山行の記録|15年越し2泊3日で表銀座を縦走しました

山行

登山歴の長い方におすすめ登山コースを聞くと、ほぼ必ずと言っていいほど名前の出てくる北アルプスの「表銀座縦走コース」。

35歳の頃に知り合った山仲間から、一度だけ誘われたことがありました。しかし、当時の私は力量不足からお断りしてしまい、行く機会を逸したまま今日まで今まで過ごしてきました。

今回長期のお盆休暇が取れたので、テント縦走できる体力が残っているうちに行っておこうと、概ね15年越しとなる本縦走コースを歩いてきました。

一般的には3泊4日の行程ですが、台風が迫っていた時期だったため2泊3日に短縮しているので、ちょっと忙しない感じですが、夏場の北アルプスの様子を少しでも感じて貰えたら幸いです。

基本情報

まずは、今回の山行についての基本情報です。

山行の基本情報

日付:2021/08/05〜2021/08/07

天候:曇りのち晴れ

エリア:北アルプスエリア

コース概要:

(1日目)中房温泉登山口〜合戦小屋〜燕山荘〜燕岳(空身ピストン)

(2日目)燕山荘〜大天井岳〜ヒュッテ西岳〜殺生ヒュッテ

(3日目)槍ヶ岳(空身ピストン)〜殺生ヒュッテ〜槍沢〜横尾〜徳沢〜穂高神社奥宮〜河童橋〜上高地ビジターセンター

難易度:体力☆☆、技術 ☆☆☆ 、危険☆☆

交通機関:

(往) 登山バス毎日アルペン号で「竹橋」から「中房温泉登山口」 へ

(帰) 「上高地バスターミナル」から「」を乗り継いで「新宿」 へ

概要

表銀座縦走コース

北アルプスの絶景コース。

長野県安曇野市にある燕岳から常念山脈を大天井岳まで南下、その後、善作新道を辿って東鎌尾根に乗っかり槍ヶ岳まで上り詰めるという、一般的には3泊4日で巡るロングコースです。

名前の由来は、本コースを開拓した小林喜作という人が、あたかも銀座をゆくが如く展望を楽しみつつ歩いたことからいつしかこの名前で呼ばれるようになったという事らしいです。

歩みを進めるにつれて目の前に迫ってくる槍ヶ岳の雄姿が大きな見所ですが、もちろんそれ以外にも縦走路から見える飛騨の山々への展望というのも素晴らしいものがあります。

特に、燕岳から大天井岳へ至る稜線歩きが秀逸で、並行して伸びる飛騨山脈の主稜線を横に見つつアップダウンの少ない遊歩道のような山道を散策できるというとても贅沢な区間となっていて、この区間を目当てに燕岳と大天井岳を往復する方や、難易度の高い東鎌尾根を避けて常念岳に抜けるコースを設定する方もいらっしゃいます。

山行の適期は、夏場から初秋にかけてで、夏は新緑と夏空、秋は紅葉の中での山行が楽しめます。

また、下山口を上高地に定めておくと、下山後のご褒美に観光やグルメも満喫でき一粒で二度美味しい山行にできるかと思います。この辺りはあなたの企画力が試されますので、山行計画の段階から大いに悩み楽しんでみてくださいね。

ギャラリー

燕岳から大天井岳に向かう稜線からの眺め。本コース内でも屈指の大展望を楽しめます。
喜作新道から東鎌尾根を辿って槍ヶ岳に至るまでの眺め。東鎌尾根は鎖や梯子のたくさん通過する必要のあるタフな区間です。まだ登山経験が浅いようなら山岳ツアーに参加したり、熟練者に同伴お願いするなどしてチャレンジしてみるのも良いかもしれません。

ここからはInstagramにアップした動画の紹介です。

まずは、稜線からの朝焼けの様子です。

続いては、本コース最初のピーク「燕岳」の山頂からの眺めです。

そして、本コースの中間地点「大天井岳」の山頂からの眺めです。

最後は、本コース到達地点「槍ヶ岳」の山頂からの眺めです。

今回の山行ルートと注意が必要と感じた区間

地図上での位置や標高は次のとおりです。

実際に歩いた軌跡は次のとおりです。と言いたいところですが、今回空身で歩いた、燕岳と槍ヶ岳の区間が抜けてしまいましたので、脳内補完お願いいたします。

今回の注意したほうがよさそうな区間については次の点でした。

今回注意の必要を感じた区間
  • 東鎌尾根全般:ガレた不安な足場に梯子や鎖場の続く細尾根で常に緊張を強いられます。急坂続きで体力の消耗もなかなかのものですので、こまめに休憩を入れて焦らずに取り組むのが良いです。
  • 長い下りの鉄梯子:個人的に本ルート内で一番の核心部でした。東鎌尾根の概ね中間地点にある長短の鉄梯子を連続で下る箇所ですが、梯子の間の踊り場に大きな岩が挟まっていて、2段目に移るための足場を探るのに難儀しました。初回はできれば経験者に同行してもらうのが良いかもしれません。
  • 槍ヶ岳山頂直下の岩稜区間:足場はコンクリでしっかり固めてあり、随所に手がかりになるハーケンが打ち込んであるので、それほどの難所ではありませんが、落ちたら怪我だけでは済まされない高所を進むことになるので慎重に進む必要はあります。特にルート取りを間違えると登ることも降りることもできなくなる可能性も少なからずあるので、常にペンキで塗られたルートを確認するようにしましょう。

山行の記録

ここからは、今回の山行について述べていきます。

1日目

アプローチ

今回の山行は、早朝に直接登山口に到着できる登山バスとして有名な毎日アルペン号を利用することにしました。

毎日アルペン号は、竹橋にある毎日新聞本社ビル玄関口から出発するので、まずは竹橋に向かいます。

同ビルには、1階にファミリーマート、地下にセブンイレブンがあるので朝食の調達には便利です。

途中で立ち寄るパーキングエリアは物価が高いので、これらコンビニを使った方が経済的だと思います。自炊などしておにぎりや弁当持参の方がより良いですが、日中お仕事だったりすると手間が半端無いですので、楽できるところはなるべく楽する方が良いでしょう。

出発15分前になると、受付カウンターにて乗車受付が始まります。すでに席は決まっているので、急ぐ必要は無いですが、直後にバタバタしないように早めに動くに越したことはないですね。

ギャラリー

毎日アルペン号は、この毎日新聞本社ビルの一階が発着場所になっています。
ビル1階にあるコンビニ。残念ながらイートインは利用不可なので、外で待ちましょう。
乗車受付は15分前に、この受付カウンターにて行ってくれます。
搭乗バスです。謎の手ブレが発生してますね。
バスは途中でおトイレ休憩が入ります。回数は行き先によって違うようです。今回使った中房温泉行きはここ諏訪湖とあと一箇所止まりました。もう一箇所は丁度寝てたので、名前わからないです。
中房温泉のバス停です。この日の朝はあまり天気が良くなかったです。

中房温泉登山口〜合戦小屋

中房温泉登山口のバス停から登山口までは3分程度で到着できます。

登山届けポストのある案内所を過ぎると登山口への案内が立っているので迷うことはないでしょう。

登山口周辺には、トイレと飲料可能な水場があるので必要によって利用すると良いです。

もろもろ見繕いができたら出発ですが、最初からそれなりに傾斜のある坂道を登っていきますが、途中から平坦な区間もちらほら出てきます。

そして、第一、第二、第三、富士見と代表的な4つのベンチを抜けていくとスイカが名物の合戦尾根に到着です。

運搬ケーブルの行き来するカラカラとした音を聞きつつ、甘く熟したスイカで水分補給してから先に進むことにしましょう。

ギャラリー

この坂道を登っていくと登山口です。といっても3分もあれば着く距離です。
登山届ポスト併設のインフォメーションカウンターです。
そして、ここが登山口です。見繕いはここまで上がってきてからの方が捗ります。
すぐ横には綺麗なトイレがあります。
道を挟んで反対側には水場もあります。下のテント場用みたいなのでそのまま飲料可能です。
登山道は奥の階段からです。それでは行ってきます。
まずはこんな道が続きます。
謎のゆるキャラのいうとおりに直進して行きます。
初っ端からちょっと険しめですね。
でもすぐに平坦になります。
そして、最初のベンチが見えてきます。
水場もあるようでしたが、結構降っていく必要があったので今回はスルーです。
燕山荘まで4.5kmだそうです。意外な短さですが、こういった場合は標高差が半端ないことが多いですね。
ひとまずは、次の第二ベンチへ向かいます。
そうこうしているうちにおひさまの光が入ってくるようになりました。
足元にもひだまりが。山中では晴れてくれるかな。
そして、第二ベンチに到着です。人気コースなだけに早朝でも結構な人いますね。
まだまだ続きます。
こんな感じの木の階段も所々にあります。
第三ベンチです。こっちはあまり人がいませんでした。ベンチごとに人気が違うのかな。
階段を登って先に進むと
いい感じの丸太椅子が並んでました。これが富士見ベンチかなと思ったのですが
違ったみたい。もっと先に進んだら改めて案内が建ってました。
こんな感じのベンチで座りづらそう。富士見といいつつ富士山は見えないみたいです。
だんだん高山っぽい山道になってきました。
小屋までのカウントダウンが出てきました。こういうのは大体、長めの時間をとっているのでもう少し早く着くかもですね。
この辺から岩がゴロゴロしてきます。
あと少しです。
到着しました。随分立派な小屋です。そしてスイカアピール強い。さすが名物ですね。
スイカアピール強い。
そんなわけで、食べて応援です。甘くて美味しかったです。
お天気は回復しそうです。よかった。

それでは、三大急坂で有名な合戦尾根へ向かいます。

合戦小屋〜燕山荘

合戦小屋を過ぎると、北アルプス三大急坂に名を連ねる「合戦尾根」を登ります。

ただ、私の個人的な感覚だと、いうほど傾斜があるわけでも、長さがあるわけでもなく「三大急坂なんだよね?」という感じでした。同じく三大急坂に数えられる甲斐駒の黒戸尾根も経験していますが、あちらは納得の傾斜、長さを誇っていたので身構えてたのですが、ちょっと肩透かしな感じでした。

でも、そうは言っても、テント担いでの登り坂です。それなりにキツいのは確かです。

息を弾ませながら地道に足を進めていくと、前方にかなり場違い感の強い西洋風の建造物が見えてきました。

その建物がこれから向かう目的地「燕山荘」なのですが、なまじゴールが見えてしまうと逆に距離を感じてしまうので、あまり見ないようにして先に進むことにします。

少しの間平坦な道が続いたら登り坂に変わりますが、その坂を登りきればテント場の正面に到着です。

そして、テント場の横の階段を上り詰めると、パッと展望が開けて「燕山荘」に到着します。

さすがに人気の山小屋だけあって玄関口からの眺めは素晴らしいものがありますが、ゆっくり眺めるのは後にして、早々に受付を済ませてテント場に向かいます。

ここのテント場予約制ではありますが、面積が狭いので良い場所はすぐに埋まってしまうと聞いていました。

この日もすでに見晴らしの良い場所は埋まってしまっていたので、平坦で寝心地が良さそうな場所を探して設営しました。

寝床もできたので、必要な物だけ持って最初のピーク「燕岳」にお散歩にいくことにします。

ギャラリー

それでは急坂で有名な合戦尾根を登って行きます。
ただ、そんなにきつい感じはしません。道端の花に目をやる余裕はありました。
こんなのが咲いてましたが、なんて花でしょう。草花疎いからあまり分からないです。
なかなか大きめの休憩場所につきました。合戦沢ノ頭でしょうか。雲で展望無しなので先に進みます。
こんなゴロゴロの石を登ってくと
前方に燕山荘が見えてきました。雲の中の洋館とか、サスペンスな感じがしてワクワクですね。
更に先に進むと
簡単な鎖場なんかが出てきて
簡単なベンチなんかが置いてあります。ここまでくればもう少しです。
平坦な道と階段道を交互に上り詰めていくと
テント場に到着です。良さそうな場所は大体埋まってますね。
山荘手前の分岐です。ホントであれば目の前に飛騨山脈の主稜が見えるようです。この時は雲に隠れてしまいました。
1日目のゴール地点です。急いで受付済ませて、空いているうちにテント場所確保ですね。

燕山荘〜燕岳(空身ピストン)

燕山荘から燕岳は穏やかな稜線歩きとなります。

燕岳周辺は白い砂礫が広がっていて遠目に眺めるには白い砂浜のようでとても綺麗ですが、歩いてみると滑りやすくて、なかなか難儀します。そして林立する花崗岩も合わせて登り降りする必要があるので、このような道を歩き慣れていないと少し手間取るかもしれません。

そして、燕岳の山頂ですが非常に狭くてせいぜい大人5人が滞在できる程度です。

おまけに山頂を示す看板のようなものは立っておらず、足元の岩に山頂名の書いたプレートが埋め込まれていました。続々と人は登ってくるし、山頂は狭いしということで5分ほど滞在したら早々にテント場に引き返して仮眠を取ることにしました。

寝ていると、妙に周囲が賑やかになってきたので、外に出てみるといい感じに夕暮れ時になってました。

雲も晴れてきて周囲の山々も顔を出してくれた中、飛騨の山々の間に沈んでゆく夕暮れの風景を楽しむことができました。

起こしてくれた方々、ほんとにありがとうございます。

ギャラリー

雲の中ですが、折角なので燕岳山頂に向かいます。
時期はちょっと遅かったですが、コマクサがいっぱい咲いてました。近くにいたおねいさんの話だと真っ白なコマクサというのを見つけるとラッキーなんだとか。なんか四葉のクローバーを探すみたいで面白いですね。
有名なイルカ岩を見つけました。山荘から近いんですね。登ってはいけないそうです。登りませんけど。
承知しました。
最初のうちは、よくある山道ですが
山頂に近づくにつれて様変わりしてきます。
こんな花崗岩の中を進んで
巻道との分岐を過ぎたら
山頂に到着です。案内も立ってないので、人が集まってないと気づかずに通り過ぎてしまいそうな場所でした。
三角点もちゃんとあるので、ここが山頂で間違いないようです。
正面の山々も少しずつ見えてきましたが、すぐに隠れてしまいました。
狭い山頂に人が続々と入ってきたので、山荘に戻ることにします。今度は巻道側から行ってみます。
ロープが張ってあるので迷うことはないです。
分岐地点に到着です。あとは来た道を戻るだけです。
戻る途中で、メガネ岩を見つけました。穴の2つ空いた場所が目になるってことですね。ここも登らないように。
雲が晴れれば気持ちよさそうな稜線です。
イルカ岩まで戻ってきました。
そして山荘に戻ってきました。ジュース買って昼寝することにします。
山荘前で変なヤツを見つけました。こいつなんだべ。
さて、お昼寝タイムです。おやすみなさい。
寝ていると外が騒がしくなってきたので、様子見にテントを出てみたら夕暮れ時でした。雲も晴れてきていい感じです。
槍の穂先も丁度出てきてくれました。
夕焼けで赤く染まった燕岳。綺麗ですね。
1日目、最後の最後で良いものが見れました。明日はロングコースなので早々に寝ます。おやすみなさい。

2日目

燕山荘〜大天井岳

2日目の朝は3時起きして4時に行動開始です。

台風の状況によっては、このまま来た道を戻って下山することも視野に入れていましたが、山荘情報だと3日後の午後までは天気持つだろうということだったので、先に進むことにしました。

同じように判断された方、結構いらっしゃって4時には続々と大天井岳方面へ向かって歩き始めていました。

負けじと追いかけてみたものの、若いガチ勢に追いつけるはずものなく30分も歩いたら周囲はわたし一人きりの状態になりましたが、丁度いい塩梅に、遠くに見える八ヶ岳連邦の横からおひさまが上り始めます。

この風景を独り占めできたことを考えると、少しぐらい歩みが鈍くても別段悪いこともないと思えてくるから不思議ですね。

そんな感じにポジティブに考えながらマイペースに進んでいきます。大天井岳前の有名な大下りを降って、それ以上に長い登り返しを登ります。

途中に大天荘まで後500mというカウントダウンの看板が出てきますが、むしろ、まだ500m残ってるのかと心折られるので見ない方が良いです。

そして、大天荘についたらベンチにザックをデポして大天井岳山頂に向かいます。

ちなみに、大天荘は「だいてんそう」と呼ぶそうです。

大天井岳(おてんしょうだけ)をもじって「おてんそう」とか呼ばせるのかと思ったのですが、そんなダジャレみたいなネーミングではなかったようです。どうもすみません。

話を戻して、大天井岳山頂です。

ここからは、近隣の槍ヶ岳や常念岳、穂高岳なんかはもちろんですが、北方面に高瀬ダムの青い姿が認できました。

そこを基準に、針木岳や剱岳と思われるピークたちまで見つけることができました。

近くのお父さんが白馬岳も見えてると言ってましたが、わたしの老眼では確認できませんでしたので、良かったですねーと返しておきました。

そんな感じにしばらく涼しい風を浴びていたら、体が冷たくなってきたので山荘に降って先に進むことにしました。

ギャラリー

起床です。まだ暗いですが、その分夜景が綺麗でした。
ご飯を食べてテント撤収してたらうっすらと夜が明けてきました。
山荘に向かうと、もうすでに早立ちのグループは出発しています。山の朝は早いですね。
テント場も賑やかになってきました。
そんなわけで、燕岳のシルエットをバックに出発です。
最初のうちはヘットライトが欲しい感じでしたが
すぐに不要になりました。
そして夜明けです。東方は赤く燃えてますね。
槍ヶ岳のモルゲンロート。穂高岳も見えてますね。テンション上がります。
遠くに富士山も見えました。
日の出をゆっくり堪能したら、大天井岳へ向かいます。
この看板からググッと高度を下げて行きます。
結構降ります。
降ったところで平坦な尾根を進みます。
更にグッと降ったら、登り返しです。山の中腹の左方面に伸びる道がこれから進むルートです。
降り切ったところに、表銀座を開いたと言われている小林喜作氏のレリーフがあります。休憩するにも良い場所です。
これがレリーフです。ちょっと高い位置にあるので見づらいです。
この階段から登り始めます。
槍ヶ岳への直進コースもありますが、今回は大天井岳に寄り道するので、常念岳方面に進みます。
こんなザレた道を登って行きます。
あと500mだけと取るか、まだ500mもあると取るか。
今まで歩いてきた道です。夏山って感じで良いですね。
さらに進むと、残り100mの案内。もうちょっとですね。
ケルンが見えてきたら
山荘到着です。ザックをデポして山頂に向かいます。
こんなところから登って行きます。
ガレ場で足場が不安定ですが、すぐにつきます。
山頂です。やっぱり槍に目がいっちゃいますね。
こちらが常念岳方面です。さりげなく富士山も見えたりしてます。
改めて槍ヶ岳への展望です。手前の尾根がこれから進む喜作新道かな。
寒くなってきたので山荘まで戻りました。先へ進みます。

大天井岳〜大天井ヒュッテ〜ヒュッテ西岳

大天荘からは反対側にある大天井ヒュッテに降りて、そこから喜作新道を歩いていくことになりますが、この道もほぼ稜線の道なので展望がすこぶる良いです。

正面には、これから向かう東鎌の険しそうな岩肌とその先に聳える槍ヶ岳が見え、背面には今まで歩いてきた燕山荘からの稜線と大天井岳への展望と360度ぐるっと楽しめる区間です。

少し高度が下がって、周囲の山々が聳え立つように見えたのも見栄えが良い要因なのかもしれません。

そんな気持ちの良い道を進んでいくとヒュッテ西岳に到着です。

今回の計画ではこの場所への到着時間が正午を回るようだったら体力不足とみなして、水俣乗越からエスケープして帰るつもりでした。

これは、ヒュッテ西岳から殺生ヒュッテまでの標準タイムが3時間30分なので、正午に通過できていれば余程のことがない限り16時前にはテント場に到着できると踏んだからです。

そして、時計の針を見ると11時50分。

決行です。

ただ、この後の東鎌尾根で体力の衰えを深く感じることとなりました。

ギャラリー

それでは次の目的地「ヒュッテ西岳」まで進んでいきます。
まずは「大天井ヒュッテ」まで降下します。
この道、ザレて滑りやすいので注意です。
短いですが梯子もありました。
常に槍が見えるのは贅沢ですね。
建物の屋根が見えてきました。
まずは「大天井ヒュッテ」です。
ジュース購入して一息入れます。
ベンチいっぱいです。
一息ついたので先に進みます。はーい。いってきまーす。
このあたりから日差しが強くなってきました。
こんな丸太の階段を上り降りしつつ歩いて行きます。
森林限界を割らないくらいの微妙な高度なんでしょう。木々に覆われてちょっと蒸します。
それでも展望の開ける場所が多くて、ちょいちょい足止めされつつ進むことになりました。
良い展望です。
どんどん進んでいくと
案内がありました。あと1.3kmだから大体30分ぐらいでしょうか。
赤岩岳の山頂は巻いて行きます。
常念岳の方向に目をやると暗部に小屋が見えました。常念小屋でしょうか。
先に進むと、小屋の頭が見えてきました。
そして、この辺りはお花畑になっていて、こんなお花や
こんなの
こんなのが沢山咲いてました。
さらに進むと西岳山頂への分岐が出てきますが、体力的にキツそうなので今回はスルーします。
そして「ヒュッテ西岳」に到着です。体力的に微妙な気もしましたが、時間的には問題無いのでもう一歩先「殺生ヒュッテ」まで進むことにしました。

ヒュッテ西岳〜水俣乗越〜殺生ヒュッテ

ヒュッテ西岳からは降りから始まりますが、この降りも長くて急でザレていて集中力を使います。

そして、降り切ったところで休むことなくV字の登り返しが待っています。

これがなかなかにきついんですね。

理由は分かりませんが、降るなら降りっぱなし、登るなら登りっぱなしの方がなんだか疲れない気がしてます。

そして、登り返しを30分ほど進んでいくとエスケープポイントに定めていた水俣乗越に到着します。

今回は決行することにしたので、東鎌尾根へ全力投入で向かうことにします。

ここからは基本的に登り坂なのですが、赤茶けてザレた細尾根を登っていくので足元がズルズルと滑って体力の消耗度合いが激しいです。

途中、木の階段や鎖も続いていくので緊張感から精神力も削られて行きます。

そんな疲れもピークに達しようとするときに、今回のコースの核心部である長短2段の下り梯子に到着します。

ここは短い鉄梯子に長い鉄梯子の2つの梯子を連続して降りていくところなのですが、梯子と梯子の間の踊り場に岩みたいなのが挟まっていて通るのにとても難儀しました。

最終的には、梯子を正面にしっかりと両手で握り、ぶらつかせた足で足場を探しつつ2段目の階段にたどり着くような方法で無理やりクリアしましたが、かなりの緊張を強いられました。

そのため、降り切った時に集中力が切れてしまってその後の足取りが重くて重くて、殺生ヒュッテに到着したときの時間は16時。標準タイムを30分オーバーしてのゴールとなりました。

ここのところ標準タイムを短縮するのが普通だっただけに結構ショックでしたが、まだまだテント場の空いている時間に到着できたので、設営場所は良いところを確保できました。

そして、この日はすごく疲れたので、すぐに寝てしまいました。

ギャラリー

さて、それでは東鎌尾根に向かって降下して行きます。
まずは、鉄の梯子です。
そして木の梯子です。
ちょいちょい鎖場もあります。
道もザレてて滑りやすく、なんか盛り沢山な感じです。
焦らずに慎重に進んでいきます。
写真では高低差が伝わりませんが、落ちたらほぼ終了です。
だんだん迫ってくる槍が迫力あります。
ガッツリと降って
登り返すと
水俣乗越に到着です。ここを降れば槍沢へエスケープできます。今回は槍ヶ岳方面へ。
ちょっと足元が怪しくなってきましたが、元気に登って行きます。
槍沢の沢筋が見えました。
最終日はあの沢筋を降っていくことになります。
アップにしたら建物が見えました。位置的にババ平のテント場でしょうか。
見上げると北鎌尾根もはっきりと見えます。ギザギザして険しそうです。
細尾根の階段を登って行きます。
今回の山行で一番の核心部、長短2段の下り梯子に到着です。
1段目の取り付きは普通なのですが、2段目に映るときに岩が挟まってて足場を探すのに苦労しました。
振り返った様子です。3階建てのビルぐらいありそうです。
いちばん難しいところをクリアしましたが、東鎌尾根はまだ道半ばといったところで、先は長いです。
こんな感じのしっかりした木の階段や
見落としそうなところにある鉄の梯子を登って行きます。
途中のベンチ。後ろに高瀬ダムが見えました。
少し休憩したので先に進みます。
特徴的な岩の横を登っていくと
ヒュッテ大槍が近いことを示す案内がありました。「モウスグヨ!」だそうです。
こんな丸太をわたり
日当たりの良いところに出たら
ヒュッテ大槍に到着です。ここからの槍もかっこいいですね。
ここから今回のテント場「殺生ヒュッテ」までは10分ぐらいです。
こんな巻道っぽい道を進むと
殺生ヒュッテに到着です。早く設営して休みましょう。
ここのテント場は岩場なので良い場所見つけるのが大変です。
ただ、槍の直下なので見上げるように穂先を見ることができます。
この日はヘトヘトになってたので、日暮とともに寝てしまいました。
さて、干し物は気にせずに寝てしまいましょう。おやすみなさい。

最終日

槍ヶ岳(空身ピストン)

今回の縦走も、とうとう最終日です。

最後まで綺麗に終わらせたかったのですが、昨日の疲れが残っていたのでしょうか、この日は寝坊から始まります。

予定していた起床時間は3時だったのですが、時計を見ると4時を回っています。

殺生ヒュッテから槍ヶ岳の山頂まではコースタイムで1時間10分。

そして槍ヶ岳山頂の日の出時間は5時。

計算上は4時前に出立していなければ山頂で日の出は見れません。

一瞬、飛び起きて駆けあがろうかとも思ったのですが、そこまで必死になる程でもないなと思い直して、ゆっくりと朝食を食べてから登ることにしました。

単独行は、自分の都合だけで自由に計画変更できるのが魅力ですよね。

そんなわけで予定から30分遅れて4時30分から出発し、まずは槍の肩に建つ槍ヶ岳山荘まで進みます。

そして山荘から山頂までの間は岩稜区間となり全身使って攀じ登るような感じになります。

そう聞くと、結構危険な感じに聞こえますが、そこは人気の登山スポット。足場はガチガチにコンクリで固められているし、危なそうなところには手掛かりになるようなハーケンがたくさん打ち込んであります。東鎌尾根を登ってきた身としてはすごく安心の感じられる区間となりました。

槍ヶ岳の山頂に到達してみると滞在者は3名のみ。しかもみんなすぐに降りてしまったので貸切状態で360度の展望を満喫できました。

好き勝手に写真や動画を撮って満足したところで、殺生ヒュッテまで戻ります。

ギャラリー

起きた時にはすでに明るくなってました。完全に出遅れましたがピークだけでも踏んできます。
まずは、槍ヶ岳山荘まで登ってしまいます。
この時点で日の出予定時刻。皆様日の出街ですね。
日の出は気にせずに岩場の方へ。
槍先の部分をよじ登って行きます。矢印に従って登れば大丈夫と思います。
当然鎖や梯子も出てきますが、しっかりと固定されているので焦らずに3点支持を守ればクリアできるでしょう。
手がかりになるハーケンもたくさん打ち込まれているので、これらもうまく使うと捗ります。
最後の長梯子を登り切ると
山頂到着です。今回の縦走での最高地点ですね。
三角点もこのように。
眼下には槍ヶ岳山荘も見えます。上から見るとかなり巨大な山荘ですよね。
すでに日の出時間を大幅にオーバーしてますが、お天道様も撮っておきましょう。
この日は雲海がウネウネですごかったです。こっちが東方面。
上空の雲も綺麗ですね。こっちが北方面
これは西だったかな。
そして南方面。赤焼けしているのは焼岳でしょうか。
東南の方向にいた不思議な形の雲。初めて見たのですが、台風か何かですかね。
寒くなったので降って行きます。
降りも矢印の通りに進みます。絶対に「バツ」の付いている方向には降りないこと。
一部に鎖なんて使った方が安定しないなんて声も聞きますが、そこは個人によってまちまちです。鎖握った方が平常心になれるなら積極的に握って行きましょう。
もう少しで岩場もおしまいですが、最後まで気を抜かないように進みます。
山荘前まで降りてきました。さて、そうしたらテント場に戻って撤収しましょう。
来た道を降りて
テントを回収して行きます。
最後に槍の穂先にご挨拶。またくるねー。
それでは、テントも回収したので上高地まで降りていくことにします。

殺生ヒュッテ〜槍沢〜横尾〜徳沢

殺生ヒュッテからは降るだけです。と言っても標準タイムで8時間の長丁場です。

特に槍沢から先は単純で平坦な道が続きます。そして横尾からは観光客が追加されてゴタゴタし始めるので苦手な方も多い区間です。わたしもあまり得意ではありませんが、この区間を通過しないとおうちに帰れないので気を取り直して下山して行きます。

まずは、槍沢のロッジまで降って行きます。ここは、槍沢の脇を降っていくので、土に埋もれて浮いていない大石が多く足場が安定しているため、ガシガシと降っていくことができます。

ノンストップで槍沢まではこんな感じに安定して降ってこれますが、槍沢から先は夏場には厳しい、風通しのよくない平坦な道が続きます。

段々と肩に食い込むザックの重さに気力を持って行かれつつ、なんとか横尾の大橋前まで到着します。

ここには飲料可能な水場がありますが、次の徳沢には名物のアイスクリームがあります。

どちらかというと、アイス食べながら休憩する方に魅力を感じたので、横尾はスルーして先を急ぐことにしました。

何度か腰のベルトを締め直して、肩にかかる重さを軽減させつつ徳沢まで進み、いざ、ソフトクリームを頼む段階になって、ソフトコーヒーとかいう聴き慣れないメニューがあることに気がつきました。

アイスコーヒーにソフトクリームを乗せてというか、比率的には紙カップに入れたソフトクリームにアイスコーヒーを注いだ品なのですが、普通にソフトクリームを食べるよりも、コーヒーのほろ苦さが加わって、なかなか美味しかったです。

あとで知ったのですが、数年前に登場して今では第二の名物スイーツになっていたようです。

時代の変化は激しいですね。

ギャラリー

それでは、上高地まで最後の行程を進めて行きます。
まずはこんな感じのガレ場をどんどん降って行きます。
途中でヘリが周回していましたが、誰か探してたのでしょうか。
順調に降っていくと天狗原への分岐に到着するので、横尾・上高地方面へ降りて行きます。
遠目に建物が見えてきました。まだもうちょっとかかる距離ですね。
大曲りに到着です。まだ疲れてないので進みます。
どんどん降りていくと、いつの間にか林の中を進むようになります。
そして、ババ平のテント場に到着です。遠目に見えていたのはここですね。
特に用は無いので、素通りで先に進みます。
こんな橋を渡って進んでいくと
槍沢ロッヂに到着です。
こんな望遠鏡があるので、覗いてやってください。
まだまだ先は長いので、槍沢も素通りして行きます。
二俣の橋を渡り
槍見河原を過ぎると
林道っぽく道が広まってきます。
そのまま進んでいくと横尾に到着です。
横尾は涸沢・穂高方面への分岐点なので、非常に人が多いです。
おトイレも綺麗で、飲料可能な水場もありますが、徳沢のソフトクリームが食べたいのでここも素通りです。
平坦で大きな道を進んでいきます。
新村橋を通過して、さらに先に進むと
お目当ての徳沢に到着です。やったー。
この道草食堂がお目当てのお店。
ソフトクリームを頼むつもりが、ソフトコーヒーなんてのがあったのでそっちにしました。ほろ甘でおいしかったですよ。
アイスを食べてゆっくり休んだら、上高地に向けて出発です。

徳沢〜明神橋〜穂高神社奥宮〜河童橋〜上高地ビジターセンター

冷たいソフトコーヒーで気力は回復したのですが、時計の針は12時を回っています。

少しお腹が空いてきたと感じた時に頭に浮かんだのが、嘉門次小屋の岩魚の塩焼きです。

すごく久しぶりに頭からバリバリとお魚を食べたいなと思い、明神橋へ向かうことにしました。

まずは、明神館という旅館まで歩き、そこから明神橋へ右折して行きます。

そのまま橋を渡ってすぐの嘉門次小屋についてみると、相変わらずの活況ぶり。

それでも、5分ほどで相席の1席が空いたので滑り込めました。

食券を買ってセルフのお水を注いだら、お魚が焼けるまで待ちます。

この小屋では目の前の川から撮った岩魚をそのまま囲炉裏で焼いて提供してくれます。

塩加減はご飯やお酒のアテを想定しているのか、少し辛めに感じますが、単独でも食べられる良い加減です。

この日は塩焼き単品のみ食べてきましたが、しっかり食べたい時は色々ついてる定食にすると幸せになれます。

岩魚の骨酒も超有名で、お酒を辞める前はよく飲んでましたが、こいつが結構曲者で、いくらでも呑んで呑み足りなく感じるんですよね。ついつい飲み過ぎてザックを背負えるように回復するまで川辺で涼んでいたことがしばしばありました。頼むときはご注意くださいね。

さて、お腹も膨れたところで、お隣の穂高神社奥宮で無事下山できたご報告をしたら、あとは上高地ビジターセンター前のバスローターリーに向けて残りの行程を消化していくことになりますが、この頃になると疲労困憊で足が思うように上がりません。

ノロノロと歩いていると、徐々に野生の猿が集まってきてしまい前方で食事を始めてしまいました。

ビビって立ち止っていたら、横から行くしかないべと言いながら若いカップルがささっと通り抜けていってくれました。

真似して通り過ぎたあとは、アクシデントも起こらずに河童橋に到着。

観光客で溢れかえっている河童橋を足早に通過して、上高地ビジターセンターまで歩き切ることができました。

そして平湯温泉バスターミナルを経由して、新宿行き高速バスに乗り継いで帰路に着きました。

ギャラリー

お腹が空いてしまったので、上高地の前に嘉門次小屋で岩魚食べていく事にします。
徳沢ロッヂ前を通過して
何本かの橋を渡ります。
所々に沢の水が流れ込んでいる箇所がありますが、登山靴なのでガシガシ入って行きます。
そして明神館まで着いたら、明神池方向に右折して行きます。
この案内の方向へ向かいます。
この辺りの小道は雰囲気が良いですよね。
明神橋を渡り
案内に沿って進むと
大きな鳥居があるのでくぐります。
鳥居を通過してすぐの場所に嘉門次小屋があります。
オーダーの仕方は、まず席を確保します。その次に食券を買って受付に持っていき、自分の席の番号を伝えて出来上がるのを待つ流れです。
岩魚の塩焼きです。頭から丸齧りできるので是非是非。
お腹も膨らんだので、お隣の穂高神社奥宮で無事下山できたことお知らせして最終地点に向かいます。
この辺りから足が限界で、フラフラしながら歩いてました。
ゆっくり歩いていたからなのか、野生の猿がどんどん寄ってきます。
猿地帯を回避し、重い足を引き摺るように進んでいくと
河童橋まで200mの案内が出てきました。よしよし、あと少しです。
河童橋前の撮影スポットで穂高連峰を写真に納めたら
河童橋を渡って行きます。この辺は観光地なので大きいザックが人にぶつからないようにするのに難儀します。
河童橋です。撮った角度悪かったですね。残念。
そして、最後の100mです。
ゴールしました。このあとはセンター入り口の靴洗い場で泥を落としてバスに乗って帰りました。お疲れ様でした。

まとめ

15年越しに達成できた表銀座縦走の様子でした。

今回は2泊3日と健脚向けの行程でしたが、大天荘やヒュッテ西岳辺りでもう1泊加えた3泊4日にできれば、かなり快適で余裕あるプランになるだろうと思います。

天候に恵まれれば、絶景を楽しめること保証しますよ。

ただ、東鎌尾根が少々厄介ですので、ザレ場や鎖場、梯子登りの練習をした上で、チャレンジしてみてくださいね。

そして、下山後のアイスやお魚、すごく美味しいので走破したらご褒美に立ち寄ってくださいね。

絶対、幸せになれますよ。

それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

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