夏山シーズンに備えて、少し負荷のある山行をしておこうと、谷川岳へ行ってきました。
今回は、日本三大急登に数えられる西黒尾根を登り、トマノ耳・オキノ耳を歩いたあと、天神尾根方面へ下山しました。途中で脚の不調が出たため、当初予定していた田尻尾根への下山は取りやめ、天神平からロープウェイを使って下山しています。
この記事では、西黒尾根の急登が続く樹林帯や、鎖場のある岩稜地帯、天神尾根の下りの様子に加えて、ルート上のトイレ、装備、足元の注意点をまとめています。
あわせて、歩いたルートをまとめたイラスト地図も掲載しています。

当日の空気感は、短い映像にして残します。
山行概要
今回の山行の概要をまとめておきます。
全体の流れを、はじめに軽く確認できます。
基本情報
- 歩いた日:2026/7/4(土)
- 空模様:曇り。山麓は曇り空で湿度高めでしたが、稜線上では雲も晴れ、涼しい風が吹いていました。
- ルート(登り):谷川岳ヨッホバス停 → 西黒尾根登山口 → ラクダのコブ → ラクダの背 → ザンゲ岩 → トマノ耳 → オキノ耳
- ルート(下り):オキノ耳 → 谷川岳肩ノ小屋 → 熊穴沢避難小屋 → ロープウェイ天神平駅
- 歩いた時間:7時間45分ほど(脚がつってからは頻繁に小休止をとっていました)
- 歩いた距離:8kmほど
- 累積標高差:登り約1,300m/下り約800m
この日の服装
- 乗り物移動中
- トップス:半袖シャツ
- ボトムス:薄手のズボン、厚手の靴下
- その他:なし
- 活動中
- トップス:半袖シャツ
- ボトムス:薄手のズボン、厚手の靴下
- その他:薄手の手袋、ネックゲイター、てぬぐい
- 休憩中
- 大きな休憩はとらず、活動中と同じ服装でした。
この日の装備・食料の使用状況
- 脚がつってから、こまめな水分補給を始めて、最終的に1リットルほど飲みました。
- 脚がつってから、のど飴を常時口に入れていました。最終的には袋入りの飴を半分ほど口にしました。
- のど飴を口に入れていたからか空腹を感じることがなく、持参のおにぎりは、帰宅後にお茶漬けにして食べました。
アクセス
- 行き:関越交通「谷川岳ヨッホバス停」
- 帰り:谷川岳ヨッホ(ロープウェイ)「天神平駅」
トイレ
- 谷川岳ヨッホバス停:あり(谷川岳ベースプラザ構内にあり)
- 西黒尾根登山口:なし
- トマノ耳、オキノ耳:なし
- 谷川岳肩ノ小屋:あり(チップ制、冬季利用の可否は要現地確認)
- 天神平:あり(ロープウェイ駅構内にあり)
コースの特徴
- 難易度:西黒尾根ルートは熟練者向けです。前半に樹林帯の長い急登が続き、後半に鎖場や痩せ尾根が何度も現れる岩稜地帯が控えていて、体力だけでなく岩場を落ち着いて通過する力も必要だと感じました。特に鎖場は、手や足を置ける場所が少ない印象で、広く周囲を見渡して自分に見合ったルート取りをしていく必要がありました。追い抜いていった方の中には、鎖をしっかり使いつつ力強く登っていく方もいらっしゃいましたが、自分には同じ登り方は難しく、鎖から少し離れた岩肌や木の根も確認しながら、足場を選んで進みました。
- 危険箇所:西黒尾根の後半、岩稜地帯の各所で、両側が切れ落ちた細尾根を通過することになります。足を滑らせると大きなけがにつながるおそれがあります。木々のある場所でも気を抜かずに、足場を確認しつつ進む必要がありました。
- 見どころ:稜線から眺める谷川連峰の山並みと谷。樹林帯の新緑、稜線に咲く高山植物。
- 向いている人:歩きごたえのある急登を登りたい人、ルートファインディングしながらの岩場を楽しめる人、高度感のある稜線歩きをしたい人
コース詳細
スタートからゴールまでの流れを、区間ごとにまとめます。
分岐や道の様子も含めて、実際に歩いた順に沿って記録していきます。
スタート〜前半(西黒尾根登山口から樹林帯を抜けて、岩稜地帯を登りザンゲ岩へ)
谷川岳ヨッホバス停で下車。ロープウェイで登る人たちの流れに乗って、谷川岳ベースプラザへと入ります。
トイレを済ませて、長椅子で準備を整えて、西黒尾根登山口に向かって舗装路を登ります。
ゲートを通過して西黒尾根登山口に到着すると、最初から急坂を登ることになります。
すぐに息が上がってしまい、どんどん人に抜かされていき、周囲に人の気配が少なくなった中をマイペースに進んでいくこととなりました。
樹林帯の中を直登に近い形で登っていきますが、特に悩むような場所はありません。
ただ、延々と続いていく急坂を見上げながら進むことになります。
あまり眺めていると、それだけで気持ちが少しずつすり減っていくので、足元に目線を落として、歩くことに集中して進むことにしました。
無言のまま歩みを進めること約2時間。ぱっと視界が広がり、ちょうど目線の位置に天神平に建つロープウェイの山頂側が見えました。
眼下には、米粒のような小さなゴンドラが行き来している様子も眺めることができます。
ここから岩稜地帯に入ることもあり、座るのに適した岩が点在しているので、小休止するには適した場所のようで、何人かの方がザックを下ろして一息ついていました。
剥き出しの岩肌を少し登ると、一本目の鎖場が見えてきます。
それなりの高さがあり、滑るとけがにつながるため、足場を確認しながら慎重に登りました。
この時点で、登るラインを見つけにくい場合や、高さに強い不安を感じる場合は、早めに引き返す判断も必要だと感じました。
問題なく通過できると、その先は気持ちの良い稜線歩きになります。
いままでの展望のない樹林帯の道とのギャップに、思わず足取りが軽くなりそうになりますが、足を滑らせると危険なので、注意を怠らずに進んでいきます。
ラクダのコブ、ラクダの背と通過して、ザンゲ岩が見えてくるあたりで、黄色いマーキングのついた岩場の登りに変化します。
鎖の補助がない岩場を登る箇所も出てきます。進んでみたら途中から足場がなくなった場所もありました。
自分で足場を選びながら進む必要がある場所だと感じました。行ったり来たりを繰り返して登っていくうちに、徐々に脚がこわばるようになり、左のふくらはぎがつってしまいました。
この年齢になり、登山中に脚がつることも増えてきたので、想定の範囲内として様子を見ながら進んでいきましたが、大きく足を上げて踏ん張った際に、左の太ももの筋肉も痛み出します。
普段の生活のなかでも太ももがつったことはなく、異常事態と感じたため、一旦、その場で休憩することにしました。
水分を補給して、何か口に入れておこうと、手持ちののど飴を口にします。
食欲がなく、おにぎりを食べることはしませんでしたが、ザックを下ろして10分ほど休憩をとり落ち着いたところで、先に進むことにしました。
中盤(ザンゲ岩の横を通過、さらに急登を登って、トマノ耳、オキノ耳の二つのピークへ)
足を高く上げすぎると、またつってしまうかもというおそれから、前にもまして小刻みに登ります。
ペースは上がらないまでも、歩いていれば先には進むもので、山頂のひとつ「トマノ耳」へ到着です。
ちょうどお昼時で、バーナーで調理しているグループから美味しそうな匂いが流れてきていました。
でも、不思議と食欲は湧かず、数枚写真を撮ったら、「オキノ耳」へと向かいます。
途中の鞍部でのちょっとした渋滞を経て、「オキノ耳」にも無事に到着。
湧き出てきた雲が晴れるのを少し待ってみましたが、回復はしてくれなかったので、下山することにしました。
後半~ゴール(谷川岳肩ノ小屋を通過して、天神平のロープウェイ駅へ下山)
脚の状態が完全に回復しているわけではないので、今回は天神尾根を下って、天神平からロープウェイで下山することにしました。
まずは、谷川岳肩ノ小屋へと向かいます。
犬連れの登山客の周りに人が集まっていて、賑やかに談笑する声が聞こえてきます。
ベンチにも空きがなかったので、そのまま素通りで尾根を下っていきます。
最初こそ、段差の大きい階段を下る振動で、足がつってしまうかもと不安に感じたものの、特にそのようなこともなく、慎重に進めば下れそうだと分かったので、声を掛け合い、譲り合いながら下っていきます。
1時間ほど下ると熊穴沢避難小屋が見えてきて、平坦な道に変わっていきます。
濡れて滑りやすそうな木道に注意しながら淡々と進むと、天神峠へと登る分岐がありましたが、今回は立ち寄らずに、そのまま天神平まで進みます。
次に、「田尻尾根」への分岐も見えてきましたが、脚の状態を考え、今回はロープウェイで下山することにして、「天神平」へ直進しました。
「天神平」へと到着すると靴洗い場を見つけます。
登山靴の泥を落とした後、ロープウェイ前の広場に目を向けると、オレンジ色の花が咲いているエリアが目に留まりました。
ニッコウキスゲの群生地になっているようで、かなりの数の花が咲いています。
急ぐ時間でもないので、少しの間、花を眺めて、満足したところでロープウェイに乗って帰宅の途につきました。
見どころ
この日歩いていて印象に残った風景や草花をまとめます。
その日の天候や季節によって印象は変わると思いますが、ひとつの参考として残します。
風景・展望
まずは、西黒尾根の樹林帯を抜けた地点の天神平への眺めです。展望のなかった樹林帯から一気に視界が広がる様子は、強く印象に残りました。
そこからの稜線歩き、そしてトマノ耳、オキノ耳の二つのピークから見下ろす眺めは高山ならではの迫力がありました。



季節の要素
開花を迎えた、天神平のニッコウキスゲが、オレンジの絨毯のようで記憶に残りました。
そのほか、稜線上には、高山植物と思われる花々も見られました。
コバイケソウらしき白くふんわりとした花、ミヤマキンポウゲらしき黄色の小さな花などが目立っていました。
花々の名前を調べたときの手順は、「作り方の記録」記事に残しています。







ロープウェイ駅周辺の様子(名所・史跡・観光地)
ロープウェイの山頂側にある天神平は、登山者だけでなく観光で訪れた人も過ごしやすい雰囲気でした。
貸し出しのハンモックで寛ぐグループがいたり、展望の良いカフェテラスのある建物へと入っていく親子連れがいたりと、数時間ゆっくり過ごせそうな場所でした。

この日一番のひととき
西黒尾根の樹林帯を抜けて、さっと視界が広がった瞬間がこの日一番に印象に残ったひとときとなりました。
また、この展望をきっかけに高度感のある岩稜地帯へと入っていく、気持ちを切り替える地点として記憶に残りました。
注意点と装備
歩く前に気をつけておきたい点と、この日の装備を整理します。
季節や天候によって変わる部分もありますが、参考のひとつになればと思います。
注意点
西黒尾根は、前半に長い急登、後半に鎖場や岩場、痩せ尾根が続くルートです。樹林帯を抜けたあとも気を抜ける区間は少なく、体力だけでなく、足場を落ち着いて選ぶ力も必要だと感じました。
岩稜帯では、黄色いマーキングを確認しながら進みますが、場所によっては鎖だけに頼らず、自分で手がかり・足がかりを探す必要があります。高度感に強い不安がある場合や、最初の鎖場で足場を見つけにくいと感じる場合は、早めに引き返す判断も大切です。
この日は途中で脚がつったため、予定を変更して天神平からロープウェイで下山しました。原因をはっきり断定することはできませんが、長い急登では、喉が渇く前の水分補給や、早めの行動食の摂取を意識しておきたいと感じました。
天神尾根の下りも、段差のある階段や濡れて滑りやすそうな木道があり、疲れた脚には負担を感じる場面がありました。最後まで急がず、譲り合いながら下ると安心です。


装備
- 靴:登山靴
- 持参した服装:
- 肌着:半袖シャツ
- 中間着:薄手の長袖シャツ
- 外着:ウィンドブレーカー
- その他:防寒具(薄手のフリース)、雨具、薄手の手袋、薄手のズボン、厚手の靴下、ネックゲイター、てぬぐい
- 飲食料:水(2リットル)、昼食(おにぎり2つ)、行動食(のど飴)
- 主な持ち物:ヘッドライト、熊鈴、熊スプレー、スマートフォン(用途:緊急連絡、GPS記録、撮影)
- 重さ:8kgぐらい
まとめ
このコースが合いそうな人
- 歩きごたえのある急登を登りたい人
- ルートファインディングしながらの岩場を楽しめる人
- 高度感のある稜線歩きをしたい人
今回の山行のひとこと
途中で脚がつってしまったため、今回は予定を変更し、天神平からロープウェイで下山しました。
当初の予定どおりに自分の足で歩き切ることも考えましたが、脚の状態を考えると、無理をしない判断でよかったと思っています。
結果として、天神平のニッコウキスゲをゆっくり眺める時間ができました。
予定どおりには進めなかった山行でしたが、そのぶん、次に生かしたい気づきも残りました。
西黒尾根の急登と岩稜を歩いた余韻は、note側にも短く残しました。

また、イラスト地図の作り方は、別の記事で手順として整理しています。


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