11月下旬ともなると、たとえ関東圏でも山中の紅葉は枯れ落ちて冬の様相を帯びるようになってきます。
そんな中、山の麓であればもう少し紅葉を楽しめるだろうと、富士五湖でも人手の比較的少ない本栖湖周辺を歩いてきてみました。
ついでに、お隣の精進湖まで足を伸ばしてみたら、いろいろな富士山の表情を見ることができて充実感アップな1日にすることができました。
山中湖や河口湖の喧騒があまり好きではないあなた向けの静かでのんびりとした内容になっているかと思いますので、是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2021/11/20
天候:晴れ
エリア:本栖湖・精進湖エリア
コース概要:富士急バス「本栖湖」停留所〜石仏〜竜ヶ岳~浩庵テント村〜中ノ倉峠〜中ノ倉展望地〜パノラマ台~精進峠~富士急バス「パノラマ台下」停留所
難易度:体力☆☆、技術☆☆、危険☆☆
交通機関:
(往)富士急行線「富士山駅」から、富士急バス「本栖湖」停留所へ
(帰)富士急バス「パノラマ台下」停留所から、富士急行線「河口湖駅」へ
概要
本栖湖
本栖湖は、富士五湖のうち一番西側に位置しており、五湖の中一番深い深水をもつ湖で最大水深121.6mにもなります。
所在地は、山梨県の富士河口湖町と身延町に跨っています。
このため、富士急行線「河口湖駅」からの周遊バスや路線バス以外にも、JR身延線の「高波島駅」「下部温泉駅」「甲斐常葉駅」から飯富本栖湖線という町営バスを使っても訪れることができます。
本栖湖で有名なのは、1,000円札の裏面に印刷された富士山の撮影地「中ノ倉峠」で、湖畔からだけでなく、山道を登って辿り着く展望地から富士山への絶景を楽しむことができます。
また、南側には初日の出のダイヤモンド富士で有名な竜ヶ岳があり、湖畔でのキャンプに加えて登山にも適した観光地となっています。
少々、公共交通機関を使ったアクセスには難がありますが、その分、同じ富士五湖の山中湖や河口湖に比べて人の出入りが少なく、落ち着いたレジャーが楽しめるので、おすすめです。
ギャラリー
Instagramに動画を上げてみているので、動きある映像にも興味あったらみていってください。
竜ヶ岳
今回登った竜ヶ岳については、その先に続く天子山地の山々と合わせて、次の記事にまとめてます。気になったら、こちらも読んでみてくださいね。
精進湖
精進湖と、湖畔から見える「子抱き富士」については、こちらの記事に載せてます。気になったら、こちらも、是非。
今回の山行ルートと注意が必要と感じた区間
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 1483 m
最低点の標高: 900 m
累積標高(上り): 1818 m
累積標高(下り): -1810 m
総所要時間: 06:09:50
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
注意した方が良さそうな区間
今回の注意したほうがよさそうな区間については次の点でした。
精進峠から山田屋前までの区間:滑りやすい砂状の九十九坂が続く区間です。折り重なっているので勾配は抑えられているものの、方向転換する際に谷側に体を向けた時、ズルッと滑る感覚を何度か味わいました。ここを降りで使う時には注意が必要でしょう。九十九坂を降り切った後に現れる堰堤を越える場所も対岸まで横切る必要がありますが、踏み跡が分かりづらく、初見では迷うかもしれません。最初に赴く時には、いつもよりも長めの時間設定にしておくと安心でしょう。
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:厚手のフリース
- アウター:ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、手袋
先週、先々週と午後に入って肌寒さを感じるようになったので、今回は試験的に最初から薄手の長袖Tシャツで登ってみることにしました。
稜線に出るまでの登りで汗だくになってしまいましたが、その後は温度調整がうまくいって快適に下山まで過ごす事ができました。
バスを待つ間、精進湖の湖畔まで降りて写真撮影していたので、その時にはソフトシェルを羽織って過ごしましたが、水辺の寒い場所で無ければ長袖Tシャツのままでもいけそうでした。
ただ、午後に入ってからは風が出てきたことも影響してか、歩いていても日陰に入ると肌寒さを感じる山行となりました。
乗物移動のときは、長袖Tシャツ+厚手のフリース+ソフトシェルのモコモコ装備で、こちらは暑すぎず、寒すぎず快適に過ごせました。
今回のウェアの着合わせについて、具体的な製品名も含めて次の記事にまとめています。
あなたがこの界隈に山行に赴くときの参考にしてみてくださいね。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回の山行は、本栖湖隣接の竜ヶ岳から富士山を眺めて本栖湖湖畔を一周、精進湖外環の尾根道を通って精進峠の撮影スポットで富士山を眺めて帰ってくるプランにしたので、竜ヶ岳登山口に近い富士急バス「本栖湖」停留所からからスタートすることにします。
東京駅からの乗り継ぎは、JR中央線で大月駅まで向かって、富士急行線に乗り換えて富士山駅で下車。富士急バス新富士駅行に乗って「本栖湖」停留所向かうという流れになります。
「本栖湖」停留所付近には公衆トイレがありますが、バスの乗車時間が1時間近くあるので、念のために富士山駅でおトイレに寄ってからバスに乗車すると良いでしょう。
富士山駅のおトイレの場所は、駅構内もしくは、バスの切符売り場の中にあります。
「本栖湖」停留所に着いたら、近くのベンチを借りて見繕いを済ませて、湖畔降り口を降りて行きます。
降りた先に、大きめの公衆トイレがあるので、念のために立ち寄ってから出発すると良いでしょう。
ギャラリー
富士急バス「本栖湖」停留所〜石仏〜竜ヶ岳
まずは、竜ヶ岳の登山口に向けて歩いて行きます。
湖畔の車道を進んでいくと、左手に竜ヶ岳への案内が立っています。
そのまま湖を眺めながら湖畔を進んでも到着できますが、今回は時間短縮を狙ってこの遊歩道を進んでいきます。
途中、本栖湖キャンプ場を横切っていくので、美味しそうな香りに後ろ髪を引かれますが、振り切るように前を向いて進んでいくと、一度車道に戻ります。左折して運動場を越えてすぐに2度目の遊歩道への入り口があるので見落とさないように注意してください。
2度目の遊歩道を道なりに進むと、竜ヶ岳の登山口を示すゲートに到着します。
ここから本番となります。
山道っぽい勾配のある登り坂を登っていくと、見晴の良い場所に展望台が設置されている場所に到着します。ここが石仏と呼ばれる場所です。富士山への眺望に秀でている場所なので、立ち寄って目の保養をしていくと良いでしょう。
石仏からは、ササに囲まれた九十九坂を使って高度を上げて行きます。視点に合わせて様相の変わっていく富士山の様子を楽しみながら1時間ほど登れば竜ヶ岳山頂に到着です。
山頂は、ササに囲まれてはいるものの富士山への眺望に優れた広い平地になっていて、たくさんの人が休憩できます。
天候に優れた週末ということで、今回もかなりの混雑っぷりだったので、休憩はせずに先に進むことにします。
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竜ヶ岳~浩庵テント村〜中ノ倉峠〜中ノ倉展望地
竜ヶ岳を通過したら、毛無山方面へ降って行きます。
途中の端足峠から右折して本栖湖の湖畔に降ったら、湖畔の車道を北上して中ノ倉峠まで向かいます。
途中、外環の尾根道に上がる道があるようなのですが、見つけることなく通過してしまいました。次回は尾根道を使って峠まで行ってみたいですね。
中ノ倉峠は、1,000円札の裏面に表示されている富士山の撮影地として有名です。
湖畔の駐車場からの眺めも良いですが、駐車場から登山道を30分ほど登ったところにある展望地の方が10倍眺めが良いので、是非、そちらまで足を運ぶと良いでしょう。
道中、なかなか勾配のある九十九坂を登ることになりますが、長さは短いので普段から山歩きしているようだったら、言うほど苦にならなはずです。
残念ながらこの日は風が出ていて逆さ富士は拝めませんでしたが、湖畔の紅葉と秋の青空に挟まれた富士山はシアワセな眺めでした。
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中ノ倉峠展望地〜パノラマ台
中ノ倉峠の展望地でシアワセを堪能できたら、精進湖にあるパノラマ台まで向かいます。
ここは尾根道なので、アップダウンが少なめでパノラマ台直下までは比較的スムーズに向かうことができます。
今回は、少なからず紅葉が残っていてくれたので、色づく木々の合間から覗く本栖湖の青い湖面のコントラストが単調になりがちな道中を楽しませてくれました。
そんな穏やかな山行ですが、パノラマ台直下までくると趣が変わってきます。
以前、烏帽子岳を経由して登った時には割とあっさりと到着できたイメージがあったのですが、本栖湖側から登ると、ここに急坂の九十九坂が待ち受けていて、疲労が蓄積してきた足腰には結構効いてきます。
因みに、烏帽子岳経由の道中は、次の記事に掲載しています。興味あったら参考にしてくださいね。
さて、このなかなかの急坂を、半歩ずつじんわりと攻略していくとパノラマ台に到着です。
午後も14時をまわってガスっぽくなってきてはいましたが、そこは精進湖エリア随一の絶景地、寧ろ人の疎な中で、ステキな富士山の眺望をゆっくりと楽しむことができました。
ちなみに、古い地図にはトイレのマークがあったりしますが、2021年11月現在、そのような設備はありません。ご注意ください。
ギャラリー
周囲を見渡した動画をInstagramに上げているので、こっちもよかったらみてみてくださいね。
パノラマ台~精進峠
パノラマ台を踏んだら、今回の山行最後のポイント精進峠に向かいます。
当初の予定ではパノラマ台からは、パノラマ台下のバス停まで降って、湖畔から子抱き富士を楽しんで帰る予定だったのですが、精進峠に展望地が二つあることが判ったので、今回はそっちにも寄り道してから帰ることにしました。
来た道を引き返して、分岐地点から三方分山方面へ向かいます。
意外なアップダウンをこなして精進峠の分岐まで到着したら、三方山方面に向かいます。
そうすると、最初の小ピークで湖方面に向かう分岐があるので折れて行き止まりまで進むと一つ目の展望地に到着します。
目の前に遮るもののない富士山への眺望、眼下には精進湖の静かな湖面と、素晴らしい眺めです。
午後も遅い時間だったこともあり、この秀逸な眺めを長い間独り占めすることができました。
残念ながら、もう一つの展望地への入り口は見つけることができずにタイムアップとなってしまいましたので、次回精進湖にくる時の宿題として楽しみに取っておこうと思います。
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ここの展望地もInstagramに動画を上げてるので、興味あったら眺めてみてくださいね。
精進峠~富士急バス「パノラマ台下」停留所
精進峠からの眺めも堪能できたところで、あとはバス停まで降って帰路に着くことにします。
精進峠まで戻り、三叉路の中の湖畔方面への降り坂に入ります。
少しの間、穏やかな降り道を降っていくと、急坂に張り付く永遠と続く九十九坂が見えてきます。
ここの九十九坂、折り重なって勾配を抑えているものの、砂地で滑りやすく駆け降りるには向いていません。
特に、折り返しで谷側に体が向くタイミングに滑りやすく、そのまま転げ落ちると大怪我に繋がるかもしれませんので、慎重に降るのが良いでしょう。
そんな難儀な坂を降り切ると、水の枯れ上がった堰堤に降り立つことになります。
ここからの踏み跡があまりはっきりしておらず、堰堤の対岸に向かっていることに不安を感じるかもしれませんが、その道が正解です。
堰堤の対岸の根元を直登し、その後に続く降り坂を進むと、子抱き富士への眺めで有名な山田屋ホテル前の湖畔に到着します。
湖畔前にも「山田屋ホテル前」と言うバス停がありますが、本栖湖・精進湖周遊バス(ブルーライン)だけが停まる停留所のためバスの本数が少ないです。
2、3分足を伸ばすと「パノラマ台下」と言うバス停が見えてきます。
こちらは、本栖湖・精進湖周遊バスだけでなく、河口湖駅〜新富士駅の路線バスも停まるので、こちらで待つ方が得策です。
ただ、湖畔や富士山の眺めからは外れてしまいますので、少し早めに到着して湖畔まで降りて小抱き富士への眺めを楽しんでから帰路に着くと良いでしょう。
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Instagramに動画がありますので、気のせいかどうかの判定よろしくお願いします。
まとめ
紅葉も最終局面の11月中旬の本栖湖、精進湖の様子でした。
富士五湖の中でも交通の便があまり良くない、この二つの湖は観光地化の進んだ山中湖や河口湖と比べると人手も控え目で、比較的ゆっくりとした山行が楽しめます。
危険な箇所もほとんどなく、子連れで登られる方も結構いらっしゃいましたので、足慣らしの一環として、是非、一度訪れてみてくださいね。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。
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