山のアクシデント|こんなのが効果的?登山者向け熊よけグッズ大特集

アクシデント

国内に住む野生動物の中でも最大級の体格とパワーを持つ熊。

登山の最中に遭遇してしまったら、命を落としかねない緊急事態に陥ってしまいます。

そんな事態は絶対に避けたいですよね。

今回は、山行中に携帯可能で且つ効果的な熊よけグッズ5つを紹介していきます。

加えて、日本に生息する熊の種類や生態、遭遇してしまった場合の対処法についても解説していきますので、是非、最後まで目を通していってくださいね。

この記事でわかること
  • 国内に生息している熊の生態がわかる
  • 効果的な熊よけ対策についてがわかる
  • 登山者向け熊よけグッズにどのようなものがあるのかがわかる
  • それでも熊に遭遇してしまった場合の対処法がわかる

国内の山に生息する熊

効果的なグッズの紹介の前に、事前知識として国内の山に生息する熊について説明していきます。

一括に熊といっても、世界中には8種類の熊が生息しています。

一つずつ述べていくと、以下のようになります。

  • ヒグマ
  • ツキノワグマ
  • ハイイログマ(グリズリー)
  • ホッキョクグマ
  • アメリカグマ
  • ナマケグマ
  • メガネグマ
  • ジャイアントパンダ

この中で、日本国内に生息している熊は「ヒグマ」「ツキノワグマ」の2種類のみとなります。

ここからは、この2種類の熊の生態について見ていきます。

国内に生息している熊の種類
  • ヒグマ:北海道に生息
  • ツキノワグマ:本州、四国、九州に生息

ヒグマの生態

まずは、ヒグマの生態について述べます。

環境省が発行している「クマに注意!」という資料から抜粋してみます。

  • 大きさ:オス2~3メートル、メス1.5~2.5メートル
  • 体重:オス250~500キログラム、メス100~300キログラム
  • 生息域:北海道
  • 環境:森林部

ヒグマという種は世界中に生息していますが、このなかでエゾヒグマと呼ばれる種が北海道に生息しています。

エゾヒグマは、国内に生息している陸上生物のなかで最大級の体格、力をもっていて食物連鎖の頂点に位置するチャンピオンです。

主に単独行動をとり、雑食で何でも食べます。

もちろん、人間も捕食対象に含まれているので、出会ってしまうのは非常に危険です。このため、山中では絶対に出会わないようにするための対策が必要となってきます。

ツキノワグマの生態

続いて、ツキノワグマの生態について述べます。

こちらも「クマに注意!」からの抜粋になります。

  • 大きさ:1.0~2.0メートル
  • 体重:65~150キログラム
  • 生息域:本州、四国、九州
  • 環境:山地、森林部

ツキノワグマは、本州、四国に生息しています。

一昔前は、九州にも目撃例があったようですが、昨今ではほぼ目撃されていないようです。

ツキノワグマも雑食で、植物や昆虫、木の実など何でも食べます。

ただし、ヒグマとは違い、最初から食べる目的で人間を襲うことは稀です。

出会い頭に出会ってしまい、びっくりした拍子に襲ってくるということがほとんどのようです。

それでも、山中で出会ってしまうのは危険です。

ツキノワグマに対しても、予め出会わないための対策を講じておくことが非常に大事になってきます。

もっと詳しく熊の生態を知りたいときは、次の記事を参考にしてみてください。

効果的な熊よけ対策

さて、国内に生息しているヒグマ、ツキノワグマですが、程度の差はあれ人間に害を及ぼす可能性を秘めているのには変わりません。

もし、山中でバッタリと出会ってしまい、その力強い四肢で攻撃されたらなんて想像すると、とても恐ろしいですね。まずは、出会わないことに重点を置いた対策を講じることが重要となってくることに異論は無いでしょう。

そこで、ここでは効果的な熊よけ対策として2つの方法を紹介していきます。

効果的な2つの熊よけ対策
  • 嗅覚を刺激して人間の存在を知らせる
  • 聴覚を刺激して人間の存在を知らせる

嗅覚を刺激して人間の存在を知らせる

熊よけの効果的な対策の1つ目は「嗅覚を刺激して人間の存在を知らせる」です。

熊の嗅覚は、五感の中で一番優れています。

富山県朝日町HPで発行されている「クマの生態と対策」というPDFで以下のように述べられています。

視力は弱いですが、犬並みに鋭い嗅覚を持っています。そのため、相手を確認するためにはまず嗅覚を頼ります。

引用:富山県朝日町HP「クマの生態と対策

そこで、この感度の高い嗅覚を刺激することで、熊の方に人間の存在を知らせ立ち退いてもらう方法が有効とされています。

熊はその大きな体格や力強さに似合わず、なかなかに臆病な動物です。

危険を察知したら直ぐにその場から立ち去る習性も持ち合わせていますので、この方法が一番有効と考えられます。

聴覚を刺激して人間の存在を知らせる

熊よけの効果的な対策の2つ目は「聴覚を刺激して人間の存在を知らせる」です。

臭覚には劣りますが、熊は聴覚にも優れた動物です。

富山県朝日町HPで発行されている「クマの生態と対策」というPDFで以下のように述べられています。

人間よりも聴覚に優れています。低い音に鈍感ですが、高音の笛や鈴には敏感です。

引用:富山県朝日町HP「クマの生態と対策

このため、笛や鈴などを用いて自分の存在をアピールすることで、熊の方から立ち退いてもらうという方法も、熊よけ対策としては有効になるということがわかります。

ただし、捕食中等、何かに集中している状態だと気がついて貰えないかもしれません。

今回紹介した2つの方法のいずれも100%避けることができる方法というわけでは無いことは覚えておく必要があります。

登山者向け熊よけグッズ

熊よけの効果的な方法が2つ判ったところで、それぞれの方法に適していて、登山に携帯していけるサイズ、重さを持ったグッズを紹介していきます。

聴覚を刺激するタイプ3種、臭覚を刺激するタイプ2種、合計5種のグッズとなります。

効果的な熊よけグッズ5種
  • 熊鈴
  • ホイッスル
  • 火薬式ピストル(玩具)
  • 熊スプレー
  • 獣除け線香

熊鈴

効果的な熊よけグッズの1品目は「熊鈴」です。

こちらは、聴覚を刺激するタイプで、今回紹介するグッズの中では一番メジャーで利用者が多いグッズになります。

様々なメーカーから多種多様な熊鈴が発売されていて、リーンと高い音を奏でる鈴タイプや、カラカラと継続した音を出すカウベルタイプ、複数の鈴をつなげてジャラジャラとにぎやかな音を出すタイプといった具合に選ぶには事欠かない種類の熊鈴が出ています。

熊の聴覚は高い音域に敏感ということなので、高くて澄んだ音のでる鈴タイプが効果的なのではと思うかもしれませんが、実は付ける位置によって音が鳴りづらく、なかなか調整が難しいです。

お手軽且つ、継続的に音を出したいのであれば、カウベルや複数の鈴が繋がったタイプを選ぶと良いでしょう。

ただ、熊鈴に関しては効果は薄いという意見も聞きます。

過去に熊鈴の効果について調べてみた記事がありますので、気になるときには一度目を通して見てください。

ホイッスル

効果的な熊よけグッズの2品目は「ホイッスル」です。

こちらも、聴覚を刺激するタイプですが、熊鈴と違い道中常に鳴らし続ける訳にもいかないので、熊が潜んでいそうなところを通過する前に、一吹きするといった使い方になります。

ただ、あまり吹き過ぎると遭難して助けを求めているものと勘違いされるので、タイミングと音量は調整してください。

火薬式ピストル(玩具)

効果的な熊よけグッズの3品目は「火薬式ピストル(玩具)」です。

これは、子供用のおもちゃにあったキャップ火薬を炸裂させて音だけを出すピストルです。

なかなか大きい音が出るようで、実際にこのピストルを使って熊を撃退したというコメントもちらほら見かけますので、効果はあるようです。

熊スプレー

効果的な熊よけグッズの4品目は「熊スプレー」です。

こちらは、嗅覚を刺激するタイプのグッズです。

ただ、熊よけ用途というよりも、熊に遭遇した時に撃退するためのグッズになります。

強烈な唐辛子成分を持った液体を、熊の目や鼻に噴射することで退けるといった使い方になりますので、噴射時間や噴射距離が長いほど有利となりますが、大きさも比例して大きくなっていくので、自分が持ち運べる重さを考慮して選択すると良いでしょう。

獣除け線香

効果的な熊よけグッズの5品目は「獣除け線香」です。

こちらも、嗅覚を刺激するタイプのグッズです。

火を付けて利用することになるので、テント泊や休憩のときに利用するのに適したタイプとなります。

蚊取り線香用の携帯器を使えば、行動中にも使うことができるかもしれませんが、独特の臭いが衣類に染み込む可能性があり、下山後に周囲の迷惑になるかもしれませんので、おすすめはしません。

それでも熊に遭遇してしまったときの対処法

ここまで、効果的な熊よけ対策や適したグッズを紹介してきました。

しかし、いくら完璧に熊よけ対策を講じたとしても100%絶対に熊と遭遇しないとは言い切れません。

そこで、最後の章では熊と遭遇してしまった場合にどのような対処が効果的か紹介しておくことにします。

熊に遭遇してしまったときの対処法3選
  • 走って逃げない
  • 木に登って逃げない
  • 大声や大きな音を出さない

走って逃げない

熊に遭遇してしまったときの対処法の1つ目は「走って逃げない」です。

熊は走って逃げるものを追いかける習性があります。このため、背を向けて一目散に逃げ出すのが一番やってはいけないことと言われています。

熊に遭遇してしまったら、熊から目を離さずにゆっくり後ずさりながら、その場を離れるようにしてください。そうはいっても、山中で後ろも見ずにバックするのもかなり危険なことかと思います。

瞬間瞬間で目が離れてしまうのは仕方ないので転倒、転落にも注意するようにしてください。

木に登って逃げない

熊に遭遇してしまったときの対処法の2つ目は「木に登って逃げない」です。

意外にも熊は木登りが得意です。自分の体を支えられる太さのある木であれば器用に登ってきてしまいます。

このため、木の上に登ってやり過ごしたりということは避けたほうがよいでしょう。

逆に逃げ場を失い、襲撃される要因になるかもしれません。

大声や大きな音を出さない

熊に遭遇してしまったときの対処法の3つ目は「大声や大きな音を出さない」です。

熊に対して、大声で怒鳴ったりしてしまうと、びっくりして防御のための攻撃をしてくる恐れが高くなります。こうなって来ると、寧ろ興奮により攻撃が止まらなくなってしまうので、絶対に避けるようにしてください。

寧ろ、なるべく驚かせないように、音を極力立てずにゆっくりと立ち去るようにしてください。

まとめ

国内に生息している熊の種類
  • ヒグマ:北海道に生息
  • ツキノワグマ:本州、四国、九州に生息

効果的な2つの熊よけ対策
  • 嗅覚を刺激して人間の存在を知らせる
  • 聴覚を刺激して人間の存在を知らせる

効果的な熊よけグッズ5種
  • 熊鈴
  • ホイッスル
  • 火薬式ピストル(玩具)
  • 熊スプレー
  • 獣除け線香

熊に遭遇してしまったときの対処法3選
  • 走って逃げない
  • 木に登って逃げない
  • 大声や大きな音を出さない

登山者向けに、軽量で効果的な熊よけグッズを5つ紹介しました。

改めて見てみると、熊スプレーを除き、熊に気づいてもらうことで、熊の方に退けてもらうためのグッズたちとなりました。

やはり、熊には出会わないことが一番です。今回紹介したグッズを活かして、安全な登山を楽しんでくださいね。

ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

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