片方の肩が上がっているように見える特徴的な山容で一度見たら忘れることのない、奥多摩の大岳山。
奥多摩三山の一つに数えられる大変に人気のある山です。
武蔵五日市駅から登るとすると、金毘羅尾根から入り御岳山経由で登るルートと、馬頭刈尾根を登ってくルートの2つが有名ですが、今回はこの2つのルートを繋げてグルっと周回する形で登ってみたときの様子となります。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
概要
大岳山
大岳山は東京都奥多摩エリアにある標高1267mの山です。
片方の肩が上がっているように見える特徴的な山容を持っているので、遠目でもすぐに見分けることができるので、古くから方向を定める目印とされてきたようです。
また、三頭山(1,531m)、御前山(1,405m)と合わせて奥多摩三山と呼ばれて、同エリアでも人気が高く、お天気に恵まれた週末には狭い山頂に沢山の登山客が賑わう場所となっています。
もし、混雑を避けたいようでしたら馬頭刈尾根方面に30分ほど下ったところにある休憩地点がおすすめです。長椅子が2つほどあり、天気が良ければ木々の間から富士山や檜原の村落を眺めながら休憩することができます。
山頂へのアプローチは次の3つ
- お隣の御岳山からの縦走コース
- 奥多摩駅方面から鋸尾根を辿ってくるコース
- 檜原、あきる野市方面から馬頭刈尾根を辿ってくるコース
中でも、御岳山からの縦走コースは御岳山までケーブルカー登れるという手軽さから、多くの登山客が利用しています。
危険個所な箇所は、頂上直下の岩場と粘土質の道が続く地帯で、特に天候が崩れた後に通過する場合は、滑って転倒しないように注意が必要です。
そのほかは、体力さえあれば登頂可能ですので、登山初心者にもおすすめな山となっています。
馬頭刈尾根
馬頭刈尾根は大岳山から南東方面に延びる尾根で、尾根沿いには鶴脚山、馬頭刈山、高明山といったピークが連なっていて、その他にクライミングで有名な「つづら岩」といったポイントもあります。
展望のほうは、木々が生い茂る時期には厳しいですが、富士山をはじめ大岳山や御岳山、檜原の村落、関東平野への眺望を期待できるポイントが多数点在しています。
また、尾根沿いの道には危険を示す看板が数か所に建てられていて、その場所を通過するのには注意が必要なため、完全な登山初心者には少々敷居が高いかもしれません。
金毘羅尾根
金毘羅尾根は日の出山から南方面に延びる尾根で、尾根沿いには麻生山、金毘羅山といったピークが連なります。
尾根道は起伏が少なく、道幅も広いことからトレランやMTBで走行している方に出くわすことの多いルートです。
展望は、あきる野市の市街地や、遠く関東平野の街並みまで眺めることのできるビュースポットもあり、標高が低いわりにはなかなか楽しめる尾根道となっています。
危険な箇所はありませんが、スピードの乗っているトレランやMTBの方とのすれ違いの際には注意が必要かもしれません。
今回の山行ルート
地図上の位置と標高
地図上での位置や標高は次のとおりです。
歩いた軌跡
実際に歩いた軌跡は次のとおりです。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
武蔵五日市駅~金毘羅山
今回は、JR五日市線終点「武蔵五日市駅」からいきなりスタートです。
改札出てしまうと金毘羅山山頂までトイレもベンチも無いので、改札手前の長椅子をお借りして見繕いしてから出発します。
改札出たら、まず五日市小中学校を目指して西方向に進んでいきます。
小中学校前を通過したら、そのあたりから金比羅山への案内が出てくるので見逃さないように案内に沿ってすすみます。
明確な登山口というのは無いのですが、おそらく、途中にある車両通行止めあたりから林道っぽくなるのでそのあたりからが山なんだろうと思っています。
九十九坂を登っていき、展望台、あずまやを過ぎると金毘羅神社がみえてきます。ここを越えた先にベンチやトイレがあるので、ここで見繕いしても良いかもしれません。
ここから、日の出山に向けての尾根道に入っていくことになります。
ギャラリー
金毘羅山~麻生山~日の出山
金毘羅尾根を日の出山まで進んでいきます。
この尾根は起伏が少なく、道幅も広いので歩きやすいですが、トレランやMTBでの走行が多いので衝突にはくれぐれも注意しましょう。
尾根道の大半は木々の中を進むので展望はあまり良くはありませんが、ところどころ伐採されて開けた場所があり、武蔵五日市の街並みが見えることがあります。
途中で麻生山への分岐が出てきます。この分岐から麻生山への登りは結構な急坂となります。今まで起伏のなかった分、余計にキツく感じるかもしれません。
天候が悪かったり条件が悪いようなら見送ってしまっても良いでしょう。
麻生山を過ぎると、日の出山までは木の階段が続きますが1時間程度の距離です。
日の出山山頂は、青梅方面に展望が開けています。
ベンチやあずまやなど休憩施設も多く設置されていますので、ここで一息入れるのも良いでしょう。
ギャラリー
日の出山頂からの眺めです。今回はガスガスでしたので、いつかリベンジします。
日の出山~御岳山~大岳山
日の出山を抜けて、御岳山界隈に入るとグンと人が増えてきます。
御岳山はケーブルカーで登れるので、一般の観光客も多く賑やかです。
邪魔にならないように山頂の武蔵御嶽神社にご挨拶したら直ぐに立ち去ります。
奥の院にあたる鍋割山は巻いてしまい、大岳山への縦走路を登っていきます。
途中に、簡単な鎖場がありますが、それよりも危ないと思うのは、大岳神社手間から山頂までの石と粘土質の滑りやすい区間です。
ここは、日陰で乾きづらいのか湿った斜面でとても滑りやすく、わたしも何度も足を取られている場所です。特に降りで通過するときには慎重に行ったほうがよいでしょう。
ここを過ぎると大岳山山頂です。
丁度、お昼時だったこともあり、かなり盛況で10組近い登山客が御飯の用意をしていました。
富士山も見えないので、滞在せずに直ぐに馬頭刈尾根方面へ降ることにします。
こちらは、大岳山山頂からの眺めです。
大岳山~富士見台~つづら岩~馬頭刈山
山頂からの降り、大岳神社の鳥居を越えるまでは滑らないように慎重に行きます。
降りきったら、馬頭刈尾根方面へ向かいます。
馬頭刈尾根は、何箇所か危険箇所があり、案内が立っているのでその区間は注意が必要ですが、それ以外はブナの木や杉の木の生い茂った、よくある奥多摩の尾根道となっています。
その割には、こちらの尾根を歩く登山客は少なく、静かな山行が期待できます。途中の下山ルートも多く、いざという時にはエスケープルートとして活用すると良いでしょう。
富士見台、つづら岩と越えていくと馬頭刈山山頂です。
ここは、関東富士見百景に選ばれていますが、この時期は木々が邪魔をして眺望は期待できません。
ただ、山頂には長椅子が設置されているので、疲れたときには休憩に使うと良いでしょう。
馬頭刈山~高明山~軍道~武蔵五日市駅
馬頭刈山を過ぎて高明山まで登り返したら、後は下山するのみです。
キツい登り返しも無いので、転ばないように気をつけつつガシガシ降ってしまいましょう。
山道を降りきると集落の中を進むことになりますが、ポイントポイントに案内が立っているので、迷うことは無いでしょう。
軍道のバス停は、斜面を降りきって小学校を過ぎた先のT字路にあります。
ここから武蔵五日市駅へのバスが出ています。
今回は、武蔵五日市駅まで歩いて見るつもりだったので、バスをまたずに十里木方面へ歩いて進みます。
特に険しい起伏もありませんでしたが、5km前後の車道歩きとなり、疲れも溜まっていたからか、今回一番キツい区間となりましたが、予備の水筒の水を捨てて軽くしたことでなんとか歩き切れました。
まとめ
武蔵五日市駅からの大岳山周回登山の様子でした。
今回は一回で回りきりましたが、なかなかのロングコースになりますので、数回に分けて登山するというのも面白いかもしれません。
金毘羅尾根も馬頭刈尾根もエスケープルートに使える枝道が豊富なので、ルートには困らないと思います。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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