットの一つです。
昭和の初期まで活用されていた石材「伊豆石」を切り出していた石丁場跡で、人工的にくり抜かれたトンネル内を探検することができます。
内部は一定間隔で照明がついているので、探索するのに不便はないですが、至る所に海水が侵入しているので、探検するときには足元に注意する必要はあります。
また、降雨後には冠水により通過できないシーンに出くわす可能性もあります。
そのようなときには、無理せずに引き返すのが良いでしょう。
トンネルを抜けた先には展望所があり、松崎方面の海岸線を眺めることができるようです。
関連リンク
松崎町役場HPに案内図が掲載されていました。訪れる前に一度目を通しておくとよいでしょう。
岩地歩道(いわちほどう)
「岩地歩道」は、静岡県賀茂郡松崎町にある遊歩道の一つです。
荻谷トンネル手前の駐車場を起点に、萩谷崎の首根っこから萩谷海岸にかけてぐるっと周遊することができます。
そして、前者からは雲見方面の海岸線を、後者からは松崎方面の海岸線を眺めることができます。
概ね一時間で一周してこれる手頃な遊歩道ではありますが、海岸と展望地とを繋ぐ区間が意外と急斜面で滑りやすく、悪天候の後だと思った以上に手間取る恐れがあります。
散策する際は、少し時間に余裕を持たせて赴くようにしてくださいね。
関連リンク
松崎町役場HPに遊歩道の案内図が掲載されていました。こちらも、訪れる前にチェックしておくとよいでしょう。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 243 m
最低点の標高: 3 m
累積標高(上り): 952 m
累積標高(下り): -923 m
総所要時間: 04:07:09
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の場所になります。
- 牛原山()展望台
- 岩地歩道展望地
牛原山(うしばらやま)展望台
今回の山行ルート上の展望ポイントの一つ目は「牛原山展望台」です。
牛原山は松崎町のほぼ中央にある標高236mの山で、山頂直下にある芝生の広場からは松崎市街地を見下ろすことができます。
天候に恵まれれば、富士山や南アルプスの山並みも見えることがあるようです。
ドラマ関連には疎いのでどんなシーンで使われたのかはよくわかりませんが、平成16年(2004)にTBSで放送されたドラマ「世界の中心で愛をさけぶ」のロケ地となった場所らしく、ドラマの中で登場した「あじさいの丘」というのを再現すべく、放映当時はこの地に紫陽花を植栽していたのだそうです。
今回、6月初旬の紫陽花が咲く時期の時期に訪れましたが、周辺で開花している花を見かけることはなかったので、すでに取り除いてしまったのかもしれません。
それでも、市街地から距離が近く、ミニチュアのような建物やチョロQのように走る自動車達を眺めて楽しむことができました。
鋪道を登ってくるルートもあるようなので、松崎へ観光に訪れた際には是非、登ってみてくださいね。
ギャラリー
Instagramに上げたショート動画です。こちらも眺めていってくださいね。
岩地歩道展望地
今回の山行ルート上の展望ポイントの二つ目は「岩地歩道展望地」です。
駐車場から右回りに20分ほど進むと見えてくる海への眺望に優れた場所で、雲見崎から岩地海岸までの入り組んだ海岸線を眺めを楽しむことができます。
太平洋からの海風が吹き抜ける、潮の香りが心地よい場所でしたので、西伊豆に来て時間を弄ばしたときには、是非、歩いてみてくださいね。
ギャラリー
Instagramに上げたショート動画です。こちらも眺めていってくださいね。
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、特にありませんでした。
- 特に無し
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
山行中のコンディション
- 天候:晴れ
- 気温:25〜30℃
- 活動場所:標高0〜200m
行動時の組み合わせ
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:無し
- アウター:無し
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
停滞時の組み合わせ
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:無し
- アウター:無し
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
公共機関移動時の組み合わせ
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:無し
- アウター:無し
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:薄手の手袋
今回は、スタートからゴールまで半袖Tシャツで活動しました。
歩き始めに気温を測ると30℃近くまで上がっていて、ザックを背負って立っているだけで汗が出てくる真夏日となりました。
市街地を離れて海岸沿いを歩くようになると、海からの強風でだいぶ涼しく感じるようになりましたが、一日通して暑い日となりました。
公共交通機関での移動の際も、半袖Tシャツだけで十分。周囲も半袖の割合の方が多い感じでした。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
ギャラリー
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、東海バス「松崎バスターミナル」からのスタートとしましたので、「東京駅」からのアプローチは次の通りとなります。
- 「東京駅」から、JR東海道線沼津行きに乗り込み、「三島駅」へ
- 「三島駅」から、伊豆箱根鉄道駿豆線修善寺行きに乗り込み、終点の「修善寺駅」へ
- 「修善寺駅」から、東海バス松崎行きに乗り込み、終点の「松崎バスターミナル」へ
「三島駅」はJR東海道の管轄です。東京方面からSuicaで改札を通ってきた場合、自動改札から通り抜けることができません。
有人改札で一度清算する必要があるのでご注意ください。
また、同様の方が多く降りる駅なので、南口有人改札は混雑しやすいです。
スムーズに通過したい場合は、電車を降りたらすぐに南口改札にむかうようにしてください。
「修善寺駅」に着いたら、南口にあるバスターミナルに向かい松崎行きの路線バスに乗り込みます。
なお、東京から沼津行きの始発で向かった場合、乗り換えに10分ほど余裕がありますので、一旦、おトイレに立ち寄っておくことをお勧めします。
「松崎バスターミナル」に到着したら、待合ベンチをお借りして身支度を整えて出発です。
直接確認はしていませんが、隣接の待合所の裏手におトイレもあるようです。
必要により、お借りすると良いでしょう。
ギャラリー
東海バス「松崎バスターミナル」〜牛原山
まずは、最初の目的地「牛原山」の展望台へ向かいます。
松崎の中心街を南へ直進し、宮の前橋の交差点を右折してしばらく進むと伊那上神社の鳥居が見えてきます。
この手前を左折するルートもあるようでしたが、今回は素通りして道なりに進みます。
伊那下神社が見えてきたら、少しだけ通過して駐車場奥にある山道から登っていきます。
石階段の続く急坂を30分ほど登っていくと、公衆トイレの併設された広場に到着します。
展望台はその奥にあります。
手前に建っている東家があるので目安になることでしょう。
なお、牛原山山頂へは道が通っていません。
試しに作業道らしい道を辿ってみましたが、山頂の表札も三角点も見つけることができませんでした。
展望台まで登ったら登頂としてしまって差し支えないかと思います。
ギャラリー
牛原山〜室岩洞
「牛原山」への登頂を果たしたら、来た道を降って「室岩洞」へ向かいます。
長八記念館、長八美術館、岩科川と通過していくと、歩道の狭い車道になっていきます。
追い越しの車両に注意しつつ進んでいくと室岩洞トンネルが見えてきます。
トンネルを通過し20分ぐらい歩いていくと右手に室岩洞へ向かう道の入り口に到着です。
細い小道を降っていくと、岩を切り抜いた薄暗い洞窟の入り口が見えてきます。
午前8時30分から午後5時までの時間は洞窟内に灯りが点いているようですが、万が一停電になった場合、暗闇の中を手探りで進むことになります。
念の為、ヘッデン等の灯りを手元に準備してから侵入した方が安心でしょう。
洞窟の先は行き止まりの展望台になっているようです。
今回は、前日の大雨で冠水して進むことができませんでしたので、再訪して到達してやろうと思います。
ギャラリー
室岩洞〜岩地歩道
「室岩洞」から車道に戻って、南下を続けます。
このあたりから、海への視界が開けて、駿河湾を右手に眺めながらお散歩することができます。
ただし、歩行者用スペースは相変わらず狭いので、行き交う車両には気を付ける必要があります。
しばらく進んでいくと、眼下に東家のあるプライベートビーチのような海岸がみえてきますが、その場所がこれから向かう萩谷海岸となります。
さらに進んで駐車場から岩地歩道に入り、一周歩いていくことにします。
右回りに階段を登り、伸び放題となった草をかき分けて進むと、展望地に到着です。
ベンチが一基設置されていますが、草に埋もれてしまっていて夏の時期に座って休むには、少々難儀しそうでしたが、眺望は素晴らしいものでした。
続いては、先ほど車道から見下ろした萩谷海岸へと進みます。
途中、滑りやすい急坂を進むことになるので転倒に注意して進んでください。
海岸まで降りてみると、流れ着いた大小様々な石がゴロゴロしている浜辺で、泳ぐには適していないようです。
眺めは良いので、東家で腰掛けて波音を聞きながら一休みした後、歩道に戻ってもう少し先に進むことにしました。
ギャラリー
岩地歩道〜東海バス「子浦浜停留所」
「岩地歩道」から車道に戻り、南下を続けると、岩地の漁港が見えてきて、三浦歩道への入り口を発見しました。
ここから山道に入ると、2時間ほどで雲見崎の烏帽子山まで進める予定だったのですが、暑さにやられてしまい、足元がすこしフラフラしてきます。
しばし、歩きやすい鋪道を進んでみたのですが、復調しそうになかったので近くにあった「子浦浜停留所」から路線バスで帰路につくこととしました。
ギャラリー
おまけ
路線バスの中で涼んでいると、徐々に調子がもどってきたので「松崎バスターミナル」から下田行きのバスに乗り継いで「蓮台寺駅停留所」で下車。そこから伊東線で「伊東駅」まで向かい、温泉に入っていくことにしました。
今回は、伊東駅から徒歩2分の距離にある共同浴場「子持ち湯」に立ち寄ってみました。
以前に立ち寄ったことのある共同温泉「弁天の湯」と同じ源泉からお湯を引いており、温度が熱めの癖のないお湯でさらりと入ることができました。
難点は、施設が少々こじんまりとしているところで、駅前の好立地も手伝ってか、入浴客が途切れることなく、ちょっとゴミゴミとして落ち着かない感じでした。
その代わり、回転率はとても良く、脱衣所や洗い場で待たされる時間は長くはなく、サッと入ってサッと出てくることができ、汗を流してさっぱりとしてから帰宅の途につくことができました。
子持湯については、次の記事に詳しくまとめてます。合わせて読んでいってくださいね。
ギャラリー
まとめ
西伊豆の松崎から、烏帽子山に向けて途中まで歩いた様子でした。
電車、路線バスを乗り継いで行く必要のある西伊豆は、日帰りで赴くには不便なため、今まで敬遠していたのですが、実際に赴いてみたところ、思いの外活動時間が確保できて非マイカー組でも十分楽しめることがわかりました。
奇岩の多い海岸線や、彼方まで広がる太平洋への眺めは大変に素晴らしく魅力的なので、夏の海を眺めに、是非、訪れてみてくださいね。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
コメント