山行の記録|ようやく開通した川苔橋の渓谷ルートを歩いて百尋ノ滝と川苔山を再訪してきました

山行

昨年2021年8月から長期閉鎖されていた川苔橋からの渓谷ルート。

今年2022年7月に開通と聞いていたのですが、富士登山に忙しく後回しにしていました。

富士山開山シーズンも無事に終わったことなので、今回はこのルートを含めて川苔山登頂をしてきました。

これから奥多摩も紅葉シーズンに入っていきます。

ここも紅葉時期はとても素晴らしい景色となるようですので、予習を兼ねて読んでいってもらえたら騒いです。

また、後半は未踏だった赤杭尾根(あなぐなおね)を歩いてみたのですが、途中で迷走してしまい、なにかと反省の多い山行となりました。

人の失敗談なんて大して面白いものでは無いですけれど、何か得るものがあるかもしれません。

できれば、最後まで読んでいってもらえたら幸いです。

基本情報

まずは、今回の山行についての基本情報です。

山行の基本情報

日付:2022/9/17

天候:晴れのち曇り

エリア:奥多摩エリア

コース概要:西東京バス「川乗橋停留所」〜細倉橋〜百尋ノ滝〜川苔山〜赤杭山〜ズマド山〜JR奥多摩線「川井駅」

難易度:体力☆☆、技術☆☆、危険☆☆

交通機関:

(往)JR奥多摩線「奥多摩駅」から西東京バスで、「川苔橋停留所」へ

(帰)JR奥多摩線「川井駅」から帰路へ

概要

川苔山(かわのりやま)

川苔山は、川乗山とも呼ばれる東京都西多摩郡奥多摩町にある里山です。

標高は1363.3mと大して高くはありませんが、初級から中級まで様々な登山ルートが整備されており、いつも誰かしら登っている奥多摩を代表する里山の一つです。

特に、西東京バス「川乗橋停留所」からスタートする渓谷ルートは、途中に奥多摩を代表する名爆「百尋ノ滝」があり、非常に人気の高いルートになっています。

主な登山ルートは以下の通りです。

  • 西東京バス「川乗橋停留所」から細蔵橋、百尋ノ滝と渓谷を歩いて登るコース(中級)
  • JR奥多摩線「鳩の巣駅」から舟井戸を経由して登るコース(初級)
  • JR奥多摩線「奥多摩駅」から本仁田山を経由して登るコース(中級)
  • JR奥多摩線「古里駅」から赤杭尾根を登る尾根筋コース(中級)
  • JR奥多摩線「川井駅」から同じく赤杭尾根を登る尾根筋コース(中級)
  • 日向沢ノ峰方面から縦走してくるコース(中級)

並べてみるとかなりのルートがありますね。

なお、昔は山頂直下に茶屋があったようですが、今では廃業となっています。

百尋ノ滝(ひゃくひろのたき)

百尋ノ滝は、川苔山と同じく東京都西多摩郡奥多摩町にある、奥多摩を代表する名爆の一つです。

落差は40mとなっていますが、滝壺直前から見上げるともっとありそうな迫力を感じることでしょう。

都内のビルに見立てると12から13階建てのマンションくらいの高さになるようです。

これで、大体の高さイメージできるでしょうか。

水量は豊富で、途中の岩場に当たり無数の筋に分岐して落ちていく様は細糸を無数に垂らしたような幻想的な美しい姿をしており、絶景スポットとして大人気の場所となっています。

厳冬期には、これらが完全に凍りついて氷瀑となり、更なる絶景を魅せてくれるようですが、アイスバーン必須の渓谷ルートを踏破するのにはそれなりに覚悟がいるため、ビビって未踏のままにしていますが、いつか覗きに行ってやろうと思います。

なお、百尋という名前の由来ですが、昔使っていた尺度になるみたいです。

一尋=1.818mということなので、百尋=181mとあり得ない高さになっていまいますが、まあ、それだけ高い落差があるということなんでしょうね。

ちなみに、くじらの小腸とは無関係のようです。

今回の山行上でのポイント

地図上の位置と標高

今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。

「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。

ご自由にご活用ください。

合計距離: 18180 m
最高点の標高: 1358 m
最低点の標高: 259 m
累積標高(上り): 1708 m
累積標高(下り): -1894 m
総所要時間: 06:53:44
Download file: climbing-record-20220917.gpx

歩いた軌跡

続いては、GPSデータを元にした軌跡です。

市販の地図

今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。

本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。

わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。

ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。

5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。

おすすめ展望ポイント

今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。

展望の楽しめたポイント
  • 百尋ノ滝
  • 川苔山山頂
百尋ノ滝

今回の山行ルート上での展望ポイントの一つ目は「百尋ノ滝」です。

展望というか、見上げる滝の様子が本当に絶景な場所になります。

あなたが奥多摩へ日帰りできるところに住んでいて、且つ、山遊びをしているならば、一度は赴いたことがあると思います。

もし、万が一、本当に万が一にも、一度も赴いたことが無いようだったら、騙されたと思って直ぐに足を伸ばしてください。

足元シースルーな数々の木橋をクリアし、たどり着いた滝壺から、首が直角になるように見上げる瀑布はそれはそれは見応えがあって、不思議なパワーを感じることでしょう。

なお、人気の撮影スポットなので、最前列に長時間陣取るのはやめておきましょう。

ギャラリー

遠目に見えた百尋ノ滝です。緑いっぱいなこの時期も良いですが、紅葉時期は更に良さそうです。
滝壺前まで詰めてみました。水飛沫がかかって気持ち良いです。
水は透明で綺麗ですが、魚は居なさそうでした。
滝壺から振り返ってみた図です。緑深くて良い感じです。

動画でも撮影してみました。こちらもついでに眺めてってください。

川苔山山頂

今回の山行ルート上での展望ポイントの二つ目は「川苔山山頂」です。

川苔山は、石尾根方面への眺望に優れていて、特に形に特徴のある雲取山などを見ることができます。

山頂にはベンチが多数あるので、腰を下ろしながらのんびりと眺めを楽しむことができますよ。

冬場に入り、木々の葉が枯れ落ちると、長沢背稜の蕎麦粒山や天目山、富士山も見えるようになってきます。

このため、訪れるのなら寒い時期が個人的にはおすすめです。

で、今回は展望を拝めたこちら側を上げさせてもらいました。

ギャラリー

川苔山山頂です。朝は晴れていたのですが、雲が出てきてしまいました。
晴れてると雲取山とか見えるのですが、この日は雲の中ですね。
北の方に目を向けると木々の合間から蕎麦粒山と思しきピークが確認できました。
冬の空気が澄んでいる時期には、南側の木々の合間から富士山が見えることもあります。この日は安定の雲の中でした。

注意した方が良さそうな区間

今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は次の通りです。

注意した方が良さそうな区間
  • 細倉橋から百尋ノ滝に至る区間
  • ズマド山への尾根筋を進む区間
細倉橋から百尋ノ滝に至る区間

今回の山行ルート上の注意した方が良い区間の一つ目は「細倉橋から百尋ノ滝に至る区間」になります。

このルートは渓谷の両脇を、木橋を何度も渡りながら高度を上げて歩いていき、最終的には「百尋ノ滝」まで到着することができるルートです。

非常に景観が良い反面、場所によっては、人一人交差するのも厳しいような狭い道を歩くことになります。

足を滑らせたら急流に飲み込まれて、そのまま命を落としかねない場所も結構あるので慎重に通過する必要があります。

当たり前のことですが、雨や雪が降った後に通過するのには全く適していないので、現地の天気が芳しく無い時には、足を踏み入れずに撤収することも視野に入れておいてください。

ギャラリー

ここから渓谷脇を進むルートに入ります。
ちょっと進むと、片側が滝壺まで切れ落ちた道が出てきます。落ちないように慎重に。
木橋も何度も渡ることになります。足元シースルーなのばかりなので、結構スリルありますよ。
途中から岩場の急坂が続くようになりますが、人が一人通れるぐらいの細い道で、相変わらず片側は渓谷に向けて切れ落ちているので、注意しつつ進みます。
百尋ノ滝の直前にも、結構な傾斜の階段があるので滑らないように降りてくださいね。
ズマド山への尾根筋を進む区間

今回の山行ルート上の注意した方が良い区間の二つ目は「ズマド山への尾根筋を進む区間」になります。

赤杭山の山頂を過ぎたあたりでは、まだ明瞭だった道も、古里駅との分岐を過ぎてからは不明瞭な踏み跡にかわっていきます。

特にズマド山のピークを踏んでいく尾根筋を進んでしまうと、急坂の道なき道を登り降りすることになります。

踏み跡が皆無なだけの平坦な尾根道であればさして問題にもなりませんが、前方につんのめりそうになる急坂をじわじわと降っていくのは、精神力をゴリゴリに削られます。

巻き道の方も谷側に傾斜した砂利道を通過する必要があり難路ではありますが、尾根道を進むに比べたら進むべき道はわかりやすかったので、通過するだけであれば巻き道を進むことをお勧めします。

ギャラリー

ここの右側、丸太で通せんぼされている先に進むとズマド山へ向かう尾根筋に乗れます。でもおすすめはしません。
最初の方は、それなりに踏み跡も見分けがつくのですが
そのうち、踏み跡が薄くて不明瞭になっていきます。
ズマド山山頂を通過したあたりからは、道を失って方向だけを気にしつつ急斜面を降ることになりました。
ずり落ちないように気をつけながら、ようやく明瞭な山道まで降りてくることができました。もうお腹いっぱいです。おかわりはもういいかなあ。

今回の山行での服装

今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。

同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。

  • ベースレイヤー:半袖Tシャツ
  • ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
  • アウター:ソフトシェル、レインウェア
  • ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス、スパッツ
  • その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋

今回の山行は、

  • 天候:晴れのち曇りと良好
  • 気温:下界の気温は30℃まではいかないまでも暑さは感じる程度
  • 活動場所:標高2,000mクラスの低い場所

ということで、始終半袖Tシャツで問題無く過ごせました。

ただ、赤杭尾根の木々をかき分けて進む際には、素肌が露出していることで葉っぱが当たってチクチクとしてしまいましたので、薄手の長袖でも良かったかもしれません。

帰りの電車も、窓を開けている車両が多くて冷え過ぎずに過ごせました。

以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。

あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。

山行の記録

ここからは、今回の山行について述べていきます。

アプローチ

今回は、「川乗橋停留所」から渓谷ルートを進むアプローチとしました。

「東京駅」からのルートは

  • 中央線で「立川駅」へ向かい、青梅線に乗り換え
  • 青梅線で終点「青梅駅」へ向かい、奥多摩線に乗り換え
  • 奥多摩線で終点「奥多摩駅」へ向かい、西東京バスに乗り換えて「川苔停留所」で下車

となります。

途中で立ち寄れるおトイレは奥多摩駅になります。

細倉橋の登山口にもおトイレがあると聞くことがありますが、今回の山行では確認できませんでした。

場所は、改札を出て左折してすぐとなります。かなり綺麗なので、綺麗に使ってくださいね。

ちなみに、ここのおトイレの正面には、靴洗い場もあるので「奥多摩駅」に下山した時には立ち寄っていくと良いです。

おトイレをすませたら1番のりばより、東日原行きのバスに乗り込みます。

「川乗橋停留所」には、ちょっとした椅子が設置されています。

これらをお借りして身支度を整えて出発しましょう。

ギャラリー

「東京駅」からは中央線高尾駅行きに乗ります。大体前より3番目車両に乗っておくと「立川駅」での乗り換えでエスカレーターに近いところに降りられます。
9月中旬にもなると、東京では午前5時ぐらいにようやく夜が明ける感じです。
場面は変わって「立川駅」の乗り換えです。エスカレーターで2階に上がったら突き当たりの1番ホーム「青梅線」へ。
青梅線の終着駅「青梅駅」に到着です。概ね同じホームの隣に奥多摩線の車両が停まっているので乗り換えます。ここでは席取り合戦が盛んなので、人にぶつからないようにご注意ください。
確か「奥多摩駅」のホーム階段は2番車両の前よりドアが一番近い位置です。できればその近くに乗っておくと下車したときに捗ると思います。
「東京アドベンチャーライン」も随分と有名になりました。この日は久々のラッピング車両でした。
折角なので、御岳駅で上り車両を待つ間に正面を撮影です。iPhoneのカメラだと電子掲示板がチラチラしちゃうのが残念です。どうすれば綺麗に撮れるか知ってる人教えてください。
この座席を最初に見た時には、ここまで張り替えるんだーと感動したものです。ちょっと使用感あるのは致し方ないですね。
ドアもちゃんとラッピングされてます。
こんなところにも。ホント、凝っている車両です。
奥多摩駅に到着です。ここのホームの階段は一箇所しかないので、かなり人が集中します。トラブルにならないようにご注意ください。
改札を出て、左折するとおトイレです。まずはそちらへ。
おトイレです。2年ぐらい前に改装されてかなり綺麗になりました。綺麗に使いましょうね。
おトイレを済ませて1番のりばに向かうと、既にバスは到着していました。
1番のりばです。もう座席は埋まってしまって立ち乗りになりましたが「川乗橋停留所」までは10分程度だったはずなので、そのまま乗っていきます。
「川乗橋停留所」に到着です。その辺にある椅子をお借りして身支度整えたら出発しましょう。

西東京バス「川乗橋停留所」〜細倉橋

「川乗橋停留所」からはゲートを抜けて「川乗林道」を歩きます。

一本道なので迷わないですが、この林道はちょいちょい業者のトラックが通過していきます。

後ろからのエンジン音には注意して歩くようにすると良いでしょう。

遥か下方に流れる川の音を聞きながら1時間ほど車道歩きをこなしていくと、ベンチが3つほどならんだ先に「細倉橋」が見えてきます。

この橋を渡った反対側に水力発電小屋が立っており、その脇から渓谷ルートに入っていくことになります。

ギャラリー

諸々身支度を整えたら、ゲートの脇から林道に入っていきます。
結構年季の入った案内ですが、いつ頃のものでしょうか。いずれにしろ注意しておくのが良さそうですね。
こんな可愛らしいお地蔵様なんてあったかな。ひとまずご挨拶をして出発します。
林道は今でも車が通るので、普通に歩ける道です。
足下に渓谷を見下ろすことができて、気持ち良く歩けます。アスファルトなのがちょっと難点ですけど。
少し歩くと、蕎麦粒山への登山口があります。破線ルートなので覚悟完了な方のみお進みください。
落石はあるようですね。注意しなければ。
背の高い針葉樹林の間を抜けていきます。
途中の分岐は通行止めになっているので入れません。どこに繋がっているのかもよくわかないので、まっすぐに進みます。
先ほどの道は永遠と渓谷に向かってそうです。
正面にピークが見えてきました。川苔山かしらね。
途中で、行者のトラックが通り抜けていきました。土曜日なのにお疲れ様です。
奥に進むにつれて、アスファルトの道の所々が陥没していました。地下水とかの影響なのでしょうかね。
なんだかんだで「細倉橋」がみえてきました。
登山口に到着です。ここからは登山道になりますので、気合を入れ直して進みましょう。

細倉橋〜百尋ノ滝

「細倉橋」の脇から渓谷ルートのスタートです。

このルートでは、ところどころに見え隠れする名も無い滝や渓谷の景観を楽しみながら歩くことができます。

ただし、足元は細くて片側が切れ落ちた登山道です。

足を滑られて落ちると大怪我につながります。

場所によってはそのまま人生終了してしまう場所もありますので、景色に見惚れて足元が疎かにならないよう注意しながら進んでください。

いくつかの木橋を通過して、高度を上げていくと1時間ほどで「川苔山」と「百尋ノ滝」との分岐地点に到着します。

ここから、急坂を下って5分ほどで「百尋ノ滝」となります。

木々の間から垣間見える滝の様子は大変に美しいので、長く眺めていたくなりますが、滞在できるスペースが狭いので、後続が詰まっているようでしたら、長居はせずにある程度のところで譲ってあげてくださいね。

また、滝壺の直前まで進むには、沢の中を通過する必要があります。

慣れていないと、転倒して登山靴の中までずぶ濡れになるかもしれません。

くれぐれも無理しない範囲に留めてくださいね。

一通り楽しんだら、「川苔山」への分岐まで戻って、山頂方面へ向かいます。

ギャラリー

警告の通り足元危ないので、注意しつつ進みます。
入り口はおとなしめですね。
道も平坦でスイスイ進めます。
一発目の木橋を渡ります。この後も、この手すりの無いタイプの橋を無数に渡っていくことになります。
緑豊かな道を進んでいくと
また橋がありました。渡ります。
少し傾斜が出てきたあたりで
また橋を渡ります。
濡れて滑りやすいところにはロープも貼ってありました。親切ですね。
片側に手すり月の橋もありました。
橋は概ねこんな感じのシースルーです。木々で地面が見えないのがよかったのか、悪かったのか。
落ちるとどこまで転げていくかわからないような細い道を辿っていきます。
またまた、橋が見えてきました。
足元の隙間から川面もバッチリです。
高い場所では無いですが、滑って落ちたらずぶ濡れですので、落ちないように進みましょう。
しばし平坦な道が続きます。
木の階段を通過して
良い感じの橋の前まで到着しました。
渓谷の様子を記念に撮っておきます。
この案内が出てきたら、岩場の急登区間です。今までよりも体力使うのでそのつもりで進みましょう。
こんな感じの不安定な足場を登っていきます。
滑落注意の案内も出ていますね。
息を切らせて上り切ると、川苔山山頂に向かう道と、百尋ノ滝に向かう道の分岐がみえてきますので、まずは百尋ノ滝へ。
意外と急な階段を下っていくと
百尋ノ滝がみえてきました。相変わらず大きくて綺麗な滝です。
人が引いた瞬間を一枚。今度は紅葉時期に見にいきましょうかね。

百尋ノ滝〜川苔山

「川苔山」山頂への分岐からは、急坂の岩場が続きます。

最近整備されたのか真新しい鎖が設置されています。

必要により補助に使いつつ、登っていくと良いでしょう。

30分ほど登ると、「足毛岩分岐」に到着です。

どちらからでも山頂まで到着できますが、今回は「足毛岩の肩」経由で進むことにします。

二度ほど沢を渡渉して山道を登ると、「芦毛岩の肩」と書かれた案内が見えてきて急坂区間に突入です。

結構、息の切れる傾斜になっていますが、手を使ってよじ登るような箇所はありません。

急坂を登り切れば、山頂に到着です。

山頂にはベンチが数基設置されていますので、空いている席に座って、石尾根への眺めを楽しみつつゆっくりしていってくださいね。

ギャラリー

さっき下った急な階段を登って
今度は川苔山方面へ向かいます。
真新しい鎖の補助がついていますが、使わなくても問題無く登れます。
鉄の階段もあります。
木々の合間からどこかの山が見えました。
岩場を上り、平坦になってきた道を進みます。
途中に立っていた案内です。角がガリガリに削られています。
落石かなと思ったのですが、主に谷方向からついてるので獣なのかもしれません。
こっちのはかなり削られていますね。
もうバキバキな感じです。獣の気配は全然無いんですけど、誰がこんなにしたんでしょうね。
木漏れ日でまだら模様になった道を進みます。
このあたりの針葉樹も背が高いです。
渡渉して左岸に渡っていきます。
途中に標語みたいなやつがありました。こういうのは誰が考えているのでしょうね。
沢の脇を登っていくと
足毛岩分岐まできました。以前は日向沢峰方向から登っていましたので、今回は足毛岩の肩方向から登ることにしました。
道は踏み固められていて、明瞭です。
ちょっとした沢の渡渉もあります。
こんな感じに、ちょろっとした程度です。
橋を渡ります。
この丸太橋も、足元スケスケですが、地面が近いのでおっかなくはないです。
足毛岩の肩に到着です。ここの案内は、かわいそうなくらい削られてますね。
ここからは急登が続きます。
まずは1段目の坂を登って
大ダワ方面へ向かう分岐を通過して
二段目の急坂に取り掛かります。
急坂といっても10分そこいらで登り切れてしまうので、対してキツさは感じないでしょう。
山頂碑の反対側から山頂に出ました。このルートは山頂から見下ろすと結構な斜面にみえるのですが、思ったよりも楽に登れてしまいました。
山頂で一息ついたら、下山ルートへ向かいます。

川苔山〜赤杭山

「川苔山」の山頂で、展望を楽しんだら反対側へ降っていきます。

「鳩の巣駅」への分岐と「日向沢ノ峰」への分岐の分岐を通過して、そのまま尾根筋を降っていきます。

途中で、林道に降りて進むことになりますが、この道は車両通行止めになっているようなので、車が行き来することは無いようです。

程なくするとバリケードが見えてきて、その直後に「古里駅」と書いてある案内板があります。

この案内を見落とさないように分岐に入ってください。

この辺りまで道自体は明瞭で迷わないと思いますが、人通りが無いため夏場は蜘蛛の巣や蓑虫がすごいです。虫が苦手なようなら暖かいうちは訪れるのは控えた方が良いでしょう。

「赤杭山」山頂は山頂の案内板のみで展望はありません。

休憩に適したベンチや岩なども無いので、思うところが無いなら、そのまま通過してしまいましょう。

ギャラリー

下山ルートは逆側の坂です。こちらは粘土質の滑りやすい地面なので滑らないように注意です。
坂を降るとベンチが見えてきます。
少し前に足毛岩分岐から分岐したもう一つの道はここに通じています。
真っ直ぐに進むと、今度は右側に鳩の巣駅方面に向かう分岐が見えてきます。楽に帰りたいならこのルートが一番駅に近くて、道が明瞭です。
さらに真っ直ぐ尾根筋を進むと、今度は日向沢ノ峰に向かう分岐が見えてきます。ここから棒ノ折山への縦走路に入ったり、武甲山へ続く縦走路に入ったりできますが、今回は赤杭山方向へ進んでいきます。
最後に川苔山を眺めて、先に進みます。
こんな獣道っぽいところを入って
少しだけ細尾根を進むと
東方向に少しだけ開た尾根道にでます。
天気がよければ青梅市街地が綺麗にみえるのですが、ちょっと残念ですね。
順調に下っていくと、もう一度鳩の巣駅方面への分岐が見えてくるので通過します。
わかりやすすぎる道を下っていくと
ちょっとだけ秋の気配を感じました。
そして、ここから林道に降りて進みます。
車両は通行止めになっているはずなので、ど真ん中を闊歩していきます。
通行注意の案内がくくりつけられていました。
その先には崩壊地です。
転げ落ちたら痛そうなので、慎重に通過します。
歩きやすい林道をどんどん進んでいくと
通行止めのバリケードがありました。
裏側をみてみると、車両通行止めのバリケードでした。
その直後に古里駅は右への案内があり
右を向くと、古里駅はこちらの案内がありました。
このあたり、蜘蛛の巣がすごいですが、顔だけガードして果敢に進みます。
赤杭山の山頂に向かう尾根筋と巻き道への分岐が見えてきました。今回は右側赤杭山へ向かってみます。
穏やかな尾根筋を進んでいくと
アップダウン無く赤杭山山頂に到着しました。山頂の案内を見るに、赤久奈山が正しいんでしょうかね。休むに適していないのでささっと通過してしまいます。

赤杭山〜ズマド山

「赤杭山」を通過し、尾根筋を降っていくと「古里駅」と「川井駅」の分岐地点に到着します。

今回は「川井駅」方面へ向かって進みます。

分岐から少し進むと、尾根筋を進む道と巻道との分岐が見えてきます。

尾根筋には通行止めを示すように丸太が置いてあります。

旺文社「山と高原地図」アプリで見ると巻道が正しいルートを示しているように思います。

このため、一度は巻道を進んだのですが、どうも踏み心地がフカフカで歩き固められていないように感じてしまい、分岐まで戻ってしまいます。

そして今度はYamaRecoアプリでルートを調べてみると、尾根筋を行く道が正しいルートを示しているようだったので、丸太を跨いで尾根筋を進むことにしました。

しかし、これが誤りのもとだったようで、ここからは道なき道を進むことになります。

「ズマド山北峰」なる案内を過ぎたあたりから、徐々に獣道に近い踏み跡の薄い道になっていき、「ズマド山」なる案内のぶら下がった三角点を過ぎてからは、獣道も見失ってしまい。

林の中を巻道との合流地点に向かってまっすぐに降下していくことになりました。

崖では無いので、転げ落ちても命の危険はほぼ無いのですが、それでも大怪我を負ってしまい行動不能になる恐れはあります。

神経をすり減らしつつ、慎重に木々を掴みながら降りていくこと1時間。

ヘトヘトになりながらも、ようやく巻道と合流することができました。

その後は、明瞭となった山道を蜘蛛の巣をかき分け、顔にかかった蓑虫を払って進んでいき、二つの排水所を通過したところで、川井駅方面からの登山口に到着できました。

あとは、村落の道だけです。

安堵しながら「多摩大橋」の眺めを楽しみながら「川井駅」まで降り、奥多摩線で帰路につくことができました。

ギャラリー

粉々になってしまっている案内を通過します。
尾根筋を降って
植林地帯に入り
さらに降ります。
倒木が少しありますが通過はまったく困難ではありません。
古里駅への分岐に到着です。古里駅側もなかなか難路だった記憶がありますが、10年も前の話なので、今は様変わりしているかもしれません。今度はそちらを降りてみますか。
今回は真っ直ぐ川井駅方面へ向かいます。
ズマド山の尾根筋と巻道の分岐です。最初は、ちゃんと巻道を選択したのですが
進んでいくうちに枯れ枝が増えてきて
谷側へ傾き続ける不安定な足場にウンザリしてしまい、尾根道に切り替えようときた道を戻ってしまいます。
旺文社の地図よりも倍率が細かいYamaRecoアプリの地図に切り替えて確認するとルートを示す線は引かれています。こっちなら少しはマシな道になるだろうと進み始めますが
倒木があったり
あまり明瞭ではない道を進むことになりました。
それでも、ちゃんと印刷された案内板も立っていて、整備が進んでそうに見えたので、さらに先へ進んでしまいます。
一度、がっつりと降り
がっつりと登り返すと
ズマド山へ到着です。そして、こちらの案内版は手書きになっていました。この辺りから雲行きが怪しくなってきました。
方向的にはこちらだろうと枝をかき分けて進みますが
以降、踏み跡らしき道は見つけられず、仕方がないので、巻道との合流地点へ向けて手探りに降下していくことにします。
降っていく方向には注意を払いつつ、前のめりに転がりおちないよう踏ん張り、踏ん張り降りていきます。
いい加減、足のつま先が痛くなってきたところで下方に道らしきものが見えてきました。
そして、なんとか無事に巻道との合流地点まで降りてくることができました。あぶなかったぞ一太郎な気分です。
「ちゃんとした道を歩いてるー」と感動しながら歩いていくと
かなり奥ゆかしい感じの案内が出ていました。
当然、最初は見落として明後日の方向に進みましたが、また道を見失ったので直ぐに逆走。正規ルートに乗り直すことができました。
この辺りも、歩く人がいないのか、蜘蛛の巣と蓑虫だらけで、顔が痒くなりながら進むことになりました。虫嫌いには拷問地帯になりそうですね。
鼻やら口やらに引っかかる糸を払いながら降っていうと配水所がみえてきました。
脇にあるロープのついた道を降って
もう一つの配水所まで降ったら
正面を通過してさらに降ります。
民家の裏を通っていくと
ひとんちの目の前に飛び出てきました。
階段を下っていくと
川井駅方面からの登山口でした。
奥多摩大橋を眺めながら、駅に向かって降りていきます。
車道を進み
大通りをUターン。
竹の花停留所を通過して
どんどん降っていきます。
奥多摩大橋の手前まできたら
左折して大正橋を渡ります。
渡ってすぐのこんな案内に沿って左折して
階段を登れば
川井駅に到着です。
この駅は無人駅なので入り放題です。なお、入場のタッチは忘れずに。
おトイレは外からしか入れません。ちょっとしたトラップですよね。モチのロンに引っ掛かりました。
奥多摩大橋方面を眺めてぼんやりと電車を待ちます。キャンプ、楽しそうですね。楽しそうですね。
30分ほどでようやく青梅方面の電車がきました。お疲れ様でした。

おまけ

今回は汗だけでなく、蜘蛛の巣や蓑虫の糸で頭上が汚れてしまったので、どうしてもお風呂に入ってから帰りたいと思い、「河辺駅」で途中下車して「河辺温泉 梅の湯」に立ち寄っていくことにしました。

ここは、奥多摩から都内へ向かう途中駅となるので、御岳山、高水三山など、近場に入浴施設の無い山に登った後に立ち寄るには便利な施設のようです。

この日もザックを担いだ方々がたくさん途中下車していました。

ビルの5階6階にあるとのことで、どこからか温泉水を買ってきて沸かしているのかもしれませんが、体を綺麗に洗う分には十分ですし、温泉であることには変わらないので全然オッケーです。

施設内もとても綺麗で、ザック置き場所も用意してくれている登山者に優しいお店でした。

また再訪しようかな。

「梅の湯」については、次の記事に詳しくまとめています。一緒に見ていって下さいね。

ギャラリー

河辺駅で下車して歩いて1分。河辺タウンビルの5階に梅の湯はあります。
ここから入ってエレベーターで5階へ。
とても綺麗な施設で立ち寄り湯としては上々でした。ありがとうございます。

まとめ

川乗橋から百尋ノ滝を眺めて、川苔山へ登頂した様子でした。

山行の前半は、非常に気持ちの良い快適な山行だったのですが、後半に誤って「ズマド山」への尾根道に入り込んでしまってからは、道なき急坂を小まめに方向修正しながら降下していくこととなり、神経をすり減らす気疲れの多い山行となりました。

家に帰ってYamaRecoアプリで歩いた軌跡を見直してみると、背景に表示される国土地理院の地図には道は無く、どうもサイト利用者の歩行記録をもとに示されたルートだったようです。

これだと、実際には土地勘がある地元の方だけが歩けるような道なき道だったとしても、踏み跡明瞭な普通の登山道と勘違いしてしまいそうです。

GPSアプリは便利ですが、ちゃんと紙の地図も併用してプランニングしていかないとちょっと危ないかもしれませんね。

今後は注意していきたいと思います。

それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。

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