1号路から6号路、稲荷山コースまで入れたら7つの登山コースがとても良く整備されている高尾山。
コース毎に特色があり、高尾山の様々な面を楽しめるようになっていますが、実を言うと1号路と稲荷山コース以外は登ったことがありませんでした。
そこで、来月に控えたテント泊に向けての足慣らしの一環に、一通りの装備背負って各登山コースを巡ってきてみました。
流石に、すべてのコースをピストンするだけの体力はなかったので、一筆書きに歩けるルートだけになっていますが、それぞれのコースの雰囲気は掴めるのではと思います。
今回は、そんな高尾山登山コース巡りの様子となります。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2021/07/24
天候:曇ときどき晴れ
エリア:高尾山エリア
コース概要:京王線「高尾登山口駅」~1号路往復〜2号路から4号路~5号路周遊~3号路から2号路~6号路~稲荷山コース~ 京王線「高尾登山口駅」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往) 京王線「高尾登山口駅」 から
(帰) 京王線「高尾登山口駅」 へ
概要
高尾山
高尾山は東京都八王子市にある都内でも人気の低山です。
今でこそミシュランの山などと言われて様々なグルメ施設やレジャー施設の林立する一大行楽地になっていますが、もともとは修験の場で一号路中腹に建つ高尾山薬王院の寺域になっています。
このため、山中や麓など様々な場所に社や神仏像が建っていて、門前町にも似た雰囲気を醸し出しています。
また、天狗信仰も有名でJR高尾駅には大きな天狗の顔をモチーフとした像が建っていたりもします。
標高は控えめな599m。それでも都内から近いこともあり関東平野のビル群を間近に眺めることができます。また、天候に恵まれれば山頂展望台より丹沢山塊の山々や富士山までも一望できます。
登山に適した時期は、桜の綺麗な春先と紅葉見事な秋口です。夏場は低山特有の蒸し暑さと羽虫の多さからあまりオススメはしません。空気の澄んだ初冬も悪くはありませんが積雪やアイスバーンな山道を登り降りすることになる恐れがあるので、チェーンスパイクをはじめとした冬用の装備が必要になります。
最寄り駅となる京王線の「高尾登山口駅」からの登山コースは7つ。それぞれで違った特徴があります。
具体的な雰囲気については、後述の「山行の記録」に書かせてもらいますのでそちらを御覧ください。
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今回の山行ルートと注意が必要と感じた区間
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 600 m
最低点の標高: 192 m
累積標高(上り): 1593 m
累積標高(下り): -1593 m
総所要時間: 08:38:36
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
注意した方が良さそうな区間
今回の注意したほうがよさそうな区間については次の点でした。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回のアプローチは京王線「高尾登山口駅」からです。
駅構内は非常にキレイで案内も豊富なので迷うことは無いでしょう。
おトイレも新しく綺麗ですが、人気行楽地の最寄り駅ということもあり、かなり混雑します。
どうしてもウォシュレット付きの綺麗なトイレじゃないとダメという場合を除けば、徒歩5分の高尾山ケーブルカー駅構内のトイレを使うほうが時間効率が良いですし、混雑緩和にも貢献できるのかなと思います。
また、改札を出てすぐに売店があり飲み物やおやつなど購入できますが、すべて定価です。
地元にお金を落とす意味での購入に否はありませんが、諸々持参したほうがお財布にはやさしいでしょう。
因みにこのお店、モンベルのレインウェアなんかも置いてました。流石にここで購入する人は居ないだろうと思うので、ショーウィンドウ的な一画なのでしょうね。
そして、「高尾登山口駅」からの登山コースは7つすべてケーブルカー駅付近から始まります。何はともあれ、そちらへ向かいましょう。
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1号路往路
まずは、王道コース1号路を使って山頂まで登って行きます。
ケーブルカー駅広場のベンチで見繕いしたら、アスファルトの坂を登ってきます。1号路は全道アスファルトなので、登山靴だと逆に疲れます。1合路だけを目的に登るなら、サンダルとまではいいませんがスニーカーのほうが登りやすかもしれません。
途中に金毘羅台園地という展望台への分岐があります。八王子市街地が良くみえますので余裕があったら立ち寄っても良いでしょう。
暫く、舗道を登っていくとリフト駅が見えてきます。そこから10分くらいで今度はケーブルカー駅前に出くわします。
「ビアマウント」の特徴的な建物があるのでわかりやすい場所です。
ここからも、関東平野が一望できますが、もう少し先に進んだ十一丁目茶屋隣の展望場所のほうが眺めが良いので、そこまで進んでしまうほうが良いです。こちらの展望場所は広場になっていてベンチが豊富にあります。
見落としがちですが、この広場にある水道の飲料可ですので、覚えておくといざというときに役に立つかもしれません。
そして、「サル園」や「タコ杉」、立派な杉並木を過ぎていくと男坂、女坂の分岐が見えてきます。
今回は訓練兼ねてるので男坂を登っていきます。
そうは行っても大した段数はありません。すぐに登りきってしまうので、物足りない場合は「仏舎利塔」まで繋げて登ってしまうのが良いでしょう。
「ごまだんご」が有名な権限茶屋を過ぎて、もう少し進むと「高尾山薬王院」に到着です。ご挨拶してから先に進みましょう。なお、ここはお寺様なので柏手は不要らないのでご注意下さいね。
残りの石階段を登りきって、軽めの鞍部を越えたら山頂に到着です。
記念に一枚撮ったら、混雑する前に降ってしまうことにします。
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1号路復路
ここからは、1号路を十丁目茶屋前まで降りる様子です。
登ってきた道を降りていくので、特筆すべき点はありませんが、1号路は小さい子や高齢の方も行き来することが多いので、渋滞してウズウズすることもあるかもしれませんが、急かしたり、無理やり抜かしたりしないよう余裕持って歩くのがよいですね。
十一丁目茶屋からは、2号路を登って4号路に入っていくことにします。
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2号路から4号路(往路)
2号路ですが、本来は十一丁目茶屋の周囲を周回しつつ草花を楽しむコースになっているのですが、今回はそのうちの半分を登って4号路に繋げていきます。
標高が低い位置且つ夏場ということで、かなりムシムシとした山道です。蛇滝という滝への分岐がありますが、今回は立ち寄らずに先に進みます。
一人分の細い山道を歩いていくと、段々と隣の1号路からの人声が大きくなってきます。そのまま真っすぐに進んでいけば1号路と合流できますが、手前にある4号路への分岐の方へ折れていくことにします。
4号路に入ると道幅も広がり、平坦な道が多くなって歩きやすくなります。
途中にみやま橋という小ぶりな吊橋があります。多少は揺れますが足が竦むほどではありません。
更に進んでいくと、今度はいろはの森分岐地点に出くわします。休憩のためのベンチが設置されてるので、ここで一息入れても良いかもしれません。
そして、一瞬降った後から木の階段が増えてきて、少し息が弾むようになってきます。
ただ、それほど長くは続きません。
1時間もかからずに山頂直下のトイレ施設前に出られることでしょう。
このまま山頂に向かっては芸が無いので、山頂を周回している5号路を回って行く事にします。
ちなみに、このトイレ前の水道も飲料可能です。覚えておくと何かの役に立つかもしれません。
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5号路周遊
山頂直下のトイレ前からは、山頂周囲を周回する5号路に入り、3号路まで進みます。
このコースも2号路同様に、高尾の草木を眺めて楽しむコースとなっていて、2、3名がすれ違いできるくらいの広い平坦な道になっています。
また、2号路よりは高所なので風があって、草木で日光も遮られているので涼しく感じます。
炎天下で混雑必須の山頂に滞在するくらいなら、5号路を周回して回るのも良いかもしれません。
そして、稲荷山コース、6号路からの合流地点を越えると3号路への分岐が見えてきますので、そちらを降っていきます。
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3号路から2号路(復路)
3号路は、4号路に比べると、道が乾いているように感じます。
恐らく日差しが入りやすい南側の山道だからなのかなと思います。
山頂付近こそ木の階段が続きますが、それより下に降ってしまえば、平坦な道が続く歩きやすい道です。
ただ、道幅は一人分と狭いのですれ違いのときには譲り合えたほうが良いですね。何本かの木の橋を越えて行くと2号路の残り半分に入って行きます。
ここも同様に一人分の狭い山道が続き、最後に6号路への降りと、1号路への登りの分岐に出くわします。
分岐を越えて1号路へ向かうとすぐに「十一丁目茶屋」に到着です。
そのまま、1号路をケーブルカー駅まで降りて改めて6号路に進むことにします。
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6号路(往路)
6号路は高尾山の登山コースの中で、唯一の沢筋を行くコースです。
ケーブルカー駅の左側を舗道の終点まで行くと登山口に到着できます。
登り始めは、非常に暗くてジメジメとしていますが、高度を上げていくと徐々に日光が入ってきて明るくなっていきます。
並走する沢も日光を浴びるとキラキラと輝いて見えるのでとても綺麗です。沢の流れる音も心地よくてなかなか癒やされるコースです。
今回まったく期待してなかったので、嬉しい誤算でした。
ただし、足元は滑りやすいので歩くときに注意は必要です。
特に大山橋を越えたあたりで、沢を渡河する区間が出てきます。水量によっては、スニーカーだと厳しいかもしれません。
山頂直下には、新し目の木道が敷設されています。個人的に木道が嫌いなので閉口しましたが登りきってしまえば、山頂は目の前です。
人とのすれ違いに注意しつつ一気に登りきってしまいましょう。
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稲荷山コース(復路)
最後は、稲荷山コースを降っていくことにします。
こちらのコースは、今回歩いたコースの中で一番長くて、一番登山道っぽい道です。
まず山頂直下の区間ですが、今回の山行では唯一危ないなと感じた区間です。土質が粘土質で滑りやすい上、沢山の人に踏み固められてしまいツルツルになっている箇所が多くみられます。
今回は乾いていたのでさほど滑りませんでしたが、雨の続いた後は避けたほうが良いかもしれません。
ただ、この危ない区間を過ぎてしまえば、しっかりと整備された山道が続きます。歩きやすいのでどんどん降っていけます。
丁度中間地点までくると稲荷山山頂展望台とそれを巻く巻道の分岐に差し掛かりますが、大した登りでもないので、ここは展望台に立ち寄りましょう。
この展望台から、遠くに池袋や新宿の高層ビル群を眺めることができます。東屋跡にベンチが残ってるので座って眼下の市街地を眺めながら一休みすると良いでしょう。
展望台を過ぎたら、降り一辺倒で降っていきます。
スピードが出やすいので、膝痛めないように注意しつつ、ゆっくり目に降りる様にすると良いかもしれません。
下山口はケーブルカー駅の真横です。
一旦、駅前の広場で落ち着くのも良し、さっさと駅まで進んで帰路に着くのも良し、そのときの疲労状態で判断して下さいね。
そして、「高尾登山口駅」には登山靴の泥やホコリを払うための靴洗い場があります。なるべくなら、ここで泥を落として電車内を汚さないようにしてあげると誰かに喜んでもらえるかもしれません。
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おまけ
今回の立ち寄り湯は「高尾登山口駅」から歩いて1分の「京王高尾山温泉・極楽湯」です。
アクセスの良さからいつも混雑していますが、駅からの直結道があったり、施設内のモニタで京王線ダイヤが確認できたりと、利便性抜群で助かります。
お値段が少しお高めな感じがしますが、内湯、外湯、サウナに炭酸湯と多様な施設を時間制限無しに使えるので、言うほどコスパ悪くないかもしれません。
施設内に食堂もありますが、使ったことが無いので評価は控えます。ただ、お客さんはあまり入ってなかったかな。
唯一欠点としては、大型ザックを置くスベースが無い点ですが、高尾山に75リットルのザック担いで来るような物好きはほぼ居ないだろうから、これは仕方ないですかね。
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まとめ
高尾山の登山コース巡りの様子でした。
全コース歩いてみて一番に感じたのは、1号路とその他のコースのギャップです。
1号路は全道アスファルトで、途中までケーブルカーやリフトで登れてしまうので沢山の観光客が行き来しています。登山に来たつもりで歩くと、騒がしさや煩わしさを感じてしまいザワザワしてしまうかもしれません。1号路だけは観光地と割り切っておおらかな気持ちで歩くと良いかもしれませんね。
それ以外のコースはしっかり登山道です。コースによって、吊橋があったり、木道があったり、沢に入ったり、なかなかバラエティーに富んでいます。
そして、色々なところで繋がってるので探索しつつ巡ってみると「この道、ここに出るんだ」って感じになって、なかなか面白いですよ。
お時間に余裕あったら試してみてくださいね。
それではここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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