国内での夏の山行というと日本アルプスの3,000m級の山々を想像しますが、富士山も夏山として大人気です。
普段から山登りしているなら日帰り楽勝と聞いていたので、軽い気持ちで足を運んでみましたが、これがなかなかにきつくて、残念ながら8合目に達した時点でタイムアップとなり敗退してきました。
今回はそんな反省点多めな山行の様子です。
加えて、下山途中に立ち寄った宝永火口の様子も載せてありますので合わせてお楽しみいただければ幸いです。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2021/07/10
天候:曇りときどき晴れ
エリア:富士山エリア
コース概要:富士登山バス停留所「富士山御殿場口新五合目」~8合目~宝永山~富士登山バス停留所「富士山御殿場口新五合目」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)JR御殿場線「御殿場駅」から、富士登山バス停留所「富士山御殿場口新五合目」へ
(帰)富士登山バス停留所「富士山御殿場口新五合目」から、JR御殿場線「御殿場駅」へ
概要
富士山
静岡県と山梨県の境目にある、日本を代表する山です。住所としては静岡県の富士宮市となっているようです。
富士山は、1,300年前に建立された浅間神社にて神様として祀られていたり、日本最古の和歌集「万葉集」の歌に詠まれていたりと、非常に古くから人々に恐れられ、かつ親しまれている日本人にとって他の山々とは別格の特別な山です。最近では、世界遺産に登録されたということで海外の方にも名前が知られて、非常に親しまれているようです。
高さは日本一で、標高3,776mを誇ります。
そして、ただ一座だけで形成されている独峰と呼ばれる山で、周囲に視界を遮る山が無く、均整の整った美しい姿を四方に見せてくれています。
このため、山頂からの展望も四方にわたって素晴らしく、天候の良い日に登頂できると、それこそ一生に残る思い出にできるようです。
登山に適した時期は、開山される7月から8月の期間です。
ただし、世界的に有名な山ということもあって、この時期は非常に多くの人が登山に訪れますので、山道が混雑しやすいです。特に傾斜が大きくなってくる8合目より高所は、タイミングによっては非常に長い渋滞を作るようですので、常に時間には気をつけておくのが良さそうです。
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御殿場ルート
富士山には4つの登山ルートがありますが、その中で一番距離が長くて登山客の少ないルートが御殿場ルートです。
富士山の南東側の御殿場口新5合目を登山口として、8合目付近まで砂利混じりのなだらな九十九坂が続く山道になっています。
この砂利混じりの道が曲者で、登るときに踏ん張りが効かず、体のバランスを取るために無駄に筋力を消耗して疲労が溜まりやすくなります。登る際は、無理をせずに細かく休憩を挟むことをおすすめします。
逆に降るときには、砂利がクッションの役割をして膝への負担を軽減してくれますので、軽快に降っていくことができます。特に大砂走りの区間は砂利混じりの深い砂場が続くので、駆け下りるのに適しています。最初はズブズブと足が取られて転びそうな怖さを感じると思いますが、慣れてくると結構なスピードで駆け下りてくることができます。
それと、大砂走りを駆け下りると登山靴の靴底を大きく削りとられます。下ろし立ての登山靴のときには絶対他の下山道を使うようにしましょう。
その他の注意点としては、周囲に遮るものや目印になるものが少なく、天候不順でホワイトアウトなどが発生すると道迷いを生じる恐れがある点です。
登山道の両側に道順を示したロープが常に張られているので、それに沿って歩けば問題は生じませんが、何かのきっかけでロープの外を歩くことになると危険です。環境保全の観点からもロープ内の決まったコースで上り下りしたほうがよいでしょう。
なお、御殿場ルートを含めた富士山登頂主要4ルートについて、以下の記事にもう少し詳しくまとめています。興味ありましたら併せて読んでいって下さいね。
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今回の山行ルートと注意が必要と感じた区間
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 3295 m
最低点の標高: 1438 m
累積標高(上り): 2140 m
累積標高(下り): -2136 m
総所要時間: 07:16:29
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
注意した方が良さそうな区間
今回は、危険とまではいきませんが、注意したほうがよさそうな区間について述べてみます。
- 宝永山頂および火口縁:火口から吹き上げる横殴りの強風で体がフラつきやすい
- 大砂走り:靴が緩いと、駆け下りた際に靴内が擦れてマメの原因になりやすい。小石が入ると怪我に繋がる恐れあり。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回のアプローチは富士登山バス停留所「富士山御殿場口新五合目」からです。
JR御殿場線「御殿場駅」を富士山口に向かい左側の階段を降りていくことで、御殿場口新五合目行きのバスのりばに到着できます。
途中にバスのチケット窓口があるので、往復の予定だった場合、ここで往復券を購入するとお得感があります。ただ、結構人が並ぶので、電車降りたら直行で向かうようにすると良いでしょう。
トイレは、御殿場口に綺麗なのがありますし、電車内のトイレで移動中に済ませてしまうのが良いかなと思います。御殿場駅についたらトイレには立ち寄らずに、なるべく早くバスのチケット窓口にきてしまうのが良いように思います。
バスに搭乗したら「富士山御殿場口新五合目」までは30分の道のりです。登山口についたら速やかに行動できるように準備しながら向かうと良いでしょう。
「富士山御殿場口新五合目」についくと目の前が登山口です。
10分ほど登ったところにある大石茶屋でおトイレ借りるというのでも良いですが、2,3分降ったところにキレイな公共トイレがありますので、こっちで用を済ませてから出立すると良いでしょう。
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富士登山バス停留所「富士山御殿場口新五合目」~8合目
今回は、非常に単純なピストン登山でしたので、文章で説明できるものは少ないです。
まず、8合目までの山道ですが、前出した通りに砂利混じりの山道が長く続きます。
全般的に傾斜なだらかですが、場所によっては若干角度の大きいところを通過することもあります。そのときに足を乗せる場所が悪いとズルズルとずり落ちてしまい踏ん張りが効きません。
このため、都度バランスをとるためにとくに体幹の筋肉を使うシーンが多くなります。わたしも後半は、腹筋や背筋、太ももの付け根などが緊張して思うように足が上がらなくなることありました。無理せずにこまめに休憩を入れつつ登ると良いでしょう。
長い砂利まじりの道を歩いて6合目に達すると、そこから先は目印となる山小屋が上部に見えてきます。目安になる反面、登らなければいけない高さもわかってくるので、見上げるたびに多少の精神攻撃を受けますので、なるべく登ることに集中して行ったほうが良さそうです。
最近流行りのマインドフルネスの中に「歩行」を意識して行うものもあるようです。取り入れてみたら、もしかすると捗るかもしれませんね。
8合目付近まで登ってくると、砂利道も終わって火山岩混じりの岩場、ザレ場に入ってきます。歩きやすい反面、段差も大きくなってきますので、疲れて上がらなくなってきた足を引っ掛けないように注意して登っていくとよいですね。
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8合目~宝永山
今回は、タイムアップということで8合目から高所には赴かずに下山することにします。
今まで歩いてきた道を降っていき、6合目から下山道となる大砂走りへの分岐を進みます。
10分も進まないぐらいのところに宝永山方向への分岐が見えてきます。
ここからなら10分程度で宝永山の山頂に到達できるので、折角なので寄り道していくことにします。
この後、宝永火口の縁を歩くのですが、火口吹き上がってくる風が結構強いです。ときたま突風となることがあるので、バランスを崩されないように腰を落としてやり過ごすと良いでしょう。
そのまま5分ほど歩くと宝永山の山頂に到着です。
御殿場方面に展望ありましたが、風が強くておっかなかったので、停滞せずに大砂走りへ戻ることにします。
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宝永山~富士登山バス停留所「富士山御殿場口新五合目」
大砂走りに戻ったら、あとは登山口まで一本道に降ります。
最初のうちはズブズブと沈む足元に難儀しましたが、慣れてくると良いクッションとなり言葉通り駆け下りることができるようになります。
これが結構気持ちが良くて、トレランの方々が盛んに山を走り回っている気持ちが少しわかりました。
ただし、スパッツなどが無いと砂や砂利が登山靴の中に入って危ないです。
このときも、数粒小石が靴内に入ってしまって不快感がありました。
そして、普段走っていないこともあって30分も降っていると横っ腹が痛くなってきてペースダウン。
日頃の運動不足が祟る結果となりましたが、それでも5時間かけて登った道を半分程度の時間で降りられるのは爽快な体験でした。靴底は可愛そうなくらいすり減ってしまいましたが。
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おまけ
今回は、汗だけでなくホコリも凄かったので御殿場駅から歩いていける銭湯「人参湯」でお風呂をいただきました。
昔ながらの銭湯で、備え付けのシャンプーや石鹸が無いタイプ。その場で購入できるので問題は無いのですが、持参できるならそうしたほうがコスパは良さそうです。
お風呂はただのお湯なので効能なんてものはありませんが、汗やホコリを洗い落とせて、疲れた足を伸ばしてお湯につかれるので、これで十分かなと思います。
よく言うあの台詞「こういうので、いいんだよ」ってやつです。
さっぱりしたあとは、御殿場駅早乙女口から出ている新宿バスタ行きの高速バスに乗って帰路につきました。バスは乗り換えが無いので安心して寝たまま帰れるので重宝しますね。
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まとめ
開山当日の富士山御殿場ルートの様子でした。
今回は、体力不足、時間不足で8合目で引き返してきましたが、あとで写真とかを見直してみると18時台のバスがありました。
今回、16時台のバスに間に合ったことを考えると、あと2時間は余裕があったことになるので、あと少し体力をつければ御殿場ルートの日帰りは達成できそうです。
まずは、距離の短い他のルートをこなして体力つけてから、改めてリベンジを果たそうと思います。
それではここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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