以前、訪れたことのある石廊崎。
その日は天候に恵まれずに、青い海と白い雲だけを眺めるだけで帰ってきてしまいました。
今回はそのリベンジということで再訪してきた様子になります。
快晴とまではいかなかったものの、青く広がる水平線に点在する島々や、岩礁にぶつかり白い飛沫をあげる荒波を眺めることができました。
その後は、石廊崎よりも更に西へ歩みを進めて、奥石廊崎エリアより秘境感溢れる絶景を楽しんでから、反転して弓ヶ浜までの海岸線を歩いて帰ってきました。
石廊崎、奥石廊崎共に、日本の本州に居ながら絶海の孤島の雰囲気を味わうことができる面白いエリアとなっています。
是非、本記事を最後まで読んで、その面白さを味わっていってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2023/8/5
天候:晴れ
エリア:伊豆エリア
コース概要:東海バス「石廊崎オーシャンパーク停留所」〜石廊崎〜石廊崎灯台〜石廊崎オーシャンパーク〜ユウスゲ公園〜あいあい岬〜石廊崎港〜手石港〜弓ヶ浜大橋〜湊区営公衆浴場「みなと湯」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)伊豆急行線「下田駅」から、東海バスで「石廊崎オーシャンパーク停留所」へ向かい、そこからスタート
(帰)「弓ヶ浜温泉停留所」から、東海バスで伊豆急行線「下田駅」へ向かい、そこから帰路へ
概要
石廊崎(いろうざき)
「石廊崎」は、静岡県賀茂郡南伊豆町にある伊豆半島最南端の岬です。
太平洋に突き出た最突端から、北を除いた三方に向かって広大な太平洋への眺めを楽しめます。
天候に恵まれれば、伊豆七島や神子元島などを見渡すことができ、且つ、タイミングが合えば赤青黄緑4色に塗られた楽しい見た目の遊覧船が眼下をのんびり通過していく様子も観察できます。
その他、最突端には縁結びに御利益があると言われている「熊野神社」に、岩の中にめり込んだように建っている「石室神社」、白亜の塔よろしく岬の高台に建つ「石廊崎灯台」と見所満載で、しっかりみてまわれば1時間はかかるだろう観光スポットとなっています。
岬の玄関口「石廊崎オーシャンパーク」には、伊豆半島ジオガイド協会認定のガイドさんが詰めており、当日受付OKでガイドしてくれるようです。
ガイド同伴でないと入ることのできない特別コースもあるらしいので、お時間に余裕があれば頼んでみるのも面白いかもしれませんね。
関連リンク
南伊豆町営施設「石廊崎オーシャンパーク」公式HPのURLを載せておきます。詳しくは、こちらを合わせてご確認ください。
奥石廊崎(おくいろうざき)
「奥石廊崎」は、石廊崎から西へ徒歩で30分、車なら5分ほど進んだ先のエリアで、ユウスゲ公園、あいあい岬といった展望スポットを持つ場所です。
ここからは、中木から入間に向かっての荒々しい岩礁や島々の様子や、ヒリゾ浜と大根島に挟まれた狭い海峡の様子を眺めることができます。
また、6月末〜8月中旬にかけての期間は、ユウスゲという花の咲く丘となるようで、夕暮れ時の午後18時あたりから翌日午前9時ぐらいまでの時間帯に訪れることができれば、淡い黄色の花々と一緒に、奥石廊崎の絶景を楽しむことができるようです。
なお、最寄りのバス停として「愛逢岬停留所」がありますが、一日に数本しか止まらず、午前9時から午後13時と限定的な時間帯となっているのでご注意ください。
関連リンク
南伊豆町公式HPの奥石廊崎を説明しているページのURLを載せておきます。こちらも、合わせてご覧ください。
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 110 m
最低点の標高: 0 m
累積標高(上り): 908 m
累積標高(下り): -948 m
総所要時間: 05:56:38
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の場所になります。
- 石廊崎
- ユウスゲ公園
- あいあい岬
石廊崎
今回の山行ルート上の展望ポイントの一つ目は「石廊崎」です。
北を除いた、東西南と太平洋が広がり、東西の両岸には南伊豆特有の急峻で複雑に入り組んだ海岸線を覗き見ることができます。
正面にあたる南には、伊豆七島が見えるようでしたが、お天気に恵まれずこの日は雲に覆われて、大海だけが広がっていました。
手前にある「石廊崎灯台」足下からも類似する展望を望めますが、海面への近さが違いますので、是非、最突端まで降りてみることをお勧めします。
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Instagamにアップしたプチ動画も一緒に見ていってくださいね。
ユウスゲ公園
今回の山行ルート上の展望ポイントの二つ目は「ユウスゲ公園」です。
あいあい岬より徒歩で5分ほど東へ向かったところにある小高い良い丘で、てっぺんにある展望台からは、あいあい岬を見下ろすことができます。
その奥に続く、中木から入間に向かっての荒々しい岩礁たちへの眺めもバッチリです。
反対側にも展望台があり、こちらからは石廊崎方面に広がる太平洋や伊豆諸島たちを眺めることができました。
どちらの展望台にもベンチが備え付けられているので、展望を眺めつつ一息入れるにはもってこいの場所です。
気をつけたい点としては、海からの潮風が直接噴き上げてくるため、結構風が強い点でしょうか。
帽子やタオルを飛ばされると、回収が絶望的になる可能性があるので、そのあたりはしっかりと管理するようにしてくださいね。
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あいあい岬
今回の山行ルート上の展望ポイントの三つ目は「あいあい岬」です。
岬という名前が付いてはいますが、石廊崎のように海に出っ張っているわけではないので孤島感は全くありません。
その地に立っているカフェの駐車場の端っこから、海への展望を楽しむ形となります。
この場所も大きく二つ展望に優れたポイントがあり、それぞれ、次のようなものとなっています。
- カフェの真後ろからの大根島とヒリゾ浜への眺め
- 駐車場端っこからの中木・入間への眺め
上記の大根島やヒリゾ浜への眺めについては、正直、ユウスゲ公園からの道中で眺めた方が秘境感マシマシで更に良い感じでしたが、中木・入間方面への眺めは距離が近いこともあり、荒波までしっかりと見ることができて大満足な展望でした。
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注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、特にありません。
強いてあげれば、車道を行き来する車に注意するといったところになります。
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
山行中のコンディション
- 天候:晴れ
- 気温:34〜35℃
- 活動場所:標高0〜80m
行動時の組み合わせ
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:無し
- アウター:無し
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
停滞時の組み合わせ
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:無し
- アウター:無し
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
公共機関移動時の組み合わせ
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:無し
- アウター:無し
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:無し
今回は、家から出るときから家に帰るまでずっと半袖Tシャツで過ごしました。
この日は蜃気楼が見える炎天下。頭に巻いた手拭いも吸い取りきれないほどの汗となってしまい、道中、目に染みて困りました。
こういう時は、素直に帽子をかぶっておいた方がよかったかもしれません。
それと、車道歩きがメインになるなら半ズボンという選択肢も悪く無いかもしれません。
わたしの場合は、フラッと草むらを通過してしまうことがあるので、葉っぱで足元を切らないように長ズボンにしてますが、そういう道を通らないなら短パンでもイケのかもしれません。
周囲からしてみれば、おっさんのナマ足はちょっと勘弁と思われるかもしれませんけどね。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
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山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、東海バス「石廊崎オーシャンパーク停留所」からの歩いてスタートすることとしましたので、「東京駅」からのアプローチは次の通りとなります。
- 「東京駅」から、JR東海道本線沼津行きに乗り込み、「熱海駅」へ
- 「熱海駅」から、JR伊東線伊東に乗り込み、終点の「伊東駅」へ
- 「伊東駅」から、伊豆急行線下田に乗り込み、終点の「下田駅」へ
- 「下田駅」から、東海バス石廊崎オーシャンパーク行きに乗り込み、終点の「石廊崎オーシャンパーク停留所」へ
スタート地点となる、石廊崎オーシャンパークにはおトイレ完備なので、出発直後はそちらをお借りすることにして、道中のおトイレタイミングはあまりシビアに考えずに移動していました。
必要により、東海道本線や伊東線の車内おトイレ、各乗り換え駅の構内おトイレをお借りする感じで問題ないでしょう。
身支度についても、オーシャンパーク備え付けのベンチの一つをお借りすると良いかと思います。
念の為、ガイドの方に利用させてもらう確認はしておくと良いかもしれません。
諸々、準備が整ったらスタートしていきます。
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東海バス「石廊崎オーシャンパーク停留所」〜石廊崎
石廊崎オーシャンパークのウッドデッキを奥に歩いていきます。
ここからは一本道なので迷うことは無いでしょう。
石廊崎特別地域観測所、石室神社の鳥居、石廊崎灯台と通過していくと石廊崎の突端に到着です。
ここには縁結びにご利益のある熊野神社があるので、良縁を望むようでしたらお参りしていくと良いでしょう。
突端部分は5人ぐらいが詰められる展望台となっていて、断崖絶壁の上から伊豆最南端の絶景を楽しむことができます。
人気の観光スポットということで、かなりの人数が行き来するので、接触事故には注意して眺めをたのしむようにしてください。
一通り楽しんだら、石室神社にてご挨拶をして、一段上にある石廊崎灯台へと向かいます。
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石廊崎〜石廊崎灯台〜石廊崎オーシャンパーク
石廊崎の突端から来た道を戻り、石廊崎灯台へと向かいます。
白亜の綺麗な灯台ですが、高さはそれほどではなく、三階建ぐらいの小ぶりな灯台です。
それでも、見通しの効く岬の上に立っているので、かなり遠方からも目につくんだろうなと思います。
なお、灯台に登ることはできないようなので、その足元から海を見下ろすといった楽しみ方となります。
石廊崎の先端部分から離れていないため、見える方位は同じものになりますが、こちらの方が目線が高く、より遠くまで見通せるのがポイントになるでしょうか。
特に、石廊崎港から出てくる遊覧船を眺めるには最適な場所になっているので、遊覧船が出航している日は、出航時間に合わせて待機していると船を含めた写真を撮ることができるかもしれません。
チャレンジしてみてくださいね。
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石廊崎オーシャンパーク〜ユウスゲ公園
オーシャンパークの駐車場を通過して車道を進むと、行楽施設と思われる廃墟が見えてきます。
2003年に閉鎖されたレジャーパーク、石廊崎ジャングルパークの跡地なんだそうで、放置された建物がいくつか廃墟として残っていました。
そんな中を通過していくと、石廊崎オーシャンパークの入り口にあたる石廊崎上停留所が見えてきます。
ここを西伊豆方面へと進むことになります。
30分ほど黙々とすすんでいくと、長津呂歩道への入り口が見えてきますが、スルーして直進するとユウスゲ公園の入り口に到着です。
5分ほど坂道を登ることで、奥石廊崎を一望できる展望台に到着です。
ベンチもあるので、海への展望をつまみにちょっと長めの休憩を入れると良いでしょう。
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ユウスゲ公園〜あいあい岬
「ユウスゲ公園」から降りてきてたら、そのまままっすぐ「あいあい岬」へと進みます。
大根島の横目に5分ほど進むと、「あいあい岬」に到着です。
白いカフェが立っており、駐車場の端っこから海への展望を楽しめる場所となっていて、主にというかほぼ全員マイカーで訪れている方々でした。
お土産スペースもあり、伊豆にちなんだ民芸品的な何かが売ってましたが、賑わう店内にデカいザックで入店するのは邪魔になりそうだったので自重しました。
このまま車道を進むことで中木まで降りられるみたいでしたが、今回はここで引き返して、弓ヶ浜まで戻ることにしました。
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あいあい岬〜石廊崎港
「あいあい岬」を後にして、来た道を戻ります。
「ユウスゲ公園」の前を通過して、緩い登り坂を登っていくと、30分ほどで石廊崎オーシャンパークへの入り口に到着します。
ここから、更に反対側へ降っていきます。
村落の合間を進んでくと、トンネルが見えてくるので通過してすぐを右折します。
そのまま、坂道を降った先が「石廊崎港」になります。
漁港なので、泳げるようなスペースは無く、基本は船着上になっているみたいでした。
この日はここから出航する観光船は終日欠航。
特に見るものが無いので、更に先に進んでいくことにしました。
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石廊崎港〜手石港〜弓ヶ浜大橋〜湊区営公衆浴場「みなと湯」
「石廊崎港」を後にしたら、あとは淡々と車道を進んでいきます。
大瀬、下流と海岸線を進み、弥陀山トンネルを潜れば、弓ヶ浜海岸の見える手石港に到着です。
このまま弓ヶ浜海岸まで直進できれば楽なのですが、青野川を渡る必要があるので、橋のある場所まで内陸を進みます。
水産センターを通過して、川沿いを進んでいくと弓ヶ浜大橋が見えてくるので渡ります。
そのまま、弓ヶ浜海岸方向に村落を抜けていくと、湊区営公衆浴場「みなと湯」に到着です。
ここから弓ヶ浜海岸までは徒歩5分というところでしたが、汗まみれの体を綺麗にしたかったので、今回はここをゴールとしました。
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おまけ
今回は前出の通り、湊区営公衆浴場「みなと湯」に寄り道して汗を流してきました。
弓ヶ浜海水浴場から歩いて5分の距離なので、海水浴帰りの方が多く立ち寄っている印象がありました。
内風呂一つだけなので、長風呂して楽しむといった類の施設ではありませんが、シャンプー、リンス、ドライヤーと汗を流すには十分なアメニティが揃っていて、大人一人600円の価格はさすが公営施設といったところです。
湯船のそこに少し砂があるのは、場所柄仕方ないところでしょうか。
バス停から近いのも地味に助かるところでしょう。
この辺りは、路線バスの間隔が概ね1時間と余裕があるので、サッとひと風呂浴びてから帰るという使い方ができそうですね。
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おまけ2
帰路にちょっとしたアクシデントがありました。
東海道本線で一つ前を行く車両が電線と絡まり、その拍子で倒れた電柱と激突したとのことで全線運行中止となり、線路内を歩くこととなりました。
JR職員の方々にハシゴを出してもらい線路に下ろしてもらいましたが、電車の車高は結構高いんだなというのを実感することができました。
幸運にも、停車していた位置が藤沢駅から出てすぐの距離だったので、線路内を歩いた時間は5分程度、
小田急線の停車駅だったこともあり、乗り換えもスムーズに帰宅することができました。
JR職員の方々、アクシデントに巻き込まれた方々、皆様お疲れ様でした。
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まとめ
南伊豆の「あいあい岬」「ユウスゲ公園」で、奥石廊崎の荒れ味な絶景を眺めてきた様子でした。
石廊崎と中木の丁度中間地点となる奥石廊崎エリアは、路線バスが少なくマイカー組以外は訪れる機会がほとんど無いだろうと思います。
確かに、石廊崎の絶景だけでも十分に満足できる景観なのですが、少しだけ足を伸ばすことで更にグッとくる眺めが楽しめるので、ウォーキングついでに赴いてみてくださいね。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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