登山を始めるにあたって面食らうものに登山ウェアの価格がありますよね。
対して着もしないレインウェア一式で5万円とか、薄っぺらいウィンドブレーカーが1万円以上するとか、軽い気持ちで購入するには躊躇してしまうものが多くて困ってしまうかと思います。
「これから長く続けるかもわからないし、ひとまずは安いスポーツウェアで代用しちゃえばいいかな?」
そんな風に考えてしまうのも仕方の無いことだと思います。
でも、少し待ってください。
本当に量販店においてある値段だけ安いスポーツウェアなどで良いんでしょうか。
ここでは、山で着る服を安いだけで選んで欲しくない理由ということで、値段だけで選んでしまうことによって発生するリスクについて説明していきます。
合わせて、安く揃えるポイントについても紹介しますので参考になさってください。
山で着る服を安さだけで選んで欲しくない3つの理由
それでは早速、山で着る服を安さだけで選んで欲しくない理由のうち3つをお伝えしていきます。
安いウェアは速乾性が高くない
山で着る服を安さだけで選んで欲しくない理由の1つ目は「安いウェアは速乾性が高くない」からです。
登山はハードな活動なので、想像していたよりも汗をかきます。
夏場はもとより、冬場の気温マイナスの状況でも往路では背中がじっとり汗ばんでくることなんてしょっちゅうです。
そして、休憩などで停滞したときにこの汗が風によって冷やされて、からだの熱を奪っていきます。体は奪われた体温をもとに戻すために筋肉を収縮させるのでそのためのエネルギーを余分に使うようになっていきます。
こうなると、いっぱい休憩入れているのに何故か疲労が抜けなかったり、ひどいときには低体温症を誘発してその場から動けなくなったりと活動に支障をきたす可能性が出てきて危険です。
このため、登山ウェアの重要な機能に速乾性を上げる人は少なくありません。
安いウェアには、この速乾性をあまり考慮していないウェアというのも少なからず存在していて、例えば、作りの悪さからくるゴワつきをごまかすために乾きづらい綿素材を多く含むウェアがあるので注意が必要です。
また、速乾性を考慮して化繊素材100%としているウェアであっても、ニオイ対策がまったくとられていない場合もあり、洗濯したのに汗臭さが取れず
「もう一度着るのはカンベン」
となってしまうことも十分にありえます。
特にこれから登山を始めるといった段階では、綿を含んだウェアがどれだけ冷えるのか、ポリエステル100%の服がどれだけニオイを含むのかといった自分なりの指針が無いので判断できないと思いますので、寧ろ最初は名の通ったアウトドアメーカーのウェアで揃えることをおすすめします。
安いウェアは伸縮性があまりよくない
山で着る服を安さだけで選んで欲しくない理由の2つ目は「安いウェアは伸縮性がよくない」からです。
ウェアの伸縮性は動きやすさを確保するのに大切な機能です。
登山は歩くだけなので上半身はそんなに動かさないと思いがちですがそんなことはありません。
常時、舗装されていない足場を歩くことになるのでバランスをとるために上半身も思った以上に動かすことになりますし、場所によっては岩や木を潜り抜けないとダメな場所があったりと全身運動になることが多いです。
このとき、ウェアが邪魔で動きづらいと転倒や滑落の原因にもなりかねないので、可能な限り動きやすいウェアを準備するほうが無難になってきます。
安いウェアでは、この伸縮性もいまいちなものが含まれていて、ひどいものだと伸びたら伸びっぱなしで戻らないようなウェアも含まれます。
こうなってしまうと、また新しいウェアを購入することになるので、寧ろお金が余計にかかってしまうことになります。
特に登山し始めのタイミングだと、山での歩き方などが定まっていないので、余計に体が動くシーンが多いと思いますので、最初から安価なウェアで揃えるというのは、わたしはおすすめしません。
安いウェアは丈夫さに不安がある
山で着る服を安さだけで選んで欲しくない理由の3つ目は「安いウェアは丈夫さに不安がある」からです。
登山での活動は常に自然の中を移動することになるので、ウェアを擦ったりひっかけたりというのは年中です。
このため、歩行中にズボンの裾に穴が空いたり、袖が解れたりということが起こってきます。
安いウェアは、価格をおさえるために裁断、裁縫に力を入れていないウェアが多く、少しこすれただけで破けてしまったり、最初は小さな穴だったはずが移動を繰り返しているうちに裂けて大穴になってしまうといったことが起こりえます。
街中であれば、量販店を探してその場で買い替えるといったこともできますが、山中ではそうもいきませんので、最初から安心できるアウトドアメーカーのウェアを選ぶことをおすすめします。
そうは言っても、
「安いウェアを購入するのにリスクを伴うのはわかったけど、お金に余裕無いから仕方ない」
という声が聞こえてきそうなので、次章では山で着る服を安く揃えるためのポイントについて紹介します。
山で着る服を安く揃えるポイント
山で着る服を安く揃えるポイントは次の2つです。
必要最低限から揃えていく
山で着る服を安く揃えるための1つ目のポイントは「必要最低限から揃えていく」です。
登山ウェアは、用途別に様々な種類のものが豊富に存在しています。
しかし、自分のレベルにあった山行ではまず使わないだろうというものも含まれます。
また、山で着る服装はレイヤリング(重ね着)が基本となるので、あり合わせのウェアを着合わせることで、対応可能になることもあります。
例えば、初夏の低山にしか行かないのであればダウン製品などは不要になりますし、夏服複数持っているようだったら重ね着することで、春口、秋口の山行に対応できる場面も出てきます。
また、レインウェアをウィンドブレーカーや防寒着の代わりに使うといった人も多いです。
このため、最初は基本装備としてインナーとしてTシャツ一枚、ミドルウェアとして長袖シャツ一枚、アウターとしてレインウェア一式と最低限のウェアだけを揃えて、あとは山行に行ってみて必要だと感じたタイミングで追加購入していく戦略をおすすめします。
こうすると、無駄なウェアを購入しなくて済むので、結果的に安く抑えられるようになると思います。
アウトレット品を狙う
山で着る服を安く揃えるための2つ目のポイントは「アウトレット品を狙う」です。
何か物を購入するときの定番の戦略ではありますが、シーズンの売れ残りや型落ちを狙うと安く抑えられます。
有名なところでは、モンベル社のファクトリー・アウトレットというのがあります。自社の売れ残り品、型落ち品をアウトレット品としてオンライン販売しています。以下にURLを載せておきます。
そのほかにも、近所にアウトドア用品を扱う量販店があるようだったら季節の切り替えのタイミングに型落ちセールなどを開催しているところもあるので覗いてみるのもよいでしょう。
メルカリやヤフオク、個人経営のオンラインショックなどでもアウトレット品を取り扱っているところがありますが、わたしは利用したことはありませんのでここでの説明は差し控えます。
まとめ
登山に使えるようなしっかりとしたアウトドア用の服は、どうしても値段が高くなる傾向がありますが、その分長く使い続けることができます。
わたしの使っている半袖のインナーウェアも、購入後10年以上経ちますが、未だに現役で活躍してくれています。コスパを考えたら、こちらのほうが安上がりですよね。
それに、長い間大事に同じものを使い続けてるって、すごくかっこいいと思うんですよね。
あなたも「この服、登山始めたころから使ってるんだよね」なんて言える「やまや」を目指してみませんか?
ぜひ、安さだけで判断せずに長く使える良いものを選択してくださいね。
ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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