山の稜線歩きというと、北アルプスや南アルプスを代表とした名だたる名峰を繋いだ尾根歩きのイメージが強いですが、1,000m級の里山にも、いい感じに展望を楽しめる尾根道が沢山あります。
伊豆山稜歩道も、そんな里山を繋ぐ尾根道なのですが、駿河湾を眼下に収めつつ潮の香りを感じながら気持ちの良い稜線歩きが楽しめるということで、人気あるルートとなっています。
ただ、全長が42kmとフルマラソン並の歩行距離を有しているので、トレランでもしないと一日で踏破は厳しいため、今回は北側の一区間だけ切り取って歩いてきました。
もしあなたが、山々だけで無く、海の広がりも楽しみたいと考える欲張りさんだったら、興味を唆られる内容だと思うので、是非、読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
概要
伊豆山稜歩道
伊豆山稜歩道は、静岡県沼津市にある戸田峠から、河津町の天城峠までの稜線を繋いだ全長42kmの長さを誇る登山道です。
日帰りで踏破してしまうトレラン強者もいらっしゃいますが、途中の峠で分割し、何回かに分けて歩くほうのが一般的ですので、無理ないプランで赴くことをオススメします。
因みに、途中の峠でのビバークを前提としたプランで踏破している方もいらっしゃるようですが、伊豆山稜歩道は全区間幕営禁止だったはずです。このことを念頭に置いた上で、プラン検討いただければ幸いです。
道中最高峰は「三蓋山」の標高1,013mです、2,000mを越える山が存在していない伊豆半島ですので、この標高でも展望はとてもよく、天城方面の山々や富士山、遠く南アルプスの名峰達の様子を楽しむことができます。加えて、駿河湾を始めとした海への眺望や、海岸から拭き上げてくる塩の香りのまじった風など、伊豆半島特有の山歩きを楽しむこともできます。
注意点としては、道中すべてが登山道というわけではなく、並走する西伊豆スカイラインや、西天城高原線といった車道と交わる区間が在る点です。
これら車道は、いわゆる「走り屋」と呼ばれる方々も好んで走行するエリアなので、爆音を上げて通過していく車やバイクにはくれぐれもご注意ください
ギャラリー
Instagramにも動画を上げてますので、現場の雰囲気楽しんでもらえたら幸いです。
北から主なピークの様子を載せていきます。まずは、金冠山からの様子です。
続いては、達磨山からの様子です。
あと一つ、古希山からの様子です。
今回の山行ルートと注意が必要と感じた区間
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 977 m
最低点の標高: 95 m
累積標高(上り): 1262 m
累積標高(下り): -1564 m
総所要時間: 06:44:31
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
今回の注意したほうがよさそうな区間については次の点でした。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、東海バスの「大曲茶屋」停留所よりスタートです。
東京駅よりJR東海道本線沼津行きで「三島駅」まで向かいます。「三島駅」からは伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換え「修善寺駅」に向かいます。
「修善寺駅」のバスターミナルは改札でて左方面なのですが、直進するとキレイなおトイレがあります。立ち寄ってからバスターミナル方面に進みましょう。
「大曲茶屋」停留所行きは、のりば4番の松崎行で向かうことができます。
予定では「戸田峠」停留所に向かい、そこから南下するつもりだったのですが、逆回りにしたほうが、バスの待ち時間を短縮できることがわかり、急遽変更となりました。
「大曲茶屋」停留所周辺には何も無いので、見繕いしたら直ぐに出発です。
当分のあいだ、車道を歩くことになるので車の往来に注意しつつ向かいましょう。
ギャラリー
「大曲茶屋」停留所~船原峠〜土肥駐車場展望台
「大曲茶屋」 からの車道ですが、土肥温泉へ抜けるメインルートになっているので、車の行き来が頻繁ですが、途中で西伊豆スカイラインへの分岐に折れてからは、車の往来は激減しますので、そこまで我慢して歩きます。
分岐を折れて40分ほど歩くと「船原峠」に到着です。ここからは、西伊豆スカイラインと並走している登山道と交互しつつ歩いていきます。
西伊豆スカイラインも車の往来ありますが、それほど多くはありません。後ろを気にしつつ、時々見える太平洋の眺めを楽しみながら進んで行きましょう。
一時間ほど歩くと、正面に土肥駐車場がみえてきます。
ここは太平洋展望台と呼ばれるビュースポットになっています。同じ西伊豆にある「恋人岬」などに比べると段違いに見劣りしてしまいますが、折角なので立ち寄ってから先に進むことにしましょう。
ギャラリー
土肥駐車場展望台~伽藍山~古稀山
「土肥駐車場」から少し山道を歩くと「伽藍山」の山頂に到着します。
ここは展望が無く、Uターンスペースと思われるアスファルトの広場が広がっているだけですので、速やかに先に進むことにしましょう。
少しの間、車道を歩いていくと、山道に入る分岐が見えてきます。
この分岐以降、「古稀山」を降るまでは山道を進むことになります。
そして、ここから 「古稀山」 を経て「達磨山」までの山道が、今回歩いたルートの中で一番展望がよかったと感じる区間です。
残念ながら富士山は雲に隠れてしまいましたが、達磨山まで続く稜線の道、駿河湾の眺めと、かなり気持ちの良い稜線歩きが期待できるので、是非、お楽しみください。
「達磨山」の一つ手前のピーク「古稀山」も「達磨山」と同様に360度の展望が望めるスポットです。
素通りは勿体ないので、眼下の戸田港などを眺めを楽しんでから先に進むと良いでしょう。
ギャラリー
古稀山~達磨山~金冠山
「古稀山」からは一度、車道まで降下します。
暫し、車道と登山道を交互に進み、再度、高度をあげていくと「達磨山」に到着です。
10分くらいのところに駐車場があるため、登山客だけでなく空身の一般客も登ってこられます。
この日もかなり混雑していたようなので、昼食などの大休憩は別の場所を設定したほうがよさそうです。
「達磨山」を越えると、「戸田峠」まで勾配のある道を降っていくことになりますが、粘土質の滑りやすい箇所があったので転倒に注意しつつ降りましょう。
そして、「戸田峠」までで伊豆山稜歩道は終了となりますが、ここから10分で登れる「金冠山」からは、淡島の浮かぶ江浦湾の眺めが秀逸です。
少し、入り口がわかりづらいですが、大した距離でも無いので、是非、寄り道していってください。
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金冠山~だるま山高原キャンプ場~修善寺虹の郷~「修善寺温泉」停留所
「金冠山」まで踏破しましたので、後は「修繕寺温泉」まで行けるところまで降っていくことにします。
まずは「だるま山高原キャンプ場」方面に向けて降っていくのですが、フカフカの芝生道を歩いていきます。
すごく歩きやすくて降下スピードが稼げたのですが、それもキャンプ場まで。
それよりも下の道は、歩く人が皆無なのか蜘蛛や蓑虫がフリーダムに糸を広げていて、何度も頭に引っかかり、振り払うのが面倒くさくなったので、途中から車道に降りて進むこととしました。
車道に出てからは特に問題もなく「修善寺虹の郷」に到着。バス時間にかなりの余裕があったので、そのまま「修善寺温泉」まで降ってしまい、お風呂をいただいて帰路に着きました。
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おまけ
今回立ち寄ったのは「修善寺温泉」にある「筥湯」です。
恥ずかしながら漢字が読めなかったので調べてみたら「はこゆ」と読むそうです。
初めて入った入浴施設なのですが、地元民向けの日帰り温泉らしく大人一人350円で入浴できました。シャンプーや石鹸の備え付けが無いのが不便ですが、フロントでそれぞれ50円で購入できるのでなんとかなります。熱海の駅前浴場と同じシステムですね。
施設的にはとても新しくてキレイ。露天もサウナも無く、内湯一つだけではありましたが、汗を流して、体をほぐすには十分です。しっかり1時間湯船に使って帰りました。
ギャラリー
まとめ
伊豆山稜歩道を、途中の「船原峠」から北上してみました。
この日は台風一過、駿河湾と富士山のコラボを期待したのですが、残念ながら富士山は雲の中で完璧とはいえませんでしたが、非常に展望に優れた気持ちの良い稜線歩きが楽しめました。
下山路を選ぶ必要がありそうですが、高い位置から海を眺めたくなったときに訪れると、とても満足感が得られると思います。
そんなときには、是非、赴いてみてくださいね。
それではここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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