山のお天気、ホントに変わりやすいですね。
午前中晴れていたと思ったら、午後から土砂降りの雨になってしまうなんてことも、ちょいちょい発生します。
富士山富士宮ルートから登り始めた今回の山行も、午前中は富士宮の街並みや駿河湾沿岸の様子を楽しむことができましたが、登頂以降はお天気が崩れ始め、大砂走りに差し掛かった時には、すっかりザーザー降りで、泥だらけになりつつ下山することになりました。
残念なことに、土砂降りの中ではスマホで写真を撮りまくることもできずに、下山路での映像は限られたものしかありませんが、富士山ではどれぐらい天候の変化があるものなのか、興味がありましたら、是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2022/8/11
天候:晴れときどき雨
エリア:富士山エリア
コース概要:富士急バス「富士宮口五合目停留所」〜富士宮口八合目〜浅間大社奥宮〜剣ヶ峰〜銀明水〜大砂走り〜富士急バス「御殿場口新五合目停留所」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)JR東海道線「三島駅」から富士急バスで、「富士宮口五合目停留所」へ
(帰)「御殿場口新五合目停留所」から富士急バスで、JR御殿場線「御殿場駅」へ
概要
富士宮ルート(ふじのみやるーと)
富士宮ルートは、静岡側にある3つの富士山登頂ルートの中で、一番登る標高が短いルートです。
その分、他のルートに比べると急勾配な区間が長く、特に山頂直下は急勾配の岩場の続くため登山客が渋滞しやすい場所となっています。
それでも、標準タイムは一番短い設定で、初心者におすすめのルートになっています。。
御殿場ルート(ごてんばるーと)
御殿場ルートは、富士宮ルートと同じく静岡側にある富士山登頂ルートの一つです。
山梨側の吉田ルート含め、主要な登頂ルート4つの中で一番登る標高が長いルートです。
半分以上が、砂地の滑りやすい登山道となっているので、思っている以上に体力の消耗が激しい登山道でもあります。
しかし下山道には、最速で下山できる「大砂走り」があり、十合目「銀明水」から2時間前後で駆け降りてくる人もいます。
富士宮、御殿場含めて主要登頂ルート4つについては、次の記事にまとめています。詳細はそちらをご覧ください。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 3772 m
最低点の標高: 1434 m
累積標高(上り): 1572 m
累積標高(下り): -2467 m
総所要時間: 07:22:09
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
- 元祖七合目・山口山荘前
- 九合五勺・胸突山荘前
本七合目・山口山荘前
今回の山行ルート上での展望ポイント一つ目は「元祖七合目・山口山荘前」です。
富士山の山荘前は、どのルートも展望に優れた場所となっています。
ここ「山口山荘」の前も素晴らしく良い展望地で、駿河湾から西伊豆の海岸線まで太平洋に面した眺めが抜群に良いです。
この日は、山頂にいくにつれて天候が崩れていってしまったので、駿河湾の見通せた一番高い位置がこの場所となりました。
それでも、標高3,010mと相当な高みなので高度感もあって、かなり楽しむことができました。
ギャラリー
九合五勺・胸突山荘前
今回の山行ルート上での展望ポイント二つ目は「九合五勺・胸突山荘前」です。
残念ながら、この高さまで登ってしまうと海への眺望は雲の下に隠れてしまいましたが、代わりに素晴らしい雲海の眺めを堪能できました。
加えて、御殿場方面への眺望はまだ健在で、雲の合間から見える緑の絨毯とのコントラストがとても綺麗に映る眺めでした。
ギャラリー
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は次の通りです。
- 雨の大砂走り
雨の大砂走り
今回の山行ルート上の注意した方が良い区間は「雨の大砂走り」になります。
晴れた日のこの区間は、御殿場方面の展望に恵まれ、箱根や西丹沢の山々を眺めながら気持ちよく駆け降りていける、絶好のアトラクションルートなのですが、雨の中で降るのにはそれなりにリスクを伴います。
富士山の地面は水を通しやすく、少々の雨なら表面は乾いたままコンディションに大した違いは生じないですが、本降りの雨の中だと毛色が変わってきます。
水分を含んだ砂や砂利が重くなり、乾いた時よりも体力の消耗が激しくなります。
小石状の火山石が深く降り積もってできた大砂走りは、特にその傾向が強く、重くなった砂利や砂が足に纏わりついて転倒しやすい状況になっています。
このため、乾燥時よりスピードを出せずに歯痒い思いをするかもしれません。
加えて、視界も真っ白でガイドポールを見失うと方向違いな場所に降りてしまう恐れもあります。
何度も通過して慣れきっている状態で無いならば、ザーザー降りの雨の中で大砂走りを降るのは極力避けた方が良いでしょう。
なお、下山した後も、濡れた火山灰で真っ黒になったシューズや衣類を綺麗にするミッションが追加されます。
このミッションも、なかなか難儀なので、大砂走りはできるだけコンディションが良い日に駆け降りるのをおすすめします。
ギャラリー
映像で見せたいところですが、今回はこの区間の写真残していません。
次回同様のシチュエーションに出会した時に提供したいと思います。
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス、スパッツ
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
今回の山行は、午前中は陽の光が降り注ぐ炎天下の中を進むことになりました。
このため、スタートから富士宮十合目「浅間大社奥宮」までは半袖Tシャツでも汗だくになって登ることとなりました。
「浅間大社奥宮」の石組を越えて「馬の背」に向かう途中からは、吹き始めた強風により一気に体温を奪われたため、防風のためのソフトシェルを羽織りそれ以上体温が落ちないようにして「剣ヶ峰」まで登ることとなりました。
「剣ヶ峰」登頂を果たした後は、雨がパラついてきたため、スパッツを装着して大砂走りを駆け降りて急ぎ下山しようと試みましたが、途中で本降りとなってきてしまい、ずぶ濡れになりつつ下山することとなりました。
御殿場新五合目まで降ってしまうと天気も落ち着いて気温も上がってきたので、そのまま自然乾燥してしまいましたが、今回も面倒くさがってレインウェアを着ないまま降りてきてしまいました。
あまり良い習慣では無いですね。矯正していかないといつか痛い目をみそうです。
公共機関の移動は、電車内の空調が適温で、行きも帰りも半袖で支障無く過ごせました。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回の富士登山は、「富士宮口五合目停留所」からのアプローチです。
「東京駅」からの乗り継ぎは
- 「東京駅」からJR東海道線沼津行きに乗り込んで「三島駅」で下車
- 「三島駅」から富士急バス富士宮口五合目行きに乗り換えて、終点「富士宮口五合目停留所」で下車
という流れになります。
三島駅ホームの階段は東京よりにあるので、東京駅から最後尾車両に乗り込んでおくと移動が捗ります。
三島駅では、「富士登山・フリーきっぷ」を購入することになるので、なるべく急いで南口改札を抜けて、バスの切符売り場へ向かうのが良いでしょう。
ここは有人の窓口が一つしかない上に、直前に「河口湖駅」行きの高速バスが出発するので、そちらへ乗車予定の観光客も並んで来ます。
遅くなるほど長い行列ができて手間取るので、おトイレは後回しにして、まずは切符購入してしまうのをおすすめします。
そうはいっても、バスの乗車時間は2時間近くになります。
途中でおトイレ休憩を入れてくれますが、1時間以上バスに揺られていることになりますので、移動中の電車内のおトイレもしくは、南口駅郊外にある公衆トイレに一度は立ち寄っておいてください。
また、「水ヶ塚公園」では検温と協力金の集金があります。
ここで済ませておかないと、五合目についてから無駄に時間を取られてしまうので、素直にこっちで済ませてしまいましょう。
「富士宮口五合目停留所」に到着したら仮のレストハウスの前で身支度を整えてスタートを切りましょう。
関連リンク
先ほど触れた「富士登山・フリーきっぷ」について、富士急バス公式サイトのお得きっぷのページを載せておきます。
三島駅から富士宮五合目停留所まで、本来であれば往復5,000円(2022年8月現在)となりますが、このチケットを購入すれば3,400円で往復できるようになるお得なチケットです。
しかも、別の登山口に降りてしまっても対応可能という優れものなんです。
有効期間も3日間あるので、小屋泊での富士山登頂の際にも余裕を持った対応ができそうです。
三島駅から富士登山するなら必須チケットですので、買い忘れることないようご注意ください。
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富士急バス「富士宮口五合目停留所」〜富士宮口八合目
「富士宮口五合目停留所」を出発したら、最初の山小屋となる六合目「雲海荘」まではゆっくり止まらずに登ります。
高所順応を兼ねてという意味合いが強いですが、この区間、歩き始めでゆっくりスタートな登山客と、疲れ果ててふらふらの下山客が入り混じって、少々カオスな時があります。
強引に突き進むのは、接触事故のリスクがあります。
余裕を持って進むようにした方が良いでしょう。
六合目の山小屋を通過すると、ここから富士宮ルートも本番になります。
火山石の積もったザレた区間、溶岩石の敷き詰められた岩場の急坂などを通過していくことになりますが、この辺りはまだ富士山の裾野で傾斜も一定レベルに抑えられています。
ペースを保って登れば、息が上がることも少ないと思いますので、下界の眺めを楽しみながら一定ペースを保って進んでみてください。
山小屋も定期的に立っているので、これを休憩の目安にするのも良いでしょう。
注意すべきところは「富士宮口八合目」山小屋直下の急坂区間です。
距離はさほどでは無いですが、狭い道を登山者、下山者交差しつつ通過することになります。
滑落即死亡という場所では無いですが、転んだら大怪我しそうな場所ではあります。
周囲に気を使いつつスムーズに通過するようにしてください。
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富士宮口八合目〜浅間大社奥宮
「富士宮八合目」を通過すると、本格的な急坂地帯に入っていきます。
富士山は山頂に近づくに連れて勾配が急になっていく特徴があります。
この辺りから岩場の急坂が増えていくので、対応に手間取る登山者の行列ができ始める区間でもあります。
無理な追い越しや割り込みは場を混乱させる元になります。
譲り合いの精神を忘れずに落ち着いて対応したいところです。
山頂直下に立つ鳥居を潜ったら、十合目「浅間大社奥宮」はすぐ目の前です。
「浅間大社奥宮」前は、記念撮影をしている人たちでごった返しているので、立ち止まったりせずに、少し離れた位置で休憩すると良いでしょう。
神社にて、登頂のご挨拶したら、最高峰「剣ヶ峰」へ向かうこととします。
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浅間大社奥宮〜剣ヶ峰〜銀明水
「浅間大社奥宮」は石組で囲まれていて、これらが風避けになり以外と風が強くありません。
しかし、一旦その場を離れて「馬の背」方面に進むと、途端に強風にさらされることになります。
ひどい時には、突風に煽られて火口方面に体を持っていかれることもあります。
そんな状況に落ちいたら「剣ヶ峰」登頂は諦めて、素直に下山することをおすすめします。
この日は、寒さを感じることはあったものの体が浮いてしまうような突風にはならなかったので、防風のためのソフトシェルを羽織って「剣ヶ峰」まで登ることとしました。
最後の急坂「馬の背」を通過したら「気象観測所」前の階段を登ると山頂碑の立つ最高峰「剣ヶ峰」に到着です。
この日は、すでに登山者が訪れるピークは過ぎていたようで、並ぶ人も数名しかいなくて好き勝手に山頂の様子を撮影できました。
その後、「馬の背」を逆に辿って「浅間大社奥宮」に戻ってきた時点で、パラパラと雨が降り出したので、なるべく早く下山できるように大砂走りを降ることにしました。
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銀明水〜大砂走り〜富士急バス「御殿場口新五合目停留所」
御殿場口の十合目「銀明水」まで進んでみると、少し雨脚も落ちついてきたように感じたので、レインウェアを着ないままスパッツだけを着けて降っていきます。
しかし、八合目を過ぎたあたりから雨も本降りになってしまいました。
スパッツつける前であれば、迷わずにこのタイミングでレイウェアを着ていましたが、先にスパッツを付けてしまったので、もう一度脱着するのを面倒に感じ、そのまま駆け降りてしまいました。
上半身はソフトシェルがある程度まで雨を防いでくれましたが、下半身は下着までずぶ濡れで不快感MAXで降りることになりました。
しかし、雨を吸った砂地は思うようにスピードが出ません。
遅々と進まぬ中、どうにかこうにか双子山が同じ目線に見えてきたあたりで日差しが戻り、気温も上昇してきてくれました。
大石茶屋を通過して、御殿場新五合目に降り切った時には、下着も乾いてくれて事なきを得ることができました。
その後、砂で噛みまくるスパッツのファスナーに苦戦しつつ、御殿場行きのバスを待って、駅まで下山することができました。
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おまけ
すっかり乾いたとはいえ、一度ずぶ濡れになった不快な身体で電車に乗りたくなかったので、少々遅くなることを覚悟で、お風呂に入ってから帰ることにしました。
御殿場駅周辺でのお風呂といったら、わたしの中での定番は「人参湯」になります。
街の公衆浴場なので、なんとか足を伸ばせるくらいの小ぶりな内風呂と洗い場がある程度の施設ですが、入浴料大人一人で430円(2022年8月現在)と大変リーズナブルです。
シャンプーやボディーソープの備え付けが無いので、番頭さんから都度購入することになりますが、それら含めても全部で530円です。
お風呂場の雰囲気は素朴の一言で、のんびり湯船に浸かる分には十分満足できる場所だったのですが、この日はちょっと毛色が違いました。
同じ観光客グループと思われる親子三組が入ってきて、かなり賑やかにしています。
あまりに賑やか過ぎたので、この日は湯船でゆっくりするのは諦めて、早々に電車で帰ることとなりました。
疲れを癒すには十分ではなかったですが、あまり遅くならずに帰宅できたので、最終的には良かったのかもしれません。
終わり良ければ、全て良しということで、お疲れ様でした。
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まとめ
富士山富士宮ルートから雨の御殿場ルートを降って下山した時の様子でした。
富士山は登って降るだけの初心者向けの山と言われることもありますが、あくまでも天候に恵まれた時のお話です。
本降りの雨の中では、逆に雨宿りできるような樹林帯が無く、レインウェアが無いとずぶ濡れのまま進むことになってしまいますし、足回りも泥だらけになる二重苦を味わうことになります。
そうは言っても、山の天気は変わりやすく、たとえ玄人にも完璧には読みきれません。
自戒を含めての締めになりますが、しっかりとした装備を整えた上で、面倒がらずに適宜脱着することで対応できれば良いですね。
それと、銭湯ではお静かに。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございました。
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