東海道随一の富士山眺望スポット薩埵峠(さったとうげ)。
JR東海道線、東名高速道路、国道一号線が一堂に会する珍しいポイントで、前々からいってみたい場所の一つとなっていましたが、往復6,000円を超える運賃は貧乏サラリーマンの二の足を踏ませるには十分なお値段で、今の今まで訪れたことがありませんでした。
そんな中、青春18きっぷの春季期間に突入して、運賃もお安く抑えることができるようになったので、ここが絶好の機会ということで、お隣の浜石岳と合わせて訪れてみることにしました。
残念ながら、天候には恵まれず、道中一度も富士山を見ることはできませんでした。
しかも一番の目的だった薩埵峠の展望台が遊歩道崩壊で通行止めになっており、全くもってミッションコンプリートできませんでしたが、初めて歩く山道、初めて眺める景色はどれも興味深く、楽しい山行を経験することができました。
もし、あなたも薩埵峠や浜石岳にいつか登ってみたいという願望をお持ちでしたら、この記事の道中の様子はいろいろ参考になるかと思います。
是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2023/3/12
天候:曇り
エリア:静岡エリア
コース概要:
JR東海道線「由比駅」〜「ちょっと一休み」休憩所〜浜石野外センター〜浜石岳〜浜石岳ハイキングコース入口〜薩埵峠駐車場〜JR東海道線「由比駅」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)JR東海道線「由比駅」からスタート
(帰)JR東海道線「由比駅」から帰路へ
概要
薩埵峠(さったとうげ)
「薩埵峠」は、静岡県静岡市清水区の由比にある富士山への展望が有名な峠です。
名前の由来は、海岸で漁網にかかった薩埵地蔵を祀ったという故事からきているそうです。
古くから、日本の東西を繋ぐ交通の要所として有名で、現在もJR東海道線、東名高速道路、国道一号線といった交通網が一同に会する特異な場所となっています。
また、これら鉄道や高速道路と合わせて富士山や駿河湾への眺望に優れており、全国的にも有名な絶景スポットとして多くのカメラマンや観光客の訪れる場所となっています。
しかし、残念なことに今回訪れた2023年3月現在、地滑りにより展望台へと続く遊歩道は通行禁止となっており、見たかった絶景にはありつけませんでした。
展望台への道が全面開通したら、再訪したいと思います。
関連リンク
崩落箇所に関する復旧状況は、静岡市公式HPに掲載されております。リンクを貼っておきますので、ご確認ください。
浜石岳(はまいしだけ)
「浜石岳」は、静岡県静岡市清水区の由比にある標高707mの里山です。
山頂が開けた草原地となっており、北には富士山、東には駿河湾や伊豆半島、南には清水港、西には南アルプスと、ほぼ静岡全域を見渡すことができる展望地となっています。
主な登山ルートは次の3つ
- 西山寺ルート:JR東海線「由比駅」から登るルート
- 白井沢ルート:同じくJR東海線「由比駅」から登るルートでこちらの方が若干距離が長い様子
- 薩埵峠ー浜石岳ルート:薩埵峠を経由して上の二つとは反対方面から登るルート。3つの中では最長。
いずれも、案内板の整備されたわかりやすいハイキング道となっています。
このほかにも、お隣の「興津駅」から薩埵峠を経由して登ってくるルートや、山頂直下にある浜石野外センターまで車で登ってしまう楽ちんルートもあるようで、わたしが歩いていたときにも、タクシーが何台か登っていくのを見ることがありました。
携帯の電波も入る場所でしたので、万が一の時にはタクシーを呼んで下山できるかもしれない点も覚えておくといざという時役に立つかもしれません。
関連リンク
静岡市公式HPに、デフォルメ地図が掲載されていましたのでリンクを貼っておきます。それぞれのルートのイメージがわかるかと思うので、参考にしてみてください。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 707 m
最低点の標高: -4 m
累積標高(上り): 1427 m
累積標高(下り): -1434 m
総所要時間: 06:44:49
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、特にありません。
強いて挙げるとすれば、由比の街は細い路地が多いので、車との接触に注意が必要といったところでしょう。
- 特に無し
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
- 浜石岳山頂
浜石岳山頂
今回の山行ルート上の展望ポイントは「浜石岳山頂」です。
高さこそ1,000mに満たない山ですが、里山特有の麓の街並みに加えて、由比港を見下ろせる高台となっていて、そのことだけでもなかなか目に楽しい眺望を得られることでしょう。
そのほかにも、天候に恵まれれば、富士山、南アルプス、伊豆、駿河湾と、海に山に素敵な眺めを堪能できる場所となっています。
そして、山頂が広々とした芝生になっているので、レジャーシートを敷いて足を投げ出しつつ、四方の眺望を楽しむのも悪く無いかと思います。
ギャラリー
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
山行中のコンディション
- 天候:曇り
- 気温:15〜23℃
- 活動場所:標高0〜700m
行動時の組み合わせ
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:無し
- アウター:無し
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
停滞時の組み合わせ
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:無し
- アウター:無し
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
公共機関移動時の組み合わせ
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:薄手のフリース
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:薄手の手袋
今回は、駿河湾にほど近い由比駅からスタートです。
海沿いだからなのか、早朝からちょっと湿気を帯びた暖かさで、最初から最後まで半袖Tシャツでの行動となりました。
山頂で15分ほど休憩を入れましたが、そのときも半袖Tシャツのままでも快適で、海から噴き上がってくる風が心地よい状態でした。
公共機関での移動の際も、大して冷えることも無く、薄手の長袖Tシャツとソフトシェルだけで過ごせました。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
ギャラリー
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、JR東海道線「由比駅」からスタートとしたので、「東京駅」からのアプローチは次のとおりでです。
- 「東京駅」から、JR東海道線沼津行きに乗り込み「三島駅」へ
- 「三島駅」から、JR東海道線静岡行きに取り込み「由比駅」へ
早朝時間帯の東京発JR東海道線は、沼津駅が終点のことが多く、それよりも西に向かうためには、どこかで乗り換えが必要です。
終点の沼津駅で乗り換えるのが順当ではありますが、ひとつ手前の三島駅の方が静岡行きの始発駅となることが多いので、そちらで乗り換えておいた方が座席確保がし易いです。
今回もそれを狙って、三島駅で乗り換えとしました。
おトイレ周りの情報としては、目的地「由比駅」構内にあるおトイレに立ち寄ることになるかと思います。
もしくは、東海道線車両内のおトイレも活用できるでしょう。
身支度は、駅の待合フロアをお借りするのが便利です。
コンビニはないものの、自販機があるので、飲み物補充にご活用ください。
諸々、準備が整ったら駅を出て右手に進んでいきましょう。
ギャラリー
JR東海道線「由比駅」〜「ちょっと一休み」休憩所
「由比駅」を出てすぐを右折して、桜エビのアーチを通過したらしばらく道なりに進みます。
由比の町は、漁港から採れる桜エビが名物で、5月にはお祭りが開催されるなど、シーズン中はなかなか活気のある町のようですが、3月の時期はまだ落ち着いた感じの中を進みます。
随所に立っている道案内に沿って、傾斜のある道を登っていくと東海道新幹線の沿線がみえてくるので通過してさらに登っていきます。
収穫待ちのみかん畑を横目に眺めながら高度をあげていくと、駿河湾方面に視界の開けた場所に「ちょっと一休み」の看板が立っている場所に到着します。
登りルートにして1/3の地点になりますが、ベンチが一組設置されているので、由比港をながめて一息入れてから先に進むとしましょう。
ギャラリー
「ちょっと一休み」休憩所〜浜石野外センター
「ちょっと一休み」休憩所からも車道歩きが続きます。
なかなか標高も上がってきているはずですが、畑仕事の軽トラックがバンバン通過していきますので、その点には注意が必要です。
公衆トイレの前を通過してしばらく進むと、「三本松を経て浜石岳へ」という案内が見えてきます。
ここから、ようやく山道っぽい道を歩けることとなります。
ただし距離としては30分程度で、「浜石野外センター」のアスレチック遊具の前に飛び出ます。
ここからの眺めもなかなか良いので、少し立ち止まって景色を楽しんでいくと良いでしょう。
アスレチック遊具の脇から分岐して展望台に向かうこともできます。
展望所には櫓が建っていて、天気がよければ富士山が見えて絶景、絶景となると思いますが、曇り空ではその恩恵も授かれず、失意のまま先に進むこととなりました。
ギャラリー
浜石野外センター〜浜石岳
展望所からアスレチック遊具のある広場を通過していくと「浜石野外センター」の入り口にあたる駐車場エリアに到着します。
ここから、また車道歩きとなるので、車の往来に気をつけつつ先を進みます。
「浜石岳」への分岐を左折し、途中にある近道を登っていくと40分ほどで「浜石岳」山頂に到着です。
非常に広い広場となっている山頂は、開放感があってとても気持ちが良いです。
ベンチが一組と、丸太の椅子が二組ほどありましたが、ここは是非、レジャーシートを持参していくことをお勧めします。
芝生の上に座って駿河湾の眺めを楽しんでくださいね。
ギャラリー
浜石岳〜浜石岳ハイキングコース入口
「浜石山」山頂を後にしたら、反対方向から「薩埵峠」へ向けて降っていきます。
こちら側のコースは、今まで登ってきた道とは異なり、ガチの登山道になります。
農作業用モノレールの脇に設置されたルート上には、粘土質の滑り易い箇所や、段差の大きな箇所が頻繁にありますので、滑らないよう注意しつつ降っていきましょう。
途中、但沼分岐点、立花分岐点と通過して、急坂の降り坂をパスすることで「浜石岳ハイキングコース入り口」まで降下することができます。
ギャラリー
浜石岳ハイキングコース入口〜薩埵峠駐車場
「浜石岳ハイキングコース入口」まで降下してきたら、さらに30分ほど畑の間を縫うように降ると、東海道自然歩道バイパスコースという名前の鋪道にぶつかります。
この鋪道は普通に車が通過するので、後ろから迫ってくる車に注意しながら、「薩埵峠駐車場」まで向かうことになります。
途中、駿河湾の先に見える西伊豆の稜線眺めつつ進んでいくと、「薩埵峠駐車場」に到着です。
ここからも、まあまあの眺めが楽しめますが、ネット上に上がっている薩埵峠展望台からの眺めに比べると数段落ちるのは否めません。
展望台までの遊歩道が早く全面開通になること願います。
ギャラリー
薩埵峠駐車場〜JR東海道線「由比駅」
「薩埵峠駐車場」を後にしたら、東海道自然鋪道バイパスコースを辿って「由比駅」まで戻っていきます。
この道はロードバイク向けのサイクリングコースにもなっているようで、自動車やバイクよりも自転車と多くすれ違うことになると思います。
古い宿場町の雰囲気を残す村落の中を2時間ほど進んでいき、歩道橋を通過すると「由比駅」に到着です。
おトイレを済ませて、JR東海道線で帰路に着くこととしましょう。
ギャラリー
おまけ
今回は、熱海駅で途中下車して「熱海駅前温泉浴場」に寄り道です。
この日は、非常に混み合っていて10分ほど待たされましたが、いつもと変わらぬ熱湯風呂で肌を赤くしながら暖まっていくことができました。
若干値上がりはしたものの500円で、温泉に入れるのはやっぱりお財布に嬉しいです。
また、再訪したいと思います。
「熱海駅前温泉浴場」については、次の記事で詳しくまとめてます。こちらも読んでいってくださいね。
ギャラリー
まとめ
静岡県由比にある浜石岳・薩埵峠に訪れた時の様子でした。
富士山への眺望で有名な二箇所でしたが、どちらも富士山には恵まれず残念な思いをする結果となりました。
加えて、薩埵峠は展望台にも辿り着けずにモヤモヤが残ることとなってしまったので、通行止め解除を待って、必ず再訪しようと思います。
天候に恵まれてくれれば、山に海に気持ちの良い展望を楽しめるルートになっていますので、まだ訪れたこと無いようでしたら、遊びに行ってみてくださいね。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
コメント