2022年2月10日は、関東圏でも久々の降雪となりました。
これなら、山の上では綺麗な雪景色が楽しめるかなと、翌11日、お手軽に登れる大菩薩峠の稜線歩きをしに現地へ赴いてみました。
結果から述べてしまうと、結構な雪の積もった稜線をつぼ足で歩くことになり、さすがにお手軽とは言い難い状況での山行となりました。
そのかわり、稜線からは富士山や南アルプスの山々、甲府の街並みといった、とても素敵な眺めを楽しむことができました。
雪山登山の予行練習先として「お手軽な大菩薩峠の稜線なんか良さそうだな」なんて考えているあなたにとって、有意義な情報になっているかと思います。
是非、最後まで読んでいって下さいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2022/2/11
天候:曇りのち晴れ
エリア:大菩薩エリア
コース概要:大菩薩峠登山口〜上日川峠〜福ちゃん荘〜雷岩〜大菩薩嶺〜雷岩〜大菩薩峠〜福ちゃん荘〜上日川峠〜大菩薩峠登山口〜山梨交通「大菩薩の湯停留所」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往) JR中央線「塩山駅」からバスに乗車、山梨交通「大菩薩峠登山口停留所」へ
(帰)山梨交通「大菩薩の湯停留所」からバスの乗車、JR中央線「塩山駅」へ
概要
大菩薩峠
大菩薩峠は、山梨県の甲州市から大月市に向けて南北に長く伸びる大菩薩連嶺に含まれる、人気の登山スポットです。
大菩薩連嶺の中でもダントツに人気が高く、春の桜のシーズンや秋の紅葉シーズンには、多くの登山ツアーが組まれて、大渋滞を起こすこともあります。
人気の理由は、大菩薩峠から大菩薩嶺に向かって伸びる稜線からの眺望です。
シンボルとなっている大菩薩湖と富士山のコラボレーション、至近に聳える南アルプスの山々、眼下に広がる塩山市街地の様子等々、標高2,000m級の眺めとは思えない魅力的な眺望を楽しむことが出来ます。
また、交通機関によるアクセスが容易な点も忘れてはいけません。
JR甲斐大和駅から出ている栄和交通の大菩薩上日川峠線バスを利用すれば、上日川峠までバスで登れてしまいます。上日川峠まで来て仕舞えば、あとは標準タイムで片道1時間の道のりを越えるだけで大菩薩峠の稜線まで登れてしまいます。
このお手軽さは、高尾山にも匹敵する登山ビギナー向けコースと言えるでしょう。
(このバスには12月中旬から翌年4月中旬まで運休期間が設けられているので、この期間は使うことが出来ません。この点、ご注意ください。)
そして、登山経験者向けとして裂石からのピストン登山コースや、裂石から大菩薩峠を越えて奥多摩の小菅まで横断するロングコースなどもあり、ビギナー以外でも楽しめる優秀な登山スポットとなっています。
周辺施設については入浴施設が充実しています。
上記のコースそれぞれで下山後に活用できる入浴施設が存在しています。
主要なものをリストアップしておきますので、プランニングの際に役立ててもらえたら幸いです。
- やまと天目温泉:大菩薩上日川峠線バスで「やまと天目温泉前停留所」で下車することで立ち寄れる入浴施設。入浴後は同線で甲斐大和駅まで戻ることができます。
- 大菩薩の湯:裂石方面に下山した際に、下山口から徒歩で向かえる入浴施設。施設入り口にJR塩山駅行きのバス停があるので、入浴後そのままバスで駅まで戻ることができます。(施設が休館の時、同バス停は通過になる時があるので注意が必要です)
- 小菅の湯:奥多摩小菅方面に下山した際、下山口近隣にある入浴施設。こちらもJR奥多摩駅、大月駅、上野原駅それぞれへ向かうバス停が入り口にあるので、入浴後に再び汗をかくことなく駅まで戻ることができます。
参考リンク
JR甲斐大和駅から上日川峠へ向かうバス情報です。以下のURLから栄和交通公式HPにアクセス、「大菩薩上日川峠線」欄をご確認下さい。
こちらは、JR塩山駅から裂石にある大菩薩峠登山口に向かうバス情報です。以下のURLから山梨交通公式HPにアクセス、「大菩薩峠」欄をご確認下さい。
最後は、小菅の湯へ向かうバス情報です。JR奥多摩駅から向かう路線バスは西日本バス、JR大月駅、JR上野原駅から向かう路線バスは富士急バスのHPにアクセスし、それぞれご確認下さい。
ギャラリー
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
まずは、今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。
最高点の標高: 2060 m
最低点の標高: 829 m
累積標高(上り): 1531 m
累積標高(下り): -1600 m
総所要時間: 08:29:24
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上で、展望の楽しめたポイントについても述べておきます。
- 雷岩の岩の上
雷岩の岩の上
今回の山行で展望がよかったポイントは「雷岩の岩の上」です。
正直な話、稜線上であれば、どの位置からもガチで素晴らしい展望が得られるのですが、その中でも特にここだと思った場所になります。
雷岩からの眺めは、さまざまなメディア、ブログで取り上げられているので、あなたも事前情報として把握しているかもしれませんが、評判通りに素晴らしい眺めを提供してくれます。
富士山と大菩薩湖への眺めはもちろんのこと、本当に眼下と呼ぶに相応しい至近に広がる塩山市街地の様子はいつまで眺めていても飽きることは無いです。
加えて、その奥に広がる甲府盆地の街並みと、更に奥に聳える冠雪した南アルプスの山々は、冬季にこの場所に到達できたことへの素敵なご褒美となることでしょう。
唯一の難点は、吹きっさらしな場所なので、風の強い日の長期滞在に向かない点でしょうか。
それでも、天候に恵まれれば感嘆の声を禁じ得ない眺めを楽しめるので、大菩薩峠に登るのであれば、可能な限り立ち寄るようにしてみて下さいね。
ギャラリ
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間については次の2箇所でした。
- 雷岩から稜線を辿り賽の河原に着く手前にある岩場区間
- 上日川峠から裂石に降る山道から一度車道に乗り入れる直前の区間
雷岩から稜線を辿り賽の河原に着く手前にある岩場区間
今回、注意が必要と思われた区間の1つ目は「雷岩から稜線を辿り賽の河原に着く手前にある岩場」の区間です。
具体的には、雷岩から稜線を降って行った時に、賽の河原に立つ避難小屋が目視確認できるようになった頃に通過する岩場です。
通過する際は、足場が小さいので一人ずつ譲り合いながら通過した方が良いため、渋滞になりやすく、待っている人々の姿が妙に焦りを誘うため、早歩きに通過したくなって慎重さを欠きやすい点に注意が必要な場所となっています。
加えて、積雪時には足元の岩が見えづらく、足を置いてみたら尖った岩の先端だったり、大きく段差のある場所に着地してしまい、飛び降りるように降りざるを得なくなったりと、一歩間違うと、大怪我に繋がりやすく感じました。
通過してしまえば、5分も掛からない場所ではありますが、慎重さを忘れずに取り掛かるようにして下さい。
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上日川峠から裂石に降る山道の中で車道と交わる直前の区間
今回、注意が必要と思われた区間の2つ目は「上日川峠から裂石に降る山道の中で車道と交わる直前」の区間です。
具体的には、上日川峠から山道を降っていく時、唯一車道と交わる地点に行き着く直前にある傾斜のある九十九坂区間となります。
無積雪の時も、粘土質な地面が滑りやすくて通過には慎重さが必要とされている場所ですが、積雪の時には更に滑りやすくなるので、降りで通過する時には一歩ずつ確実に歩を進めるようにして下さい。
特に、午後に入ってからは更に難所となってきます。
日差しが良く入る場所なため、雪の表面が溶けてシャーベット状になってきて、アイゼンの裏側にへばりついてきます。
こうなってしまうと、アイゼンの刃が効かなくなって、いざという時に踏ん張れなくなってしまします。
最悪、谷側へ滑落してしまう恐れもありますので、気がついたら、適宜、雪を払うようにして通過するようにしてみて下さい。
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今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:厚手のフリース
- アウター:ソフトシェル、レインウェア、ダウンジャケット
- ボトムス:中厚手の長ズボン、厚手のソックス、スパッツ
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、毛糸の手袋
今回は、雪山ではありましたが風が弱く気温も一桁台まで上がっていたので、活動中は薄手の長袖Tシャツにソフトシェルの組み合わせで全く問題無く過ごせました。
寧ろ、稜線に上がってからのつぼ足祭りで背中を汗が流れ落ちる状況となってしまっていました。
また、雷岩の上で昼食のために20分ほど休憩を入れましたが、この時もフリース要らずで快適に富士山ウォッチを楽しむことができました。
交通機関利用時は、長袖Tシャツに厚手のフリース、ダウンジャケットのフル装備です。
この日のJR中央線も感染防止のために窓開けで走っていましたが、肌寒さは感じることなく、服装についてはこの組み合わせで全然イケていました。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、お手軽に雪山の綺麗な風景を眺めて帰ってこようと思っていたので、塩山駅から入って、裂石にある大菩薩峠登山口からのピストン登山としました。
東京駅からは、JR中央線の高尾行きに乗車して高尾駅で松本行きに乗り換えます。
塩山駅に到着したら、南口のロータリーに向かい大菩薩峠行きの路線バスに乗り込みます。
なお、2022年2月11日時点では、南口ロータリーの改装工事をしていて元々あった路線バスの乗り場と場所が変わっています。以前はタクシー乗り場だった交番前付近に移動しているので、ご注意下さい。
南口のおトイレの位置は変わらずに、自転車置き場に向かう途中にあります。
大菩薩登山口にも公衆のおトイレがあるので、絶対に駅で済ませなくともなんとかなりますが、路線バスに30分は乗ることになるので、不安な場合はやはり済ませておいた方が良いかもしれません。
登山口に着いたら、「大菩薩峠登山口停留所」付近のベンチをお借りして身支度を整えて、おトイレも済ませて出発することにしましょう。
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大菩薩峠登山口〜上日川峠
登山口をスタートしたら、まずは車道歩きです。
結構、勾配の急なアスファルトを登っていくと裂石山雲峰寺という、元は武田家の戦勝祈願のお寺だった寺院が見えてきます。
ここも、なかなかソソられる雰囲気なので、どっかのタイミングで訪問してみたいところです。
更に登っていくと、今度はひがし荘という、これもソソられる雰囲気の民宿があり、ここを通過して、更に更に登っていくと丸川峠分岐駐車場に到着します。
ここから上日川峠へ向かう車道は冬季通行止めでゲートが閉じられている状態になっていますが、徒歩なら通行可能です。
この日は、この時点ですでに靴が埋まる降雪量だったので、駐車場の一角でチェーンスパイクとスパッツを装着したら、ゲートの脇をすり抜けて先に進みます。
ここからは完全な雪道で、フカフカの新雪を踏みしめながら高度を上げていきます。
千石平でお地蔵さまにご挨拶して茶屋の脇を通り過ぎて進んでいくと、ようやく山道の入り口に到着します。
ここからが本番のスタートです。
取り付きとなる急坂区間を登り切ると、視界一面雪景色の様相を帯びてきます。
徐々に日差しも入ってきて、キラキラと輝く雪景色を眺めつつ歩いていきます。
既に何名か先行して歩いてくれている方が居るようで、トレースも着いて迷わずに進むことが出来ましたが、久々の雪道歩きということで感覚が鈍ったのか、標準タイムと同じくらい時間をかけることで上日川峠に到着できました。
ここに立つロッヂ長兵衛は営業中なのか人が居て、ジープが一台駐車してあり、中からは焚き火を焚いたような香ばしい匂いがしていました。
そして、足元を見るとこの辺りから脛を隠すくらいの降雪量となっており、ここから本格的に雪山歩きに突入していきます。
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上日川峠〜福ちゃん荘
上日川峠から福ちゃん荘に向かうには、山道ルートと車道ルートの2つがあります。
どちらも同じ方向に進んでいくのですが、行き来できる箇所が限られていて、お互いに遠目に存在を確認しつつ先に進む形になります。
当然、山道の方がショートカット率が高く、時間短縮になるので、そちらに進むもうと思ったのですが、どこで間違いたのか、気がついたら車道に出て進んでいました。
他の方のトレースを追いかけて進む弊害です。楽に進める反面、思ってもみなかったルートを進んでいることがあるので、注意しないといけませんね。
今更、上日川峠まで戻って山道を進むのも現実的では無いので、そのまま進みます。
フワフワな新雪ではありましたが、脛まで隠れてしまう積雪の中を進むのは体力を使います。
30分近く時間を使って漸く福ちゃん荘まで到着できました。
この辺りから、チェーンスパイクの短い刃ではグリップ力が弱く、10本刃のアイゼンを持ってこれば良かったと思い始めますが、無いものは仕方ありません。
この後も、足元を滑らせつつ、体力を削られながら登っていくこととなりました。
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福ちゃん荘〜雷岩〜大菩薩嶺
福ちゃん荘からは、無積雪時にいつも辿っているルート、唐松尾根で雷岩まで登って稜線伝いに大菩薩峠まで降りてくることにしました。
余裕があったら、いつも素通りしている大菩薩嶺にも寄り道していくつもりで歩き始めます。
唐松尾根は、大きく2つの踊り場と3つの急坂で構成されていて、最後の3つ目の急坂から視界が開けてきます。
このため、先の2つの急坂は修行のように黙々と坂を登ることになります。
そのような訳で、黙々と登り坂を走破しようと取り掛かりましたが、足の置き場所に注意しないと、すぐに滑って転びそうになります。
仕方ないので、キックステップ気味につま先を積雪に蹴り込みつつ進むことになり、余計な体力を削られて、3つ目の坂に差し掛かったことには、ヘトヘトになっていました。
しかし、ここでうっすらではありますが富士山の頭が少し見えたことで、やる気が回復してくれて、3つ目の坂は一気に登り切ることが出来ました。
ただ、雷岩に到着した時にはまた別の雲が目の前の景色を覆い隠してしまっていたので、雲が晴れるまでの時間稼ぎということで、大菩薩嶺に向かうこととしました。
唐松尾根に比べたら楽々なアップダウンをクリアして、大菩薩連嶺の最高峰なのに展望皆無の大菩薩嶺のピークを踏んで、返す刀で雷岩まで戻ってみると、概ね雲も晴れてくれました。
こうなったら、あとは昼食を摂りながらの鑑賞会です。
富士山の眺めは勿論、陽の光を反射してキラキラ光る大菩薩湖の湖面の様子や、眼下いっぱいに広がる塩山市の街並み、非常に高い位置に鎮座している南アルプスの山々などを楽しむことが出来ました。
20分ほどの鑑賞会を楽しんだら、別の雲が視界を覆い隠し始めたので、大菩薩峠へ向けての稜線歩きに繰り出すこととしました。
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雷岩〜大菩薩峠
雷岩を出発したら、稜線を辿って大菩薩峠へ降下していきます。
稜線での降雪量は、概ね脛あたりまでですが、一部で膝が埋まるほど踏み抜いてしまう場所もあり、不用意に駆け降りようとすると足を取られて転倒してしまいます。
パウダースノーの上なので、多少転んだとしても大怪我せずに済みそうですが、坂道を転げ落ちてしまうと流石に無傷というわけにはいきません。
そうならない為にも、慎重さを持って進む必要があります。
そして、危険地帯である岩場や、賽の河原の登り返しをパスしていくと、ようやく大菩薩峠へ到着です。
大菩薩峠からは奥多摩方面の眺めも得られるようになるので東方面の眺めも確認してみると良いでしょう。
その他、峠には介山荘という冬季は週末のみ運営している山荘があります。
売店で何か購入することもできそうだったので、興味があったら覗いてみると掘り出し物があるかもしれません。
おトイレも使えるようでしたので、不安を感じるようだったらお借りしてスッキリしたところで、裂石へ降っていくことにします。
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大菩薩峠〜福ちゃん荘
大菩薩峠から福ちゃん荘までは、表登山道と呼ばれる山道を降ります。
登りルートに使った唐松尾根よりも、勾配なだらかなのでこちら道を行き来する人の方が多い傾向にあります。
介山荘裏手が起点となっていて、そこからなだらかで歩きやすい降り坂を降下していきます。
しかし、それも無積雪時に限っての話、今回のように深く雪が積もっている状態だと足元が見えずにバランスを崩しやすくなるので、歩きやすいとまでは言えない状況となります。
見えない足場を探りつつ坂道を降っていくと、勝緑荘という大きめな建物の裏手が見えてきます。
その後も表登山道に沿って、建物の前を通過し、姫ノ井沢にかかる橋を渡りって少し登り返していくと、今度は富士見平に立つ山荘が見えてきます。
見た感じ、もう営業はしていないようで老朽化の目立つ建屋になってしまっていますが、天気が良い日には、この庭先にある木造ブランコから富士山を眺めることもできます。
富士見山荘からアップダウンの無い平坦な道を10分も歩けば、福ちゃん荘に到着です。
少しだけ、今まで歩いていた稜線の様子を見上げたら、休憩は入れずに上日川峠へ向かって降りていくことにします。
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福ちゃん荘〜上日川峠〜大菩薩峠登山口〜山梨交通「大菩薩の湯停留所」
上日川峠への降りは、登りと同様に車道を降りていくことにしました。
山道に比べて車道の方が降り一辺倒となるので、足元が安定するだろうというのが理由です。
そのまま、朝つけたトレースに沿って降っていきますが、午後になって気温が上がったことで、雪が水分を含むようになりチェーンスパイクにくっつくようになりました。
ダマになってくると、まるで下駄を履いているような状態になって歩きづらく、その都度、足裏の雪を払う必要が生じて、下山ペースが上がりません。
そんな状態に難儀しながら上日川峠まで降りて、続け様に裂石にある大菩薩峠登山口まで降りていきます。
途中、一時的に車道と合流する手前で、滑って転びそうになりましたが、谷に向かって転げ落ちることもなく、無事に登山口まで降下することが出来ました。
その後、大菩薩の湯で汗を流そうと足を伸ばしてみましたが、この日は大雪のために休館とのこと、仕方が無いので入り口のバス停からバスに乗って塩山駅へ帰ることとしました。
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山梨交通「大菩薩の湯停留所」〜塩山駅
バス停の時刻表を見ると、次の便は二本木経由のバスが10分後に到着するとなっています。
良いタイミングに下山できたと喜びながら、靴の泥を落として着替えて待つも、定刻になってもバスが到着しません。
この雪で遅れているのだろうかと山梨交通のホームページを確認するも、平常運行となっていたので、更に10分ほど待つことにしましたがそれでも、バスは到着しません。
そして、気がつきます。
今朝、大菩薩峠登山口停留所に張り出してあった、二本木経由のバスは途中で折り返し運行しているお知らせの内容を。
塩山駅直通のバス時刻を確認すると、一番早くても1時間30分もこの場にて待たないといけません。
1時間以上、寒空の下でバスを待つのも嫌だなと思い、良い機会なので歩いて塩山駅まで降ってみようと、Googleマップでルート確認すると一本道に進めば塩山市街地まで1時間30分で到着できるとのこと。
案外、簡単な道のりなので、すぐに歩き始めることにしました。
大雪の影響なのか、通行する車も少なかったため、車道の真ん中をどんどん降って進みます。
途中で陽が沈んでしまい、暗い中の歩きとなりましたが、人口の灯りの全くない山中とは異なり、民家から漏れる灯りや進行方向に広がる甲府盆地の夜景などを目印に塩山駅まで無事に到着することが出来ました。
駅に着いてみると、高尾行きの電車が後10分で到着するとのアナウンスが入り、こちらは定刻通りに到着してくれて、スムーズに帰路に着くことが出来ました。
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まとめ
もふもふな新雪の中、大菩薩峠の稜線を歩いた様子でした。
今回の山行は、歩き慣れているはずの山道でも、コンディションが違えば全然別世界になるという良い事例となりました。
実は、コンディションが良ければ大菩薩峠から奥多摩の小菅に抜けてしまおうかとも考えていたのですが、その場合はヘッデンつけての下山を余儀なくされていたかもしれません。
もし、雪山登山のプランニングをする機会ありましたら、行動時間にはいつも以上に余裕を持つよう、気をつけて組み立てると良いかと思います。
反面、いつもとは少し違う行動を取ったことで、夜空に浮かんだ富士山が見れたり、塩山の夜景が見れたりと思いがけないサプライズもありました。
余裕ができた時には、ちょっとした冒険もしてみてくださいね。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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