山のアクシデント|大事故に陥りやすい遭難理由「滑落」その原因と対策を解説

低山を中心に15年に渡ってほぼ毎週山行に赴いていますが、幸運なことに滑落遭難の経験はありません。

それでも、ヒヤリとした場面は何度か経験しており、今回は自戒の意味も込めて滑落の原因と思われるシーンや滑落した場合のリスク、そして予防策をまとめてみました。

あなたの山行のリスクヘッジにもご活用いただければ幸いです。

この記事でわかること
  • 山で滑落を引き起こす主な原因がわかる
  • 山で滑落すると、どのようなリスクが生じるかがわかる
  • 山で滑落しないようにするための予防策がわかる
目次

山で滑落を引き起こすと考えられる3つの原因

まずは、山で滑落を引き起こす原因として考えられるシーンを3つ述べていきます。

山で滑落を引き起こすと考えられる3つの原因
  • 緊張が続いたあとの気の緩み
  • 長時間行動による疲労
  • 悪コンディションによる突発事象

緊張が続いたあとの気の緩み

山で滑落を引き起こすと考えられる原因の一つ目は「緊張が続いたあとの気の緩み」です。

これは経験に伴う自論となりますが、「今回この区間が核心部」そのように強く意識したシーンでの滑落は無いです。

身の危険を感じたときの人間の集中力は凄いです。火事場の馬鹿力という言葉もあるように、平時と比べ物にならないくらい頭はクリアになります。

次に足を運ぶべき地面のコンディション。滑りやすいか、浮石じゃないか。

次に掴むべき木々や岩の状況。枝の太さは十分か、岩は滑りやすそうか。

様々な事柄に目が行き届いて、頭に入ってきます。

音にも敏感になります。

パラパラと溢れる砂粒の音、風や動物によって引き起こされる木々の擦れた音。

さっきまで歩いていたときは全然気づかなかった音が耳を打つようになります。

この状態に入っていると、例え砂利に足を取られて転倒しそうになっても、すぐに枝を掴んだり、その場にしゃがみこんだり、頭で考えるよりも早く体が反応してくれるようになるので、まず滑り落ちることはありません。

危ないのは、その集中が切れた直後です。

危険地帯を振り返って一息ついたあと、先の1歩を踏み出そうとしたときにヒヤリとするシーンを何度か経験しています。

何故か踏み出した1歩目の踏ん張りが効かなくなって谷側に体が傾いてしまったり、掴んでいた枝が折れて急坂を転げ落ちそうになったり、未だに五体満足でいられるのは、ただただ運が良かっただけというシーンを少なくとも2度は経験しています。

このように、緊張が続いたあとの気の緩みというのが滑落に繋がる原因の一つになると考えられます。

長時間行動による疲労

山で滑落を引き起こすと考えられる原因の二つ目は「長時間行動による疲労」です。

長い時間山の中で行動していると、足腰に疲労がたまって踏ん張りが効かなくなってきます。

このような状況になると、木々を跨ごうと振り上げたはずの足が上がり切らずに木々に躓いてしまったり、下り坂で足の踏ん張りが効かずに駆け下りる形となって足をもつれさせたりという事態に陥りやすくなります。

何気ない山道だったら転倒だけですみますが、その先に想定外の崖があったりしたら大惨事に繋がってしまいます。

このように、長時間の行動により疲労が溜まった状態というのも滑落に繋がる原因の一つに挙げられます。

悪コンディションによる突発事故

山で滑落を引き起こすと考えられる原因の三つ目は「悪コンディションによる突発事故」です。

この点は運の要素が強くなってきますが、落石や足元の崩れなどに巻き込まれてしまうケースです。

これは、台風直下や地震発生後などに起こりやすいアクシデントで、このような事態に遭遇することも滑落を引き起こす原因になりえます。

山で滑落したときに生じる3つのリスク

続いては、山で滑落したときに生じるリスクの中から主なものを3つ説明してきます。

山で滑落したときに生じる3つのリスク
  • 大怪我による行動不能
  • 装備や服装の破損、損失
  • 落命

大怪我による行動不能

山で滑落したときに生じるリスクの一つ目は「大怪我による行動不能」です。

滑落は、読んで時のごとく高所から滑り落ちることを指します。

滑る落ちる高さが高いほど、体に走る衝撃を大きくなり、打ちどころが悪かったりすれば打撲や骨折などの大怪我を引き起こします。

そして、運悪く足腰を痛めてしまうと行動ができなくなって救助を待たざるを得ない状況に陥ってしまいます。これが滑落したときの第一のリスクとなります。

装備や服装の破損、損失

山で滑落したときに生じるリスクの二つ目は「装備や服装の破損、損失」です。

滑落はなにも体に対する衝撃だけではありません。背負っているザックや履いている靴、着ている服にも衝撃を与えます。

このことで、服が破れて買い替えを強いられたり、ザックの中身を散乱させてしまい大部分を無くしてしまったりというリスクを生じさせる可能性があります。

落命

山で滑落したときに生じるリスクの三つ目は「落命」です。

高所からの滑落は打ちどころが悪ければ、そのまま落命に繋がります。

滑落したときの最大最悪のリスクは、この落命になります。

山で滑落しないようにするための3つの予防策

最後に、山で滑落しないようにするための予防策を3つ紹介します。

山で滑落しないようにするための3つの予防策
  • 核心部を越えたら再集中を促すルーティーンを行う
  • 最後までバテないペース配分を心がける
  • 事前の情報収集を怠らない

核心部を越えたら再集中を促すルーティーンを行う

山で滑落しないようにするための予防策の一つ目は「緊張を強いられる場面を越えたら一度立ち止まる」です。

前章で、緊張が続いたあとの気の緩みが滑落を引き起こす原因の一つと述べました。

これは、その対策です。

核心部と思われる区間を過ぎたら、必ず一度立ち止まります。

その後、再集中を促すルーティーンを行ってから、次の行動に移るという方法です。

このルーティーンは、どんなことでも良いです。

わたしの場合は、

  1. 核心部を抜けた時点で立ち止まって振り返る
  2. 通ってきた道を眺める
  3. 振り返って「よし行こう」と呟いてから再開する

こんな感じです。3で行っている呟きを再集中に入るトリガーにしています。

アスリートの方がゾーンに入るためにルーティーンを設けてますが、アレの応用といったところです。

個人差はあるかもしれませんが、わたしの場合は思っていた以上に有効に作用してくれています。

無理無いペース配分を心がける

山で滑落しないようにするための予防策の二つ目は「無理無いペース配分を心がける」です。

前章で述べた、滑落原因の一つ長時間行動による疲労に対する予防策です。

個人差があるかもしれませんが、わたしの場合は、山行中に一度も休憩を入れること無く在るき続けるよりも、例え1分でも適宜立ち止まって一息入れながら歩いたほうが、長く遠く歩くことができています。

このことから、適当な間隔で休憩を設けることで疲労困憊に陥る事態を回避でき、その結果として滑落防止にも繋がると考えます。

事前の情報収集を怠らない

山で滑落しないようにするための予防策の三つ目は「事前の情報収集を怠らない」です

これは、前章の悪コンディションによる突発事故への予防策です。

事前の情報収集はとても大事です。

同じ区間にある山小屋や行政のホームページ、ヤマレコやヤマップといった山行特化のブログサイト、同地域に入っているハイカーのTwitterでの呟きなど、現在ではよりリアルに近い周辺情報を得るための手段が多数存在しています。

それらを用いて、現地のコンディションを予め詳細に把握しておけば、突発事故が発生しやすいのか、それはどのような事故が考えられるかといった意識を持つことができるので、そのことがリスク軽減に繋がります

そもそも、これから赴く山域が危険な状況だと判った時点で、計画の変更や延期という手段もとれます。

まとめ

山で滑落したときに生じる3つのリスク
  • 大怪我による行動不能
  • 装備や服装の破損、損失
  • 落命
山で滑落しないようにするための3つの予防策
  • 核心部を越えたら再集中を促すルーティーンを行う
  • 最後までバテないペース配分を心がける
  • 事前の情報収集を怠らない

山での滑落は落命に繋がる大事故に発展しやすいのでとても怖いです。

そんな滑落を起こす原因や予防策について述べてきましたが、参考になったでしょうか。

大部分がわたしの個人的な意見となってしまってますが、これで15年の間、滑落遭難を起こしていないので誤ってはいないと考えます。

少しでも取り入れてみようかと思う点があれば、取り入れてみてください。

最後に、過去発生した山岳事故を元に原因別の対策などをまとめた記事もあります。興味ありましたら、こちらも読んでいってくださいね。

それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。

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