富士登山というのは、バスで五合目まで登ってそこから登り始めるのが一般的ですよね。
しかし、昔々はそれぞれ一合目から登っていたこともあり五合目まで徒歩で登る道もちゃんと存在しています。
今回は、富士山の主要登山ルートの一つ須走ルートを一合目から五合目まで辿って、隣接する小富士というピークに登ってみました。
一合目から五合目までのルートを知っておけば、富士山に登ったときにバスの最終便を逃してしまった時でも、最悪歩いて下山できるようになれます。
本当に歩いて下山するかどうかはさておき、夏に須走ルートから富士山山頂を狙うつもりなら知っておいても損は無い内容です。
是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2022/4/30
天候:晴れのち曇り
エリア:富士山エリア
コース概要:富士急バス「須走浅間神社停留所」〜須走浅間神社〜馬返し〜小富士〜須走五合目〜馬返し〜須走浅間神社〜富士急バス「須走浅間神社停留所」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)JR御殿場線「御殿場駅」から、富士急バスで「須走浅間神社停留所」へ
(帰)「須走浅間神社停留所」から富士急バスで、JR御殿場線「御殿場駅」へ
概要
須走登山口(すばしりざんぐち)
須走登山口は、富士山主要4ルートのうちの一つで、五合目から山頂までの距離は4ルート中2番目に長いルートとなっています。
詳しくは、過去の山行記録にコメントしていますので、そちらをご確認ください。
小富士(こふじ)
小富士は、須走五合目から往復1時間程度の場所にある側火山で標高1,979mの高さがあります。
天候に優れていれば、眼下に山中湖への眺めが楽しめ、振り返ることで富士山山頂への眺めも楽しむことができます。
山頂には、石の積まれたケルンのようなものが二つあり、奥の方に小さな祠が立っていますので、それを目印にすると良いでしょう。
登山ルートは、以下の二つです。
- 須走五合目から小富士遊歩道を辿っていくルート
- 吉田五合目から小富士林道を辿っていくルート
須走五合目までは、車やバスで登れてしまうことから、前者のルートを使う人がほとんどです。
こちらのルートは、アップダウンも少なく、よく整備された遊歩道なのでスニーカーでも行き来できます。
そのため、普段着の観光客が歩いている割合が高いのが印象的です。
後者のルートは、荒れた林道を通過する事になるので、完全に登山者向けのコースです。
まだ歩いてはいないようので、雰囲気はわかりませんが、途中に崩壊地があるみたいで少々難易度は高めな設定のようです。
歩く機会あったら、改めて記事にしてみます。
ギャラリー
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。
最高点の標高: 2006 m
最低点の標高: 793 m
累積標高(上り): 1725 m
累積標高(下り): -1717 m
総所要時間: 07:22:14
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは無しです。
本当であれば、小富士山頂からの展望がおすすめポイントに入ってくるはずだったのですが、今回は雲の中で確認を取ることができませんでした。
再訪した際に改めて書きます。
無し
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、次の区間になります。
- 馬返しから小富士遊歩道に合流するまでの区間
馬返しから小富士遊歩道に合流するまでの区間
今回の山行ルート上で注意したほうがよさそうな区間は、「馬返しから小富士遊歩道に合流するまでの区間」です。
ただただ歩くだけの区間なので、技術的には全く危険は無いのですが、少々踏み跡が入り組んで不明瞭な場所があり、GPS機器やコンパスを使って常に現在位置を把握しながら進んだ方がよさそうでした。
すぐ隣を車道が走っているので、車が見える安心感があるものの、気がつくとルートを外していることが何度かありましたので、少し注意が必要な区間になっているなという印象でした。
ギャラリー
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:薄手のフリース、ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
今回の活動中は、半袖Tシャツのみで歩きました。
歩き始めは、晴れた空の下、半袖で歩くにに丁度良い気候でしたが、小富士の山頂に到着する頃には、すっかり雲の中を歩くこととなり、かなり肌寒さを感じることとなりました。
それでも、体を動かしている限りは低体温症に陥るほどの冷えにはならず、最後まで、この格好で通すことができました。
ルートの大部分が森林地帯だったことで無風だったのも良かったかもしれません。
交通機関での移動中は、半袖Tシャツと薄手の長袖Tシャツ、薄手のフリースでちょうど良い感じでした。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、江戸時代の富士講よろしく須走浅間神社をスタート地点に据えて、ふじあざみラインを辿って須走五合目まで向かうこととしました。
東京駅からは、東海道本線下りに乗って国府津駅まで向かいます。
国府津駅からは御殿場線に乗り換えて御殿場駅で下車し、そこから河口湖行きのバスに乗って向かうのが一番早いです。
逆方面となる河口湖駅からバスで向かうと1時間近く到着が遅くなるのでご注意ください。
御殿場駅でのバスのりばは「富士山口」です。
おトイレも同じ口にあるので、立ち寄ってからバスのりばに向かう事にしましょう。
バスのりば近くにはバスチケットの自動販売機がありますが、富士急バスであればICカードが使えるので、使う機会はほぼ無いでしょう。
目的地の「須走浅間神社停留所」までは片道約30分です。
天候に恵まれれば、車窓から大きな富士山を眺めることができるので、じっくり観察しながらバスの旅を楽しんでくださいね。
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富士急バス「須走浅間神社停留所」〜須走浅間神社
バス停を出て、須走浅間神社の正面へ向かいます。
なお、正式なお名前は「東口本宮浅間神社」となるようです。
しかし、「浅間神社」には本宮がたくさんあって混乱しますね。
本宮というと、各地の神社に分かれて祀られた神様の大元にあたる神社という事になるのですが、わたしが知るだけでも3社もあります。
- 一社は、全国1,300社の浅間神社の総本宮と呼ばれる、静岡県富士宮市の「富士山本宮浅間神社」
- もう一社は、日本武尊が東征の折に立ち寄ったのを契機に創建されたと言われる山梨県吉田市の「北口本宮浅間神社」
- 最後は、静岡県駿東郡にあるこの「東口本宮浅間神社」
「本家」「元祖」の違いみたいなものなのでしょうか。
いつか、理路整然と理解できる日が来れば良いのですが、まだまだ先は長そうです。
話が脱線してしまいました。山行のお話に戻します。
神社へのご挨拶からでした。
まずは、正面鳥居に一礼して中に入ります。真ん中に赤い神門があるので再度一礼して通過すると、社殿が見えてきます。
社殿に近づくにつれて、背後に富士山が見えてきて、浅間神社であることを再認識させてくれます。
二礼二拍手一礼にてご挨拶を済ませたら裏門から富士山方面へ向かいましょう。
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須走浅間神社〜馬返し
須走浅間神社を出たら、歩道橋を渡って道の駅「すばしり」へ向かいます。
その前に、裏門の目の前におトイレがあるので、念のために立ち寄っておいても良いです。
また、この周辺にはベンチが結構あるので、身支度を整えるのにも良いでしょう。
この先にある道の駅裏手のベンチをお借りしても良いですが、あちらは商業施設なので出来れば邪魔しないようにしたいところです。
身支度が整ったら、歩道橋を渡って道の駅へ向かいます。
道の駅を通過したら、須走五合目へ向かう「ふじあざみライン」という車道の脇を歩いて「馬返し」まで進みます。
途中、自衛隊演習場に入る横道がたくさんありますが、全て立ち入り禁止です。
不用意に中に入らなようにしましょう。
また、この車道は直進が長く、信号が無いため、疾走感のある車が多いです。
エンジン音が近づいてきたら、念の為、道の端に寄るようにしましょう。
長いスラロームを登ると、馬返しの鳥居が見えてきます。
ここから車道を離れて登山道を進むこととなります。
地味に迷いやすい道なので、GPSやコンパスを常に確認して進むようにしてください。
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馬返し〜小富士
馬返しから登山道を進んでみます。
入ってすぐは、足跡もはっきりしていましたが、登っていくにつれて徐々に不明瞭になって行きます。
カンで進むこともできるのかもしれませんが、初見だったわたしはこまめにGPSを確認して、行きつ戻りつしながら登り詰めて行きました。
迷いそうなポイントには、目印のテープが付いていますし、一定間隔で案内板も立っているので大きくルートを外れないとは思いますが、念には念を入れておいた方が良いように感じます。
神社の跡地を2つ通過して、更に登っていくとロープの張られた「小富士遊歩道」に合流します。
ここまで登って仕舞えば、後はスニーカーでも歩ける道を小富士山頂に向けて進むだけです。
森林地帯を抜けた先にある小さな祠の前が山頂です。
天候に恵まれれば、360度の絶景が楽しめるとのことでしたが、この日は残念ながら雲の中で水分を含んだ冷たい風に体温をたくさん持っていかれたので、長居をせずに撤収としました。
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小富士〜須走五合目
寒すぎる小富士山頂を後にして、遊歩道を逆に進みます。
逆に進んだとしても、明瞭な道なので須走登山口まで迷うことなく到着できるでしょう。
登山口は通行禁止となっていましたが、こっそりと立ち入って「古御嶽神社(こみたけじんじゃ)」に寄り道してから下山します。
下山路は、車道を通ってみようと考えていたので、五合目山小屋の前を通り、駐車場に続く車道に向かいます。
ふじあざみラインが開通しているからでしょうか、「東富士山荘」「山荘菊屋」の二つは営業中となっており、散策に来ている観光客に温かい飲食を振る舞っていました。
ここから、須山五合目のもう一つの観光地「幻の滝」へ向かうことも可能でしたが、ホワイトアウトした状態で初見の山道を歩くのは、流石にここまでだろうという判断の下、このまま下山することとしました。
いつか、快晴の時に小富士と一緒に再訪したいものです。
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須走五合目〜馬返し〜須走浅間神社〜富士急バス「須走浅間神社停留所」
帰りは、駐車場手前の車道を降って行きます。
なんでしょうか。更に視界が狭くなってきた中を降って行きます。
車道で足場が安定しているので、降るだけなら大したことはないのですが、背後から迫ってくるエンジン音に対する注意も必要です。
この霧の中だと、おそらくドライバーの視界の方が狭くなっているだろうと思われるので、背後に音が聞こえたら足を止めて、一歩引いてやり過ごしながら降って行きます。
「狩休」「馬返し」と降っていくと、雲から抜けて視界も広がってきたので、以降は背後に注意しつつも歩みは止めずにそのまま、須走神社までノンストップで下山できました。
山を降りた後は、神社に道中守ってくれたお礼をして、バス停前で無事にゴール。
その後は、御殿場駅まで戻り新宿行きの最後の高速バスでのんびり帰宅となりました。
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まとめ
富士山須走ルートを辿って「小富士」に登った時の様子でした。
今回の山行で、須走ルートを麓から昇り降りする道中の様子や必要となる時間を、ある程度は把握できたのではと思います。
これで、夏場の富士登山で最終バスに乗り遅れたとしても安心ですね。
山頂での展望は残念な結果となってしまったので、天気が良い日を選んでもう一度登ってみます。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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