西伊豆への出入り口となる沼津と富士山の間に位置し、東西になだらかに広がる愛鷹山塊。
その山塊の中心から西にズレた部分に、大岳というピークがあります。
かつては呼子岳と山道で繋がり行き来することもできましたが、現在では廃道となっており、訪れる登山者の少ない物静かなピークとなっています。
今回は、そんな静かで物寂しい山を探索したときの記録となります。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
概要
大岳は愛鷹山塊内で中心から西に少しズレた位置にある標高1,262mの山です。
元々は呼子岳と山道にて繋がっていたようですが、滑落したら即死級の危険な道ということで廃道となり、鋸岳ルートと同様に整備されぬまま荒廃に任せた状態となっているようです。
このため、山塊内の他のピークと繋げて歩くことが難しく、加えて山頂からの展望も期待出来ないことから、訪れる登山者の少ない物静かな山となっています。
ただし、麓となる須津の街から大岳に向かう途中に大棚の滝やバンジージャンプ施設を有する大棚キャンプ場というアウトドア施設があり、ここと合わせることで変化に富んだアウトドアレジャーにすることも可能です。
今回の山行ルート
地図上の位置と標高
地図上での位置や標高は次のとおりです。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回の山行のスタート地点は「大岳登山口」。須津山荘という無人小屋の隣接した場所となります。
都内からのアプローチを想定すると、まず、JR東海道本線を乗り継いで「吉原駅」に向かい、そこで岳南鉄道に乗換えて「須津駅」にて下車します。
その後、徒歩2時間~2時間30分程かけて向かうこととなります。
岳南鉄道「須津駅」~大棚キャンプ場~大岳登山口
岳南鉄道「須津駅」下車後は、中間地点となる大棚キャンプ場に向けて歩いて行きます。
時間にすると1時間30分程度の距離となり、若干登り気味の車道を進むことになります。
この車道の長丁場、登山靴で歩くと結構消耗します。山道のつもりでガシガシ急がずに、周囲の様子を楽しみつつ余裕ある歩きで踏破すると疲れがたまらず本番となる登山道でバテバテになるリスクを軽減できます。
大棚キャンプ場には、遠目になりますが車道からも眺めることができる大棚の滝という落差20メートル級の大滝がありますので、ひと目眺めてから先に進むと良いでしょう。
大棚キャンプ場を過ぎ、更に30~40分車道歩きをすると左手に赤い鳥居、その先の正面にしっかりとした山荘が見えてきます。
大岳登山口隣接の須津山荘となります。
少しだけ中を覗いてみましたが、長年利用者がいないのか、あまり掃除が行き届いているとは言えない様子でした。万が一、ここに滞在するような事態になるようだったら、大棚キャンプ場まで降りてしまったほうが良いかもしれません。
大岳登山口~大岳山頂
長い車道歩きが続いたので、やっと本番という気持ちになるかと思いますが、ここからが山行本番となります。
山頂までは一本道、間違えそうなところにはロープが張ってあるので、日が落ちてから移動するのでもない限り迷うことはないでしょう。
危険箇所については、山頂直下の急坂区間で落ち葉の積もった滑りやすい傾斜のある山道をロープや木々を手繰りつつ登っていくことになります。区間はそれほど長く無いので体力的には問題は無いかもしれませんが、足を滑らせて転げ落ちたりすると大怪我に繋がる恐れがありますので、慎重に進むことを推奨します。
山頂は若干空間があり、腰を下ろすための丸太が設置されています。ただし、展望は皆無なのでピークを踏んだ達成感を味わったら停滞せずに下山してしまって良いでしょう。
大岳山頂~大岳登山口~大棚キャンプ場~岳南鉄道「須津駅」
山頂まで一本道で進んできましたので、下山ルートも一本道です。
それでも、時間経過による変化というものがあって、大棚キャンプ場では営業時間に入ったバンジージャンプ施設でスリルを楽しむ人々を眺めることができたり、カワイイ柴犬を連れてウォーキングしている人と行き交ったりと、往路とは違った雰囲気のなかで今回は駅までの帰路をたどることとなりました。
途中にバス停もありましたが、本数や到着地点を考えると「須津駅」に戻るのが一番便が良いようでしたので、冒険はせずに駅まで戻り、電車で帰ることとしました。
立ち寄り湯
今回の立ち寄り湯は、連チャン訪問となりますが熱海の日航亭です。
ここのお湯は温度が高くてホントに温まります。
最近はぬるめのお湯で半身浴というのが流行りですが、昭和人としてはあっついお湯にガマンしつつ首まで浸かって汗かきつつ出てくるのも嫌いでは無いので、他にもこんな感じに熱めのお湯をいただける施設があったら試してみたいものですね。
まとめ
今回は愛鷹山塊の大岳にピストンしたときの様子でした。
山塊内で人気の御前岳などに比べ、立ち寄る人が少なく静かに周囲の木々を眺めつつ山行したくなったときに最適なコースでした。
物思いに耽りたくなったときに、赴いてみると満足してもらえるのではと思います。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。
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