上高地バスターミナルといえば、槍・穂高連峰の山々へアクセスする際の主要ターミナルとして有名です。
そして、ここからさまざまな温泉街へ向けての路線バスが出ているので、登山後にはそれら温泉街に向かって、山行後の疲れを癒してから帰るというのが定番プランになっています。
今回はそんな下山後に立ち寄れる温泉、平湯バスターミナル隣接の「ひらゆの森」を紹介します。
公共の入浴施設ということで、格安で温泉に入れるだけでなく、平湯バスターミナルから高速バス一本で都内まで戻ってこれる、とても利便性の良い入浴施設になっています。
上高地方面に下山した際には、非常におすすめなお風呂なので、是非、この記事を読んで立ち寄ってみてもらえたら幸いです。
- 綺麗なお湯できれいになりたい人
- お安く温泉に入りたい人
- 温泉といえば源泉掛け流しな人
- 静かに温泉に入りたい人
- 露天からの眺めを楽しみたい人
- 足ツボマッサージが苦手な人
基本情報
まずは、基本情報です。
施設名:ひらゆの森
住所:岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763-1
電話:0578-89-3338
営業時間:10:00~21:00(受付は20:30まで)
定休日:無休
湯船の種類:内風呂、外風呂、サウナ
無料設備:シャンプー、リンス、ボディソープ、ドライヤー
有料設備:貸タオル、貸バスタオル、カミソリ、コインロッカー
登山者向設備:大きなロッカー✖️、ザック置き場✖️、大きな靴入○、靴洗い場✖️
宿泊設備:○
駐車場:○(専用無料駐車場)
客層:単独、グループ、ファミリー
※最新情報は、公式HPをご確認ください。
泉質情報
そして、一番知りたい泉質情報です。
「ひらゆの森」は二つの源泉からお湯を摂取している贅沢な温泉施設です。
それぞれ以下のような成分となります。
源泉名:ひらゆの森の湯と沢水との混合泉
泉質:カルシウム・ナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩・塩化物泉(低張性中性高温泉)
水素イオン濃度(pH):6.7
湧出量(リットル/分):-
泉温(℃):67.7
飲用:×
泉質別適応症:きりきず、抹消循環障害、冷え性、皮膚乾燥症、うつ状態
源泉名:水石の湯と沢水との混合泉
泉質:カルシウム・ナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩・硫酸塩泉(低張性中性高温泉)
水素イオン濃度(pH):6.0
湧出量(リットル/分):-
泉温(℃):57.8
飲用:×
泉質別適応症:きりきず、抹消循環障害、冷え性、皮膚乾燥症、うつ状態
泉質の特徴
前述のように「ひらゆの森」には二つの源泉があります。
このため、湯船によって白く濁っていたり、透明だったりと見た目から変化があるお風呂を楽しめます。
また、どちらの源泉も硫黄泉とは掲示されていませんが、しっかりと硫黄臭がするので、規定値ギリギリの線まで硫黄成分も含んでいるものと思われます。
ただ、脱衣所に掲示されていた成分表には記載されてませんでしたので、硫黄泉の適応症はここでは考えないことにします。
そのようなわけで、「ひらゆの森」の泉質をまるっとまとめてみると以下のような特徴をもった温泉と言えます。
「ひらゆの森」の特徴
- 温まりの湯
- 傷の湯
- 美肌の湯
- 清涼の湯
- 脳卒中の湯
各成分の主な効果
- 炭酸水素塩:美肌効果(美肌の湯、清涼の湯)
- 硫酸塩:傷・火傷の治癒効果(傷の湯、脳卒中の湯)
- 塩化物:殺菌効果(温まりの湯、傷の湯)
湯船毎の特徴
泉質の特徴がわかったところで、ここでは湯船毎の特徴についてを述べていきます。
湯船の種類は、内風呂と露天風呂の二種類ですが、露天風呂の湯船が複数あり、湯船の数自体は多いです。
男湯で7槽、女湯で9槽あるんだそうです。
しかも、それぞれ掛け流しにお湯を流し込んでいるので、湧出量はかなりの量になりますね。
この点、ホント贅沢な温泉施設です。
このほか、貸切のお風呂があるようでしたが、そちらには入ったことが無いので、ここでは内風呂と露天風呂のみの紹介とさせてください。
内風呂
内風呂は、木造のレトロな感じの建物内にある大きなお風呂で、公式HPの紹介では収容人数30人の広さとなっています。
実際に入ってみた感じでも、かなり広い印象で足を伸ばして入っても余裕で20人は入れそうな感じでした。
浴槽は深く、お湯も熱めなので長湯するとノボせてしまうかもしれません。
片側に段差があるので、そちらに座って半身浴するのが長く楽しめるコツでしょうか。
それと、成分がこびり付いて浴槽が滑りやすかったので、出入りの時には転ばないようご注意ください。
洗い場は10以上あるので、ちょっと混み合ってても待つことはほとんど無いかなと思います。
露天風呂
露天風呂は、複数ありそれぞれでお湯の状態が違います。
内風呂を出て近い位置にある湯船は比較的透明色、遠い位置にある湯船は白濁色なので、この色の違いが源泉の違いなんだろうと思います。
どちらも、硫黄臭は強く、お湯から出た後も体にニオイがついていたので、なかなか濃い成分のようです。
それぞれの湯船の大きさは、2人で満員のものから6、7人入れるものまで様々なので、空いている湯船を見つけてハシゴしていく入り方が、色々楽しめておすすめです。
関連リンク
公式HPに各湯船の写真が乗っていました。お風呂の様子を知りたい方は次のURLよりご確認ください。
また、効能などは平湯温泉観光案内所HPをご確認ください。
料金
続いて、料金表です。
入浴料は、祝祭日も割増にならない料金設定なのが嬉しいところです。
ただ、コインロッカーを利用する場合100円は返却されませんので、貴重品を車に置いてこれるようなマイカー組以外は、実質100円増しのお値段と考えた方が良いでしょう。
大人:
入浴料600円
子供(3歳から小学6年生まで):
入浴料400円
その他:
貸タオル200円、バスタオル200円、カミソリ100円、コインロッカー100円(返却無)
※この料金表は2022/10/11時点のものとなります。最新情報は公式HPや直接お電話にてご確認ください。
お得クーポン(なし)
お得なクーポン情報は見つけることできませんでした。
ご存じの方いらっしゃいましたら、わたしも使いたいので、是非、情報提供お願いします。
アクセス方法
「ひらゆの森」へのアクセス方法です。
最寄の駅やバス停から公共交通機関を使ったアクセス方法、クルマでのアクセス方法の順に説明します。
最寄バス停からのアクセス方法
「ひらゆの森」の最寄バス停は平湯バスターミナルとなります。
平湯バスターミナルへは、JR中央本線「松本」駅からの直行バスや東京からの高速バスでアクセスすることができまし。
高速バスで向かう方法
高速バスで向かう場合は、平湯バスターミナル下車、歩いて4分で目的地となります。
おそらく平湯バスターミナルに到着する直前にバスの車窓から看板が見えると思うので、初見の時にはそれで位置関係を把握しておけば下車してからスムーズでしょう。
アクセス方法
平湯バスターミナルからのアクセスマップ
関連リンク
「アルピコ交通」「濃飛バス」の公式サイトを載せておきます。平湯バスターミナルを行き来する高速バスについての時刻やオンライン予約にご活用ください。
電車で向かう方法
電車で向かう場合は、JR中央線「松本駅」で下車、お城口から出て徒歩数分「松本バスターミナル」から高速バスで一本です。公式HPによると乗車時間1時間30分あるようなので、乗車前におトイレは済ませておきましょう。
そして、松本駅アルプス口にある「ニッポンレンタカー」手前に電車の格安チケットの自販機があるはずなので、時間に余裕があったら寄り道していくと少しお得に帰れるかも
アクセス方法
松本駅から松本バスターミナルへのアクセスマップ
平湯バスターミナルからのアクセスマップ
松本駅アルプス口から格安チケット自販機へのアクセスマップ
関連リンク
「駅探」サイトおよび、「アルピコ交通」の公式サイトを載せておきます。平湯バスターミナルへのルート検索や、帰宅時間を調べる際にご活用ください。
クルマを使ったアクセス方法
「ひらゆの森」へクルマでアクセスする場合、最寄インターチェンジは長野自動車道「松本IC(インターチェンジ)」となります。
松本ICから向かう方法
長野自動車道「松本IC」から向かう場合、ICを降りた後、一般道を1時間ほど進むと目的となります。
アクセス方法
松本ICからのアクセスマップ
関連リンク
最寄の交通状況は次のURLを参考にして下さい。
「ひらゆの森」を利用してよかった点3つ
「ひらゆの森」がどんな施設なのか大体わかったところで、実際に利用してみてよかったなと感じた点3つを紹介します。
- 入浴料が安い
- 平湯バスターミナルに隣接している
- すべての湯船が源泉掛け流し
入浴料が安い
「ひらゆの森」を利用してよかった点の一つ目は「入浴料が安い」という点です。
非マイカー組のわたしの場合は、コインロッカー代も必要でしたが、合わせても700円です。これで、時間制限無しでオール源泉掛け流しのお風呂に入れるのは大変に贅沢な気分にさせてもらえました。
湯船によって温度も違うので、少しぬるめの湯船を探して長湯してとか最高な気分を味わえます。
サウナもあるので、サウナ→水風呂→森林浴→整う的な循環を永遠と繰り返すのもバッチリだと思います。
平湯バスターミナルに隣接している
「ひらゆの森」を利用してよかった点の二つ目は「平湯バスターミナルに隣接している」という点です。
下山して、お風呂にも入って、さっぱりしたところなのに、永遠と車道を歩いて戻らないといけないとか、いろんな駅を中継して階段の上り下りをしないといけないとか、そんな感じになるとちょっと萎えてしまいますよね。
その点、「ひらゆの森」はお隣が平湯バスターミナルになっているので、そのまま高速バスに乗り込んで「新宿」まで乗り継ぎなしで帰れてしまいます。
これは、都内在住者によっては大変助かる点になります。
注意すべき点としては
- 最終便以外はすべて予約制なので、事前にチケットを購入しておく必要あり
- 土日祝日の東名高速道路は渋滞上等なので、2時間遅れが定番
といった点でしょうか。
帰宅は遅くなるつもりで、利用すると良いかと思います。
すべての湯船が源泉掛け流し
「ひらゆの森」を利用してよかった点の三つ目は「すべての湯船が源泉掛け流し」という点です。
前述しましたが、内湯、外湯含めてすべての湯船が源泉掛け流しで、常にお湯が入れ替わっている状態です。
このため、お湯が劣化することなく、いつもきれいなお湯に入れるという点は、気分の面ですごく良いなと思いました。
最近流行りの街中にある「源泉掛け流し」を謳った温泉施設では、ひとつの湯船だけが対象で、しかもお湯の量もチョロチョロしか流れていないというところもあったりします。
「ひらゆの森」では、どの湯船にも水量豊かにお湯を流してくれていて、一部の湯船は、打たせ湯かと思うぐらい高所からドバドバとお湯を入れてくれています。
この点、非常に豪勢で良いなと感じました。
「ひらゆの森」を利用してイマイチだった点3つ
続いて「ひらゆの森」を実際に利用してみてイマイチだったなと感じた点3つを紹介します。
- かなり混雑する
- 露天からの眺望はイマイチ
- 内風呂と洗い場の足元がでこぼこで歩くたびに痛い
かなり混雑する
「ひらゆの森」を利用してイマイチだった点の一つ目は「かなり混雑する」という点です。
平湯バスターミナルのお隣という立地では致し方ない点ではありますが、正直、かなり混雑します。
早朝に来れれば少しは違うのかもしれませんが、特に外湯は常に満員状態でひとまずは、空いている湯船に浸かって、お目当ての湯船が空くまで待つような入り方になっていました。
内湯は人気がないのか、比較的空いているタイミングが多かったので、急いでいるときは内湯だけで済ませるということも考えたほうがよいかもしれません。
この点は、残念な点でした。
露天からの眺望はイマイチ
「ひらゆの森」を利用してイマイチだった点の二つ目は「露天からの眺望はイマイチ」という点です。
せっかく、緑豊かな地まで来たわけですから、露天風呂からも緑豊かな山地への眺めを楽しみたいと思いますよね。
しかし、「ひらゆの森」の露天は、外界からの視線を遮るための柵が高めに備え付けられていて、あまり展望はよろしくありません。
施設内の木々による木浴を楽しむといったことはできるので、そういった楽しみに切り替えてお風呂に入るようにすれば多少は気が紛れるかもしれませんが、やっぱり、ちょっと、この点はマイナス評価になってしまうかなと感じました。
内風呂と洗い場の足元がでこぼこで歩くたびに痛い
「ひらゆの森」を利用してイマイチだった点の三つ目は「内風呂と洗い場の足元がでこぼこで歩くたびに痛い」という点です。
足の皮が厚い人種であれば気にすることもないのかもしれません。
実際にわたし以外は、気にしている風な人は居なかったのは確かです。
それでも、足元がゴツゴツとしていて歩くたびに痛かったのは辛かったです。
湯の花による物なのか、元々そういう風に作ったのかわかりませんが、折角寛ぎに来ているのに、足元緊張させながら湯船を移動するのはちょっとストレスなので、個人的に結構マイナスなポイントになりました。
「ひらゆの森」とセットで楽しめる山
最後に、この施設とセットで楽しめる山を紹介します。
- 槍ヶ岳
- 涸沢カール
槍ヶ岳
「ひらゆの森」とセットで楽しめる山の一座目は「槍ヶ岳」です。
「槍ヶ岳」は北アルプスの南部、槍・穂高連峰の中核となる一座で、標高3,180mと日本で五番目に高い山です。
四方からさまざまな登山道が交わり、そして離れていく場所となるので、下山路も多彩なルートが存在していますが、下山後の利便性を考えると
- 上高地に降る
- 新穂高温泉に降る
どちらかのパターンになることがほとんどになるだろうと思います。
そして、この2つの下山ルートどちらをとっても、「平湯温泉」行きの路線バスが存在しており、「ひらゆの森」に立ち寄っていくというのは、非常に容易です。
加えて、お風呂に入った後は、平湯バスターミナルから高速バスで帰路につけば、乗り換え時間をチェックしたり、歩き回ったりする必要もありません。
もっと言ってしまえば、お土産も「ひらゆの森」の売店で揃えることができるので、下山後はこの施設だけですべてが済んでしまいとても楽チンです。
槍ヶ岳に登山して下山後のお風呂どうしようと迷ったときには「平湯温泉」へ向かい、この「ひらゆの森」に寄り道していくことをお勧めします。
アクセス方法
平湯バスターミナルからのアクセスマップ
奥穂高岳
「ひらゆの森」とセットで楽しめる山の二座目は「奥穂高岳」です。
こちらも、北アルプスの南部、槍・穂高連峰で最高峰となる一座で、標高3,190mと日本で四番目に高い山ともなっています。
「奥穂高岳」からの下山ルートとしては、
- 涸沢カールに降りて、上高地へ下山する
- 白出沢に降りて、新穂高温泉へ下山する
- ジャンダルム、西穂高岳と南下して、新穂高温泉へ下山する
といったものが挙げられます。
最後のルートは国内難易度最高峰となるルートなので、当面は通過することは無いと思いますが、いずれにしても「上高地」もしくは「新穂高温泉」のどちらかに下山する流れとなりますので、前述「槍ヶ岳」の例と同様に、「ひらゆの森」へのアクセスは、すこぶる容易です。
「奥穂高岳」を下山して、お風呂どうしようかと迷った時には、ぜひ「ひらゆの森」を活用するのをお勧めします。
アクセス方法
平湯バスターミナルからのアクセスマップ
まとめ
- 綺麗なお湯できれいになりたい人
- お安く温泉に入りたい人
- 温泉といえば源泉掛け流しな人
- 静かに温泉に入りたい人
- 露天からの眺めも楽しみたい人
- 足ツボマッサージが苦手な人
- 槍ヶ岳
- 涸沢カール
上高地、新穂高温泉からバス一本、槍・穂高連峰からの帰りに立ち寄るのに最適な「ひらゆの森」の紹介でした。
すべての湯船が源泉掛け流しなのに、お値段はとてもリーズナブル。
そのため、ちょっと客層が賑やかでいつも混み合ってますが、浴槽が多いので外で待たされるといったシーンは今のところ経験せずに済んでいます。
平湯バスターミナルからも近いので、山行で疲れた身体で歩き回る必要も無く、その点も助かるのではないでしょうか。
近くにきた際には、ご活用くださいね。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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