インターネットを眺めていたら「子抱き富士」なんてキーワードを見つけました。
富士山を取り囲む富士五湖の中でも一番小さい「精進湖」や、その周辺の山々から見ることのできるちょっと変わった眺めとのことらしく、興味が湧いたので現地に赴いて確認してきてみました。
今回は、そんな精進湖周辺を歩いたときの記録です。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
概要
精進湖
精進湖は一周約5kmの富士五湖内で一番小さい面積を持つ湖です。
そのためか、河口湖や山中湖、本栖湖といった大観光地と比べるとのどかな雰囲気を残した場所となっています。
それでも、景観は富士五湖一番と言われていて、先に述べた湖たちに比べて景観を損なうような人工物がほとんど無く、富士山、湖そして樹海といった大自然そのままの景観を楽しむ事ができます。
湖畔にはキャンプサイトが多数存在していて、テントを貼りってのんびりしつつ、貸しボートに乗って釣りを楽しんだり、湖畔バーベキューで盛り上がったりといったアウトドアを楽しむこともできます。
ちなみに、この珍しい名前の由来ですが、むかし富士山に詣でるときにこの湖で沐浴し精進潔斎したからということらしいです。
子抱き富士
「子抱き富士」とは、精進湖やその周辺の山々から見ることのできる特別な眺めの呼称です。
富士山手前に存在する大室山が、富士山に抱かれた子供のように見えることから、このように呼ばれるようになったそうです。
特に、精進湖にある山田屋ホテル前の湖畔から見た眺めが秀逸です。
一番手前に湖面、中間に樹海とその中に浮かぶ大室山、背景に末広がりな富士山という、この場所でしか見ることのできない珍しくも素敵なグラデーションを形作っています。
そして、桜や紅葉の時期は更に映えるとのことです。
パノラマ台
精進湖を取り巻く山々の中でも、展望に優れる一番人気のビュースポットです。
正面には、富士山と大室山による「子抱き富士」と眼下に広がる広大な樹海の深緑。
左手には、西湖と河口湖、それらを取り巻く山々への眺望。
右手には、本栖湖と周囲の山々の様子。
山中湖だけは目視確認ができませんでしたが、名前負けしない大パノラマが楽しめます。
それだけに、滞在している登山者は多いので昼食をここでと考えている方は、時間帯をずらすなどの工夫は必要かもしれません。
なお、昭文社の地図にはトイレ設備があるように記載されていますが、実際に現地では見かけること無かったのでご注意ください。
今回の山行ルート
地図上の位置と標高
地図上での位置や標高は次のとおりです。
歩いた軌跡
実際に歩いた軌跡は次のとおりです。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
山行の記録
ここからは、今回の散策について述べていきます。
アプローチ
今回のアプローチは、富士急行線「富士山駅」からとなります。
都内からだと、中央線で終点高尾駅まで赴き、そこから松本行の普通便に乗り換えて大月で行きます。
大月からは富士急行線に乗り継いで、同線の富士山駅で下車する行程です。
富士山駅からは、駿河湾方面「新富士駅」行きのバスに乗り込んでいくことになるのですが、この方面のバス便は始発でも8時57分と大分遅めの時間帯になるので、予め考慮した山行計画を立てておく必要があります。
バスに乗り込んだらバス停「本栖湖レストハウス前」まで向かいます。
今回、ここを最寄りのバス停としましたが、パノラマ台だけを目指すなら、もっと手前の「パノラマ台前」で下車したほうが、行動時間を確保しやすいでしょう。
ただ、「本栖湖レストハウス前」側にも利点が2つあって
- 展望に優れたもう一つのピーク、烏帽子岳にも立ち寄れる
- バス停目の前にきれいなトイレ設備があり、見繕いしやすい
という点から、出発時間は遅くなりますが、こちら側を使ったほうが捗るように感じました。
ギャラリー
車窓からの風景も載せておきますので、雰囲気味わってみてください。
バス停「本栖湖レストハウス前」~烏帽子岳~パノラマ台
見繕いが終わったら、本栖トンネル方面に進みます。
途中まで歩道が並走しているのですが、5分ほど歩くと車道のみとなりますので注意しつつ進むことになります。
トンネルが見えてきたら、右手手前にパノラマ台登山口の看板がみえてきますので、その案内に沿って進んでいきます。
ここから山道に入っていきますが、分岐には必ず案内が出ていますし、山道もしっかり整備されているので難儀することはないでしょう。
木々の間から富士山や本栖湖を眺めながら30~40分ほど登ってくと最初のピークとなる烏帽子岳にでます。
ここもなかなか眺望に優れていて、ここで停滞してもいいかなと思うくらいに素晴らしい眺めを堪能できますが、まだはじまったばかりなので、一望したら先に進みます。
パノラマ台までの道のりは明るい尾根道で、ここも危険地帯はありません。
2,3のアップダウンを繰り返すと、パノラマ台に到着できます。
わたしの場合に限らず、この区間はかなりあっさりと踏破できてしまうのではないでしょうか。
パノラマ台からの眺めは流石と言えるもので、こちらの眺めを体験してしまうと先ほど通過してきた烏帽子岳からの眺めも見劣りしてきてしまいます。
ただ、かなり名前の通ったビュースポットだけに訪問者は多く、レジャーシートを敷いて寛いでいる方なんかもいらっしゃいます。
邪魔にならないように、一通り展望を楽しんだら速やかに移動してしまいましょう。
ギャラリー
パノラマ台~三方分山~バス停「精進」
パノラマ台から三方分山までの道のりに入ると、ようやく山道を歩いている感がしてきます。
よじ登るまでではないにしろ、それなりに傾斜のあるアップダウンや、危険地帯を表すロープなど、よくある山道の雰囲気がでてきます。
そして、1時間30分ぐらいでしょうか。歩き続けていくと、今回の山行では最高峰となる三方分山に到着します。
この名前も珍しいですが「さんぽうぶんざん」と呼ぶらしく、近隣の3つの村を分ける中心に位置していることから、この名前がついたようです。
アプローチも3方向あって、
- 今回たどってきた南方面からの尾根道
- これから下山ルートに使う西方面からの尾根道
- 甲府方面に抜けていく北方面からの尾根道
となっています。
このピークからは精進湖と富士山のコラボを楽しむことができます。
パノラマ台に比べれば人手は少ないように感じましたので、パノラマ台を避けて、こちらで休憩を入れるというもの悪くないでしょう。
ここからは女坂峠まで降下して、そのまま精進湖湖畔に向けて更に降下していくルートをとります。
少し急な下り坂なので、滑らないように気をつけて降るようにしてください。
また、途中通過する集落の中に「精進の大杉」というスポットがあるので、立ち寄ってその大きさを体験していくのも良いかもしれません。
ギャラリー
おまけ
今回の立ち寄り湯は、山田屋ホテルという宿泊施設です。
子抱き富士の撮影スポットとなっている湖畔の目の前に立っている、すこぶる立地に優れた施設です。
外観は、昔なつかしい赴きのある感じですが、内装も負けず劣らず懐かしい感じでした。
料金の方は、日帰り利用で大人一人800円とリーズナブルで、内風呂だけでなく外風呂もあり装備的にも十分でした。
お風呂でさっぱりしたら、ホテル前の湖畔に降りて、ここだけで見ることができる絶景を楽しむことにします。
残念ながら風が強くて逆さ富士とはなりませんでしたが、今回の見たかった子抱き富士はバッチリ確認できました。
よかった。よかった。
まとめ
精進湖と取巻く山々の様子でした。
今回初めて精進湖まで来てみましたが、都内から公共交通機関でアプローチするには手段が少なく、日帰り向きでは無い感じでした。
行動時間は短めにして、ゆっくり休んで過ごす時間を多めにとった計画にしておくと融通が効いて良いかなと思いました。
あたなも日頃の喧騒を忘れて、大自然豊かな精進湖でゆっくり過ごしてみるのはいかがでしょうか。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。
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