人間が普段生活していく中で水分補給はかかせない行為です。特にハードなアクティビティである登山の最中は、バテたり脱水症状になりやすいため大量の水分が必要です。ですが、山の中では水を調達できる場所は限られてくるので、水筒は登山に持っていく装備の中でも必須のものになります。
実際にどんな水筒を持っていくと良いでしょうか。わたしの過去の経験を踏まえて適切なタイプ、大きさを紹介します。
シーン別おすすめ水筒の組み合わせ
最近は色々なタイプの水筒が出ていますが、20年近く山遊びをしていて最終的に次のような組み合わせで持って行っています。
日帰り山行
日帰り山行には、サーモス600mlをメインで持って行ってます。わたしの場合は山行であまり水分補給をしないタイプなので、汗をかく夏場でも日帰り山行はこれ1本で足りてしまうことが多いです。冬場はほぼ口をつけることなく下山した段階で捨ててしまってます。
夏冬で水筒を変える方もいますが、わたしの場合、日帰り山行ではオールシーズンこの組み合わせです。プラスチックタイプの水筒は軽量性で優位ですが、夏場はぬるく、冬場はシャーベット状に凍ってしまうことが多く使い物にならないシーンが多かったので、この組み合わせに落ち着きました。
サーモスは保温性がとてもよくおすすめです。例をあげると2月の丹沢山行で朝4時に詰めた熱湯が、14時の下山後にゴクゴク飲めないぐらいの温度を保っていました。正確に温度を測った訳ではないので個人差が出てしまうとは思いますが、十分な保温性ではありませんか?
そして、このサーモス600mlの他に、予備のプラティパス1Lに水を詰めて持っていくスタイルで、ここ10年くらいは水には不自由なく山遊びができてます。
プラティパスって穴が空きそうって思う方もいるかもしれませんが、わたしの場合、10年間同じものを使っていて水漏れを経験したことはありません。水を入れたままぶん投げたり、火器の近くに置かないように注意したり、下山後はちゃんと乾かして保管したりとそれなりに注意して使っているからなのかもしれませんが、これだけ持てば十分だと思ってます。
夏場の宿泊山行
夏場の宿泊を伴う山行には、常用のサーモス600mlとコンパクトに折りたためるプラティパスの1Lサイズを2枚持って行ってます。
2Lサイズ1枚でも良いのですが、日帰り参考用にサーモス600mlとプラティパス1Lを持っているので、ここに炊飯用の1Lを足した組み合わせになったということです。
わたしの場合、ボッチノボラーなのでテント泊での自炊が多いですが不便を感じたことはありません。
参考になるかわかりませんが、わたしのソロテント1泊山行の献立例です。
- 昼食:おにぎり2個。
- 夕食:豚バラと白菜の鍋物。ご飯半合。お湯割2、3杯。
- 朝食:お茶漬け半合。紅茶1杯。
ソロ山行は大概このレベルですが、過去10年間で水不足に陥ったことは一度もありません。
冬場の宿泊山行
冬場の宿泊を伴う山行には、常用の600mlサイズのサーモスと900mlサイズのサーモスを持って行っています。
前章でも述べましたがわたしはボッチノボラーなので、冬場の宿泊もソロでのテント泊がメインです。このため、水の保管場所はテント内になります。プラティパスに詰めた水をテント内に保管したまま夜を過ごすとほぼ確実に凍ってしまい使い物にならなかったため、多少重量が増えますがサーモスの大きめの水筒を持っていくことで凍結に対応するようにしています。一緒に持っていくプラティパス1Lはあくまでも予備で、ここ10年間に冬場では水を入れて使うことは無かったです。
奥多摩山荘の元旦のお祭りの参加したくて、年末にテント泊をしたことがあったのですが、プラティパスの専用保温カバーに入れた状態で水を詰めてテント内に放置していたところ、翌朝にはガチガチに凍ってしまい、重いまま自宅まで持ち帰る羽目になりました。それ以降、冬場でプラティパスを使うことは控えています。
サーモス山専ボトル
サーモスの水筒というと山専ボトルが有名ですが、冬場山行に持っていく900mlは山専ボトルを使っています。保温性が高くて、蓋が開けやすく、とても満足のいく商品です。保温カバーをつけた状態ですが、朝沸騰したお湯をマックスまで詰めた状態で、8時間後に飲んでみたら熱湯とは行かないまでも、ゴクゴク飲めないぐらい暖かい状態を保っていました。正確な温度を測ったわけではないので個人差はあると思いますが十分な保温性ではないでしょうか。ゴムパッキンなど細かい部品が簡単に分解できるので洗うとき隅々まで洗えて清潔です。本当にこれはいい買い物でした。
行動時に使う600mlの水筒には山専ボトルを使ってません。以前は山専ボトル500mlを使っていたのですが、水分補給のたびに蓋をとって、蓋に水を注いで、飲んだ後に蓋を閉じるというシーケンスをこなすために一々立ち止まる必要があるのが面倒で、現在はワンタッチで蓋が空いて、片手で水分補給できるタイプの水筒を使っています。
水分補給のタイミング
シーン別のおすすめ水筒を紹介しました。この章では、関連事項として山行での水分補給のタイミングについて説明します。
こまめに補給する
昭和時代の山岳部では、山行途中の水分補給はバテる原因となるので大休憩までは飲まないという、科学的根拠のない根性論丸出しの意見が大半でした。しかし最近では定期的に水分補給するのが良いとの意見が大半を締めるようになってきました。
わたしの場合は、夏場の山行でもあまり水分を必要としていないので、途中で水分補給を行わないまま、日帰りの山行を終えてしまう場合が多いのですが、周囲を見ると定期的に小休憩を入れて水分補給している方が多いようですので、こまめな補給が大事だろうと多います。
一度に大量に摂取しない
これは経験則なのですが、一度に大量を水を摂取するとダルさを感じることが多いです。急激な水分補給で体温が下がるからなのか、一時的に体重が増えるからなのか、水をがぶ飲みした後、歩行に支障が出てしまうシーンが何度かありました。それ以降、水分補給は一口ずつゆっくり摂取するようにしています。
水場での注意点
日帰り、長期縦走関係なく山行での水場確保は最重要課題です。家から十分な量の水を担いで行ったとしても、転倒した際の幹部の冷却や、長期の直射日光による急激な脱水症状など、想定外に水を消費してしまうかもしれません。
特に脱水症状を起こしてしまうと、めまいや吐き気、脚部の痙攣などで歩行困難に陥ります。最悪、命を落とす事例もあるようです。
以下の点に注意して、絶対に水不足に陥ることが無いよう注意してください。
山行計画の段階で水場の状況を確認する
山行計画を建てる段階で登山ルート上の水場を把握するようにするのは当然ですが、さらに突っ込んで現時点での水場の状況を、近場の山小屋のHPや口コミサイトで近況を確認するようにしましょう。特に長期縦走の場合、水不足は死活問題です。更新が滞っているようだったら面倒でも直接電話で確認するのが良いでしょう。
自分の水分摂取量を把握する
山行中の水分摂取量は、人によってまちまちです。何度か山行をする中で、自分にはどれぐらいの水量が適切なのか調節していくと良いでしょう。
わたしの場合は、一日の水量は余裕を持って1.6Lです。オールシーズン、日帰りでも連泊の縦走でも1日の摂取量はほとんど変わりません。これは10年間、普段から水分摂取のタイミングや量を意識しているから把握できる数値だと思っています。得てして食料計画の方を重要視しがちですが、水量確保も重要事項です。普段の山行から自分に必要な水量を意識してみては如何でしょうか。
まとめ
- 利用シーンに関わらずサーモスの水筒がおすすめ
- 山行での水分補給は、こまめに適切な量を摂取すること
- 水場の確保は山行計画の時点から把握すること
水は、食料以上に生命維持に必須のものです。特に山行では水を確保できる場所は限られてしまいます。自分に必要な水量を把握して、脱水症状を引き起こすこと無いようにしたいですね。
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
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