世界の屋根といえばヒマラヤ山脈。
日本の屋根といえば飛騨・木曽・赤石山脈。
そして、神奈川の屋根といったら、里山の宝庫「丹沢山地」ですよね。
今回は、そんな神奈川の屋台骨「丹沢山地」の中でもお花の山で有名な松田山を起点に、高松山、大野山と破線ルートを通って歩いてみました。
すべて標高1,000mを越えない小ぶりな山々ですが、富士山への眺望に恵まれた気持ちの良い山ばかりです。
都内から近く、眺望に優れ、それでいてお手軽に登れる里山をお探しのあなたにぴったりの山たちだと思います。
是非、最後までお読みください
ただ、今回は高松山から大野山までのルートは、所謂、破線ルートを歩いていますので、二、三度、山遊びをこなした程度だと、少し敷居が高いかもしれません。
そんなときは、2回に分けて楽しむなどの工夫をしてみてくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
概要
松田山
松田山(まつだやま)は、神奈川県松田町にある標高568mの山です。山頂周囲がゴルフ場となっていて山頂が不明瞭になっているようです。
南側の山腹には、桜の名所「最明寺史跡公園」や桜だけでなく秋のコキアや、冬のイルミネーションなども楽しめる「西平畑公園(松田山ハーブガーデン)」があります。
登山として単体で登るのには少し物足りないと思われる方が多いのか、隣接する高松山と縦走で登るのが一般的のようです。
アクセス方法は、JR御殿場線「新松田駅」もしくは、小田急線「松田駅」を下車し北面に20分ほど歩くと到着できます。
そして、各種イベントの開催期間中は、専用のシャトルバスが運行しているようなので、事前に調べておくと捗るかもしれません。
関連リンク
ここには、山腹にある有名公園2つの公式HPを載せておきます。
様々なイベント毎はこちらで確認するとよいでしょう。
まずは、最明寺史跡公園の公式HPです。桜の時期になると開花情報を掲載しますので、お花見狙いの時には定期的にチェックしてみてくださいね。
松田山山腹にある、西平畑公園の公式HPです。春夏秋冬様々なイベント開催しています。近くに立ち寄る時に一度確認しておくと変わったイベントに出会えるかもしれません。
ギャラリー
高松山
高松山(たかまつやま)は、松田山と同じく、神奈川県松田町にある標高801mの山です。
高松山は地形が穏やかで、急斜面が少なくビギナー向けの山です。
山頂は広い広場になっていて、多くの登山者達が思い思いに眺めを楽しむ姿を見ることができます。
山頂からの眺めは南と東が良好で、南方面には富士山をはじめ箱根の山々、東方面には丹沢表尾根の山々の様子を楽しむことができます。街からも近いので、松田町、山北町そして小田原の街並みを見下ろすこともできます。
登るのに適した時期は、夏を除いた3シーズン。夏だけ除いた理由は、低山特有の蒸し暑さが主原因ですが、丹沢特有の山ビル問題というのも理由の一つになります。
丹沢山地では、増殖した鹿たちが沢を巡ることで、そこに生息している山ビルをたくさん体につけた状態で山中を活発に走り回ります。
このことで、大量の山ビルが山地全域にバラまかれるという惨状が出来上がってしまいました。
これら山ビルは気温20度を越えてくると、元気に活動をし始めるようなので、桜の咲き始める春の半ばから、夏を過ぎて、紅葉染まる初秋までの期間は他の魅力ある山域で活動することをお勧めします。
最後に、主なアクセス方法3つを紹介して高松山の紹介を終わりにします。
- JR御殿場線「山北駅」または「松田駅」、もしくは小田急線「新松田駅」から富士急バスで「高松登山口停留所」まで赴き、そこから徒歩で向かう方法
- JR御殿場線「松田駅」または小田急線「新松田駅」から松田山を経由して徒歩で向かう方法
- 小田急線「新松田駅」から富士急バスで「寄停留所」まで赴き、シダンゴ山を経由して徒歩で向かう方法
色々な情報サイトを調べると「高松登山口停留所」から登って、松田山を経由して「松田駅」もしくは「新松田駅」に下山するのが一般的なルートになるようです。
ギャラリー
大野山
大野山(おおのやま)も、先の2座と同じく神奈川県松田町にある標高723 mの山です。
隣接する高松山と同様に大野山も急斜面が少なく、ビギナー向けの山になっています。
元々は、山頂付近に県運営の牧場があったようで広い牧草地帯がまだ残っていますが、牧場自体はすでに閉鎖されてしまったようです。
そのためなのか、山頂直下徒歩10分の高さまで一般車両が登れる車道が通っているので、自家用車で登ってお散歩に訪れるご家族の方やペット連れの方が多く訪れている場所でもあります。
また、山頂全体が公園のようにしっかりと整備されていて滞在するのにとても気持ちが良く、東西南北どこを向いてもステキが展望を楽しむことができるので、非常に満足感が高い山でもあります。
そして、山頂に公衆トイレがあるのもプラスポイントで、かなり長い滞在にも対応できます。
残念な点は、火気厳禁というところでしょうか。小さな子供も訪れやすい場所なので、この点については致し方無いのかもしれませんね。
主なアクセス方法は、次の3つです。
- JR御殿場線「谷峨駅」から徒歩で向かう方法
- JR御殿場線「山北駅」から徒歩で向かう方法
- 小田急線「新松田駅」から富士急バスで「丹沢湖停留所」まで赴き、そこから徒歩で向かう方法
おすすめのルートは、「谷峨駅」から登って「山北駅」へ下山するルートとなります。
「山北駅」は南側歩いて1分のところに「さくらの湯」という町営の入浴施設があるので、下山後に汗を流してさっぱりして帰路に着くのがおすすめです。
「さくらの湯」については、以下の記事に詳しくまとめています。一緒に読んでいってくださいね。
ギャラリー
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。
最高点の標高: 925 m
最低点の標高: 59 m
累積標高(上り): 2687 m
累積標高(下り): -2634 m
総所要時間: 11:28:35
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは次の3箇所です。
松田山ハーブ館直下の広場
今回の山行ルート上の展望ポイント1つ目は「松田山ハーブ館直下の広場」です。
松田山は散策路から南面に視界が開ける場所が多数ありますが、中でもハーブ館の直下にある広場からの眺めが解放感がありおすすめです。
桜の木々の間から見る風景と違い、目の前を遮るものが無いので、純粋に眼下の街の広がりを楽しめますよ。
ギャラリー
高松山山頂
今回の山行ルート上の展望ポイント2つ目は「高松山山頂」です。
前出の高松山の説明にもあったように、この山の山頂からは、富士山をはじめ箱根の山々や、お隣の丹沢表尾根の山々を眺めることができます。
大きく広がった広場のどこからでも眺められるので、人が映らない位置を探して撮影を楽しむこともできるでしょう。
ただし、午後遅くになると富士山が逆光に入って見えづらくなるので、できるだけ午前中の日の高い時間に訪れることをおすすめします。
ギャラリー
大野山山頂
今回の山行ルート上の展望ポイント3つ目は「大野山山頂」です。
この山の山頂は、大きな公園になっているので、四方端っこまで歩く必要がありますが、それぞれの方面から様々な風景を楽しむことができます。
まずは、西方面に富士山への眺め、北面に移ると丹沢湖と三保ダムへの眺め、東面からは西丹沢の山々への眺め、最後に南面には箱根の山々と山北から小田原まで続く市街地の様子、相模湾への眺めといったものを楽しむことができます。
山頂付近まで一般車道が通っているので、車で手軽に登れる山ですが、そんな無粋な真似などせずに麓から登って、その道程も楽しんでくださいね。
ギャラリー
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は次の3つです。
シダンゴ山との分岐地点から林道秦野峠に降る区間
今回の山行ルート上の通過するときに注意した方がよさそうな区間の1つ目は「シダンゴ山との分岐地点から林道秦野峠に降る区間」です。
砂地で滑りやすい急坂で、ロープの補助は有るものの、谷側に滑り落ちたら救助が必要になるだろう高さに巻道を降る区間があります。
補助のロープも遊びがありすぎるので、掴んでいても安心感は無く、一歩ずつ足元を確かめつつ進む方が良さそうでした。
逆に林道から登ってくるのなら、それほど気にしなくても良いかもしれません。
ギャラリー
雨山峠との分岐地点から日影山方面に向かう際の細尾根区間
今回の山行ルート上の通過するときに注意した方がよさそうな区間の2つ目は「雨山峠との分岐地点から日影山方面に向かう際の細尾根区間」です。
具体的には、林道秦野峠から雨山峠へ向かうルートから日影山方面に分岐して進んでいく取っ掛かりにある細尾根の続く区間です。
左右共に、底が遥か下に見える切れ落ちた細尾根を進むのですが、砂利や細かい木の根で足を取られやすい上に、破線ルートに入っているからかロープや鎖の補助など登山者を配慮するようなものは一切無く、全ては自力でなんとかしろと主張している、なかなかに漢らしい区間です。
そもそも案内なども出ていないので、通過してしまわないようにしなければいけないという、基本的なところにも注意する必要があります。
怖がってしゃがんでしまう方がむしろ危ないので、体のバランスと足を置く場所に気をつけながら慎重に進んでください。
ギャラリー
日影山直下の急登区間
今回の山行ルート上の通過するときに注意した方がよさそうな区間の3つ目は「日影山直下の急登区間です。
高松山から向かってくると、手前の林道を越えてしばらく進むと日影山山頂に向かう細尾根が見えてきます。
ぱっと見、よじ登り区間にも見えますが、細尾根の反対側見えない位置に歩いて登っているだろう踏み跡があります。
そこまで足を運んでしまえば、あとは普通の急坂のイメージで登っていけます。
ただし、両側が切れ落ちていることには変わりありません。足を滑らせて滑落しないよう細心の注意の元登って行ってください。
ギャラリー
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:厚手のフリース
- アウター:ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:中厚手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
今回、活動中には薄手の長袖Tシャツのみで歩きました。
流石に3月ともなるとこれでも暑くて、じっとりと背中が汗で濡れる場面が多々ありました。あと一週間、二週間したら半袖Tシャツに切り替えた方が良さそうです。
足元も中厚手の長ズボンもそろそろ蒸れてくるようになったので半袖Tシャツと合わせて薄手にチェンジした方が良さそうです。
交通機関利用時は、長袖Tシャツに厚手のフリース、ソフトシェルの組み合わせです。
早朝時期はこれで丁度よかったですが、帰路ではソフトシェルも不要でもうすっかり春なんだと実感する日となりました。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、小田急線に乗り込んで「新松田駅」で下車、そのまま松田山に向かって登り始めるプランとしました。
小田急線は新宿駅からとなりますので、まずは新宿駅に向かいます。
今回下車する「新松田駅」は、丹沢フリーパス、箱根フリーパスどちらも適用範囲外エリアになります。間違って購入してしまうと少々面倒なことになります。
それは、区間外の自動改札に入れてしまうと、その時点でチケットが飲み込まれてしまう点です。これを回避するためには、一旦、渋沢駅で途中下車して、改めてSuicaなり切符なりで入り直す必要があります。
これは、手間になるだけでなく大幅なタイムロスにも繋がりますので、十分にご注意ください。
「新松田駅」のおトイレは改札の目の前にあります。
これから向かう「松田山ハーブガーデン」の敷地内にもおトイレがありますが、何があるかわかりません。「おトイレは入れるうちに入ておく」と教える家庭もあります。まずは、立ち寄っておいてください。
おトイレを済ませたら、手前の机で身支度してもいいですし、道々見つかるベンチなどで身支度してもいいです。
諸々準備ができたら出発しましょう。
ギャラリー
小田急線「新松田駅」~松田山ハーブガーデン
新松田駅をスタートしたら、まずはJR御殿場線「松田駅」北口に向かいます。
ハーブガーデン行きのシャトルバスも「松田駅」北口から発着するので、バスを使う場合でも、北口までは歩く必要があります。
「松田駅」北口に到着したら正面の道を進んで松田山ハーブガーデンもしくは西平畑公園の名前で道案内が出ていますので、その案内に沿って進んでいくと良いでしょう。
国道246号線を通過して、東名高速道路の下を潜ったら、少し坂を登ることで松田山ハーブガーデンの入り口に到着することができます。
イベント期間外であればそのまま入れますが、今回のように桜まつりといったイベント期間中は、9時からの開演となっています。が、隙間から園内に入ることはできるので、高松山へ向かうときには、そのまま通過させてもらうことにしましょう。
今回は、人気のイベントということもあり7時台で既にスタッフが稼働中だったので、入園料を支払ってお花見もさせてもらいました。
河津桜の濃いピンク色と、菜の花の黄色の組み合わせがとても綺麗でした。
松田山ハーブガーデンからは、最明寺史跡公園を経て高松山へ向かうことになります。
最明寺史跡公園へは、みかん畑を超えて自然館のお隣の道から登って行けるので、そちらに向かうことにしましょう。
ギャラリー
松田山ハーブガーデン〜第六天
最明寺史跡公園への道程は、獣よけの柵を超えてコキアの里を通過、車道に出て登っていくことで到着します。
難しい区間や急坂の区間は皆無と言ってよく、地道に足を進めていけば到着できます。
最明寺史跡公園に入ったら、九十九折りの遊歩道を登ります。ここも特に悩むことはないでしょう。
最明寺史跡公園区間を抜けると、高松の集落に入ります。
車の往来がほとんどない車道に出て、車道を辿って高松山登山口のある第六天に向かいます。
ここで注意すべき点としては、第六天の山頂に直登していく分岐には入っていかないことです。
ここは山腹にある畑へ向かうための林道となっています。山頂まで繋がっているはいますが、山頂間際にある鉄柵が閉じて通り抜けできないようになっているので、来た道を引き返して余計な労力を使うことになってしまいます。
素直に案内やGPSに従って進むようにしましょう。
第六天は、分岐の多い峠となっています。立っている案内板をしっかりと見て、向かう方向を間違えないように確実に高松山登山道を進むようにしてください。
ギャラリー
第六天〜高松山
第六天まで降って高松登山道に入ったら、あとは一本道に進むことになります。
今までの道に比べたら、勾配も厳しめのところも出てきます。
そして、「富士見平」「桜平」とスポットを通過し、山頂直下の分岐で男坂、女坂いずれから登るかを決めて登り詰めたら山頂に到着です。
南面に視界が大きく開けた草原地帯が広がる山頂広場は、人が少ない穴場スポットと言われていた時期もありましたが、2022年3月時点では多くの方に知られてとても多くの人が通過したり、休憩したりする場所となっています。
ベンチや椅子の数は少ないですが、どこにでも座れる場所なので地べたに座って休憩を入れると良いでしょう。
もし、ザックの収納に余裕があるようだったら、100円ショップで小ぶりなレジャーシートを購入して持っていくと、座ったり、寝転んだりするときにとても捗ります。
参考にしてみてください。
十分休憩を取ることができたら、ビリ堂方面の下山ルートに進むようにします。
ギャラリー
高松山〜林道秦野峠
高松山山頂からビリ道方面に少し降ると、本道から分岐する形に鉄柵の脇を登っていく脇道が見えてくるので、その脇道に入って進みます。
いきなり「太尾山」という旺文社の地図には載っていない小ピークの案内板が目に入りますが、何もないところなので、通過してしまいましょう。
一旦降って、バス停への分岐も通過し、その後、降った分登り返すと、今度は「ヒネゴ山(西ヶ尾)」という案内板が立っています。
ここも、めぼしいものはないので通過です。
この先は似たような状況が続きます。
「フトム山」「丸山」「桜丸」と、アップダウンを繰り返して進むと、手書きで「ダルマ沢右ノ沢の頭」と書いてある案内が見えてきます。
この案内から降っていくと「シダンゴ山」と「林道秦野峠」の分岐地点に到着します。
ここから「林道秦野峠」方面に降ることになりますが、滑りやすい急坂の降りとなるので、十分に注意しながら下りましょう。
林道に出たら、北方面に向かうと「林道秦野峠」に到着です。
日当たりの良い分岐地点で、案内の石碑もあるのですが、展望はゼロで座って休めるようなところもありませんので、普通に通過してしまいましょう。
そして、ここから破線ルートに入っていくことになります。
ギャラリー
林道秦野峠〜日影山
林道秦野峠からは、林道の間にある山道を登って行きます。
入り口が見落としやすそうでしたが、反対側にある案内板を確認すればなんとなくわかるはずです。
ここからしばらく、有刺鉄線の柵に挟まれた細い道を進むことになります。
衣類やザックを引っ掛けないようにご注意ください。
柵には、乗り越えるための梯子が定期的に設置されていますが、特に登らなくても大丈夫です。
柵は劣化が激しくて、支柱が根本から折れて倒れ込んでいる場所が多数あるので、そういったところ潜って進めば問題無しでした。
その後、細かいアップダウンを繰り返して雨山峠まで5.0kmの案内が出てきたら、案内には無い奥の細尾根を降りて行きます。
ちらっと見ただけだと、進めそうに無いように見えますが、ずっと眺めていると降りていける道筋が見えてきます。
ここから破線ルートに入っていくことになりますが、初っ端から、手荒い歓迎を受けます。
安定して掴んで進めるような太い枝や岩が少ない中で、両側切れ落ちた細尾根を降るという、少々難易度の高い場所の通過を余儀なくされます。
事故なく通過できたら、その先、林道との交差地点までは、危険な箇所はありません。
目印になるピンクテープなどは貼っていないので、GPSや地図を眺めながら進んでいきましょう。
林道と交差した後も、しばらく同じ状態が続きますが、日影山山頂の直下までくると、また様子が厳しくなります。
ここも一見すると、登攀技術が無いと厳しいのではと思われる細い急坂が現れますが、一段下げた位置に踏み跡があり、そちらから普通に歩いて登ることができます。
細い急坂を越えた後も、しばらく、勾配の急な道を進み、穏やかになってきたところで日影山山頂に到着です。
山頂を示す案内板は劣化してボロボロになった鉄柵に括り付けられていましたが「ブッツェ平」という名前となっているのでスルーしないよう注意してください。
急坂を登り切ったという達成感らしきものは得られましたが、山頂らしい雰囲気が皆無な場所なので、記念撮影したら、ささっと移動してしまいましょう。
ギャラリー
日影山〜秦野峠分岐点
日影山を反対側に降りていくと、道が不明瞭になり始めます。
登山靴の踏み跡よりも、野生動物が踏み荒らした後が目立ってきて惑わされる場面に何度か遭遇しました。
そのまま進んでいくと、登山道を整備した後が見えるようになってきて、根本付近からバッサリと刈り取られた薮や切り株の中を進むことになります。
そして、鉄柵の脇に通る道に乗り入れて、あとは鉄柵に沿って進む形になったのですが、実はこの道は誤っていて、かなり進んだ後に本道から大きく外れてしまっていることに気がつきました。
仕方がないので、もと来た道を戻ろうとしたところ鉄柵にドアが付いている場所を見つけます。
方向的に本道に直進できそうにだったので、ドアを潜って進んでみたところ、あと少しで本道復帰というところで、壁のような笹藪にぶち当たります。
ここまで来たら引き返すのも悔しいので、気合の藪漕ぎで進んでみたところ、なんとか本道復帰することができました。
その後は、踏み跡読み取りやすい道が続き、迷いやすいところには目印のテープが付けられていたりと迷うことなく、丹沢湖と大野山との分岐地点となる秦野峠分岐地点に到着します。
ここから、実線ルートに戻って、いつも通りの整備された登山道を進むこととなります。
ギャラリー
秦野峠分岐点〜大野山
ここから大野山までの道程は、穏やかなアップダウンの続くとても歩きやすい道です。
しばらく、降りがメインの道を進んでいくと、進行方向左の眼下に林道が並走している様子が確認できるようになります。
林道と合流し、そのまま道なりに進んでいくと熊の木像の立つ山頂下の車道に飛び出します。
そこから10分程度上へ登れば大野山山頂に到着です。
山頂は、大きな公園になっていて歩き回ることで全方位からの眺望を楽しむことができます。
山頂碑は、谷峨駅方面に降る道の手前にあります。
そこからは、特に富士山への眺めが秀逸なので、忘れずに立ち寄ってくださいね。
ギャラリー
大野山〜JR御殿場線「山北駅」
一通り眺めを楽しんだら下山です。
距離にしたら「谷峨駅」方面に降る方が距離は短いのですが、「山北駅」の「さくらの湯」で汗を流してから帰りたかったので、少々歩きますが「山北駅」へ降る車道を行くことにしました。
蛇行する車道を順調に降りていくと、「大野山登山口停留所」が見えてきます。
確認してみると「当面運休」となっていました。
仕方がないので、そのまま麓まで降りて、車道伝いに「山北駅」へ歩いて進みます。
線路を見下ろす道に入り、順調に進んでいくと「さくらの湯」が入っている健康福祉センターの灯が消えていることに気がつきました。
電波も入るようになったのでネットで確認してみたところ、この日はワクチン接種会場として使われたためお風呂場はお休みだったようです。
これもコロナ禍の影響でしょうか。早く通常運行に戻ってもらいたいところですね。
ギャラリー
まとめ
松田山、高松山、大野山と丹沢の低山縦走をしてきた様子でした。
いずれの山も低山ながら、流石の眺望で単独で登っても十分楽しめるかと思います。
道中も一般ルートを辿るのであれば、特に難易度の高い場所はなく、歩行距離も片道1時間、2時間で登頂できてしまうので、山の経験値が溜まってくると、単発では物足りなくなってきます。
そういった場合は、お隣の山と繋げて歩いてみるのも一つの手です。
破線ルートやバリエーションルートなんて使わなくても一般ルートで繋げることもできるので、色々調べて楽しんでみてくださいね。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
コメント