伊豆方面も名の知られた山は概ね巡ることができましたが、小ぶりな山々については、全然足跡をつけていません。
今回は、そんなマイナーな山「観音山」と「鉢ノ山」という河津町にある隣り合った山々を歩いてきた様子となります。
さまざまな春のお花が開花する時期に入ってきて、人気の山々は更に喧騒に包まれています。
人混みを離れて、自然と対話しながらの静かな山歩きをしたくなる時もあるでしょう。
そんな時には、今回の記事をプランニングの参考にしてみてくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
概要
観音山
観音山(かんのんやま)は、静岡県河津町にある標高713mの山です。
山腹に、西国の三十三観音を模したといわれる三十三体の観音様の石像がいらっしゃいます。
山頂への道は整備されてはおらず、破線ルートでも無い完全なバリエーションルートとなっているようで、三十三観音像のある位置が終点と案内が出ています。
地元の方のお話によると、その先にも進むことはできるようでとても眺めが良いとのことでした。
道中の道は、小さな沢沿を何度か渡渉しつつ進む林間の道で、沢の流れる音を聞きながらの静かな山行を楽しめます。
近隣の天城山や三筋山といった人気の山々に比べるとマイナーな山なのですが、整備は行き届いていて、非常に短い間隔で案内が立っているので、余程のことがない限り、三十三観音までは行けるかと思います。
ただ、この案内板達は登り用で、降る時には反対を向いてしまうことになるので、見落としにはご注意ください。
アクセス方法は、伊豆急行線「河津駅」から東海バス修繕寺駅・河津七滝行きに乗り「梨本停留所」下車、徒歩1時間で登山口まで到着できます。
停留所から登山口までのルートにも、案内がたくさん立っているので、それに沿って進むと良いでしょう。
関連リンク
東海バスの公式サイトを載せておきます。河津駅の乗り場案内や路線図、時刻表など、こちらからご確認いただくと正確です。
ギャラリー
鉢ノ山
鉢ノ山(はちのやま)は、観音山のお隣に位置するお椀を逆にしたような見た目の山です。
標高は618mと、観音山にも満たない低山ですが展望台の設置されている場所からは天城山や三筋山への眺めが良く、麓には町営の公園もあることから、地元の方々がよく散策に訪れる場所となっているようです。
山頂は木々に囲まれて展望はゼロなので、ピークハントに興味がなければ足を踏み入れなくても良いかもしれません。
アクセス方法は、伊豆急行線「河津駅」から東海バス修繕寺駅・河津七滝・湯ヶ野行きに乗り「三養院停留所」下車、徒歩1時間で登山口まで到着できます。
ギャラリー
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。
最高点の標高: 634 m
最低点の標高: 41 m
累積標高(上り): 1148 m
累積標高(下り): -1246 m
総所要時間: 05:31:07
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは次の場所になります。
鉢ノ山の山頂広場
今回の山行ルート上の展望ポイントの一つ目は「鉢ノ山の山頂広場」からの眺めです。
鉢ノ山は、山頂からの展望が全くない代わりに、山頂手前に山頂広場という展望所が設置されています。
ここから、隣接する三筋山やその尾根筋に設置されている風力発電の風車達を眺めることができます。
また、天候が良ければ、観音山や登り尾、八丁池に天城山までの眺めも楽しめるようです。
一組だけベンチがあったので、伊豆山々を眺めながらのんびりするのも良いでしょう。
ギャラリー
鉢ノ山麓の桜公園
今回の山行ルート上の展望ポイントの二つ目は「鉢ノ山麓の桜公園」からの眺めです。
鉢ノ山の麓には、町営の「桜公園」があります。ここから鉢ノ山山頂に向かうために使う「桜の小道」という散策道が設置されているのですが、ここから、至近の三筋山山頂への眺めを楽しめます。
道沿いには、一定間隔にベンチが置いてあるので疲れたら座って一休みすることもできます。
河津桜が咲く時期であれば、桜の間からくるくると回る風車達を眺めることもできて、のどかな気持ちになれますよ。
ギャラリー
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は特にありません。
強いて上げれば、車道歩きが多いので車の往来に注意してください。
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:厚手のフリース
- アウター:ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:中厚手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
今回の活動中は、薄手の長袖Tシャツのみで歩きました。
陽射しの入らない林間の道を進む機会が多かったのと、急登皆無だったことから汗をかくこともなく過ごすことができました。
移動中は、薄手の長袖Tシャツと厚手のフリースで十分。移動中の電車もバスも窓が開いた状態でしたが、寒さを感じることなく過ごせました。
3月も終盤ということで、すっかり春の陽気に入った感じでした。
早朝時期はこれで丁度よかったですが、帰路ではソフトシェルも不要でもうすっかり春なんだと実感する日となりました。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、伊豆急行線の河津駅から東海バスで「梨本停留所」に向かいそこからスタートすることとしました。
東京から東海道線の下り方面に乗り込んで、熱海駅で伊豆急行線に乗り換えて河津駅まで向かいます。
今回は、バスの乗り継ぎ時間が3分しかないシビアな時間割となってしまったので、駅前のおトイレに立ち寄らないで済むように、電車内のおトイレをお借りします。
河津駅に着いたら急いで南口のバス乗り場まで向かい、乗り場3番に停車している東海バス修善寺行きに乗り込みます。
乗車時間15分で梨本停留所に到着しますが、身支度できるような場所は無いので、少し通りを入った道端で見繕いをして出発します。
村落の入り組んだ道を進むので迷いそうに思いますが、分岐地点には「観音山石仏群」という案内が立っているので、この案内に沿って進んで行けばスムーズに登山口まで到着できるでしょう。
観音山登山口までは概ね1時間の距離となります。
長丁場ですので、焦らずにゆっくりと進んでくださいね。
ギャラリー
観音山登山口〜観音山
観音山登山口からは、総じて林間の道を進むことになります。
足元には落ち葉や枯れ枝が積もっているので、踏み跡が分かりづらい部分もありますが、かなり頻繁に案内板が立っているので、不安に感じたら目を上げて周囲を良く観察して進むようにすると迷わないかと思います。
道中、獣よけの網で囲まれた椎茸畑が広がっているので、椎茸臭が強いです。
気になる時は、ネックゲーターを上げて進むと良いです。
椎茸区間を過ぎたら、緑豊かな林間の道を進みます。
穏やかに登る坂を進んでいくと、降りに転じて小ぶりな沢を数回渡渉することになります。
「あと一息、頑張れ」と案内板に励まされて、15分ほど進めば三十三の観音像のある場所に到着です。
案内には終点と書いてあることから、今回はここまでで引き返しましたが、帰り際にお声がけくださった地元の方のお話によると、もっと上まで登れたようで、観音像の先から展望に恵まれるとのことでした。
次回、訪れた時までのお楽しみにしておきたいと思います。
ギャラリー
観音山〜鉢ノ山登山口
観音山の観音像たちにご挨拶したら、次の目的地「鉢ノ山」に向かいます。
来た道を戻り、途中にある鉢ノ山に向かう道へ分岐します。
ここから、鉢ノ山登山口までは車道続きです。
穏やかに登っていくと、途中から勾配が少しキツくなるので心して登りましょう。
車道を登り詰めると、正面に鉢ノ山のお椀型の山容とソーラーパネル地帯が見えてきます。
そして、大きくソーラーパネルを迂回するように進むと、山頂に向かう周遊路に向かうことができます。
ここから山頂までは30分程度です。勾配もさして厳しく無いので淡々と高度を稼いでパスしていきましょう。
ギャラリー
鉢ノ山登山口〜鉢ノ山
鉢ノ山の登山口から周遊路を登っていきます。
時期が良かったのか、大量のカヤトが伐採されて歩きやすく整えられた道を進みます。
残念なことに、展望はほぼ無く淡々と登るだけの道を進んで行くと、一組のベンチが設置されている広場に到着します。
ここが山頂広場で、天気が良いと登り尾や観音山といったマイナーな山から、八丁池、天城山、三筋山といった人気の山々に至るまでの風景を楽しむことができます。
そして山頂は、その裏手にある山頂周遊路を時計と反対周りに進むことで到着できます。
山頂は木々に囲まれて展望はありません。周遊路の道中も同じく展望は期待できないので、ピークハントに興味が無いようなら、ここには足を踏み入れなくても良いでしょう。
何があるのか詳らかとなり、満足できたところで今回は下山することとしました。
ギャラリー
鉢ノ山〜佐ヶ野川遊歩道〜東海バス「三養院前停留所」
山頂からは、登って来た方向と逆側になる桜公園側に向けて降ります。
「鉢ノ山森林セラピーロード」なる穏やかな降り坂を降って、「森の小道」に入り、「桜公園」敷地内の「桜の小道」を降っていきます。
この「桜の小道」の正面から、三筋山山頂の様子を楽しむことができます。
至近にあるので、天候に左右されなさそうな点が嬉しいですね。
「桜の公園」を入り口まで降ったら、車道に出て降っていきます。
途中に「上左ヶ野親水公園」に向かう分岐がありましたが、今回は真っ直ぐに降ってしまいます。
1時間ほどかけて集落の間を降っていくと、「佐ヶ野川遊歩道」への入り口が見えて来ます。
遊歩道に入ると、川辺の整備された道を進むことになります。
小ぶりな渓谷を眺めながら30分ほど進めば、路線バスの通る「静岡県道14号下佐ヶ野谷津線」に出られます。
最寄りのバス停は、河津方面に5分ほど進んだところにある「三養院前停留所」です。
1時間1本のペースで18時台まで便があるのは安心感があります。
たとえ最終便を逃したとしても、ここからなら河津駅まで1時間もあれば歩いて帰れるので、焦らずにゴールに向かってくださいね。
ギャラリー
まとめ
伊豆の河津町にあるマイナー低山「観音山」「鉢ノ山」を歩いてきた様子でした。
隣接する天城山や三筋山といった人気の山々に比べると、正直、解放感や充実感は劣ってしまいますが、非常に静かでゆったりとした山行が楽しめる場所でした。
ここ最近、梅や桜を眺めるために、立て続けに華やかな山々を巡った影響なのか、心が騒つくことが続いていたので、無心に山中を歩き、観音様達にご挨拶して帰ってくるという今回の山行は、良い精神安定剤になった気がしています。
もし、あなたも心身に不調を感じているようでしたら、今回紹介したような物静かな山を巡ってみると、心がリフレッシュして安定した気持ちになれるかもしれませんよ。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
コメント