ツツジというと5月に咲く花というイメージが強いですが、山の中では6月に咲き始める場所が少なくありません。
奥多摩の石尾根にある千本ツツジ峰も例年6月から見頃になるツツジの群生地です。
今年は、どうもタイミングが合わなくて目の覚めるような満開のツツジに出会えてないので、雨上がりの週末に散策をしに行ってみました。
今回はそんなお花見目的の山行の様子となります。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2021/05/29
天候:曇り
エリア:奥多摩エリア
コース概要:西東京バス停「留浦」~雲取登山口~七ツ石山~千本ツツジ峰~高丸山~日陰名栗山~鷹の巣山~JR奥多摩線「奥多摩駅」
難易度:体力☆☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)西東京バス停「留浦」から徒歩30分、雲取登山口から
(帰)JR奥多摩線「奥多摩駅」から帰路へ
概要
千本ツツジ峰
千本ツツジ峰は、東京都奥多摩エリア内にある石尾根稜線にある大規模なツツジの群生地です。七ツ石山と高丸山の中間に位置しているため、気軽に立ち寄れる場所では無いことから、見頃となる6月に入っても訪れる人は疎らでゆっくりとツツジ鑑賞を楽しめるスポットとなっています。
実際のツツジの生息数はというと、千本とまではいきませんが100本レベルで生息しているので、運良く満開時期に訪れることができたら、思わず感嘆の声が漏れてしまうような眺めを目にすることができます。
特に、七ツ石山から鷹の巣山へ向かう巻道側がおすすめで、満開時はツツジのトンネル状態になるので、脚力に余裕あるようなら巻道に降りて、そちらも散策してみると更に幸せになれます。
また、この周辺はツツジと合わせてワラビの群生地にもなっているので、頭上のツツジだけでなく足元の様子も忘れずにお楽しみいただければと思います。
アクセス方法は3つあり、楽な順に並べると以下のとおりとなります。
- 西日本バス停「峰谷」から浅間尾根を登って向う
- 西日本バス停「鴨沢」から登り尾根を登って向う
- 西日本バス停「峰谷」から赤指尾根を登って向う
距離的には赤指尾根から上り詰めるのが一番近いのですが、利用者が少なく路が荒れ気味な上、ゴール間際に控えている直登区間が傾斜がキツくなかなか手強いのであまりおすすめはしません。
よく人に踏まれていて道中明瞭で、傾斜も緩やかな他2つのルートを使うのが無難です。
ギャラリー
石尾根
石尾根については、以前の山行記事に載せていますので、そちらを参照ください。
今回の山行ルート
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 1752 m
最低点の標高: 332 m
累積標高(上り): 2230 m
累積標高(下り): -2422 m
総所要時間: 09:10:41
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回のアプローチは西東京バス停留所「留浦(とずら)」からです。
鴨沢から上り尾根を登って千本ツツジ峰に向うつもりだったので、本来であれば鴨沢までバスで向かってスタートするのが普通なのですが、東京から始発で向うと、鴨沢を通過するバスとの乗り合わせが悪く時間ロスが1時間近くになってしまいます。
そこで、乗り合わせの良い小菅の湯行きのバスに乗車して、留浦で降りて歩いて向うことにします。
留浦から鴨沢までは10分程度、湖面を眺めつつ向かえば直ぐです。
鴨沢についたら、そのまま集落を上に抜けていく形で雲取山への案内に沿って歩けば30分ほどで登山口まで到着できます。
登山口にはなにも無いので、おトイレや見繕いは留浦もしくは鴨沢のどちらかで済ませておいたほうが良いでしょう。
ギャラリー
雲取登山口~七ツ石小屋~七ツ石山
登山口からは、しっかりと踏み固められた山道が続きます。
登り尾根は、歩きやすく広めの道の続く歩きやすい尾根道なのですが、縦走目的の大型ザックを担いだ方やトレラン目的に掛け抜ける方など、すれ違いや追い抜きが頻繁に発生しますので、接触等の無いように気をつけて向うとよいです。
また、道中には「将門迷走ルート」と題した看板が建っています。
平将門が故郷下総に向けて逃げ進む様子を追体験できるように、10枚に分けて登り尾根中に配置してありますので、興味あれば読み進めると良いでしょう。
2時間から2時間30分ほど登ると、七ツ石山へのコースと雲取山への巻道に分岐する地点に差し掛かりますので、七ツ石山へ向けて登っていきます。
途中にある七ツ石小屋を越えて、石尾根縦走路に乗り入れ、七ツ石神社が見えてきたら七ツ石山の山頂は目前です。
最後の登りを登り切ると、南北東の3方面に開けた山頂に到着しますが、この日は雲中でどの方面にも眺望ありません。ツマラナイので休憩せずに先に進むことにします。
ギャラリー
七ツ石山~千本ツツジ峰
七ツ石山から千本ツツジ峰はとても近いです。
石尾根縦走路を鷹の巣山方面へ30分も歩けば到着できます。
尾根筋を向うルートで行っても、巻道から向かっても途中で交差できる地点があるのでどちらを進んでも良いでしょう。
なだらかな道を進みたいなら巻道を進むのが良いですが、今回は雲の中の山行です。濡れた木々から落ちる雫が雨のように降り注ぐので、多少アップダウンはありますが頭上の開けた尾根筋を使って向うことにしました。
始終、雲の中で10m先はなにも見えない状況でしたが、踏み跡が明瞭で迷わずに現地に到着できました。
また、尾根筋限定となりますが、現地のツツジの状況についても触れておきます。
千本ツツジ峰には、大きく2種類のツツジが生息しています。
1つ目は主に紫色の花を付けるミツバツツジ。
2つ目は鮮やかな赤色の花を付けるヤマツツジ。
紫のミツバツツジの方は、連日の雨の影響か半数は花を落としてしまってました。
一方、赤いヤマツツジの方は、これから満開に向う状況で半数は開花前の状態でした。
来週にはこれらが花開いて更に華やかになりそうです。
ギャラリー
千本ツツジ峰~高丸山~日陰名栗山~鷹の巣山
お目当てのツツジたちを堪能したら、あとは下山です。
ここまで尾根筋を外さずに来たので、いつもは巻いてしまう高丸山や日陰名栗山もちゃんと踏んで奥多摩まで降りることにします。
どちらも頂上には何も無く、展望にも恵まれていない割には、仲良くピーク直下に手強い急坂が控えていているので無理して登る必要は無いですが、ここ数年登ってなかったので現状確認を兼ねて登っていきます。
登りは気合と精神力で乗り切れましたが、赤土混じりの滑りやすい急坂を降るのに始終へっぴり腰になって降ることになりました。雨で湿っている日は、この道は避けたほうがよさそうですね。
高丸山や日陰名栗山を過ぎてしまえば、奥多摩までのルートで手強い急坂は鷹の巣山直下の急坂だけです。
このままの流れで登りきってしまいましょう。
ギャラリー
山頂の様子を動画に写してみました。
日陰名栗山山頂の様子も動画に写してます。
鷹の巣山山頂の様子は、次のような感じでした。
鷹の巣山~奥多摩駅
鷹の巣山を越えたら、あとは木々に囲まれた尾根筋を淡々と降るだけです。
ただし、今回は降雨後の濡れたコンディションです。
いつもは駆け降りてしまう箇所も滑らないようにスピードを抑えつつ降りていきます。
特に、六ツ石山を過ぎたあたりから落ち葉が増えていきますので、隠れた先が滑りやすい赤土や傾いた岩では無いか注意しつつ進みましょう。
登山口を降りて、集落を抜け、羽黒三田神社まで来てしまえば、奥多摩市街地まで後少しです。
疲れた足に車道歩きは少々堪えますが、気合で降りきってしまいましょう。
奥多摩駅まで着いたら、おトイレの前に洗い場がありますので、泥で汚れた登山靴を洗ってから帰路に着くと良いでしょう。
ギャラリー
まとめ
奥多摩ツツジの名所、千本ツツジ峰の様子でした。
ちょっと時期が早かった感はありましたが、沢山のツツジを鑑賞できて良いストレス解消となりました。
山深い場所にありますが、鴨沢から登り尾根を登れば比較的安全に登れるかと思いますので、6月いずれかの週末に赴いてみると幸せになれるかもしれません。
それではここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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