山行の記録|伊豆最高峰の天城山へアマギシャクナゲを見に行ってきました

5月の伊豆といえば、アマギシャクナゲです。

伊豆の花の女王と呼ばれる、伊豆半島の固有種で、淡いピンク色が大きな花びらが特徴のとても華やかなお花です。

例年、見頃の時期は5月中旬から6月にかけてなので、少し早いかなと思いましたが、天城山あまぎさんのシャクナゲコースを歩いてきてみました。

案の定、満開にはあと少しといったところでしたが、早咲きの株が綺麗な花を咲かせていました。

満開のアマギシャクナゲの中でのお花見登山を考えているようでしたら、参考になるかと思いますので、是非、最後まで読んでいってくださいね。

目次

基本情報

まずは、今回の山行についての基本情報です。

山行の基本情報

日付:2023/5/3

天候:晴れ

エリア:伊豆エリア

コース概要:

東海バス「天城縦走登山口停留所」〜万二郎岳〜万三郎岳〜万三郎岳下分岐点〜涸沢分岐点〜東海バス「天城縦走登山口停留所」〜遠笠山〜東海バス「ハーヴェスト天城停留所」

難易度:体力☆☆、技術☆☆、危険☆☆

交通機関:

(往)JR伊東線「伊東駅」から、東海バスで「天城縦走登山口停留所」に向かい、スタート

(帰)「ハーヴェスト天城停留所」から、東海バスでJR伊東線「伊東駅」に向かい、帰路へ

概要

天城山(あまぎさん)

「天城山」は、静岡県伊豆半島のほぼ真ん中にある1,000m〜1,400mクラスの山々の総称です。

天城山という特定の山は存在しておらず、天城連山と呼ばれることもあります。

主なピークには次のようなものがあります。

  • 万三郎岳ばんざぶろうだけ 1,405m(最高峰)
  • 万二郎岳ばんじろうだけ 1,299m
  • 小岳こたけ 1,360m
  • 遠笠山とおがさやま 1,197m
  • 八丁池 1,173m

山域内の大半は樹木に覆われていて、気持ちの良い森林浴を楽しめる反面、稜線上であっても展望を得られる場所には限りがあります。

また、4月から5月にかけてはマメザクラが、5月から6月にかけてはアゼビやツツジ、アマギシャクナゲといった花々が目を楽しませてくれます。

登山道のコンディションは、ひと昔前に比べると格段に進んでいて、不明瞭な箇所にはガイドロープがしっかりと張ってあったり、短い間隔で道標が立っていたりと、注意して進んでいれば迷う心配はないかと思います。

ただし、降雨量の多い地域なためか、崩壊箇所や倒木が多く、滑落、転倒による遭難リスクは少なからず存在しています。また、歩きづらくなった正規ルートを嫌い、迂回ルートを歩く人が多いためか、様々な踏み跡がついてしまっている区間もあり、低山歩きに慣れていないと枝道に迷い込んでしまうリスクがあります。人気ある初心者向けの低山だからと油断せずに、しっかりと事前準備はしておいたほうが良いでしょう。

また、近年ではGPSアプリも登山では必須のツールとなりつつあります。うまく活用してくださいね。

最後に、登山ルートについてです。次のようなものがあります。

  • 天城縦走路コース:天城高原ゴルフ場から万二郎岳、万三郎岳、小岳、八丁池と主稜を辿って、天城峠へ降るルート。
  • シャクナゲコース:天城高原ゴルフ場から万二郎岳、万三郎岳と稜線を歩き、天城高原ゴルフ場に戻ってくる周回ルート。
  • 八丁池コース:天城峠から八丁池まで登り、天城峠へ降るルート。

一番人気は天城縦走路コースで、主なピークをすべて踏破できる達成感のあるコースとなります。その代わり、17kmを超えるなかなかのロングコースとなるので、自分の体力と相談してチャレンジしてみてくださいね。

同コースについて、実際に歩いた時の様子を別の記事にまとめてます。興味ありましたら一緒に読んでいってください。

関連リンク

天城伊豆市の観光情報サイトに、天城山のシャクナゲコース付近の危険箇所を示すマップが掲載されています。印刷して持参するなどして、遭難リスクに備えるとよいかと思います。

今回の山行上でのポイント

地図上の位置と標高

今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。

「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。

ご自由にご活用ください。

合計距離: 17046 m
最高点の標高: 1410 m
最低点の標高: 894 m
累積標高(上り): 1324 m
累積標高(下り): -1473 m
総所要時間: 07:00:14
Download file: climbing-record-20230503.gpx

歩いた軌跡

続いては、GPSデータを元にした軌跡です。

市販の地図

今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。

本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。

わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。

ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。

5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。

注意した方が良さそうな区間

今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、次の区間になります。

注意した方が良さそうな区間
  • 万三郎岳下分岐地点から涸沢分岐点までの区間
万三郎岳下分岐地点から涸沢分岐点までの区間

今回の山行ルート上の注意区間は「万三郎岳下分岐地点から涸沢分岐点までの区間」です。

急斜面の木組みの階段が続く区間なのですが、雨による崩壊で階段が崩れて大きな段差になっている場所が何箇所もありました。

足元も崩れやすい砂地で滑りやすくなっていたので、大きな段差を降りた瞬間に滑って転倒などしないよう、ゆっくり慎重に降ったほうがよいように感じました。

ギャラリー

万三郎岳下分岐地点から涸沢分岐点方面へ向かう道が、結構荒れています。
木の階段が続く道なのですが
段差が大きく
ところどころ、こんな感じに崩壊しているので、神経を使います。
ここもガクンと抜け落ちていて
下から見ると1m以上の段差がありました。

おすすめ展望ポイント

今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の場所になります。

展望の楽しめたポイント
  • 万二郎岳山頂
  • 遠笠山林道の中間地点
  • 遠笠山山頂手前の駐車スペース
万二郎岳山頂

今回の山行ルート上の展望ポイントの一つ目は「万二郎岳山頂」です。

360度の大展望というわけにはいきませんが、山頂に立つ道標の裏手から、南方面へ向けて視界が開けており、三筋山の風車を中心に、奥に広がる南伊豆や、手前に聳える天城山主稜に連なる山々を眺めることができます。

最高峰「万三郎岳」山頂は展望皆無なので、こちらでバッチリ楽しんでおきましょう。

ギャラリー

万二郎岳山頂です。この奥に展望ポイントがあります。
ここから、これから進む主稜を一望できます。
そのまま尾根を降って
お隣の三筋山の風力発電機群や
その奥の南伊豆の様子まで眺めることができます。

Instagramにアップした動画も載せておきます。動きあるとまた違うと思うので合わせて眺めていってくださいね。

遠笠山林道の中間地点

今回の山行ルート上の展望ポイントの二つ目は「遠笠山林道の中間地点」です。

遠笠山も天城山の一角ということで、基本は樹林帯の中を進むことになるのですが、途中の木々が途切れた間から、伊東方面への眺めを楽しむことができます。

見どころは、平地からポコンと飛び出た大室山おおむろやま矢筈山やはずやまで、山焼きによって表面が滑らかな円錐状となっている大室山と、木々が生い茂って拳骨のようにゴツゴツとした矢筈山の対比がとても面白い眺めとなっていました。

また、ギリギリ富士山を眺めることのできる場所もあるので、探してみてくださいね。

ギャラリー

遠笠山では、林道の途中で伊東方面への眺めを楽しめます。
伊東の市街地に初島
抹茶プリンのような大室山
木々にかくれてしまいましたが、矢筈山
少し遠いですが、小室山も見えました。

Instagramにアップしたこの場所の動画です。一緒に眺めていってください。

遠笠山山頂手前の駐車スペース

今回の山行ルート上の展望ポイントの二つ目は「遠笠山山頂手前の駐車スペース」です。

遠笠山の山頂は、アンテナ塔に囲まれた場所で、三角点だけが存在している場所となります。

このため、展望についても皆無で、だただたピークハント目的に登る感じになってしまいます。

その中で、唯一、山頂付近で長めの良い場所となるのが、山頂手前の駐車スペースで、ここから天城山の主稜を眼前に眺めることができます。

私が眺めた中では、一番間近に天城の主稜を眺めることができる場所で、なかなかにテンションの上がった場所でもあります。

登山口から林道伝いに2時間程度で往復できる場所ですので、天城山散策後に物足りなさを感じるようでしたら、是非、足を伸ばしてみてくださいね。

ギャラリー

遠笠山は、アンテナ塔まで登ってくる作業者ようの駐車スペースから天城山の全貌を眺めることができます。
左から、万二郎岳
真ん中に、馬の背
少し落ち込んだ石楠立に、最高峰の万三郎岳
八丁池は隠れてしまってますが主稜線のほぼ全域を眺めることができました。

Instagramにアップしたこの場所の動画です。ちょっと風の音が喧しいので観ていただく際は、ご注意ください。

今回の山行での服装

今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。

同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。

山行中のコンディション

  • 天候曇り
  • 気温:13〜20℃
  • 活動場所:標高1,000〜1,400m

行動時の組み合わせ

  • ベースレイヤー:半袖Tシャツ
  • ミドルレイヤー:無し
  • アウター:無し
  • ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
  • その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋

停滞時の組み合わせ

  • ベースレイヤー:半袖Tシャツ
  • ミドルレイヤー:無し
  • アウター:無し
  • ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
  • その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋

公共機関移動時の組み合わせ

  • ベースレイヤー:半袖Tシャツ
  • ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
  • アウター:なし
  • ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
  • その他:薄手の手袋

今回は、スタートからゴールまで半袖Tシャツで活動しました。

歩き始めの気温は12℃ほどで海から噴き上がってくる風が心地よい涼しさでしたが、風の入らない樹林帯の急坂を登っているうちに汗が背中を濡らす暑さとなりました。

今回は、大きな休憩を入れることなく歩き続けてしまったので、体が冷えることなく半袖のまま過ごしてしまいましたが、山頂で食事を摂っていた登山客の大半は暴風着を羽織っていたので、そちらが参考になるかもしれません。

行き帰りの公共機関での移動の際は、薄手の長袖Tシャツを合わせて移動しましたが、正直、日暮を迎える前なら、半袖のままで十分だったかもしれません。

以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。

あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。

ギャラリー

スタート時点の気温は14℃でした。高度が上がるにつれて多少下がりましたが、大体この辺りの数値を行き来していました。
下山時にバスを待っているときの気温は19℃。夕方16時ごろでしたが、半袖でも全然余裕な暖かさでした。

山行の記録

ここからは、今回の山行について述べていきます。

アプローチ

今回は、東海バス「天城縦走登山口停留所」からのスタートとしましたので、「東京駅」からのアプローチは次の通りとなります。

  • 「東京駅」から、JR東海道線沼津行きに乗り込み、「熱海駅」へ
  • 「熱海駅」から、JR伊東線伊東行きに乗り込み、終点の「伊東駅」へ
  • 「伊東駅」から、東海バス天城東急リゾート行きに乗り込み、「天城縦走登山口停留所」へ

「熱海駅」からのJR伊東線は、春先のこの時期あたりからかなり混雑します。

ほとんどが、伊東より先の伊豆高原や伊豆下田へ向かう観光客となりますが、ちょっとの時間で座席はほぼ全部埋まってしまいます。

おトイレは伊東線車内にもありますし、時間帯によっては座席確保してから出発までかなり時間的余裕ができる場合もありますので、おトイレよりも先に車内の座席確保に動いてしまった方が良いかと思います。

わたしの場合、座席確保最優先で動いた時の方が幸せになれたシーンが多かったです。

なお、「天城縦走登山口停留所」を降りた先にも公衆おトイレがあるので、そこまで我慢というが無駄が無いプランに思えますが、伊東駅からの乗車時間は1時間近くありますので、普段からおトイレが近いようだったら、どこかで寄り道しておいた方が絶対に安心です。

スタート前に無理を重ねてストレスフルになるのだけは避けたいところですね。

ギャラリー

東京駅から、JR東海道線沼津行き始発に乗っていきます。
熱海駅乗り換えを考慮して、後ろよりの車両に乗っていくと良いでしょう。
熱海駅に到着したら
階段を降りて
早足で一番ホームへ向かいます。
無事に座席も確保できたので、正面の写真を撮っておきます。
30分ほどの乗車時間を経て、伊東駅に到着です。バス停は改札を出て左手になります。
5つほど乗り場が並んでますが、天城東急リゾート行きのバスは2番のりばになります。この日は立ち乗りになるくらい混んでいて、臨時便も出ていました。
1時間ほどバスに乗って、目的地に到着です。バスを降りて後方に向かうとハイカー用の駐車場と公衆トイレがあります。
この案内に沿って進むと
大きめの公衆トイレがあります。ベンチもあるので、ここで身支度するのが定番です。
準備が整ったら、きた道を戻って
車道の対面にある登山口から出発です。

東海バス「天城縦走登山口停留所」〜万二郎岳

ハイカー専用天城高原駐車場にあるおトイレ前で身支度を整えたら、天城縦走路入口の案内から登山道に入ります。

少し降って、涸れた堰堤を通過し、さらに降ると四辻よつじに到着です。

ここから「万二郎岳」方面に登っていきます。

しばし緩やかな登り坂を登っていくと木で組まれた階段地帯が見えてきます。

ここから、息が弾むぐらいの急登が続きます。

踏み跡が多数あって迷うシーンがでてきますが、やガイドロープの外側や道標の裏面に入らないよう意識して進めば、基本的に問題ないでしょう。

箒木山への分岐が見えてきたら、少し進めば「万二郎岳」山頂に到着です。

山頂の道標の裏手に南伊豆への展望が広がっているので、見落とさずに立ち寄っていってください。

また、この先の最高峰「万三郎岳」は展望皆無な場所なので、タイミングが良いなら休憩はこちらで取るのが良いでしょう。

ギャラリー

スタートしてしばらくは降り坂を進みます。
この辺の整備は、ゴルフ場がやってくれてるみたい。ありがたいですね。
堰堤の前を横切って
樹林帯を進みます。
苔むした感じの道を進んでいると
こんな感じに道標がいっぱい立っているので、目安に進むと良いでしょう。
ベンチが見えてきたら
最初の分岐点、四辻に到着です。名前の通り十字路かと思いきや三叉路なんですよね。
万二郎岳、万三郎岳方面へ向かいます。
この辺り、踏み跡がいっぱいあるので、変な道に入らないように注意です。
目印となるテープ、ガイドロープはいっぱいあるので、定期的に目印が見えなくなったら、一旦立ち止まってGPSアプリなどで進んでいる方向を確認しておきましょう。早めの起動修正が無駄に疲れないコツです。
平坦な道をすすんでいくと
高い位置にツツジの花が咲いてました。
朝日が透けて綺麗な色に光ってます。午前中の山は気持ちが良いですね。
足元注意の案内を通過すると
北方面にちょっとだけ視界が開けたガレ場に到着です。
アップにしてみましたが、どの山がどれだろうか。正面の台形が箱根山、右端の峰の連なりが丹沢であってるかしらね。
左の端っこギリギリに富士山が見えました。天城山内では富士山見える場所が限られるので、ちょっと得した気分です。
ガレ場を通過したあたりから、少し傾斜が上がっていきます。
短足には厳しい木の根をクリアすると
本格的に急登区間に突入です。
崩壊気味の階段を登っていくと
通行禁止の案内がありました。以前に来た時はこんな看板は立っていなくて、この先から伊豆大島を眺めることが出来た気がしたのですが、崩落しちゃったのかな。
仕方ないので諦めて山頂に進みます。
しばらく登って、バリエーションルートの箒木山への分岐を通過したら
万二郎岳山頂に到着です。
山頂の道標奥には、こんな眺めが広がってます。
人気スポットなので、あまり占有しないよう、パパッと撮影して次に譲ってあげてくださいね。

万二郎岳〜万三郎岳

「万二郎岳」山頂を通過して少し高度を下げた後は、主稜線を進みます。

残念ながら背の高い木々に遮られて展望は絶望的なのですが、木々の途切れた箇所からは、付近の様子を眺めることができます。

そんなちょっとしたアクセントを楽しみつつ稜線を進むと、馬の背、アゼビのトンネル、石楠立といったポイントが見えてきて、アマギシャクナゲの群生地に入っていきます。

今回は、蕾の方が多い感じで少々華やかさに欠ける雰囲気でしたが、蕾の量や開きぐらいを見る感じですと、5月下旬には満開のピンクの回廊の中を散策できそうな感じでした。

そして、アマギシャクナゲ群生地を抜けたあたりから山頂直下の急坂区間となり、登り切ることで「万三郎岳」山頂に到着です。

天城山最高峰ということもあり、ベンチが設置されていたり、レジャーシートを敷ける空間があったりと休憩場所としては適していますが、前出のとおり展望は皆無です。

もし余力があるのなら、この場所は通過してしまい、もう少し展望が期待できる場所を探すほうが良いように感じます。混雑しやすい場所でもありますし、ご検討くださいませ。

ギャラリー

万二郎岳山頂を過ぎたらしばらく降り坂を降ります。
この案内を合図に
ググッと降っていきます。
途中の木々が開けたところから、万二郎岳山頂に似た風景を眺めることができました。
尾根筋もちゃんと見えます。
坂を降りるとしばし平坦な道を進みます。
葉っぱの影が面白い模様の道を進みます。
木漏れ日というやつですか。初夏の感じがしてとても良い道です。
ちょっとした梯子を登ると
また、海側の展望が得られました。ここからだと、さっきまで居た万二郎岳もみえますね。
空気が澄んでいる冬季に来ると、伊豆諸島も見えたりするんですが、5月だと気温が上がってぼんやりな感じでした。
代わりに新緑が山々を彩ってくれて、これはこれで良い感じです。
万二郎岳と万三郎岳との中間地点にあたる、馬の背に到着です。
ここからは、北方向の眺望が得られました。天城高原ゴルフ場の先にあるピークは、遠笠山です。てっぺんにアンテナ塔があるのが目印ですね。
ギリギリ、富士山もみえてます。ほんとギリギリなので、無理して斜面を転げ落ちないようにご注意ください。
馬の背を通過したら、少し荒れ気味の登り坂を経て
アゼビのトンネルに到着です。
名前のとおりアゼビの群生地で、アゼビの花が沢山咲いていました。
満開の時期はもう少し先な感じでしたが、十分見頃で、小さいほおずきみたいな花がいっぱい付いてました。
頭上にもいっぱい咲いていましたが、ここは白い花が多い印象でした。
そしてトンネルというだけあって、背の低い木々が頭の上から覆い被さるように行手を遮ってきます。
潜り抜けながら進んでいくのが、結構たのしいんですよね。
こんな感じのトンネルを通過すると
ガレた降り坂に入ります。
ところどころに木の梯子がついていて、歩きづらいですが、危険を感じるほどでは無いので、ゆっくりゆっくり通過しましょう。
無事に降り切ると、石献立に到着です。
しばし、平坦な道を通過すると
この山行の第一目的、アマギシャクナゲの群生地に入りました。
5分咲きと言ったところでしたが、一房一房が鮮やかでとても目立つため、見応えがありました。
ここからアマギシャクナゲの様子を数枚載せていきます。
ちょっと暗いですが、この木は満開ですね。
多少暗くても、色鮮やかなので良い感じです。
これはちょっと色が濃いのでツツジの蕾でしょうか。
道ゆく先にピンク色の花が目に入って楽しいお散歩になりました。
こちらは、ちょっと濃いめの色合いですね。
マゼンダ色といったところでしょうか。
光の当たり具合でも、少し変わるのでなんとも言えませんが、発色が鮮やかでみていて飽きません。
アマギシャクナゲは蕾も目立つ色をしているので、すぐわかるのが良いですね。
だんだんと群生地も抜けてきて
緑色が増えてきたあたりで
散り際のマメザクラが咲いているのに気がつきました。
5月でもまだ散らずに残ってるのはびっくりでしたが
連休明け数日は、まだ残ってそうな感じでした。
山頂直下の急登地帯に入って
10分ほど登ると
天城山最高峰かつ、伊豆のてっぺん万三郎岳山頂に到着です。達成感はあるものの、ご褒美の素敵な眺めが無いのでちょっと寂しい場所でもあります。
弥栄の神(いやさかのかみ)だそうです。どう言った由来の神様像なのかわかりませんが、名前が素敵ですね。ひとまず、ご挨拶しておきました。

万三郎岳〜万三郎岳下分岐点〜涸沢分岐点

「万三郎岳」山頂を通過したら、降り一辺倒に降っていきます。

一気に200〜250mほど降ることになるので、膝を痛めないようにゆっくり降りましょう。

「万三郎岳下分岐点」まで降ってきたら、涸沢分岐点へ向かう周回ルートに進みます。

ここから、木組みの急階段を降っていくことになりますが、ところどころ雨風の影響で崩壊しており、すんなり降れないポイントがあります。

場合によっては木の根っこや岩を掴んだりして、無理なく通過するようにしてください。

涸沢分岐点まで降りてしまえば、あとは長いトラバース道に入ります。

ギャラリー

神様にご挨拶したら、反対方向へ降っていきます。
途中、ギリギリ木々の隙間から富士山がみえます。ババーンとみたいところですが、天城山の主稜線上だとこんな感じになっちゃうんですよね。
散り際のマメザクラを眺めながら
稜線を進むと
少しだけ北面に開けた場所に到着です。ここからググッと高度を下げていきます。
200m近く降ると
万三郎岳下分岐点に到着です。ここから涸沢分岐点方面へ進みます。
ガイドロープに従って進んでいくと
階段が見えてきます。
ガレ場と階段が交互に出てくる急坂を降っていきます。
階段も抉れて歩きづらいので転ばないように
足を取られないようにゆっくり降りていきます。
このあたりにもアマギシャクナゲが咲いていました。
淡い色合いの花に
蕾もたくさん
この降りも含めてシャクナゲコースということなんですね。
階段地帯を降り切って
しばらく樹林帯を進みます。
陽の光で透けた新緑が綺麗です。
ところどころ荒れ気味ですが、それほど危険は感じないトラバース道を進みます。
涸れた沢を通過して30分ほど進むと
涸沢分岐点に到着しました。
ここからバリエーションルートが伸びているようですが、素直に天城縦走登山口に向かいます。

涸沢分岐点〜東海バス「天城縦走登山口停留所」

「涸沢分岐点」を通過した後は、涸れた沢を何本か通過しつつトラバース道を進んでいきます。

アップダウンはほとんどありませんが、左側に傾き気味の山道を長く進むことになるので、体が傾きやすく、普段あまり使わない筋肉を酷使することで、思ったよりも疲労感を感じることになるでしょう。

ズンズン急いですすんで、息切れをおこさないようペース配分にはご注意ください。

1時間ほど小さなアップダウンを通過すると、四辻の道標がみえてきます。

ここからは、朝来た道を逆に進んでいくことで「天城縦走登山口停留所」へ到着です。

このまま、バスを待って下山というプランでも良いのですが、流石に歩き足りないので、少し離れた位置にある「遠笠山」のピークを踏んでから下山することとします。

ギャラリー

涸沢分岐点を過ぎたら、あとは危険箇所はほぼありません。
少しアップダウンがありますが、淡々と進んでいきます。
ここにもアマギシャクナゲありましたね。天城山全域に咲いているのかな。
ガレ場の降り坂を降って
杉やヒメシャラの木の間を進んでいきます。
ちょっとした梯子をクリアして
石柱101地点を越えると
あとは平坦な道となり
20分ほど進むと
四辻に戻ってこれました。
残りのアップダウンをこなせば
天城縦走登山口に到着です。

東海バス「天城縦走登山口停留所」〜遠笠山

「天城縦走登山口停留所」から車道を降って「遠笠山」の登山口へと進みます。

天城縦走登山口は天城高原ゴルフ場の駐車場にもなっているので、思いの外、交通量があります。

追い抜き車両に注意して降ってください。

30分ほど降ると、進行方向右手に青い鉄のゲートが見えてきます。

ここから先は私有地のようで車で入っていくことは出来ないようですが、掲げてある入山の注意事項を読む限り、登山、ハイキングで入山することはOKのようです。

諸々、注意事項も記載されていたので、よく読んでから入山すると良いでしょう。

山頂までの道は、8割はアスファルト、残りは砂利道です。

車が登っていく前提の道なので、平坦でスニーカーでも登りやすいかと思います。

山頂にはアンテナ塔が立ち並んでいて、山頂を示す道標などはありません。

三角点はあるので、それを目印に登頂を果たすと良いでしょう。

ギャラリー

ここからは、車道を進みます。
追い抜き車両が多い印象なので、後ろからのエンジン音を気にしつつ進みます。
駐車スペースが見えてきたら
進行方向右手に、青いゲートがあります。
ここの隙間から中に入ることが出来ます。
入り口に立っている案内板。内容的に登山、ハイキング目的なら出入りしても良いようですね。
車が普通に通過できるくらい整備された鋪道を進みます。
途中、伊東方面の展望に恵まれるので、ゆっくり眺めていくと良いでしょう。
一旦、砂利道にかわりますが
そのまますすんでいくと
再度、アスファルトの鋪道に変わって
アンテナ塔の脇まで登ってきました。
さらに、鋪道を先にすすんで行き止まりにある階段を登ります。
設備の間の細道を縫うように進みます。
そして、木々に囲まれた先に
三角点がありました。ここが遠笠山山頂で間違い無いかな。
一番高いアンテナ塔の麓まで行ってみたものの、山頂を示す道標などは無かったので、先ほどの三角点が山頂で間違いないと思います。間違ってたら、ご指摘くださいね。

遠笠山〜東海バス「ハーヴェスト天城停留所」

「遠笠山」山頂を踏んだら、そのまま登山口までピストンして、更に車道を降ります。

クネクネとした車道を降っていくと、スカイヒルズ前停留所が見えてきて左右の分かれ道に差し掛かります。

左へ進むとホテルハーヴェスト天城高原への近道になります。

あまぎスカイアドベンチャーというアスレチック施設を通過して10分ほど進んでいくと、洋風な建物が見えてきてゴール地点のホテルハーヴェスト天城高原に到着です。

ちょうど玄関に「ハーヴェスト天城停留所」があるので、そちらでバスを待って下山すると良いでしょう。

また、ホテル一階には観光地価格ではありますが、カフェやショップ、おトイレがありましたので、フロントでお断りした後、必要によりお借りすると良いでしょう。

ギャラリー

ピークを踏んだので下山です。
階段を降って
鋪道を降っていきます。
ここもアゼビの群生地のようで
目一杯、咲いていました。
こっちは高いところの花。青空に白い花がよく映えます。しかしアレですね。天城山周辺は白いアゼビばかりが目立ちます。愛鷹山塊や三筋山には、赤いのや黄色いアゼビもあったとおもうのですが、地域によって変わるんでしょうかね。
そして、駐車スペースからの天城山です。ここでテント泊できたら気持ちよさそうなのですが、流石に私有地に幕営するのは非常識ですよね。自重。自重。
来た道をどんどん降ります。
さらに降ります。
ようやく入り口のゲートが見えてきました。
登りの時にはいっぱい停まっていた車が一台も居ないのにびっくりしましたが、そのまま降っていきます。
チラチラする天城山を眺めつつ降ります。
スカイヒルズ前停留所が見えてきた当たりに
分かれ道があるので、左に向かいます。
楽しそうなアスレチック施設を横目に進んでいきます。
あまぎスカイアドベンチャーというのですね。ファミリー層によさそうな施設です。
T字路が見えてきたら左に折れると
洋風の建物が見えてきて
ホテルハーヴェスト天城高原に到着しました。
少し時間があったので、中庭をお散歩させてもらいました。
富士山の展望台があって、うっすら富士山を見ることが出来ました。
こんな展望図もあって、山座同定も捗ります。
そうこうしていると、伊東駅行きのバスが到着したので、この子で下山しました。お疲れ様でした。

おまけ

5月にもなると、ちょっとした山行でも汗だくになってしまうので、下山後のお風呂は必須になってきます。

そこで、今回も熱海駅前温泉浴場に寄り道していきたかったのですが、この日は水曜の定休日だったため、新たな立ち寄り温泉を開拓しようと伊東駅から歩いて5分の共同浴場である弁天の湯にご厄介になりました。

ここは、七福神の名前を冠した7つある伊東の共同浴場の一つで、観光客が訪れることはほぼ無いんだろうなと思わせる極一般的な銭湯なのですが、歴とした温泉で成分表もしっかりと掲げてありました。

にもかかわらず、大人250円と本当にいいのかなと思わせる破格の料金設定で、石鹸、シャンプー合わせても500円以内に収まってしまうなんともありがたいお風呂となっていました。

シャワーが無いため、毎回桶に溜めたお湯でザバザバしないといけないのが不便ではありましたが、値段を考えたら全然許容範囲内です。

熱めのお湯も好みにピッタリで、リピート確定な温泉施設をまた見つけてしまいました。

伊東駅に降りる機会あったら、また立ち寄ってみたいと思います。

「湯川弁天の湯」については、次の記事でも詳しくまとめています。合わせて読んでいってくださいね。

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伊東駅から徒歩5分。ちょっと年季の入った共同浴場、弁天の湯です。この令和の時代に、250円で温泉に入れるとかすごいことです。
伊東にはこんな感じの格安共同浴場が7つあるらしいです。これは巡ってみなければいけませんね。
熱めのお湯でしっかり温まっていたら、すっかり夕暮れ時になってしまいました。
そうそう、伊東駅は高崎線直通の始発駅でもあるんですよね。お尻が痛くなる距離ですが、赤羽駅まで乗り継ぎなしで帰れるのは楽ちんで助かりました。

まとめ

旬には少し早かったですが、天城山のシャクナゲコースを巡って、アマギシャクナゲを愛でてきた様子でした。

満開とはいきませんでしたが、樹林帯が続く道中に点在する淡いピンク色の大輪の花はとても目について、多くの登山客が足を止めて盛んに撮影していました。

これから6月までの間に満開の時期を迎えたら、すばらしい眺めが楽しめそうです。

是非、お天気に恵まれた週末に訪れてみてくださいね。

なお、山道は整備されていて遭難リスクは低くはありましたが、奥多摩や丹沢などハイキング道並みに整備された登山道と比べてしまうと、少々、荒っぽさが残る山域ではあります。

愛鷹山塊、沼津アルプスなど静岡の里山特有の滑りやすくアップダウンの多い山歩きを経験してないようでしたら、少々慎重に進むのが良いように感じました。

特に、万三郎岳下分岐点〜涸沢分岐点のあたりはトラバース道でもあり、初級者が通過するのには多少難儀するかもしれません。

そんな時は、十分に時間をかけてゆっくりゆっくり通過するようにしてみてくださいね。

それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

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