今回は、山行の途中で撮影した雲の写真を教材に、帰宅後の観天望気の振り返りに生成AIを使う方法をまとめます。
目的は、写真から天気予報をしてもらうことではありません。
山行後に、空の変化を振り返って、「そのとき、どこを見ればよかったのか」「どんな変化が天候の変化を考える手がかりになったのか」を学ぶための補助として使っています。
ここでは、実際に生成AIへ渡している情報と、プロンプトの組み立て方、返ってきた内容を復習に使うまでの流れを記録しておきます。
今回の位置づけ(全体像)
まずは、山行記録を整理する過程のなかでの、この作業の位置づけです。
- 山行に向けての準備
- 山行中の素材収集
- 素材の整理と取捨選択 ← 素材の整理と合わせて、観天望気の見立てを復習
- 記事作成に向けての主題と構成の検討
- イラスト地図作成
- note記事作成
- WordPress記事作成
- ショート動画作成
- 公開後の振り返り
作業の流れ
具体的な作業の流れは、次の順番で行っています。
- 山行中に、出発時、昼休憩、下山時の3つのタイミングで空模様の写真を撮影。合わせて、当日の天気の変化も記録
- 帰宅後に、3つのタイミングの写真と、当日の天気の変化を渡しつつ、生成AIに観天望気の見立てを聞く
- 生成AIからの返答を読んで、山行中に自分が立てた見立てや、実際の天気の変化との比較をする
- 「この日の天気の移り変わり」「次の山行で見るべき点」としてnote記事の末尾に追記。以降の山行に活かす
あくまでも、天気を読めるようになるための学習のヒントをもらうスタンスで使うつもりで組み立てます。
生成AIに伝えていること
観天望気の見立てをお願いする際には、次の内容を一緒に伝えています。
入力項目
- 山行全体
- 山名
- 山行日
- 山行ルート
- 出発時
- 時刻
- 場所
- 標高
- 撮影方向
- これから向かう方向・目的地
- 空や風について気付いたこと
- この時点に撮影した写真
- 昼休憩時
- 時刻
- 場所
- 標高
- 撮影方向
- これから向かう方向・目的地
- 空や風について気付いたこと
- この時点に撮影した写真
- 下山時
- 時刻
- 場所
- 標高
- 撮影方向
- これから向かう方向・目的地
- 空や風について気付いたこと
- この時点に撮影した写真
- 山行中に実際に起きた天候の変化
これらの情報をもとに、当日の天気の変化について解説してもらい、見るべきポイントを挙げてもらいます。
その内容を、次回の山行で確認してみるという流れで活用しています。
実際の観天望気を振り返るためのプロンプト例
ここからは、実際に生成AIへ渡しているプロンプトを掲載します。
今回は、2026年8月22日に歩いた「奥久慈男体山」で撮影した空模様をもとに組み立てた例です。
観天望気を振り返るためのプロンプト例
[観天望気を振り返るためのプロンプト例]
あなたは、山の天気と観天望気について解説する先生です。
これから、山行中に撮影した「出発時」「昼休憩時」「下山時」の3つの空の写真と、そのときの状況を入力します。
このプロンプトの目的は、写真から天気を予報してもらうことではありません。
山行を終えたあとに空の変化を振り返り、
「このとき、空のどこを見ればよかったのか」
「どんな変化に気付ければよかったのか」
「昔から伝えられてきた観天望気では、どのように読み取るのか」
を学び、次の山行で自分自身が空を見る力を身につけることが目的です。
写真だけで判断できないことは推測せず、「写真からは判断できない」と明記してください。
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入力情報
山行全体
・山名:奥久慈男体山
・山行日:2026/8/22
・歩行ルート:JR西金駅から大円地登山口を経由し、奥久慈男体山へ登頂。鍋転山、月居山と下って水根方面へ下山。
① 出発時
・時刻:8時50分
・場所:西金駅
・標高:70m
・撮影方向:東の方角
・これから向かう方向・目的地:東の方角にある奥久慈男体山山頂
・空や風について気付いたこと:風はほとんどなく、気温は25℃前後
・写真:「天気1:西金駅.jpeg」
② 昼休憩時
・時刻:11時35分
・場所:奥久慈男体山東屋
・標高:646m
・撮影方向:西の方角
・これから向かう方向・目的地:北の方角にある袋田の滝
・空や風について気付いたこと:風がほとんどなく、気温は25℃前後
・写真:「天気2:男体山山頂.jpeg」
③ 下山時
・時刻:16時10分
・場所:月居温泉 滝見の湯 白木荘の前
・標高:221m
・撮影方向:南の方向
・空や風について気付いたこと:風がほとんどなく、気温は25℃前後。一度止んだ雨が少し降り始めていた
・写真:「天気3:月居温泉 滝見の湯 白木荘.jpeg」
山行中に実際に起きた天候の変化
・天候:曇りのち雨
・雨:奥久慈男体山山頂を通過したあと、12時30分ごろに強い雨が降った。その後はいったん止み、下山後の17時ごろに再び小雨が降り始めた。
・風:出発時はほぼ無風。その後も無風状態が続いた。
・気温の変化:出発時から下山時まで25℃前後を保っていた。
・霧や視界の変化:出発時点から奥久慈男体山山頂に至るまでは、晴れ間も見えた。その後、強い雨となり山中は雲の中へ。鍋転山山頂を通過した14時以降は雨が止んで、山中の霧も晴れて、麓の景色も少し見え始めていた。下山後17時ごろに小雨が降り始めていた。
・その他気付いたこと:なし
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観天望気としての見立て
3枚の写真と入力情報を時系列で比較し、この山行で当てはまりそうな観天望気の見立てや読み方をピックアップしてください。
1.3つの空の状態
「出発時」「昼休憩時」「下山時」それぞれについて、
・雲の種類の有力候補
・雲量
・雲の高さや厚み
・雲底や空の色
・雲の発達・衰退
・山や稜線への雲のかかり方
・視程
・写真から分かるその他の特徴
を確認してください。
雲の種類を特定できない場合は断定せず、候補として示してください。
2.時間経過による変化
3つの写真を時系列で比較し、
「出発時 → 昼休憩時 → 下山時」
で、空がどのように変化したように見えるかを説明してください。
特に、単独の写真ではなく、前の写真から何が変わったのかに注目してください。
撮影方向や撮影場所が異なるため単純比較できない場合は、その点も考慮してください。
3.当てはまりそうな観天望気
今回確認できた現象について、昔から伝えられてきた観天望気や、山で天候変化を読む際に使われてきた見立ての中から、当てはまりそうなものをピックアップしてください。
それぞれについて、
・観天望気として知られている見立て
・今回のどの写真・現象が当てはまりそうか
・なぜそのように考えるのか
・気象学的にはどのような現象なのか
・どの程度信頼できる見立てなのか
を説明してください。
言い伝えと気象学的に説明できる現象は区別してください。
4.その場で注目するとよかったこと
今回の山行を教材として、
「どのタイミングで」
「どちらの方向を見て」
「何の変化に注目するとよかったか」
を具体的に指摘してください。
例えば、
「出発時点では○○を見る」
「昼休憩では出発時と比べて○○の発達を見る」
「下山時には○○がどう変化したか確認する」
というように、次回の山行で実践できる形で説明してください。
写真に写っていない方向についても、観天望気として確認する価値があった場合は、「この方向も見ておくとよかった」と補足してください。
5.次回、自分で空を見るためのポイント
今回の事例から学べることをもとに、次の山行で自分自身が確認したいポイントを3〜5個に絞ってください。
単に「雲を見る」ではなく、
「積雲が横ではなく縦方向へ成長していないか」
「朝よりも稜線にかかる雲が増えていないか」
など、実際に空を見たときに確認できる具体的な観察方法にしてください。
6.今回覚えておきたい観天望気
最後に、
「今回の山行から一つだけ覚えて帰るなら、何を見るべきだったか」
を一つ選び、初心者にも分かるよう簡潔に説明してください。
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この振り返りで最も大切なのは、生成AIに天気を当ててもらうことではありません。
AIに聞くために山行中の空を見る習慣をつけ、その変化を自分でも少しずつ見つけられるようになることを目的としてください。
観天望気だけで登山中の安全を判断することはせず、実際の山行では気象情報・警報・雨雲レーダーなどの公的な情報を優先する前提で解説してください。実際に使って分かったこと
ここでは、実際にプロンプトからの返答を読んで感じた点について述べていきます。
写真では雲の高さや厚みを判断しづらい
写真だけでは、雲の高さや奥行きを判断しづらいので、生成AIからの返答も「判断に迷う」といったニュアンスが多く含まれていました。
このあたりは、具体的に文章でも補填するようにしていくのがよさそうだと感じました。
たとえば、「山頂や稜線まで雲が降りてきていたかどうか」「写真に収まっていない方向に雲の隙間があったかどうか」といった点を、次回から、補足してみようと思っています。
生成AIの見立てを復習に活かす
ここでは、生成AIからの返答を受けて、どんな流れで復習に活かしているかを述べていきます。
- 生成AIの分析結果と、当日の天気の変化を比較する。写真や自分の記録と食い違う部分がないかを確認する。
- 生成AIが挙げた観天望気の中から、今回の空の変化と関係がありそうなものを一つ選ぶ。
- 選んだ観天望気について自分でも調べる。意味や気象的な説明を確認したうえで、次の山行で見るポイントの一つとして覚えておく。
注意している点としては、次の山行で意識するのを忘れてしまっても、気にしすぎないようにしています。
「山行を楽しむことがメイン、天気の勉強はそのついで」
このくらいのゆるさで、細く長く続けたいと思っています。
もう一つ意識しているのは、ここで学んだ観天望気と、実際の山行中の安全判断を分けて考えることです。
山行中は、その時点で確認できる気象情報や警報などを優先し、観天望気はあくまでも空の変化に気づくための補助的な知識との位置付けで扱っていこうと思っています。
まとめ
山行の途中で撮影した雲の写真を教材に、帰宅後の観天望気の振り返りに生成AIを使う方法と、実際のプロンプトを記録しました。
冒頭で述べた通り、今回の内容は、生成AIに天気予報をさせるのではなく、復習に活かせる内容を返してもらい、次に活かせるかの判断は自分で行うといったものになります。
これらの知識を積み重ねて、山行に活かせるようになっていけたらなと思っています。
とはいえ、山行の目的は天気の勉強ではありません。空を見ることも山歩きの楽しみの一つくらいに考えて、このくらいのゆるさで、細く長く続けていきたいと思います。
今回の件についての小さな気づきは、Noteの「小さな工夫の記録」に置いています。

プロンプト例として挙げた「奥久慈男体山」の山行の様子は、こちらの記事に整理しています。


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