ここ最近は、富士山登山も途中敗退が続いています。
ここらでもう一度、登頂をしたいなと思い、今回は楽に登れる「富士宮ルート」から登ってみることにしました。
結果としては、高山病に罹ることも無く、無事に登頂を果たせたし、お鉢も巡れたので上々な気分で帰ってくることができました。
ただ、ものすごい盛況で、登山者減少なんてニュースは別世界のことみたいになっていました。
特に、最高峰「剣ヶ峰」直下の撮影待ちの行列は馬の背の中腹まで続くほど長蛇の列となっていたのが印象的で、あんな急坂の途中で立ち止まって待たないといけないとか、ちょっとかわいそうな感じでした。
もしあなたが、8月の山の日やお盆休暇を使って富士山登頂を目指している様でしたら、現在の富士山山頂付近がどんな感じになっているかイメージいただけるかと思います。
是非、最後まで読んでいってくださいね。
目次
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
山行の基本情報
日付:2022/7/23
天候:曇り
エリア:富士山エリア
コース概要:富士急バス「富士宮口五合目停留所」〜八合目〜浅間大社奥宮〜剣ヶ峰〜久須志神社〜大砂走り〜宝永第一火口〜富士急バス「富士宮口五合目停留所」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)JR東海道線「三島駅」から富士急バスで、「富士宮口五合目停留所」へ
(帰)「富士宮口五合目停留所」から富士急バスで、JR東海道線「三島駅」へ
概要
富士宮ルート(ふじのみやるーと)
富士宮ルートは、4つある富士山の主要登頂ルートの中で静岡県側にある登山口の一つです。
主要登頂ルートの中で、標高が最も高い位置からスタートすることができ、歩く距離も一番短いルートになっています。
詳しくは、主要4ルートをまとめた記事に書きましたので、以下リンクよりご確認ください。
山のブログ
山の情報|富士山登頂における主要4ルートの解説 | 山のブログ
2022年の富士山開山は、吉田ルートが7月1日、その他のルートが7月10日からとなりました。 あと数週間もすれば山頂までの道が開かれて、五合目から続くそれぞれの登山道に多…
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。
また、「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
合計距離: 14073 m
最高点の標高: 3772 m
最低点の標高: 2311 m
累積標高(上り): 1781 m
累積標高(下り): -1721 m
総所要時間: 07:58:13
Download file:
climbing-record-20220723.gpx
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
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ポチップ
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
剣ヶ峰
今回の山行ルート上での展望ポイントは「剣ヶ峰」です。
下界は雲に覆われていましたし、山頂碑の周りはかなりの混雑ぶりでしたが、奥にある一段高い岩場まで進んでしまえば、一息入れる空間は十分に残っていて、荒々しい火口の様子を楽しむことができました。
時折、火口の内側にも雲が入り込んできていましたが、それもまた雰囲気があって楽しい眺めになっていました。迫力ある風景なので、各々のルートで十合目まで登頂できたら、もう一歩足を進めて剣ヶ峰からの眺めも楽しんでから下山することをおすすめします。そのほうが達成感も更に増すことでしょう。
ギャラリー
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、特にありません。
富士宮ルートは、整備の行き届いたとても歩きやすい登山道です。高度が上がると岩場が増えますが、特別な技術が必要となるような危険な区間は皆無と言って良いルートとなっています。
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
この日の日中は気温高めで、山頂に登るまでの間は半袖Tシャツでの活動でも汗ダクとなりました。
こんな状態だったので、お鉢巡りに移ると途端に冷風に煽られて汗冷えし始めてしまったので、ソフトシェルを羽織って凌ぐことになりました。
お鉢巡りを終えての下山中は、また汗をかく暑さに戻ってきたので再度半袖Tシャツだけでの活動に戻しました。
標高3,000mの世界との行き来に耐えるのには、レイアリングで対応するのが一番ですね。
移動中は半袖Tシャツで苦にならず、寧ろ下界でも暑い感じでした。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回の富士登山は、「富士宮五合目停留所」からのアプローチです。
「富士宮五合目停留所」へは、次の3つのいずれかのプランを採ることになります。
- JR東海道線「三島駅」南口から「富士宮口五合目」行きの路線バスで向かう
- JR見延線「富士宮駅」から「富士宮口五合目」行きの路線バスで向かう
- JR御殿場線「御殿場駅」富士山口から「水ヶ塚公園」行きの路線バスに乗り、「水ヶ塚公園」から1時間おきに発車する「富士宮口五合目」行きのシャトルバスで向かう
この他に、東京から直行することができる各種ツアープランも存在していますが、わたしはぼっちでの活動がメインなので除外しています。
今回は上記の3つのプランの中で一番ラクに到着できる「三島駅」からのプランを採用することとしました。。
「三島駅」に向かうとなると「東京駅」からは東海道線沼津行きに乗るのが最適です。
今回も沼津行きの始発に乗り込み向かいます。
相模湾湾岸の綺麗な眺めを楽しみながら「三島駅」に到着したら、南口のバスロータリーに向かいます。
いつもはそのままバスのりばへ直行していましたが、今回は「富士登山バスフリーきっぷ」を購入するために、バスロータリー脇にある有人のバス切符売り場に向かいます。
「三島駅」から「富士宮口五合目」へ向かうのならば「富士登山バスフリーきっぷ」を使うのがとてもお得です。このチケットを使うことで往復料金にして約3割安く済ませることができるようになります。
また、別の登山口に降りた際にも買い直しすることなく使えますので、買わない手はありません。
バスのりばと切符売り場は少し離れているので、バスの発車時間に気をつけつつ、購入しておきましょう。
富士急バス公式サイトのフリーチケット案内ページを載せておきますので、詳しくはこちらでご確認くださいね。
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新着情報詳細 – 富士急行バス
に関するページ。120%の安全運転で、快適な交通サービスの提供に努める、富士急のバス最新情報をご覧いただけます。
また、大事な三島駅周辺のおトイレ事情ですが、南口郊外の公衆トイレは切符売り場とは反対方向にあるので、往復チケットを購入してからおトイレに向かうと結構歩くことになります。
このため、駅構内の南口改札手前にあるおトイレを利用するか、電車内のおトイレで済ませておくことをお勧めします。
「富士宮口五合目」までの乗車時間は1時間40分の長丁場です。
途中の「遊園地ぐりんぱ」でおトイレ休憩してくれるようになったようですが、ぐりんぱまででも40分は乗りっぱなしです。
念の為、乗車前に一度はおトイレを済ませておくようにしてください。
「富士宮口五合目」に到着したら、仮設休憩所の周辺で身支度を整えて山頂に向けて気張って出発しましょう。
ギャラリー
富士急バス「富士宮口五合目停留所」〜八合目
仮設のレストハウス前をスタートしたら、一段上方にある登山口に向かいます。
アスファルトの道をしばらく進むと協力金回収をしているテントが見えてきます。
その手前が登山口になります。
最初から火山岩でゴツゴツな山道を30分ほど登ると、六合目の山小屋2つ見えてきます。
それぞれを通過すると進行方向左手に富士山頂に向かう道への分岐が見えてきますので、左に折れて山頂方面へ向かいましょう。
ここから八合目の手前までは、普通の登山道を歩く感じです。
スコリアと呼ばれる軽石状の火山石が積まれた区間もありますが、不便に感じるところは無いはずです。
八合目手前まで登ってくると、徐々に急勾配の岩場が増えてきます。
吉田ルートのような鎖場は無いので、登るルートに悩むような箇所はありません。
しかし、登り降りが同一ルートなので、下山者とのすれ違いがしょっちゅう発生します。
接触しないよう譲り合って進んでください。
最近は、富士山に限らず「登り優先」という山での暗黙ルールが崩れてきているように感じます。
登ってくる人は足元に集中していることが多く、下山者に気がつかないケースがあります。
逆に、降っている時は、進行方向への見晴らしが良く、人とすれ違うタイミングを事前に察知できることが大半です。
降り方面を進んでいる時には、登ってくる人への配慮ができるとかっこいいかと思います。
八合目からは、さらに赤土と火山岩が印象的な富士山らしい登山道に入っていくことになります。
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八合目〜浅間大社奥宮
八合目からは、浅間大社奥宮の境内に入ります。
ここから本格的な岩場に突入します。
急勾配が続くようになるので、気を引き締め直して取り掛かることにしましょう。
途中にある硬貨のいっぱい刺さった2本の柱を通過すると、直ぐに九合目が見えてきます。
そして九合五勺の山小屋も通過すると、山頂の鳥居が見えてきて浅間大社奥宮に到着です。
ここが富士宮ルートの十合目となります。ここまででも富士山登頂達成と言えなくはないですが、折角なので最高峰「剣ヶ峰」も狙っていきましょう。
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浅間大社奥宮〜剣ヶ峰〜久須志神社
浅間大社奥宮からは向かって左に折れて、富士山最高峰「剣ヶ峰」に向かいます。
十合目までのルートも混雑をしていましたが、剣ヶ峰へ向かうにつれて更に人通りが増えます。
そして、「剣ヶ峰」へ向けての核心部「馬の背」まで来たところでとんでもない長蛇の列が出来上がっているのを見ることができました。
どうも山頂での記念撮影用の行列で、50人以上は並んでいます。
記念撮影には全く興味が無いようなら、横をすり抜けてピークハントを済ませてしまいましょう。
そのまま、お鉢を逆に進んでいきます。
「馬の背」ほどではありませんが、お鉢巡りの最中にもそれなりにアップダウンはあるので、ペース配分にはご注意ください。
お鉢を半周していくと山頂に建つもう一つの神社「久須志神社」に到着です。
あとは、富士宮ルートまで戻って下山するだけですが、近日、宝永第二火口から富士宮口五合目へ降るルートで遭難が発生していたのを思い出しました。
バリエーションルート「村山道」を登った時に交差した道で、結構整備されていたように感じたので、この機会に歩いてみることを思い立ち、御殿場ルートから下山するようプラン変更することにします。
いずれにしろあと半周お鉢をめぐらないといけないので、ここでも休憩は入れずに進んでしまうことにしました。
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久須志神社〜大砂走り〜宝永第一火口〜富士急バス「富士宮口五合目停留所」
久須志神社でのご挨拶が終わったら、お鉢の半分を巡って「銀明水」から御殿場ルートを降って行きます。
御殿場ルートは七合目を過ぎるまでは、登山道と合同の道を降ります。
滑りやすいのでここの区間は少し慎重に降るのが良いようです。
七合目を過ぎたら「大砂走り」方面への分岐に入るので、ここから加速して降りていきます。
今回は、途中にある宝永山への分岐から「宝永第一火口」に降り、「宝永第一火口縁」まで向かいます。
そこから「第二火口縁」へ降って「富士宮口五合目」への分岐に入る予定で進んできましたが、どうもタイミングが悪かったようで、到着した時には5m先が見えないくらいのホワイトアウト状態になっていました。
この状態のまま、遭難者の出ている初見の道を進むのは気が引けてしまったので、再度の予定変更をして、安定の宝永遊歩道から「富士宮六合目」を経由して下山することとしました。
「富士宮五合目」まで到着してみると、丁度いい感じに「水ヶ塚公園」行きのバスが停まっていたので飛び乗ってみたのですが、これが罠だったようで、結局、三島駅の最終バス19時10分まで「水ヶ塚公園」敷地内で30分近く佇むこととなってしまいました。
「富士宮駅」行きのバスも一緒に停まっていたので、こちらに乗っていればもっと早く帰路に着けたかもしれません。
結局、帰宅は午前様となってしまい、ヘトヘトになってしまいましたが、電車の中で寝過ごす事もなく無事に帰れたので、結果オーライだと思いたいです。お疲れ様でした。
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まとめ
富士山富士宮ルート登頂の様子でした。
富士宮五合目は標高2,400mなので、剣ヶ峰までは1,400m登れば到着できます。
酸素濃度の問題があるので、全く同じというわけでは無いですが、これは奥多摩・雲取山の鴨沢ルート(標高差1,400m)や、丹沢・塔ノ岳の大倉ルート(標高差1,200m)と同じくらいの高低差になります。
このレベルの登山道を普通に行き来できる体力があれば、余程のアクシデントが無い限り登頂は難しくありません。
しかしながら、コロナ禍復帰初年となった2021年に比べて、登山者の数は大きく戻ってきているように感じます。
無用なトラブル巻き込まれたりしないようにマナーを守って、富士登山楽しんでくださいね。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。
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