山行の記録|桜舞い散る春の沼津アルプスを縦走してきました

山行

西伊豆の玄関口、沼津に程近い最近人気の縦走路「沼津アルプス」。

500m未満の里山を繋げるように、地元の登山愛好家たちが協力して整備したルートには、未だに手書きの案内板がメインに掲げられており、見かける度に、ほっこりと和やかな気分を味わえる癒しルートかと思いきや、全くもって違います。

実際に歩いてみれば一発でわかりますが、ロープ、鎖は当たり前な急坂のアップダウンが続く、かなり骨太な縦走路で、初見で赴く時には相応の心づもりが必要です。

そんな急坂好き垂涎な沼津アルプスですが、春の季節には綺麗な桜を見せてくれるお花の山との一面もあるようなので、見頃となっているこの時期に歩いてきてみました。

もしもあなたが、太ももパンパン、常時汗が噴き出るような急坂が大好物なら、とても魅力に感じるルートだと思いますので、是非、最後まで読んでいってくださいね。

基本情報

まずは、今回の山行についての基本情報です。

山行の基本情報

日付:2022/4/2

天候:曇りのち晴れ

エリア:伊豆エリア

コース概要:JR東海道線「沼津駅」〜香貫山登山口〜芝住展望台〜香貫山〜横山〜徳倉山〜志下山〜小鷲頭山〜鷲頭山〜多比口峠〜大平山〜多比口峠〜日守公園入口〜大嵐山〜日守公園入口〜伊豆箱根鉄道駿豆線「原木駅」

難易度:体力☆☆、技術☆☆、危険☆☆

交通機関:

(往)JR東海道線「沼津駅」からスタート

(帰)伊豆箱根鉄道駿豆線「原木駅」から、帰路へ

概要

沼津アルプス(ぬまづあるぷす)

沼津アルプスの詳細については、次の山行記録にまとめていますので、そちらをご覧ください。

今回の山行上でのポイント

地図上の位置と標高

まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。

Download file: climbing-record-202200402.gpx

歩いた軌跡

続いては、GPSデータを元にした軌跡です。

注意した方が良さそうな区間

今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、次の区間になります。

注意した方が良さそうな区間
  • 鷲頭山から多比峠へ降る急坂区間

鷲頭山から多比峠へ降る急坂区間

今回の山行ルート上で注意したほうがよさそうな区間は、「鷲頭山から多比峠へ降る急坂区間」です。

沼津アルプスはピーク直下が全て急坂になるので、正確には全てのピーク直下で注意が必要になるのですが、中でも高低差や踏破する距離など、一番規模が大きい「鷲頭山から多比峠へ降る急坂区間」を代表として挙げました。

地面のコンディションは、滑りやすい柔らかめの黒土に大小さまざまな石や根っこが散りばめられた不安定な足場になっています。

そして、ほぼ全域に渡ってロープや鎖による補助が設置されていますので、適宜、活用して降ってください。

昔、北アルプスの山をご一緒した方が、「万が一、切れた時に為す術が無いので鎖やロープに頼り切るのは良くない」というお話を過大解釈していたのか、「ロープ、鎖、絶対使わないマン」だったのですが、そういう極端なことはしないで、あるものはしっかりと利用して安全に降ってくださいね。

ギャラリー

鷲頭山から多比峠へ向けての下山路。滑りやすい黒土の他に、足を取られる要因となる木の根や石がちょいちょい転がっています。
滑って転んでも一発死亡という高さでは無いですが、足を挫くと行動不能で自力下山が厳しくなるので、慎重に降ってください。
この案内が見えたら一安心です。それでも、この先も気を緩め無いように。

おすすめ展望ポイント

今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の場所になります。

展望の楽しめたポイント
  • 芝住展望台
  • しおみち広場から志下坂峠までの稜線
  • 大嵐山山頂

芝住展望台

今回の山行ルート上の展望ポイント一つ目は、「芝住展望台」です。

香貫山山頂から西に少しズレた位置に立つ電波塔を兼ねた展望台で、360度周囲を見渡すことができます。

眺めることができる代表的な山々としては、愛鷹山塊とその背後に聳える富士山、箱根山とその外輪山たち、そして、今回歩く沼津アルプスの山々とその背後に見える伊豆三山や天城山といった山々が挙げられます。

それ以外にも、沼津の市街地や港の様子、遠く太平洋まで続く駿河湾の広がりも楽しむことができます。

沼津アルプスの縦走ルートとしては少し外れてしまいますが、この縦走路を歩くなら絶対に外して欲しくない場所なので、忘れずに立ち寄ってくださいね。

ギャラリー

電波塔兼展望台です。ビルの3階ぐらいの高さでしょうか。
末広がりな愛鷹山塊の奥に見えるはずの富士山は残念ながら見えませんでした。
東方面に目を向けると箱根の山と外輪山たちが見えますね。
南方面には、これから歩いて向かう沼津アルプスの山並みが見えます。写真右端に僅かに淡島見えてましたね。
狩野川河口と沼津湾です。対岸は西伊豆の海岸線です。
香貫山山頂側に降りるとトイレもあります。至れり尽くせりです。
しおみち広場から志下峠までの稜線

今回の山行ルート上の展望ポイント二つ目は、「しおみち広場から志下峠までの稜線」です。

徳倉山からの急坂を降ってたどり着く「しおみち広場」。

そこから更に先に進むと、緑豊かな林間の道から、いきなり視界が開けて、静浦漁港を眼下に対岸の西伊豆の海岸線へを眺めて進む稜線歩きに様変わりします。

ここの風景の変化がなかなか劇的で、奥多摩の展望皆無な稲村岩尾根を鷹取山山頂まで登り切った時のクライマックス感に似た感動を味わうことができます。

ちょっとマニアックすぎて訳わかんないですね。すみません。

要は、ここの区間を外してしまうと沼津アルプスで味わえる感動のひとつを取り逃してしまいますよということが言いたかったのです。

沼津アルプスは下山ルートが豊富であることも有名です。アップダウンに挫けそうになると途中から帰ってしまいたくなるかもしれませんが、ここの区間までは頑張って歩いてみてくださいね。

以降は、気分一新して元気に最後まで踏破できるようになりますよ。

ギャラリー

しおみち広間を過ぎてから、しばらくは緑豊かな林間の道を歩きますが
あるタイミングで、こんな感じにブワッと視界が開けます。ブワッとです。何度か通っているのですが、毎回ここでブワッとなってウオーっと足が止まります。
ぽこんと可愛い淡島やツンツンしている鷲尾山も見れます。良きポイントです。
一度、「志下坂峠」へ降りて登り返します。この先に「志下峠」というのもあるので、紛らわしいことこの上ないです。
ここからは、視界の広がる稜線歩きです。
この稜線は展望台がいっぱいです。まずは「さざなみ展望台」
丁度、木に隠れてしまいましたが、向かって左側に瓜島が見えるはずです。
続いては「奥駿河パノラマ台」。ここでは、大体真ん中くらいに瓜島が見えます。形がウリ坊みたいで可愛いですよね。
最後が「きらら展望台」。ここでは右側に瓜島が移ってますね。ここを過ぎると、「志下峠」へ向かって降下が始まります。そう、ここは「志下口峠」では無いので間違わないように。つか、ほんと紛らわしいですよね。ジモピーじゃないとピンとこないですよね。
大嵐山(日守山)山頂

今回の山行ルート上の展望ポイント三つ目は、「大嵐山(日守山)山頂」です。

ここは、地元では「日守山」と呼ばれることの方が多いらしく、山麓から山頂にかけて広がる公園の名前も「日守山公園」となっています。

国土交通省の国土理知院発行の地図では「大嵐山」となっているので、以降は「大嵐山」と呼んでいきます。

ここの山頂には展望デッキが設けられていて、北方面、東方面への眺望が得られます。

無料の双眼鏡も設置されているので興味あったら眺めてみると面白いかもしれません。

そして、山頂から少しおりたところに第三展望所という開けた一角があり、そこからは西方面に伸びる沼津アルプスの山々を確認することもできます。

大した距離では無いので、気になるようだったら探してみてくださいね。

第二展望所は探し出せませんでした。これからも何度か登る場所だろうし、いつか明らかにしてみますね。

ギャラリー

山頂にある展望デッキ。双眼鏡は無料です。今時、無料とかあんまり無いですよね。覗いてみたら、続きはこちらってURLが貼ってあったら笑っちゃいますが、そんなことは無いようなので安心してください。
ここからは、富士山や愛鷹山塊、蛇行する狩野川の様子が見れます。The里山って感じですね。

一段下がったところから、箱根の山々も見えます。
第三展望台からの眺めです。沼津アルプスの山々を眺めることができます。
こんな感じに香貫山までの連なりを楽しめます。

今回の山行での服装

今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。

同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。

  • ベースレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
  • ミドルレイヤー:厚手のフリース
  • アウター:ソフトシェル、レインウェア
  • ボトムス:中厚手の長ズボン、厚手のソックス
  • その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋

今回の活動中は、薄手の長袖Tシャツのみで歩きました。

この日は4月とは思えない寒さで、平地でも気温が一桁台止まりということで長袖Tシャツでも汗だくになるということはありませんでした。

ただ、今回は例外な日だったと思われますので、本来の4月の時期であれば半袖Tシャツの方が良いかもしれません。

交通機関での移動中は、薄手の長袖Tシャツと厚手のフリース、ソフトシェルという春先ではちょっと暑苦しく感じる出立でしたが、それでも風が吹いた時には肌寒さを感じる場面もありました。

季節の変わり目は、服装のチョイスが難しいですね。

以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。

あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。

山行の記録

ここからは、今回の山行について述べていきます。

アプローチ

今回は「沼津駅」から歩いて「香貫山登山口」まで向かって、登り始めることにしました。

東京駅からは、JR東海道線で沼津行きに乗れれば一本で向かうことができます。

駅に着いたら、登山口のある方向「南口」改札へと向かいます。

改札前におトイレがありますが、少々小さいので混雑します。余裕があれば電車内のおトイレで済ませておいた方が良いでしょう。

そして、都内からSuicaで乗車した場合、沼津駅では有人改札で精算する必要があります。熱海駅を境に、管轄がJR東日本とJR東海道に分かれるため、情報を引き継げないらしいです。

このため、ここの有人改札も結構な人が並ぶので、できるだけ早めに改札まで赴いておいた方がストレス少なめに出れます。

無事に精算できたら、南口を抜けてスタートしていきます。

ギャラリー

東京駅から東海道線で沼津駅へ向かいます。始発が沼津駅行きなので都合が良いですね。ここでは、なるべく先頭車両に近い方へ乗り込むと良いです。
この日は三島駅の感覚で、最後尾車両に乗ったら、こんな絶望的な距離を歩くことになりました。こうしてホームの端から端に歩くと15両車両ってホントに長いなと感じます。
ようやく階段へ到着です。南口へ向かうので降りて左折ですね。
左折して行き止まりまで来たら、右折しつつ階段を登ります。
階段登ってすぐにおトイレがあります。混み混みです。真っ直ぐ進むと南口の改札が見えてきます。
南口改札です。都内からSuicaで来たら、有人改札で精算が必要です。同じJR系列、なんとかならないものでしょうか。これは、りそな銀行の基幹システムの内情みたいに、しっちゃかめっちゃかなスパゲッティー状態で、どうしようもないのかしらね。
バスターミナルの案内が立ってました。大平方面行きというのに乗れば、登山口至近のバス停「黒瀬」まで行けます。今回は歩くのでスルーしちゃいます。
駅前のロータリーを直進して
ラブライブとコラボしている何かの建物の脇を通過します。
三島駅や沼津駅はラブライブ関連が多いのはなんでですかね。ナントカの聖地とかになってるんでしょうか。
建物を通過してすぐ左折したら、真っ直ぐ進みます。
痛バスがいました。ドライバーさんウキウキなのかな。
交差点を渡って、直進します。
いつもご挨拶する日枝神社にご挨拶に立ち寄ります。満開の桜で溢れてますね。
境内に進むと、心地よい桜吹雪に包まれます。
改めて読んだことが無かったのですが、ちょっと読んでみたくなりました。日吉大社から分祀せされたそうですね。恨み、怒り、妬みを「思わざる」ことが大事なんだとか。耳が痛いので「聞かざる」を貫きたいところですが、怒られそうなのちゃんと聞くことにします。
なんでか目を引く枝垂れ桜がいました。
足元に「三春の滝桜」とありました。三春というと、わたしの故郷福島の三春が真っ先に思い浮かびました。何か関連しているのかなと調べてみたら、福島の三春から苗木を運んで植えたんだそうです。こんな繋がり方もあるのですね。面白いものです。
あんまり長く居ると、本当にここだけで帰りたくなっちゃうので先に進みます。沼津警察署の前の交差点を渡ります。
橋を渡りに行きます。
橋の上から、これから向かう香貫山山腹の五重塔が見えてきました。右手奥には展望台もちゃんと見えてますね。
橋を渡ったら左へ
少し進むと一番最寄りのバス停「黒瀬」がありました。交差点を探して、車道の反対側に渡ります。
甲羅本店。カニ料理屋さんなのに、マスコットキャラクターは鳥なんですかね。なんでだべ。
工事が終わった祝いに立てたそうですが、いつも「完」一文字にツボってしまいます。そんなにアピらなくても良いのにね。
一般の民家の脇に入口が見えてきました。
ここから登山口ですが、身支度は五重塔がある「香貫山公園」の方が捗るので、まずはそこまで登ってしまいます。

香貫山登山口〜芝住展望台〜香貫山

香貫山登山口から5分ほど登山道を登ると、香貫山公園に立つ五重塔裏手に出ます。

ここから公園の正面に回って、沼津湾を見下ろすベンチで身支度を整えます。

登山のスタイルになったら、無料休憩所の前を通って山頂方面へ向かいます。

山頂に向かう方法としては、山道を通って進むスタンダードなルート、舗道を進む大回りルートの2パターンがあります。

いつも前者を使っているので、今回は後者鋪道を行くルートを使ってみました。

山道を進むよりも遠回りになりますが、芝住展望台に直接繋がるのは大変助かります。

さらに、途中から展望台への近道もあることがわか理ました。急坂の階段が続く道ではありますが、普段から山歩きしているようなら、全く問題ではありません。

見つけたら迷わず進んでしまいましょう。

展望台は、ビルの3回ぐらいの高さがあり展望抜群です。その分混雑する場所になってしまっていますが、立ち寄らない方が損です。

是非、寄り道していってください。

展望台からは、香貫山山頂へ直登できるルートが存在していますので、そちらを通って山頂を踏んでから、次のピーク「横山」へ向かうと良いでしょう。

ギャラリー

階段を登って、公園へ向かいます。
途中から山道に変わるので滑らないように注意して進みます。
歩道との交差地点を通過すると、五重塔が見えてくるので、それを目安に進んでいきます。

五重塔の裏手を進むと
香貫山公園に到着です。ここは遊具もある普通の公園なので、お散歩にくる地元の方々によく声をかけられます。穏やかな人が大半なので、コミュ障なわたしでも普通にお話し聞いてもらえました。
無料の休憩所もあります。いつも閉まっているのですが、この日は空いていました。8時過ぎてたからかな。
五重塔正面です。歴史的建造物といった類では無いですが、結構立派な高さの建物です。
鶏がいました。逃げないし、鳴かないし。飼いニワトリというやつでしょうか。この後、お散歩にきた犬とバトりそうになってました。
一通りフラついてベンチスペースへ。ここで沼津湾を眺めながら身支度を進めます。
満開の桜が、むしろ展望の邪魔になっちゃっているのが贅沢な悩みですね。
こちらから少し街並みが見えました。
五重塔と桜を合わせてみました。どうでしょう。少しは雰囲気出てますかね。
身支度ができたら無料休憩所の前を通って山頂方面へ向かいます。
ここが無料休憩所です。沼津市遺族会の文字が見えますが、戦没者遺族会ということなんだろうと思います。
ちなみに、この公園の五重塔は戦没者慰霊平和塔というのが正しい名称なので覚えておくと良いかもしれません。
別段、死体が埋まっている場所という訳では無いですが、綺麗に咲いた桜の木の下を抜けていきます。
車止めのある方向へ向かいます。
公衆トイレもあります。駅のおトイレに立ち寄る機会を逸してしまったら、こちらをお借りしましょう。
ノーマルルートは左の山道を進むルートかなと思います。今回は、試しに鋪道を進む右側を歩いてみます。
歩いてみた感じだと、少し遠回りになりますが、傾斜はほとんどなく結果的に同じぐらいの時間で展望台につきました。
どうみても落石に見えない、落石の看板。いらすとやさんに描いて貰えば、もう少しまともになりそうです。
崩壊部を固めたであろうコンクリート帯を横目に進みます。
軽快に進んでいくと、左手に案内が立ってるのを発見しました。
展望台への近道だそうです。何事も経験なので進んでみます。
最初のうちは階段の急坂が続きますが
直ぐに穏やかな山道に変わり
石階段が見えてきます。ここを登れば、展望台の裏手に出られました。
こんなところに出ました。階段を登って、展望台へ向かいます。
展望台の足元にあるオブジェに寄り道してきます。
富士山が出ていれば、良い対比になったのですが残念ですね。
近くに立つうんちく看板。伊豆半島は、フィリピン方面から動いてきた島がぶつかってできたとか。興味深いですね。
展望台の周りはお花もいっぱい咲いています。お隣に居たお父さんとの会話によると、これは桃の花っぽいです。
これはなんて花だろう。不勉強でわからなかったです。
一周してみた後は、散り際の枝垂れ桜の脇を通って展望台の花壇へ進みます。
展望台に登ります。
展望台に登ると、アンテナが至近にありました。近くで見るとやっぱり大きいですね。
これから向かう沼津アルプスの山々を目視でも確認しておきます。手前から横山、徳倉山、一段飛び出たとんがり帽子が鷲頭山といったところでしょうか。
最初のピーク香貫山の山頂は、正面の階段から向かうことになります。
展望台を降りて、先ほど見えていた階段で山頂方面に向かいます。
階段を降りたら分岐に出るので、左手を登ります。
ここも桜が綺麗です。香貫山、桜の山ですね。
山頂のドーム型のアンテナが見えてきたあたりで、山頂への近道に入っていきます。
案内に沿って山頂へ
結構急な階段ですが、距離が全然無いので余裕です。
先ほど見ていたドーム型アンテナの足元まで登ってきました。
反対側に回ると、香貫山山頂を示す手作りの案内が立っていました。標高193mとのこと。もう少し登った気がしますが、そんなものなのでしょうね。

香貫山〜横山

香貫山の山頂を踏んだら、次の目的地「横山」へ向かいます。

まずは、鋪道との交差地点まで階段を降りたら、「桜台」へ向かいます。

この「桜台」は、名前の通り桜の名所です。桜の時期には、ソメイヨシノやオオヤマサクラなど、複数品種の桜が咲き競って素敵な空間を演出してくれます。

「桜台」を過ぎると「八重坂」までの降下が始まります。今まで登ってきた高度を全て吐き出す勢いで降ることになります。

「八重坂」まで降り立つと、今度は車道を辿って「横山」への取り付き口となる「八重坂峠」に向かいます。

そして「八重坂峠」から「横山」へ登っていくことになるのですが、ここからが沼津アルプス本番で、アキレス腱がピンと伸び切るような急勾配の坂道を、補助のロープを手繰りつつ登っていくことになります。

途中に小休止的な踊り場を挟んで、2つ目の急坂を登り切れば「横山」の山頂に到着です。

苦労に苦労を重ねて登った山頂ですが、ここからの展望は全くありません。

目印になる手作りの案内板以外に何も無いので、速やかに次の目的地「得倉山」へ向かうようにしましょう。

ギャラリー

香貫山山頂からは、車道を跨いで反対側にある桜台に向かいます。
まずは車道まで降って
案内に沿って、桜台方面へ進みます。
この階段はスルーして右側の脇道を進むと良いです。
木のブロックを敷き詰めた道。これがよく滑るんです。転ばないように注意して進みましょう。
沼津アルプスには、こう言った手作り感溢れる看板がところどころに立っています。これらを探して山々を巡るのも楽しいかもしれませんね。
東屋が見えてきました。この辺りから、桜台テリトリーに入っていきます。
東屋の隣に立つソメイヨシノは、すっかり満開でした。
近づいて見上げると、こんな感じの花々と目が合いました。
さらにアップです。淡いピンクが可愛らしいですね。
少し引き気味に見上げた図。見事に満開です。
足元には菜の花が咲いていました。ピンク色の背景と相性バッチリですね。
散策道を進むと、違った種類の桜を眺めることができます。
ソメイヨシノよりも花びらの赤みが濃いのもありました。ネットの画像と比較してエドヒガンサクラってヤツだと判断しましたが、正解でしょうか。どうでしょうか。
正面からの図。花びらは楕円形で5枚以上ありそうです。
白い花びらいっぱい地帯に入りました。
真っ白花びらはオオシマザクラでしょうか。
花びらは5枚だし、これはオオシマサクラで正解だと思いますがどうでしょう。
桜台の端っこまできたので、振り返ってみた図。いろんな種類の桜の花が咲き競いあってました。
ひときわ大きなオオシマサクラの木の前を通過すると
降り坂が見えてきました。
少し傾斜の強い階段道を降ります。
こちらは背の高いソメイヨシノの木ですね。
桜の木々の間を抜けていくと
車道に降りられます。
車道に降りたらぐるっと180度回って進んでいきます。
保護ネットが見えてきて、それらを通過したところに紛らわしいポイントがあります。
ここが紛らわしいポイントです。沼津アルプス特有の手作り案内板が立っているので、ここを左折したくなりますが、桜台方面に戻ってしまう道なので入り込まないように注意してください。正規ルートは真っ直ぐです。
紛らわしいポイントを通過すると、車止めが見えてくるので、抜けて右へ
水道局の施設が見えてくるので
その脇を降っていきます。
この道も何気に桜並木なんですよね。
頭おかしいくらいに咲き乱れていました。
二つ目の手作り案内板が見えてきました。今度は、枝道へ曲がっていくのが正解です。
山道を降っていくと
八重坂の登り口に到着しました。
お隣に立っている手作り案内板。このワチャワチャ感がいいですね。
車道に出たら反対側へ。ここの車道は交通量が多いので、横断歩道まで降りて対面に渡る方が良いです。
横山のピークを見据えつつ車道脇を進みます。
民家の庭先に鮮やかな色のお花が咲いていました。多分、カンヒサクラというヤツだと思います。半分は散ってしまってたので、来週にはもう全て散ってしまってそうでした。
坂を登っていくと左にカーブを描いた先に、イノシシの看板が見えてきます。そこが「八重坂峠」です。
八重坂峠に到着です。ここから沼津アルプス特有の短いながらも勾配急なアップダウンが始まります。
登り始めからこんな粘土質な急坂が続きます。
少しすると、ロープの補助が出てきて、更に勾配がキツくなります。見上げるように続く坂道が心を折りにきます。あんまり見上げてると帰りたくなるので、足元に注視しながら、さっさと登り始めてしまいましょう。
ロープのついた急坂区間が終わると、少し勾配も緩やかになります。
踊り場的な平地を進み
2度目の急坂を登ります。
坂を登り切って、平地を少し進むと
横山の山頂に到着です。展望なし、見どころなしなので、止まらずに徳倉山へ進みます。

横山〜徳倉山

横山から徳倉山への道のりも、沼津アルプスらしい歯応えのあるアップダウンが続きます。

まずは、急斜面の降りです。

滑りやすく急勾配なので、補助のロープ活用して気をつけて降りましょう。

「横山峠」降ったら、今度は登りです。

ちょっとわかりづらいクランクを通ってしばらく平坦な道を進むと、横山への急坂よりも更にキツい鎖付きの急坂が待ち受けています。

ここの階段は段差があるので、膝の上げ下げでバテないようゆっくり目に登りましょう。

二つの並んだお社が見えてきたら登り坂も終盤です。

最後にひと登りして視界が開けたところが、「徳倉山」の山頂になります。

木々の間から富士山が見える位置があるので、天気の良い日に探してみてください。

富士山を眺めて一息ついたら、今回のルートで一押しの海への視界が広がる稜線区間に入っていきます。

ギャラリー

山頂の案内板を捲って降り道へ向かいます。
しばし穏やかな道が続きますが
穏やかなのは、擬態でした。
トレラン主体な人だと、ガガガと駆け降りていくだろう降り坂を通過します。ガガガ。
一瞬、穏やかになりますが
やっぱり擬態でした。
ガガガと降りていくと
右前方にちょっとだけ開けた場所が見えてきましたl。
ギリギリ海が見えました。対岸の西伊豆もチラ見できますね。チラリズム全開です。
階段を降りて、少し進むと
案内板が見えてきますので、ググッと右折します。
ここが「横山峠」になります。ここからシケイン風に直角に曲がっていくと、沼津アルプスで一位二位を争う急坂の登り坂に到達することになります。
ここも直角に曲がり
短い鎖ばを登って
林間の道を進みます。
岩が増えてきたところで
麓の清水町方面への眺めが少しだけ楽しめる場所に出ました。
ここから少し進んだところから
急登の鎖場区間に突入です。ここの階段、段差高くて嫌らしいんですよね。ホント、まいっちんぐです。
前を行く登山者を追い抜くのに本気モードで登ったら、途中の写真を撮り損ねたので、振り返って撮ってみました。
登り坂をパスすると、二つの並んだお社が見えてきます。
どちらにも平等にご挨拶をしてから先に進みましょう。
対のお社から山頂は目と鼻の先です。
視界が開けてカヤトの原っぱを進めば
山頂に到着です。案内板、めっちゃ寝てますね。良い天気になってきたし、その気持ちはわかります。
しかし、見事にバッキリ折れてますね。それだけハードな場所なのでしょう。
三角点もありました。
せっかくなので、近くの木に立てかけてみました。バックの富士山とよく合います。

徳倉山〜志下山

徳倉山から先は、海への眺望が素晴らしい稜線区間に入っていきます。

ロープの張った急坂をグッと降ったら、沼津港へ続く分岐、戦時の跡地、馬頭観音とスポットを通過して「しおみち広場」まで進みます。

「しおみち広場」では、案内板の裏手から富士山が見えることがあるようです。

そして、ここを通過してしばらくすると、いきなり前方の視界が開けて、海への眺望が広がります。

なかなか感動的なので、是非ともご自身の眼で直接確かめてみてください。

一旦、林の中に引っ込んで「志下坂峠」まで降ったら、登り返して再度稜線沿いを歩きます。

ここからは、海への眺望だけでなく、これから向かう鷲頭山への眺めも楽しむことができます。

海、山の風景を楽しみつつ歩みを進めていくと、「さざなみ展望台」という案内板が見えてきます。

そこが、「志下山」の山頂となります。

傾斜があるものの、ちょっとした広場があるので、ここにレジャーシートを広げて寛ぐのも良いかもしれません。

ギャラリー

まずはさっき登った分を降ります。
当然、ロープの補助があるので、うまく使っていきましょう。
一段降り切ると、既に見慣れた感のする手書き案内板が立ってます。
香貫台分岐と呼ばれる場所のようです。
味のある手書きの説明板が立ってました。達筆じゃ無いところがまた良いですよね。
その横にはフォーマルな案内板もあって、こちらにもっと詳細な説明が書いてありました。この辺りは野菜の栽培が盛んだったようですね。
香貫台分岐を過ぎると、少しだけ登り返しがありますが、あとは平坦な道が続きます。
案内板が見えてきました。
戦時の銃座の跡地でした。香貫山公園の慰霊塔を始め、沼津は戦争にまつわる土地が多いですよね。
実物を見るとわかりますが、大人一人が入ってぎりぎりな感じです。ここに長期滞在となると、ストレスは半端なかっただろうなと思います。
更に進むと
今度は、馬頭観音像を示す看板が現れます。
ここにも詳細な説明文があるので、興味があったら読んでいくと良いです。
これが馬頭観音像らしいです。象というよりも石碑ですね。
更に更に、穏やかな道を辿っていくと
しおみち広場に到着です。昔は、ここが地元の子供たちの遊び場だったみたいです。最初に読んだ時は、こんな山奥で遊んでいたのかと思いましたが、標高にして100m前後ということを考えたら、十分にあり得るお話でした。
広場ということもあって、なかなか広い空間です。桜の木も何本か立っていて綺麗でした。
しおみち広場を過ぎたてからも、しばらく林間の道を進みます。
こんな立派な木が立っていたりするので、飽きずに歩けるでしょう。
そして、心なしか前方が明るくなってきたかなと思ったところで
ブワッとポイントに到着です。視界がブワッと開けて静浦の港町とその先に西伊豆の海岸線が見えてきます。
少し視線をずらすと、丸い形が可愛らしい淡島も眺めることができます。
更に横を見ると、これから向かう鷲頭山のツンツン尖ったピークも眺めることができます。ここ、わたしのお気に入りの場所なので、是非、立ち止まって眺めを楽しんで欲しいです。
眺めを堪能したら、志下坂峠まで降ります。ここも傾斜が急なので転ばないように注意してくださいね。
志下坂峠まで降り切ると、お馴染みの手作り案内板が立っています。
この案内板も老朽化というか劣化が進んでますね。潮風にさらされる場所だから仕方ないのでしょう。
峠を越えると、明るい稜線歩きに戻ります。
所々で、視界が開けて気持ちの良い風景を眺めることができます。
道も平坦でとても歩きやすいので、眺めを楽しみながらウキウキで歩けますよ。
そして、この時期はこの稜線沿いにもたくさん桜の花が咲いていました。
ちょっとシワシワしてますがこんな満開な一房があったり
明日にはばっちり咲きそうな、若々しいこんな蕾があったり
元気いっぱいに咲いてくれる、こんな子たちがいたり
街中の桜の名所とは違った、無秩序なワチャワチャ感が楽しい桜の群生地帯でした。
そして、足元には謎の赤い蕾も咲いてました。
これはなんてお花なんでしょう。不勉強でわからずじまいでした。
そんな感じに、海とお花を愛でながら進んでいくと、人だかりが見えてきます。
さざなみ展望台に到着です。ここからも開放感のある海への眺望が楽しめます。
春の時期だと、海から上がってくる潮風も心地よい涼しさなのが嬉しいです。
そして、実は、ここが志下山の山頂でもありました。人だかりができていたのは、そういった訳があったワケなんです。

志下山〜小鷲頭山〜鷲頭山

「志下山」を越えても、しばらくは稜線の道が続きます。

歩きやすい平坦な道、心地よい海からの潮風、そしてこの時期特有の桜の花々に癒される楽しいお散歩を堪能していくと、「パノラマ展望台」に到着します。

ここからも、海への気持ち良い眺めを堪能できます。

そして、馬処峠を通過すると今度は「きらら展望台」が見えてきます。

以前、ここにきた時には2mを越すカヤトの林が広がっていて展望皆無だったのですが、綺麗に刈り取られて展望台らしくなっていました。

「きらら展望台」を過ぎると、気持ちよくも楽しかった稜線歩きも終わりを告げて、沼津アルプス最高峰「鷲頭山」へ向かう急坂地帯へと入っていきます。

まずは、「ぼたもち岩」まで降下して、そこから一気に山頂に向けて登っていきます。

途中に「中将さん」という名前で平家ゆかりの場所があります。

平家ただ一人の生き残り武将で京都木津川の畔で斬首されたと言われる「平重衡(たいらのしげひら)」が、逃げ隠れて住んでいた大岩だという由来があるようです。

「中将さん」を過ぎると、沼津アルプス屈指の急坂地帯に入ります。

段差の大きい岩場続きの林間の急坂ですが、逆に展望皆無なことが幸いして「登る」という行為に専念できます。

このため、無心で登ることとなり、ふと気がついて顔を上げてみれば急坂地帯を通過していたというマジックを味わえるかもしれません。

そして、登り切った先には「小鷲頭山」、更に先に「鷲頭山」の山頂が控えています。

展望としては「小鷲頭山」の方が良いように感じます。

山頂の案内の裏手からは駿河湾の湾曲した海岸線が見えて、満足感のある眺めを楽しめます。

「鷲頭山」の山頂では、この海岸線が木々に隠れてしまい見ることができません。

先に「小鷲頭山」で見えてるだけに少々残念な思いが残るかもしれません。

ただし、山頂広場の広さをとったら「鷲頭山」の方が2倍ほど広いので、長期休憩を取るのであれば最高峰ということもありますし「鷲頭山」の方を推しておこうかと思います。

ギャラリー

パノラマ展望台を超えても稜線の気持ち良い道は続きます。
そして少し降ると
奥駿河パノラマ台という場所に到着します。
今までの展望台と同じような眺めに見えますが、港の中心にある瓜島の位置が段々と北方向にズレていくのがわかって、なかなか面白いです。
一旦、木々の間に入り
馬処峠を越えて
降りた分登り返すと
今度は、きらら展望台というところに出ます。
以前きた時に生えていたカヤトの一帯がバッサリと刈り取られて、展望台らしい眺めに変貌してました。これは嬉しい誤算でした。
きらら展望台を過ぎたら、沼津アルプス屈指の急坂地帯に入っていきます。
まずは、ぼたもち岩の前まで降っていきます。
この子がぼたもち岩です。ボッテリとしてお腹の溜まりが良さそうです。
ここにも手作り案内板が立ってました。山頂と峠全てに立っているようです。すごい手間暇かけてますよね。
ぼたもち岩を過ぎたら、少しの間は穏やかな坂道を通ります。
そして、大岩の足元にある中将さんと呼ばれている場所に到着します。
隣にはこのような由来が立っています。読んでみるとわかるのですが、どうも一般的に言われている世界線とは異なった並行世界のお話みたいで、実に興味深いです。丁度、大河ドラマも鎌倉時代のお話になったことですし、この機会に鎌倉時代についてお勉強をしてみると面白いかもしれませんね。
柵の隙間からは阿弥陀仏像が見えました。
大岩を通過すると、待望の急坂地帯です。
と、その前に黄色いお花の群生地帯があったので、暫し眺めて気合を溜め込みます。
十分に気合が溜まったら、ガッと登っていきます。
写真だと、この傾斜が伝えきれなくて残念で仕方がありません。
いやホントに、楽しくて、楽しくて仕方が無い急坂が続きます。
無心で登っていくと