川苔山へ向かう人気の登山ルートに、百尋ノ滝を経由する渓谷ルートというのがありますが、スタートして5分ほどの位置に「蕎麦粒山」と手書きで書いた案内板が立っているのをご存知でしょうか。
ここから鳥屋戸尾根(とやどおね)という尾根筋を進めるようなのですが、草木がボーボーの破線ルートと聞いていたので敬遠していました。
しかし、冬場なら草木も枯れて歩きやすいのではと、試しに歩いてきてみました。
案の定、木々は枯れて歩きやすく蕎麦粒山まですんなり進めたので、帰路は凍った百尋ノ滝をちょい見して帰ってきました。
川乗橋バス停にほど近い位置にある「蕎麦粒山」の案内板、その先の道がどんな風になってるか気になるようでしたら、この記事で色々わかるかと思います。
是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2023/1/28
天候:晴れのち曇り
エリア:奥多摩エリア
コース概要:
西東京バス「川乗橋停留所」〜笙ノ岩山〜蕎麦粒山〜日向沢ノ峰〜川苔山〜百尋ノ滝〜西東京バス「川乗橋停留所」
難易度:体力☆☆、技術☆☆、危険☆☆
交通機関:
(往)JR奥多摩線「奥多摩駅」から西東京バスで「川乗橋停留所」へ向い、そこからスタート
(帰)「川乗橋停留所」から西東京バスでJR奥多摩線「奥多摩駅」へ向い、帰路へ
概要
鳥屋戸尾根(とやどおね)
「鳥屋戸尾根」は、東京都と埼玉県の境に位置する蕎麦粒山(そばつぶやま)へ通じる小ぶりな尾根筋です。
登山口は、「川苔山」の渓谷ルート登山口として有名な西東京バス「川乗橋」の至近にありますが、とても奥ゆかしく設置されているので、気にしていなければスルーして進んでしまうだろうと思います。
旺文社の山と高原地図には、破線ルート(バリエーションルート)と書かれており、経験者向けの登山路になっていますが、踏み跡もしっかりと付いているので、雪や枯れ葉で隠されてしまう時期を外せば、道を外れることはほぼ無い印象でした。
ただしこれは、「川乗橋」から「蕎麦粒山」へ向かう登りルートで使うならの話です。
「蕎麦粒山」からの下山ルートとして使った場合は、滑りやすい急坂の降りや、道迷いを誘発する細かな作業道への分岐など、難易度が高くおすすめルートとはならないようです。
また、展望には期待できないルートですが、木々の葉が枯れ落ちる冬場であれば、多少は周囲の様子を眺めることもできるようでした。
一般向けのルートでは無いので、しっかりとした事前準備が必要ですが、難易度はそれほど高くは無かったので、物静かな山行を望むのならチャレンジしてみるのもアリだと思います。
蕎麦粒山(そばつぶやま)
「蕎麦粒山」は、東京都の奥多摩町と埼玉県の秩父市の境にある標高1,472.9mの低山です。
川苔方面から眺めた時に、綺麗な三角錐を真っ二つに割くように山道が付いているピークがあったら、それが「蕎麦粒山」です。
奥多摩でも奥まった場所に位置しており、山頂に至るルートとしては次のようなものがあります。
- 奥多摩の日原停留所から、一杯水避難小屋(いっぱいみずそうなんごや)を経由するルート
- 奥多摩駅や鳩の巣駅から、「川苔山」を経由するルート
- 奥多摩の川乗橋から、「鳥屋戸尾根」を辿るルート
- 秩父の浦山大日堂(うらやまだいにちどう)から、仙元尾根を辿るルート
メジャーなルートは一つ目と二つ目でしょうか。
どちらも、展望に優れた県境線を辿ることになるので、気持ちの良い山行が期待できます。
山頂からの眺めは南方面に開けており、「川苔山」の肩越しに関東平野の広がりを眺めることができます。
空気の澄んだ時期に訪れると、スカイツリーはもちろん、横浜ランドマークタワーも視認できるので、試してみてくださいね。
日向沢ノ峰(ひなたざわのうら)
「日向沢ノ峰」は、東京都奥多摩町と埼玉県飯能市の堺にある標高1,356mの低山です。
このピークも、奥多摩でも奥まった場所に位置しているので、訪れるには難儀する山になるでしょう。
一番短いルートは、「川苔山」を越えてくるルートですが、それでも5〜6時間はかかります。
山頂からは、南西方面に視界が開けており、御岳山や石尾根の様子を眺めることができます。
お隣の川苔山は、木々に阻まれて残念ながら確認は難しそうです。
また、天候に恵まれれば富士山が綺麗にみえるスポットでもあります。
「川苔山」から向かうと、途中に壁のように聳え立つ急坂が現れ心を折りにきますが、少々キツめの筋トレと思って、チャレンジしてみてくださいね。
川苔山(かわのりやま)
「川苔山」は、東京都西多摩郡奥多摩町にある標高1,363mの低山です。
多種多様な登山ルートが整備されているため、非常に多くの登山者の訪れる人気の山になっています。
特に、「川乗橋停留所」からスタートする渓谷ルートは人気が高く、天気が良い日のバスは立ち乗りになることが多いです。
山頂からは、西方面に視界が開けており、石尾根に連なる山々を正面に、北方面に伸びる県境線の山々までも眺めることができます。
また、木々の間から富士山がみえることもあるので、訪れたときには探してみてくださいね。
百尋ノ滝(ひゃくひろのたき)
百尋ノ滝は、川苔山へ向かう登山道の中で渓谷ルートの途中にある落差40mの滝です。
奥多摩エリアでは、超有名かつ超人気の滝で、春夏秋冬を通して多くの登山客が訪れる場所です。
渓谷ルートが閉鎖されていた期間、訪れる人は激減しましたが、2022年7月から無事に開通されたことにより、また訪れる人が増えてきた印象です。
同じ奥多摩エリアには、日本の滝百選に選ばれている「払拭ノ滝」(ほっさわのたき)がありますが、それに負けず劣らずの落差や水量、美しさを備えた名瀑です。
むしろ、道のりの難易度は、百尋ノ滝の方が遥かに上なので、レア度はこっちの方が上だと思います。
滝好きには堪らない眺めだと思いますので、一度は訪れてみてくださいね。
別のタイミングで訪れた百尋ノ滝の様子を書いた記事もあります。
興味ありましたら、一緒に読んでいってもらえたら嬉しいです。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 1478 m
最低点の標高: 430 m
累積標高(上り): 2268 m
累積標高(下り): -2282 m
総所要時間: 09:37:47
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、次の通りです。
- 「川乗橋」から「笙ノ岩山」(しょうのいわやま)に向かうまでの急坂区間
- 「川苔山」から「百尋ノ滝」へ降りるまでの区間
「川乗橋」から「笙ノ岩山」に向かうまでの急坂区間
今回の山行ルート上の注意した方が良さそうな区間の一つ目は「川乗橋から笙ノ岩山に向かうまでの急坂区間」です。
この区間、登り始めはちょっとキツイかなと感じる程度の急坂なのですが、歩みを進めるにつれて補助のロープが張り巡らされた直登区間に入ってきます。
ロープを使わなくても登れなくは無いですが、足元のコンディションが砂地に枯れ葉が敷き詰められた大変滑りやすい状態で、緊張状態が続くことになります。
後ろにひっくり返ると、後転しながらかなりの距離転げ落ちることになりそうなので、少し前屈みに登っていくと良いかもしれません。
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「川苔山」から「百尋ノ滝」へ降りるまでの区間
今回の山行ルート上の注意した方が良さそうな区間の二つ目は「川苔山から百尋ノ滝へ降りるまでの区間」です。
特に「百尋ノ滝」に降りる手間の岩場の急坂は、足元が岩場で滑りやすく注意が必要です。
鎖やロープが設置されているので、うまく活用しながらゆっくり降ってください。
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おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
- 蕎麦粒山山頂
- 日向沢ノ峰山頂
- 川苔山山頂
- 百尋ノ滝
蕎麦粒山山頂
今回の山行ルート上の展望ポイントの一つ目は「蕎麦粒山山頂」です。
「蕎麦粒山」の山頂からは南方面の展望が得られます。
正面に見える川苔山の左手奥に、関東平野の街並みが一望できるのはちょっと感動ものです。
目が良ければ、スカイツリーや都内の高層ビル群、少し離れた場所に横浜ランドマークタワーと特徴的な建物が確認できますので、探してみてください。
加えて、川苔山の右手奥には、丹沢の山々もうっすらと見えてました。
山頂は、三人詰めれば満員という狭さなので、混雑時には長居せずに移動してしまった方が良いでしょう。
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日向沢ノ峰山頂
今回の山行ルート上の展望ポイントの二つ目は「日向沢ノ峰山頂」です。
「日向沢ノ峰」の山頂からは南西方面の展望が得られます。
近いところでは御岳山、中間は石尾根、遠くは富士山まで確認することができます。
この山頂も非常に狭く、一人滞在してたら満員です。
先客がいらっしゃったら、写真だけ撮って移動してしまいましょう。
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川苔山山頂
今回の山行ルート上の展望ポイントの三つ目は「川苔山山頂」です。
この山頂からは、西方面への展望が得られます。
特に、石尾根の山並みが必見で、山頂碑の奥に広がる連なりを眺めて山座同定するのが楽しいです。
北方面に目を向けると木々の隙間から長沢背稜の山々も見えるので、一緒に楽しんでしまいましょう。
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百尋ノ滝
今回の山行ルート上の展望ポイントの三つ目は「百尋ノ滝」です。
40mの高さから落ちてくる滝の様子は迫力ありますが、寒波到来のこの日は、滝壺が凍りついてさらに近くまで近寄ることができました。
滝の様子も、完全凍結とは至りませんでしたが、脇を固める巨大な氷柱群に滝壺に積み上がった大量の氷たちが素晴らしく見応えありました。
冬場の渓谷ルートは、難易度がさらに一段上がってしまいますが、訪れる価値は十分あるので、チェーンスパイク等の冬装備を揃えて訪れてみてくださいね。
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今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
山行中のコンディション
- 天候:晴れのち曇り
- 気温:0〜6℃
- 活動場所:標高1,200〜1,300m
行動時の組み合わせ
- ベースレイヤー:中厚手の長袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:なし
- アウター:ソフトシェル
- ボトムス:厚手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、中厚手の手袋、チェーンスパイク
公共機関移動時の組み合わせ
- ベースレイヤー:中厚手の長袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:厚手のフリース
- アウター:薄手のダウンジャケット
- ボトムス:厚手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:薄手手袋
今回は、森林地帯を歩いている分には暖かい部類でしたが、稜線に出てからは冷たい風が吹き付けてくる山行となりました。
このため、歩き始めは中厚手の長袖Tシャツで丁度良い感じでしたが、途中からソフトシェルを風除け代わりに羽織っての活動となりました。それでも、停滞していた時には二の腕あたりに吹き付ける風に冷たさを感じたので、ミドルウェアも着込んでおいた方が安全だったかもしれません。
この日は、下山途中の林道歩きの途中で日が暮れて寒さが更に増してきたので、帰路に着くバスを待つ間に、フリースとダウンジャケットも着込んで完全防備で帰路につきました。
日が落ちた奥多摩の山中でも、ここまで着込んでおけば顔以外は寒くは無かったです。
公共機関での移動の際も、同じくフル装備に着込んでいましたが、電車の長椅子から登ってくるヒーターの熱気が強くて、始終おしりがムズムズしてたのは困った点でした。
それでも、当分は厚手のズボンを使う予定です。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
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山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、JR奥多摩線「奥多摩駅」から、西東京バス東日原行きに乗り込み「川乗橋停留所」で下車してスタートすることとしました。
「奥多摩駅」までのアプローチは、次のとおりです。
- 「東京駅」から、JR中央線で「立川駅」へ
- 「立川駅」から、JR青梅線青梅行きに乗り換えて終点「青梅駅」へ
- 「青梅駅」から、JR奥多摩線に乗り換えて終点「奥多摩駅」へ
途中のおトイレは「奥多摩駅」構外のものをお借りするのが、タイミング的にも良いでしょう。
「立川駅」にもありますが、青梅線は席が埋まりやすく、終点まで向かうことを考えると座席確保の方を優先させたいところです。
「青梅駅」での乗り換えは同じホームの隣に乗り換え車両が止まっている状態なので、おトイレのためだけに便を見送って改札方面に降りていくのは、ちょっとナンセンスに感じます。
注意点は、東日原行きのバスに間に合うように寄り道する点でしょうか。
身支度は「川乗橋停留所」に設置されている椅子の一つをお借りして整えましょう。
関連リンク
今回使った西東京バスと駅探の公式HPを載せておきます。プラン立案時の参考にしてくださいね。
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西東京バス「川乗橋停留所」〜笙ノ岩山
川乗橋停留所で身支度を整えたら、閉鎖しているゲートの隙間を通り抜けて林道を進みます。
5分も進むと、進行方向左手の石垣の中に「蕎麦粒山」と手書きされた案内板が立っているので、石垣に乗っかり、そちらに進みます。
「細倉橋」へ向かう林道を足下に見つつ九十九折りの急坂を登っていくと徐々に尾根っぽい林間の道になっていきます。
このあたりは、踏み跡もしっかりとついていますし、尾根筋を進むので迷うことはないだろうと思います。
順調に高度を上げていくと、虎柄の長いロープが設置された急坂区間に入ります。
ここがなかなか厄介で、ざらざらの砂地の上に枯葉がこんもりと盛られて大変滑りやすいです。
ズルッとなるたびに、結構体力を消耗するので、しっかりと埋まっている石や木の根に足を載せるようにして、足元安定させながら進むと少しはマシかと思います。
何度かロープを変えて、厄介な区間をパスしたら、あとは細かなアップダウンを処理して行けば「笙ノ岩山」に到着です。
木々に囲まれた場所なので、スカッとした展望は期待できませんが、葉の落ちた枯れ木の合間からは、石尾根や長沢背稜、そこから東に続く都県境の山々の連なりをぐるっと確認できました。
意外と好立地なのかもしれませんね。
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笙ノ岩山〜蕎麦粒山
笙ノ岩山を通過したあとは、しばらく降り坂を降ります。
そして、傾斜の穏やかな細尾根に入りますが、このあたりは南側の木々がまばらで、意外と眺めが良いです。
川苔山や大岳山、関東平野も少しだけ眺めることができました。
その後は、アップダウンを繰り返して蕎麦粒山と思われるピークに向かって淡々と林の中を進む形になります。
日差しがほとんど入らないからか、この日は多くの区間で積雪を確認できました。
どれもサラサラのパウダースノー状態でチェーンスパイクは不要で進めましたが、時期によっては雪が腐っていたり、凍りついていたりするかもしれません。
多少重量が増すとしても、万全の装備で訪れた方がよいでしょう。
そして、「蕎麦粒山」直下の急騰区間に入っていくことになりますが、ここもなかなかの難所でした。
乾いた時期であれば、ただの急坂区間ですが、パウダースノーが積もった急坂で何度か足を取られて地面に手をついてしまうシーンがありました。
急坂を登り詰めると「蕎麦粒山」を巻いていくトラバース道との十字路に辿り着きます。
そこから更に急坂を10分ほど登れば「蕎麦粒山」山頂に到着です。
狭い山頂ではありますが、周囲から一つ飛び出たピークなだけあって、なかなかの眺めを楽しむことができます。
滞在中の人が少ないようだったら、是非、ここで一服入れていくのが良いでしょう。
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蕎麦粒山〜日向沢ノ峰
「蕎麦粒山」山頂での滞在を満喫できたら展望の開けた南方向へ降ります。
遠目には直登に見えるこの区間ですが、実際には、細かな九十九坂でできています。
それでも、きつめの傾斜になっているので滑って転げ落ちないようにしつつ慎重に下ってください。
急坂を降り切ったら、登り返しの急坂がありますので、淡々とパスしていきます。
この登り返しを通過した後は、穏やか且つ、日差しの入る明るい稜線歩きとなります。
今回の山行の中で随一の明るい山道で気分も上がりますが、風をもろに浴びる区間なので防風着を羽織っておいた方が良いかもしれません。
30分ほど気持ちの良い稜線歩きをこなしていくと、有間山への分岐、棒ノ折山への分岐と立て続けに枝道が現れますが、共にスルーして稜線を進みます。
そして、ちょっとした登り坂を登ると「日向沢ノ峰」山頂に到着です。
「川苔山」から向かうと、途中に岩壁みたいな急坂があって絶望的になるのですが、反対側はすんなり登れてしまうようです。
「日向沢ノ峰」山頂は人一人分のスペースしか無いので滞在向きではありません。
富士山が見えないようだったら、ささっと通過してしまいましょう。
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日向沢ノ峰〜川苔山
「日向沢ノ峰」を通過したら、今回の山行では最後となるピーク「川苔山」へ向かいます。
10分ほど穏やかな稜線を降ると、ガクッと落ち込んで行く急坂の降りにはります。
正面に「川苔山」の見事な山容が見えますが、あまり見惚れていると転げ落ちてしまうので、ある程度で我慢しておきましょう。
急坂を降り切ったら、今度は細かいアップダウンを数回こなして行くことになります。
このあたりから、疲労蓄積が気になってくるかもしれません。
ゆっくり一歩ずつ地道に歩みを進めてくださいね。
何度目かの登り坂をクリアして、2基の長椅子が設置された広場を通過したら「川苔山」山頂に到着です。
いつもは賑わいをみせる山頂ですが、14時30分を回った時間だとガラガラです。
山での定番ルール「15時までには下山」を考えたら当然の状態といったところでしょうか。
そのようなわけで、ここでも停滞はせずに「百尋ノ滝」へ向かって早足で降りて行くことにします。
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川苔山〜百尋ノ滝
「川苔山」から「百尋ノ滝」に降るルートは大きく2つあります。
- 足毛岩を経由して降って行くルート
- 山頂の北面を降って行くルート
どちらも時間的には変わらないのですが、気分的にトラバース箇所の少ない前者で降って行くこととしました。
登りで使う時には息の弾む急坂も降りだとスイスイと思うかもしれませんが、登山は降りの方が筋肉を使うのであまり変わりません。
重力を味方につけられるのでスピードは稼げますが、疲労度合いはあんまり変わらないです。
特に急坂の降りは、適宜ブレーキを掛けながら進む必要があるので余計に疲れます。
そのようなわけで、額にじんわり汗をかきながら階段、鎖、木橋と処理していくと「百尋ノ滝」に到着です。
この日かなり冷えてましたが、落差40mの大滝を完全凍結させるまでは至らず、周囲の巨大な氷柱を拵えるまでとなっていました。
いつか完全凍結した姿を見たいものです。
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百尋ノ滝〜西東京バス「川乗橋停留所」
「百尋ノ滝」での記念撮影が終わったら、少し早足で渓谷を降ります。
途中に凍結箇所があるだろうことを見込んでチェーンスパイクは装着したまま降っていきます。
チェーンスパイクは、固くなった雪道やアイスバーンには強い反面、パサパサのパウダースノーや深雪、そして岩場には弱いという特徴があります。
この渓谷ルートは、岩や大石が敷き詰められた場所を何ヶ所か通過するので、最初から最後までハイペースで降ることはできませんでしたが、完全に日が落ちる前に細倉橋まで降りてくることはできました。
その後の林道歩きでは、途中から暗闇の中を駆け降りることになりましたが、17時台のバスには間に合うことができ、無事に奥多摩駅まで戻ることができました。
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まとめ
奥多摩「蕎麦粒山」への登山ルート「鳥屋戸尾根」を歩いてきた様子でした。
「鳥屋戸尾根」は、破線ルートではありますが、人は頻繁に入っているようで、踏み跡やガイドテープの類はしっかりとしていました。
下山路として使った場合に枝道に迷い込む恐れがあるとのことですが、随所に行き止まりのロープが貼ってあったので、そのあたりも考慮したメンテナンスをしてくれているようです。
この状態ならば、普通の山道を歩くのと変わらないかなと思います。
正規ルートでは無いのに、ありがたいことですね。
ただ、それに甘えて情報収集を怠ったり、適当な装備で赴いてしまうと危険度は跳ね上がります。
簡単そうに見えて破線ルートです。
人の往来は皆無とみなして、何かあった時は全て自分で面倒見るつもりで装備を整えてから訪れるのが良いように感じました。
もし、歩いてみたいようでしたら、この点を踏まえてチャレンジいただくのが良いかと思います。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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