山行の記録|今季のラストは富士山須走ルートからの成就岳登頂となりました

今年の富士山も、あと1週間で閉山となります。

来週は休日出勤が予定されているので、1週間早いですが今季ラストの富士山ということで須走ルートを登ってきました。

ここ最近は足腰の老朽化が顕著で、剣ヶ峰には届きませんでしたが、代わりに十合目「久須志神社(くすしじんじゃ)」隣接の「成就岳(じょうじゅだけ)」にて今季のフィニッシュをキメてきました。

富士山頂にある八つの峰「八神峰(はっしんぽう)」の中でも、外界に向けての眺めが秀逸なピークなので、須走ルートや吉田ルートで十合目まで登頂はしたものの、お鉢巡りするまでの余裕がない時に登ってみると相応の達成感を得られます。

御来光スポットとしても秀逸なようなので、今回の記事で存在を知っておくのも良いかと思いますので、是非、最後まで読んでいってくださいね。

目次

基本情報

まずは、今回の山行についての基本情報です。

山行の基本情報

日付:2022/9/3

天候:曇りのち晴れ

エリア:富士山エリア

コース概要:富士急バス「須走口五合目停留所」〜本八合目〜久須志神社〜成就岳〜砂走り〜富士急バス「須走口五合目停留所」

難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆

交通機関:

(往)JR御殿場線「御殿場駅」から富士急バスで、「須走口五合目停留所」へ

(帰)「須走口五合目停留所」から富士急バスで、JR東海道線「富士宮駅」へ

概要

須走ルート(すばしりるーと)

須走ルートは、4つある富士山登頂ルートの中で一番長く樹林帯を進むことになるルートです。

七合目まで続く樹林帯は蒸し暑いだけでなく、火山岩の凹凸が歩きづらい区間になってますが、そこから抜けた時の開放感はクセになる気持ちよさがあります。

そして、下山ルートの「砂走りは、御殿場ルートの「大砂走り」に似たアトラクションルートで、砂の降り積もった斜面を駆け降りるのも爽快感があって楽しいです。

シーズン中は18時台までバスが通じているので、他のルートよりも時間に余裕があります。

日帰りでの富士登頂を狙うのには条件は悪くないルートなので、気になるようでしたら一度歩いてみると良いでしょう。

須走ルートを含めて、主要登頂ルート4つについては、次の記事にまとめています。詳細はそちらをご覧ください。

成就岳(じょうじゅだけ)

「成就岳」は富士山山頂にある八つの峰「八神峰」の一峰です。

標高は3,734m。国内の最高峰「剣ヶ峰(3,776m)」、第二位「白山岳(3,756m)」に比べると一段下がりますが、山頂部分が広く見晴しが良いので、360度全方面に向かっての展望が楽しめます。

御来光の際には、遮るもののない高台ということで多くの方が待機する展望スポットになっているようです。

吉田ルート、須走ルートの十合目に当たる「久須志神社」から10分ほどで到着できるので、「剣ヶ峰」まで向かうのにはちょっと余裕が無いなという時に、立ち寄る場所としては上々かと思います。

今回の山行上でのポイント

地図上の位置と標高

今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。

「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。

ご自由にご活用ください。

合計距離: 13440 m
最高点の標高: 3721 m
最低点の標高: 1964 m
累積標高(上り): 1826 m
累積標高(下り): -1832 m
総所要時間: 08:29:11
Download file: climbing-record-20220903.gpx

歩いた軌跡

続いては、GPSデータを元にした軌跡です。

市販の地図

今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。

本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。

わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。

ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。

5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。

おすすめ展望ポイント

今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。

展望の楽しめたポイント
  • 成就岳
成就岳

今回の山行ルート上での展望ポイントは「成就岳」です。

日本一の山「富士山」の山頂の中でも高い峰に当たる場所なので、展望が抜群に良いです。

なだらかで広い山頂部分からは、360度の展望が望めて、火口を隔てた対岸の「剣ヶ峰」や「白山岳」、「虎岩」や「雷岩」といった名所を全て見通せます。

外界に目を向けると、近隣には山中湖や河口湖といった湖、箱根、愛鷹、丹沢の山々、御殿場や小田原の街並みを目にすることができます。雲がなければ、関東平野やその先の房総半島への眺めも得られるようです。

この日は、お天気に恵まれてはいたものの下界には雲海が広がっていたので、地面の様子までは確認できませんでしたが、それはそれで素晴らしい雲たちを堪能できました。

ギャラリー

十合目「久須志神社」から南に向かうと数件の山小屋の並ぶ賑やかな道に入ります。この場所、山頂銀座というらしいです。表銀座、裏銀座、日本の山屋はどんだけ銀座好きなんでしょうかね。
そんで、ザギンを抜けて目の前に見える高台が成就岳です。受験生とか好みそうな名前ですね。登っておくと学業成就できるかも。
ここからは、成就岳山頂からの眺めです。まずは南面。目の前の菱餅みたいなのが伊豆岳です。あそこの頂上は危ないから登れないみたいです。残念です。
西の方に目線をずらすと、火口へ突き出た虎岩が見えます。空気読まずに言っちゃいますが、あの岩、虎には見えないんですよねー。どうやると虎に見えるのか知ってたら教えてください。そして、ラストダンジョン風な剣ヶ峰が見えます。あそこへの再チャレンジは来季へ持ち越しになりました。それまでにレベルを上げておかなきゃ。
眼下に目線をずらしました。富士山の火口の様子が見えます。多少見慣れた感はありますが、それでも富士山の火口は大きく感じます。この火口は「大内院(だいないいん)」と呼ばれていて浅間大社より禁足地に指定されています。バチ当たりなだけでなくて、実際に危険でもあるので降りたりしないようにご注意下さい。
北の方へ目線を向けていくと、大沢崩れのトップを越えて、雷岩とか釈迦の割れ岩とかが見えます。そして、その右隣にはまあるいお椀のような白山岳が見えてます。相変わらずカワイイ形してますね。
外界に目を向けてみます。雲がなければ駿河湾が一望できるようです。伊豆半島もこっちの方向かな。
東南面です。想像になっちゃいますが、小田原とか相模湾とかが見える方向です。
東面です。雲海もくもくですね。御殿場に箱根、丹沢もこの方面になるはずです。
北東面。山中湖はこの方向なはずです。寝てる人映っちゃいました。すみません。
北面です。ザギンの奥に河口湖が見えるはず。外界まで距離があるので、山体で隠れてしまうかもしれません。

Instagramに上げた火口への眺めも載せておきます。動きある方が見やすいと思うので併せてご覧くださいね。

注意した方が良さそうな区間

今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は次の通りです。

注意した方が良さそうな区間
  • 砂走り終了後の区間
砂走り終了後の区間

今回の山行ルート上の注意した方が良い区間は「砂走り後半の区間」になります。

「砂走り」は、大量の砂が盛られていて足を下ろした時の衝撃を吸収してくれるので、思いっきり駆け降りても膝への負担が少ない区間です。

しかし、区間が終盤に差し掛かってくると砂の盛り具合が浅くなっていって地面からの衝撃が増してしまいます。

こうなってからも、同じペースを維持しつつ駆け降りてしまうと膝を痛める可能性があります。

砂が浅くなって地面からの衝撃が増してくる感じがしたら、スピードを抑えて小刻みな足運びに変化させるようご注意ください。

また、靴紐を緩く結んでいたりすると、靴の中で足が動いて摩擦が生じてしまいマメができ安くなったりします。更に緩いとつま先と靴が衝突して爪割れを起こしてしまったりもします。

軽微であれば、そのまま我慢して降っていくこともできますが、膝が壊れたり、マメが潰れたりすると痛みで行動不能になってしまうかもしれません。

少し時間を取られるかもしれませんが、靴の中で足が動く感覚があったら靴紐をキツめに結び直してみてください。

多少は安定すると思います。

ギャラリー

「砂走り」に入るポイントです。大きくカーブした後、ストンと落ち込んでいく感じの傾斜ある降り道に転じます。
砂走りは、御殿場ルートの大砂走りよりも勾配は急です。その割に大石や岩が混じってるので、大砂走りのつもりで行くと躓いてコケるかもしれません。ご注意ください。
こんな案内棒が目立ち始めたら、砂走りも後半です。
段々と砂が浅くなって、地面のクッション性がなくなり膝への衝撃が増していくことになります。それでも砂地は続くので滑りやすく、踏ん張るための脚力も必要になってくるので、足腰への負担も増します。砂が浅くなってきたらスピードを落として小刻みな足運びに変化させてみてください。多少は楽に下れるようになると思います。
砂払い五合目からは、普通の山道になります。普通と言っても、火山岩でできた足場で不安定です。砂走りで疲れた足だと、バランスを崩した時に踏ん張りきれないかもしれません。ここからスピードは落としておくほうが無難です。

今回の山行での服装

今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。

同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。

  • ベースレイヤー:半袖Tシャツ
  • ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
  • アウター:ソフトシェル、レインウェア
  • ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス、スパッツ
  • その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋

今回の山行は、スタートから小雨が降るイマイチなコンディション。それでも気温は高めで歩いていれば自然乾燥しそうだったので半袖Tシャツのままのスタートを切りました。

残念ながら予想は外れて、九合目で雨雲を抜けるまで濡れネズミな状態で登り続けることとなりました。

しかし、十合目まで到着してみると、風も穏やかで日差しも強く、瞬時に乾いてしまったので大事には至りませんでした。

下山時も、日差しはそのままで暑いくらいだったので、半袖Tシャツのまま最後まで着替えることなく過ごすことができました。

9月というと初秋に当たる涼しい時期なはずですが、ここのところ異常に暑い日が続きます。

服装のチョイスにはご注意くださいね。

以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。

あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。

山行の記録

ここからは、今回の山行について述べていきます。

アプローチ

今回の富士登山は、「須走口五合目停留所」からのアプローチです。

最寄駅は「御殿場駅」、「東京駅」からだと次のように乗り継いでいくことになります。

  • 「東京駅」からJR東海道線沼津行きに乗り込んで「国府津駅(こうづえき)」で下車
  • 「国府津駅」から御殿場線に乗り換えて「御殿場駅」で下車

沼津行きの始発に乗った場合、「国府津駅」で御殿場線に乗り換える時間が3分程度しかなく、結構ギリギリな乗り換えになります。

スムーズに乗り換えできるように、東京駅では先頭車両側に乗り込んでおくのが良いです。

今回は寝ぼけていたようで、最後尾車両に乗って移動してしまったため、かなりシビアな乗り換えになってしまいました。

「御殿場駅」に到着したら、有人改札を抜けて「富士山口」にあるバス乗り場に向かいます。

バス乗り場に着いたら、往復チケットを購入するために切符の自動販売機に並ぶ必要がありますが、長蛇の列になるので、できるだけ早めに向かうのが良いでしょう。

須走口五合目までの乗車時間は1 時間。

本来であれば、バス停反対側にある公衆トイレで御用を済ませてから乗り込みたいところですが、ソロだと行列を中座するのはなかなかハードルが高いです。

可能ならば、御殿場線で移動中に車内トイレで済ませておくことをお勧めします。

須走口五合目まで無事に到着したら、山小屋前にあるベンチをお借りして出発です。

因みに、9月に入ると富士山にある山小屋はチョッパヤで閉館していきます。

気がつくと道中おトイレを借りられない事態に遭遇する可能性があります。

須走口には無料の公衆トイレが無いので、チップ200円が必要になりますが、念のために出発前に立ち寄っておくことをおすすめします。

バスでの移動は約40分です。

「御殿場新五合目停留所」についたら協力金の支払いを済ませ、鳥居を潜って出発しましょう。

関連リンク

富士急バスの公式サイトから、富士山を発着するバスの時刻表ページのURLを載せておきます。

山行計画を立てる際にお役立てください。

ちなみに、それぞれの登山口は往復チケットで購入しましょう。3割近く安くなるので、かなり幸せになれますよ。

ギャラリー

今回も東京駅から沼津行き始発に乗って行きます。
この日は寝ぼけていたのか最後尾車両に乗ってしまいました。
国府津駅での乗り換えを考えたら1号車が最適なのですが、困ったものです。
二駅前から階段に近い七号車両に移動して、国府津駅の乗り換えに備えておきました。おかげでドンピシャです。
こっち側は、乗り換え客が多くて小走りには移動できなさそう。
でも、電車には間に合ったので、そのまま乗り込みます。
なんでか内装がゆるキャン仕様でした。乗客多いので写り込まないように映したら変なアングルになっちゃいました。
御殿場駅に到着です。最後尾車両に乗り込んでおいたので、降りてすぐ目の前が階段でした。そして、なるべく急いで階段を登ります。
有人改札で精算してから外へ。流石に都内の駅は瞬時にわからず、ちょっと時間かかってました。これは仕方ないですね。
改札を出たら向かって左の富士山口へ向かいます。
階段を降りたら、ここも左へ。
バス停が見えてきました。いっぱい並んでいるなー。
須走口五合目は、一番手前の3番のりばです。
今回は須走をピストンする予定なので、自販機で往復チケットを購入します。なお、往復チケットは往路、復路で切符違うから間違った方を渡さないように、真ん中の黒い三角の方向に注意しておきましょう。
往復チケット購入後に、3番のりばに並びます。既に溢れんばかりの長蛇の列です。立ち乗り1時間を覚悟したのですが、増便を出してくれて事なきを得ました。富士急バスさんありがとうございます。
1時間後、須走口五合目に到着です。
インフォメーションセンターを立てているみたい。
諸々準備ができたら出発です。

富士急バス「須走口五合目停留所」〜須走本八合目

身支度を整えたら、山頂に向けて出発です。

登山口前に協力金の収集テントがあるので、己の懐具合に合わせて対応して先に進みましょう。

石階段を5分ほど進むと「古御嶽神社(こみたけじんじゃ)」が見えてきます。

ここには、富士山の主祭神「木花咲耶姫命(このはなさくやびめのみこと)」のお父さん「大山祇神(おおやまつみのかみ)」が祀られています。

山を総括している神様なので、我々登山者としてはおざなりにできる神様でも無いです。

ちゃんとご挨拶してから歩き始めましょう。

「古御嶽神社」を通過してからは、しばらく樹林帯の道が続きます。

足元が火山岩でゴツゴツしているので、躓いて転ばないように注意してください。

「新六合目」「本六合目」と山小屋を通過すると、ようやく森林限界を超えて視界が開けてきます。

そして、富士山特有の軽石状の火山石スコリアの降り積もった滑りやすい砂地を登っていくことになります。

「七合目」と「本七合目」の山小屋を通過したところから、ブルドーザー道や下山道との交差が増えてきます。

よく周りを見渡すと、登山用の脇道が用意されているので、それらを見失わないように登っていってください。

ブルドーザー道や下山道を直登することもできますが、傾斜がかなり急なので消耗は激しいです。

まだ道半ばなので、なるべく温存していきましょう。

本八合目まで登ると、吉田ルートとの合流地点に到着します。

かなり混み合うポイントになるので、接触事故など起こさないよう注意して進んでください。

ギャラリー

二軒の山小屋を通過しておトイレの前まできました。チップ200円ですが、不安があったら立ち寄っておきましょう。特に9月に入ると山道の山小屋達は光の速さで閉館して行きます。そして富士山には人目のつかない場所はほぼ有りません。あってもルートから外れた不安定な場所になります。ズボン半下ろしの状態で滑落、発見されるとかちょっとイヤじゃないですか。素直に200円払っておきましょう。
そして協力金の受付です。一人1,000円って結構なお値段なので何に使っているのか気になりますよね。静岡県 スポーツ・文化観光部 富士山世界遺産課運営の「富士山とことんガイド」というサイトに使途が掲載されていました。缶バッチ代が高えなあと思いましたが、その他はおトイレ修復とか道標の保全だとかに使ってくれているみたいです。取り敢えず、わたしとしては今後もお支払いしていこうかなと思いました。
そして、石階段を登っていくと
古御嶽神社に到着です。行ってきますのご挨拶をして右手から先へ進みます。
詳しくは、こちらの案内を読んでね。
満足したらここから進みます。
そして、すぐに2,000mに到達です。
標高2,000mの樹林帯を進みます。
結構足元不安定なので気をつけて進みます。
下山道との合流ポイントがありました。ここから砂払い五合目の山小屋にも行けるんですね。
正規ルートを進んでいくと、一瞬、目の前の視界が開ける場所に差し掛かります。というか、ガスガスで全然開けてませんね。天気が良い日だと、山頂までばっちりな場所なんですよ。
仕方ないので先に進みます。
六合目まで200mの案内がありました。
10分ほど歩くと六合目「長田山荘」に到着です。
ここはまだ閉館してなかったですね。
脇っちょから先に進みます。
この辺りもまだ樹林帯です。
そして木々が開けて
本六合目「瀬戸館」に到着しました。
アヒル隊長の先に見えるはずの展望も今日はガスの中でした。
樹林帯はここまで。この先は富士山の山道らしい火山岩と砂の道が続きます。
七合目まで200mの案内がありました。
そして七合目「太陽館」に到着です。ここはもう閉館していました。
だんだんガスが濃くなっていく中をどんどん先へ進みます。
七合目を示す案内を通過
更に登ると
本七合目まで200mの案内がありました。通過していった学生さんが「200mの案内見ると逆に萎えるわ」と言っていたのには、完全同意でした。知らんまま黙々と歩いていた方が気がラクですね。
ゴツゴツの岩場を登ると
山小屋が見えてきました。
山小屋前の難所。段差の大きな石階段をパスすると
本七合目「見晴館」に到着です。なんか気がつかないまま標高3,000mを大きく過ぎてました。
特に高山病とかの前兆も無く、順調に登って行きます。
トレランマンにいっぱい抜かされながらもマイペースに登ります。
ブルドーザー道に合流して登ります。ブル道って省略するのが正しいんだ。
こんな急な坂でもトレランマンはモリモリ登って行きます。トレランマンすげーよなー。
吉田ルートとの分岐地点に到着です。登る分にはあんまり関係無いんですけど、一応写真撮っておきます。
ブル道を登ると
途中に枝道があるので、そっちに向かいます。
山小屋の前の石階段ってなんでどこも段差がデカいんのでしょう。
八合目「江戸屋」に到着です。ここは閉まってました。
山小屋から下方を見下ろしてみます。何にも見えないですね。先に進みましょう。
少しだけ下山道に合流して登ります。
右手に登山道の案内が出てくるので、手前の分岐を進みます。
しばし、なだらかな九十九坂を登ると
下山道と再合流して登ります。
ビュンビュンと駆け足で降っていく下山者達を眺めつつ、えっちらおっちら登ります。
鳥居が見えてきました。
一礼してくぐると
本八合目「江戸屋」の前に出ました。
とっても有名な吉田ルートとの合流地点に到着です。やっと前半が終了といったところですね。
いいタイミングなのでベンチで昼食のおにぎりを食べていると、上空に青空が広がってきました。このまま晴れてくれないかなーと思いつつ先に先に進みます。

本八合目〜久須志神社

本八合目からは、吉田ルートが合流することで人口密度が増えます。

併せて、登山道の傾斜も上がります。

空気の薄さと相まって、ペースが落ちるかもしれませんが、焦らずに自分のペースで登ってください。

もし、息苦しさが酷いようだと高山病に罹り始めているかもしれません。

一旦、その場で休憩して様子見してみましょう。

悪化する様子が無いなら、登山再開です。

八合五勺「御来光館」を通過し、九合目「迎久須志神社(むかえくすしじんじゃ)」を過ぎたあたりから、いわゆる胸突八丁(むなつきはっちょう)と呼ばれる急坂区間に入っていきます。

富士宮ルートと違って、下山者との交差が無い分混乱は少ないかもしれません。

狛犬と鳥居が見えてきたら、十合目「久須志神社」は目の前です。

一礼を忘れずに鳥居を通過して、神社前でゴールをキメてやりましょう。

ギャラリー

見上げると、山頂方面にも青空が見えてきました。これはと期待しましたが
すぐにガスの中へ入ってしまいました。
そんなもんだよなーと思いながら山小屋前のキツい石階段を通過していくと
八合五勺「御来光館」に到着です。来季は御来光を見るために富士山小屋泊にチャレンジしようかしら。
段々と傾斜がキツくなり、渋滞気味になってきました。
昨年はこの坂もガツガツ登ったものですが、たった一年でヒーヒー言うようになってしまいました。寄る年波には勝てないですね。
たったか、たったか登っていくと九合目の鳥居の前まできました。そして雨雲の上に出たのか、陽の光が眩しくなってきます。
九合目「迎久須志神社」に到着です。
我慢できなくなって下界を眺めます。こちらが南方面です。雲海がヤバいです。
正面となる東方面です。こっちも雲海がヤバい。
これは北方面。こっちは積乱雲がヤバかったです。
見上げたら、すっかりピーカンになってました。
かなり暑くなったところを、登って行きます。
結構汗だくになりつつ登ります。
ようやく山頂直下の鳥居が見えてきました。
約一ヶ月ぶりの狛犬さん達と再会を讃え合います。また来たよー。
そして十合目「久須志神社」前に到着です。今更気が付いたですが、ここの案内も「浅間大社奥宮」なんですね。「久須志神社」は富士宮十合目の「浅間大社奥宮」の末社、いわゆるサブキャラに当たるので、こんな風な表現になるのですかね。
そして、てっぺんからの眺めです。やっぱり雲海がヤバいですね。
写真じゃ潰れて分かりませんが、真ん中ちょっとだけ雲が晴れている場所、箱根の外輪山です。知らんけど。
北の方は積乱雲が乱立してますね。山梨は荒れ模様かもしれませんね。

久須志神社〜成就岳〜砂走り

久須志神社から南へ進むと、山頂の山小屋街が見えてきます。

なんでも「山頂銀座」と呼ばれている区間のようで、この日も名前に負けないくらい多くの登山者が行き交うとても賑やかな場所となっていました。

そして「山頂銀座」を通過して、奥に見える丘を登りきったところが「成就岳」となります。

とても見晴らしの良い場所で、ちょっと登れば到達できるので、たくさんの人が登って絶景を楽しんでいました。

なお、火口側は崖になっているので、撮影に気を取られて前に出過ぎないようにご注意ください。

事前の調査では、山頂には小さな鳥居が立っているとのことでしたが、見つけることできませんでした。

撤去されたのか、小さ過ぎて見落としたのか、来季に再確認したいと思います。

ギャラリー

ザギンを通過です。扇屋さんだけ開店中で大賑わいでした。
そして成就岳に向かって進みます。
山頂近くまできたので振り返ってみました。石組の街並みが面白いですね。
下山道を見下ろしてみました。たくさんの人が駆け降りて行きます。
伊豆岳に向かう道です。お鉢巡りな方々でここもいっぱいでした。
火口をアップにしてみました。目の前が崖なので、ここまでが限界でした。
対岸の剣ヶ峰です。ここからだと概ね反対側になるみたいです。
火口に突き出ている虎岩です。影を見ると虎に見えなくも無いのかな。んー難しいです。
そして白山岳。ぽっこりです。かわいい。
上空も撮ってみました。すじ雲が舞っているようです。
関東の方向です。こちらはほとんど雲がないですね。
駿河湾の方向です。奥の方にでっかい雲が横たわってました。
30分ほど滞在してとっても満足できたので下山です。
それでは、また来季も遊びにくるねー。

砂走り〜富士急バス「須走口五合目停留所」

「成就岳」を降りると直ぐに、須走下山道があります。

須走口五合目及び、吉田口五合目へは、ここから降っていくことになります。

砂地の滑りやすい九十九坂を降っていくと、途中で須走方面と吉田方面への分岐が現れます。

吉田方面は向かって右、赤い枠で示されたルートを降っていきます。

ここで間違った方向に進んでしまうと、戻ってくるのはかなり面倒くさいのでくれぐれもご注意ください。

本七合目の山小屋まで降ってくると、登山道に合流して降ることになります。

山では「登りが優先」が暗黙のルールです。

できるだけ登ってくる人の邪魔にならないように譲ってあげつつ降りましょう。

ここ最近、「登り優先とか頑固なこと言わなくても」という意見を耳にする機会が増えてきたように感じます。

確かにTPOに沿って、下山者が先にささっと通過してしまう方が良い場面もありますが、基本は「登り優先」な気持ちで行動した方が良いと考えています。

登山を続けていると分かるのですが、登り坂を登っている時よりも、降り坂を降っている時の方が、圧倒的に視界が広くなります。

登山中は不安定な足元に注意しながら歩くことになりますので、当然そうなります。

だからこそ、早期に状況把握し易い下山者の方が配慮してあげた方がトラブルを回避し易いと思うんです。

頑張って登ってくる人を応援する気持ちで譲ってあげてくださいね。

また、脱線してしまいました。話を戻します。

七合目の山小屋まで降ると、登山道と下山道が分岐します。

七合目の山小屋まで降ると、登山道と下山道が分岐します。

ここから「砂走り」と呼ばれる区間に入り、深く積もった砂地の急坂を駆け降りていくことになります。

手慣れてこればかなりの速度で降れますが、慣れていないと急坂に手間取ってしまいスピードが落ちます。

ゆっくり降りている方が居たら、なるべく遠回りに通過してびっくりさせないようご配慮ください。

砂払い五合目と書かれた鳥居が立つ山小屋が見えてきたら、その先は樹林帯の一般的な山道に戻ります。

ゴツゴツとした火山岩が敷き詰められた不安定な足場になるので、躓かないように注意しつつ降っていってください。

30分も降ると「古御嶽神社」が見えてくるはずです。

ここまで降ってしまえば、バス停までは10分もかかりません。

バスの出発時間を抑えつつ、二つの山小屋でおやつを楽しんだり、お土産を選んだりするのも良いでしょう。

それと、おトイレも忘れずに済ませておいてくださいね。

御殿場駅までの乗車時間、なかなか長いですよ。

ギャラリー

段々と雲が晴れてきた中を下山して行きます。
下方を見ると、端っこに登ってきた九十九坂が見えました。九合目「迎久須志神社」、八合五勺「御来光館」も判別できますね。
さらに下方にあるのは、本八合目の山小屋街には規模が小さすぎるので、八合目「江戸屋」だと思います。
淡々と下山道を降っていくと
吉田ルートと須走ルートの分岐地点に到着しました。
ここを右に降りて行きます。
外人さん向けにたくさん案内が立ってました。ここ間違えると別の県に降りちゃいますからね。以前、須走五合目から乗った御殿場駅行きの路線バスで、外人さんがスバルライン五合目への行き方をドライバーに聞いている場面に遭遇したことがありました。御殿場駅から河口湖駅行きの路線バスを案内していましたが、無事に辿り着けていることを願います。
もう一段下にも案内がありました。ここまでならギリギリ戻れる距離ですね。ここを越えて降ってしまうと、かなり厳しいでしょう。
さらに九十九坂を数回折れ曲がっていくと、ブル道と山道との分岐が見えてくるので山道へ。
ここから登山道と兼用となっている道に入ってきます。登ってくる人に注意です。
少しだけ雲が開けて下界の様子が覗き見できました。あの街並みはどこだろうか。
本七合目「見晴館」まで帰ってきました。
登るときに苦労した階段を駆け降りて
滑りやすい砂道を降って行きます。
半日しか経ってないはずなのに妙に懐かしい「須走口七合目」の案内の前を通過すると
七合目が見えてきました。
七合目「太陽館」です。
ここから、改めて下山専用の下山道へ入ります。
ブル道との交差地点を通過してしばらく進むと
左に折れるようロープが貼られた場所が見えてきます。
案内どおりに進んでいくと
大きくカーブしながら急降下していく区間が見えてきます。
ここからが「砂走り」の核心部です。大砂走り以上に急勾配な下り坂を駆け降ります。
大砂走りと異なり、砂の中に大石や岩が混じっているので、足を落とす時には落とす場所を慎重に選んでくださいね。
駆け降りている最中に、自衛隊の演習場と思われる広い空間が見えてきました。段々と見える範囲が広がってきているようで、今日のお泊まり組は綺麗な夜景が見えそうです。羨ましいな。
ちょっとカーブしたら
段々と砂の浅い区間になって行きます。ドカドカと降りていたのを小刻みに足を下ろすように調整します。
調整のついでに振り買ってみると山頂方面がハッキリ見えていました。
ペースダウンしつつ砂払い五合目の山小屋前に到着です。
学生さんと思しき団体が休んでいたので、邪魔しないように先に進みます。
ここから普通の下山道になって行きます。
滑りやすい道を降って
いい塩梅のところで振り返って見納めの山頂を眺めます。来季まで登頂はしないですが、五合目付近には来る気満々なので、正確には見納めにはならないんですけど。雰囲気です。雰囲気。
途中で学生さん達にごぼーぬきにされつつ、ノロノロ降りていくと今朝通った分岐まで降りてこれました。
ここからゴツゴツな山道を降りていくと
標高2,000mの案内を発見。もう五合目は間近と言うことですね。
「古御嶽神社」が見えてきました。学生さんたちもちゃんとお参りしてくれていて、なんだか嬉しいですね。
わたしも下山のご報告をしていきます。
石階段を下ると
エラい光量のランプがたっていて、スタッフの方々がご挨拶してくれました。ありがたいことです。
ガスが出てきた石畳の道で、学生さん達が点呼を取り合ってたので端っこを通過させてもらいます。
山小屋達の前まできました。時間は17時、9月の富士山山中はもう暗いんですよね。山小屋も灯りをつけて営業していました。
五合目の案内の先にうっすらバスが見えるのですが、回送モードだそうで時間までバス停の前で待機します。
バス待ちしていると、先ほどの学生さん達も並び始めて、賑やかな雰囲気になっていきます。何かの会話で女の子が言ってた言葉が印象的で「今一番嫌なことは、年取ること。理由は40代のおじさん達ってみんな目が死んでるから」みたいなことを言ってて、思わず自分のことかと振り返ってしまいました。よくよく考えれば、わたしはもう50歳になってる訳なので対象外でしたね。ちょっとうぬぼれが過ぎました。世の中の目が死んでる40代のおじさん達、ごめんなさい。
そしてバスが到着しました。いつものしましまカラーのバスと違っててちょっと新鮮でしたが、今回はこのコで駅まで連れてってもらいました。ありがとうございます。お疲れ様でした。

おまけ

今回も汗やら埃やらで全身ベトベトになってしまったので、御殿場駅の「人参湯」に寄り道して行きました。

こじんまりした大衆浴場ですが、体を洗って温まるだけならそれでも十分です。

19時の夕飯時に立ち寄ったからか、わたし含めて2名だけだったので広々とお風呂を使えて、快適でした。

「人参湯」の詳しいことは、次の記事にまとめてますので、併せて読んでいってくださいね。

ギャラリー

もうすっかり暗くなってしまいましたが、遅くまでやっててくれて助かりました。
全然気がつきませんでしたが、夏場は1時間早く営業しているのですね。そして来週からは15時からの営業に戻るそうです。
汗も流してさっぱりしたところで、御殿場駅の早乙女口へ向かいます。こちら側に新宿行きの高速バスが止まるんです。
最終一つ前の便に乗ることができました。席はガラガラだったので、ザックの持ち込みも余裕でした。ありがとうございます。お疲れ様でした。

まとめ

富士山須走ルートから成就岳へ登頂した様子でした。

9月になってからの富士登山ということで、寒いだろうと身構えていたのですが、雲を抜けて山頂に到達してしまうと晴天で暖かく、意外にも快適に過ごすことができました。

そして、成就岳の山頂では外国の方がいっぱいお昼寝していたのが印象的でした。

「久須志神社」から10分ほどで登れて、展望にも優れていて、居心地もとても良い場所なので、お鉢巡りの途中にちょっと寄り道してみるのも悪くないです。

来季、吉田ルートや須走ルートで登頂を目指しているようでしたら、是非、ご検討くださいね。

それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。

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