登山初心者入門|知ってて当然!山で着る服装の基本知識

登山を初めて間もない頃は、赴く登山ルートや持っていく装備の他にも、着て行く服装をどうしようかと悩んでしまうのではないでしょうか。

「山での服装はレイアリングが基本というけど、どんな服をどんな感じで合わせればいいの?」

「普段、街中で着ている服で済ませちゃだめなの?」

「素人考えで選んだ服だと周囲から浮いて恥ずかしくみえるのでは?」

そんな感じにアレコレ考えた末に、

「なんかもう面倒くさい。今週は見送ろう」

なんて結論に至ってしまったら、折角の準備したのにとっても勿体無いです。

そこで、関東圏の2,000m未満の低山登山を対象に着ていく服装の基本について解説していきます。

この記事でわかること
  • 低山登山で着る服装の基本的な考え方がわかる
目次

低山登山で着る服装の基本的な考え方

引用:Unsplash

それでは、2,000m未満の山で活動するときに揃える服装の基本的な考え方を3つのポイントから解説していきます。

低山登山で着る服装の基本的な3つの考え方
  • 着こなしのコツはレイヤリング(重ね着)
  • タウンユースの服は使わない
  • 必要最低限の枚数にまとめる

着こなしのコツはレイヤリング(重ね着)

低山登山で着る服装の基本的な考え方の1つ目は「レイヤリング(重ね着)」です。

登山ではさまざまな状況が発生し、それに伴い細かい体温調整をする必要が生じます。

例えば、不安定な足場の中を重いザックを担ぎつつ歩き回ることで体温が上がり汗ダクになってしまったり、急な雨や強風に当たってしまい急激に体温を奪われブルブル震えるようになったりといった状況です。

このような激しい温暖の差への対応を1枚の服だけで行うのには無理があります。

そこで、役割の異なる複数の服を用意して状況に合わせて着合わせることで柔軟に対応するという考え方が、レイヤリング(重ね着)という考え方になります。

ただ、十二単では無いですが5枚も6枚も重ね着してては動きづらくて仕方が無いので、「インナーウェア」「ミドルウェア」「アウターウェア」の3層の服を準備して、状況によってとっかえひっかえするのが定番になってます。

ここからは、この3つの層それぞれについて深堀りしていきます。

インナーウェア

ベースレイヤーとも呼ばれる層で、肌に直接当たる一番奥の服です。

代表的な服装に、半袖Tシャツや長袖Tシャツがあります。

主な役割は、汗を吸い取って外に逃がすことにあります。

こうすることで、汗冷えによる体力の消耗や、ここ数年で知名度の上がった低体温症の発症を抑える役割をします。このため、基本的には素材は化繊のものを選ぶことが重要になります。

また、適切なサイズのものを着ることも大事です。この後に説明するミドルウェアやアウターウェアは、インナーウェアの上に重ね着していくことになります。インナーウェアがダボついていると重ね着がしずらくなるので、サイズのあったものを選ぶようにしましょう。

ミドルウェア

ミドルレイヤー、中間着などとも呼ばれる層の服です。

代表的な服装に、長袖Tシャツ、長袖Yシャツ、フリースなどがあります。

この層の主な役割は、保温性を保つこと、インナーウェアが発散した汗を逆流させないように通すという2つがあります。

ここでも重要になるのは素材です。

折角、インナーウェアが汗を蒸発させてもミドルウェアが発散せずに逆流させてしまっては意味がありません。この層でも速乾性の高い化繊のものを選んでおくのが無難です。もしくは、速乾性は落ちますが、保温性や透湿性の高いウール素材のものにするというのも悪くない選択です。

これから登る山の予想気温などを考慮してチョイスするとよいでしょう。

アウターウェア

アウターレイヤーとも呼ばれる、一番外側にあたる層の服です。

代表的な服装に、レインウェアやウィンドブレーカーなどがあります。

この層の主な役割は、雨や雪、風などの外界からの要因を防ぐことになります。

各社様々なアウターウェアを出していますが、山を始めたばかりの現段階ならレインウェア一着での対応で十分です。

各社さまざまな種類のアウターウェアを出していますが、自分の登山スタイルが確立しないうちから手を出すと、タンスの肥やしになってしまう恐れがありますので、登山に慣れないうちはレインウェアのみで対応することをおすすめします。

そして、何度か登山をしていくなかで、もう少し涼しいウィンドブレーカーに切り替えたり、暖かさを重視してダウンジャケットに切り替えたり、自分好みにアップデートしていくのがよいでしょう。

ボトムス

上半身の着こなしについてばかり説明してきたので、下半身についても補足しておきます。

下半身に関しても基本はレイヤリング(重ね着)で、各層の役割も同様になります。以下にまとめておきますので参考にしてください。

  • インナーウェア:汗を吸収、外へ発散。化繊のアンダーウェアが適切
  • ミドルウェア:保温性と保ち、汗を発散。化繊の長ズボンが適切
  • アウターウェア:外界要因からの保護。レインウェアのボトムスが適切

タウンユースの服は使わない

低山登山で着る服装の基本的な考え方の2つ目は「タウンユースの服は使わない」です。

山での服装は高額になる傾向が高いので、はじめのうちは普段使っているタウンユースの服で代用を考えると思いますが、おすすめしません。

理由は次の2つです。

  • 綿を含んだ服が多く、速乾性に難がある
  • デザインを重視しているため、耐久性に難がある

前述している通り、山での服装に速乾性は必須出す。そして、耐久性の弱い服を着ていって破いてしまったりしたら、結局新しい服を購入することになってしまい、出費を抑えるつもりが逆に増えてしまうといった自体を招くかもしれません。

低山の登山であっても、登山用途の服装で揃えるよう検討ください。

このあたりのことは、次の記事にも書いてますので合わせて参考になさってください。

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必要最低限の枚数にまとめる

低山登山で着る服装の基本的な3つの考え方の3つ目は「必要最低限にまとめる」です。

山での様々な状況に応じて、複数の服でレイヤリングするのが基本的な考え方と説明してきましたが、すべての状況に対応できるように何枚も服を持参していくというのも考えものです。

衣類はかさばるのでザックに入れられる枚数に限界がありますし、枚数が増えるにつれて重量も増して山行に支障が出てきてしまいます。

基本的には、インナー、ミドル、アウターの3枚と季節によって防寒着をプラスする程度に抑えることが大事です。そして、登山を重ねるなかで自分の山行スタイルにあった組み合わせに厳選していくことを考えてみてください。

このように、悩みつつ選んだ服は信頼や愛着が湧いてきますので、長持ちさせることができてコスパがよいです。何よりも、同じ服を何年も大事に扱っているって玄人っぽくてカッコ良いと思いますよ。

季節に合わせたレイアリングパターン

引用:Unsplash

ここまで、山で着る服装の基本的な考え方について解説してきましたが、実際にどのような組み合わせになるかイメージが沸かないかもしれません。

季節ごとにレイアウトパターンをまとめた記事がありますので、必要により以下の記事で確認いただければと思います。

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まとめ

低山登山で着る服装の基本的な3つの考え方
  • 着こなしのコツはレイヤリング(重ね着)
  • タウンユースの服は使わない
  • 必要最低限の枚数にまとめる

関東圏の低山を対象とした山での服装について基本的な考え方を述べてきました。

ただ、この話は低山限定ということでは無いので、将来、日本アルプスや北海道の山々に赴く場合にも活かせる内容になっています。

ここでの考え方を取り入れつつ、自分の山行スタイルにあったレイアリングパターンというのを確立してってくださいね。

ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

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