山行の記録|富士山吉田ルートから久須志岳の立体方位盤を見に行ってきました

富士山は日本一の山ということもあり、山頂の広さもかなりのものがあります。

火口の縁を巡る「お鉢巡り」は、歩行距離おおよそ3kmあると言われていて、ただただ普通に歩くだけでも1時間近くかかります。

その中にある八つの峰「八神峰(はっしんぽう)」と呼ばれるピークたちも踏みつつお鉢を一周するとなると、日帰りだとちょっとキツいかなと思うくらいの広さがあります。

今回の山行は、吉田ルートから登ってみたものの「剣ヶ峰」まで登れる時間が無かったので、八神峰の一角「久須志岳」の山頂に赴いて、設置されている立体方位盤を確認してきました。

なかなか立派な方位盤で、これを眺めるだけでも結構楽しむことができました。

なお、「久須志岳」山頂ですが、三角点は無いものの

  • 吉田口十合目「久須志神社」から歩いて5分の好立地
  • 方位盤の他に鳥居も立っていて、山頂の雰囲気ありあり
  • 火口や剣ヶ峰、白山岳なのへの眺めもバッチリ

といった具合に、吉田ルートで登頂したものの「剣ヶ峰」までは行けないなと思った時のとりあえずの目的地に設定するには最適の場所となっています。

もし、あなたがこれから吉田ルートでの登頂を目指しているようでしたら、代替プランのネタとして覚えておいて損は無いと思います。

是非、最後まで読んでいってくださいね。

目次

基本情報

まずは、今回の山行についての基本情報です。

山行の基本情報

日付:2022/8/6

天候:曇りのち晴れ

エリア:富士山エリア

コース概要:富士急バス「富士スバルライン五合目停留所」〜吉田口六合目〜吉田口本八合目〜久須志神社〜久須志岳〜吉田口下山道〜吉田口六合目〜富士急バス「富士スバルライン五合目停留所」

難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆

交通機関:

(往)富士急行線「富士山駅」から富士急バスで、「富士スバルライン五合目停留所」へ

(帰)「富士スバルライン五合目停留所」から富士急バスで、富士急行線「富士宮駅」へ

概要

吉田ルート(よしだるーと)

吉田ルートは、4つある富士山の主要登頂ルートの中で唯一、山梨県側から登る登山道です。

非常に人気の高いルートで、4ルートの中ではダントツに登山者の訪れる数の多い場所になっています。

その分、山小屋いっぱいで、道中もしっかりと整備されていてとても歩き易く、初めての富士登山するならこのルートを選んでおけば間違いないといったルートです。

詳しくは、富士山登頂主要4ルートをまとめた、次の記事に詳しく書いています。興味あったらこちらもご覧ください。

久須志岳(くすしだけ)

久須志岳は、富士山山頂のお鉢巡りで登拝の対象となった八つの峰「八神峰」の一つです。

「久須志(くすし)」というのは聞き慣れない言葉ですが、江戸時代には「薬師ヶ嶽(やくしがだけ)」と呼ばれていたようで、その名の一文字「薬(くすり)」をもじって改名されたと聞きます。

元々、富士山山頂の峰々は「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」により仏教色の強い名前が付けられていて、山頂には石仏が沢山並んでいたようですが、明治時代の「廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)」によりほとんどの石仏は叩き壊されて、名前も変えられてしまったのだそうです。

「八神峰」というのも、元々は仏教用語の中にある「八葉蓮華(はちようれんげ)」から取って「八葉(はちよう)」と呼ばれていたようですが、これも明治時代に変えられてしまいました。

久須志岳山頂は、標高は3,725mと「八神峰」の中では下から数えた方が早い高さですが、唯一、方位盤が設置されていて山頂らしさのあるピークとなっています。

外界から奥まった場所になるので、下界を楽しむには少々不便な場所になっていますが、山の内側に目を向ければ「火口」「剣ヶ峰」「白山岳」など、かなり秀逸な眺めを楽しむことができます。

吉田口十合目「久須志神社」からは徒歩5分で向かうことができますので、神社参りのついでに立ち寄ってみると面白いかと思います。

ギャラリー

久須志岳山頂です。鳥居と方位盤が目立ってますね。
方位盤のアップ。火口にはちゃんと「大内院」って書いてあります。山道も掘ってあって造形が細かいです。これのレプリカあったら欲しいなあ。
山頂の鳥居。八神峰の山頂でよく見かけるアレですね。白山岳のソレは壊れてましたが、ここのは健在でした。
鳥居のすぐ近くには、首の取れた石仏が置いてありました。廃仏毀釈の名残でしょうか。ちょっと痛々しいですね。そして、後ろにあるルパン三世オープニングのバックみたいな砕けた石、どうやったらこんなふうになるんでしょうね。火山岩に撃ち抜かれたとかなのかな。
火口への眺め。もう圧巻ですね。
ちょっとブレちゃいましたが、剣ヶ峰です。なんかバハムート取れそう。
白山岳です。こっちは雷岩近いからラムウ取れそう。
久須志神社奥の崖。スッパリ切れ落ちてるのが怖いです。
剣ヶ峰から眺めるとわかるのですが、久須志岳の火口側もスッパリと切れ落ちてるんですよね。ビビりーなわたしはここまでが限界でした。足元ザレてて不安定なので、過度の度胸試しはお控えくださいませ。

今回の山行上でのポイント

地図上の位置と標高

今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。

「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。

ご自由にご活用ください。

合計距離: 14925 m
最高点の標高: 3722 m
最低点の標高: 2276 m
累積標高(上り): 1618 m
累積標高(下り): -1620 m
総所要時間: 08:15:13
Download file: climbing-record-20220806.gpx

歩いた軌跡

続いては、GPSデータを元にした軌跡です。

市販の地図

今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。

本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。

わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。

ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。

5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。

おすすめ展望ポイント

今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。

展望の楽しめたポイント
  • 久須志岳山頂
  • 吉田口下山道
久須志岳山頂

今回の山行ルート上での展望ポイント一つ目は「久須志岳山頂」です。

お鉢の外縁からは少し奥まった位置になるので、下界を見下ろすのには適していませんが、火口の内側や山頂に立つ峰々の様子を眺めるにはとても良い場所です。

「剣ヶ峰」に比べて標高は低いですが、落ちたら即人生終了な崖の上から見下ろす火口は、「剣ヶ峰」からの眺めにも負けないくらい高度感があります。

「久須志神社」からとても近いので、吉田ルートで登った際には、是非お立ち寄りください。

ギャラリー

久須志岳山頂からの眺めです。ここからだと、火口やお鉢上の峰々に向けての眺めが秀逸でした。これは白山岳。
こっちは大沢崩れの上部あたり。お鉢巡りするときに、あの辺がやけにキツいと感じてたのですが、ここから見ると結構な勾配があるのがわかります。納得。納得。
火口と剣ヶ峰です。もうちょい前に出れそうでしたが、ザレている上に崖になってておっかないのでここ迄です。
浅間大社奥宮方面です。この方向の眺め、赤茶けた大地が火星っぽくて良いですよね。火星行ったことないですけど。
久須志神社もチラッと見えました。
吉田口下山道

今回の山行ルート上での展望ポイント二つ目は「吉田口下山道」です。

この日、下界の様子は見えなかったものの、素晴らしい雲海が広がっていて見応えがある場所となりました。

雲の中の真っ白な空間を登り続けていたこともあって、ここの開放感はなおさら素晴らしく感じました。

その他にも、登ってきたときに訪れた山小屋たちを横目に確認しつつ降りられるので、そういった点でも楽しい下山になりました。

ギャラリー

この日は、雲海がきれいでした。
その分、下界は雨降ってそうです。
一定の層で雲が留まっているの不思議ですよね。
海の方面も雲いっぱいでした。

注意した方が良さそうな区間

今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間はありませんでした。

大人気のルートなだけに、しっかりと整備されていて通過に迷う箇所は特にありませんでした。

注意した方が良さそうな区間
  • 特になし

今回の山行での服装

今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。

同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。

  • ベースレイヤー:半袖Tシャツ
  • ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
  • アウター:ソフトシェル、レインウェア
  • ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
  • その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋

今回の山行は、ほぼ雲の中を進むこととなりました。

このため、半袖Tシャツで登り始めたものの道中肌寒さを感じるシーンが幾度かありました。

雲を抜けて山頂に出ると、陽の光が入って暖かくなってきて、そのまま半袖Tシャツで活動を続けることできましたが、適宜、ソフトシェルや長袖Tシャツで調整した方がよかったかなと思います。

夏真っ盛りな8月初旬であっても、富士山のように高い山に赴く時には防寒装備を忘れずに持っていく必要があること、改めて感じさせてくれました。

公共機関の移動も、行きの電車は半袖で問題なかったのですが、帰りの電車の空調が効きすぎていてソフトシェルを羽織らないと寒くて仮眠もできない感じになってました。弱冷房車に乗っておけばよかったかもしれません。

以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。

あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。

山行の記録

ここからは、今回の山行について述べていきます。

アプローチ

今回の富士登山は、「富士スバルライン五合目停留所」からのアプローチです。

「東京駅」からの乗り継ぎは

  • 「東京駅」から中央線高尾行きに乗り込んで「高尾駅」で下車
  • 「高尾駅」から中央線松本行きに乗り換えて「大月駅」で下車
  • 「大月駅」から富士急行線に乗り換えて「富士山駅」で下車
  • 「富士山駅」から富士急バス富士山五合目行きに乗り換えて「富士スバルライン五合目停留所」で下車

という流れになります。

高尾駅での乗り換えは、同じホームに停まっているお隣の車両への乗り換えでなのですが、停車時間がシビアなのでおトイレに行っている時間はありません。

大月駅での乗り換え時には、若干余裕がありますが「富士山五合目フリーきっぷ」などのお得きっぷを購入するなら少々タイトな時間なので、「富士山駅」に到着するまでは、落ち着いておトイレに立ち寄るのは難しい感じです。

大惨事にならないよう、おうちを出るときにちゃんと済ませておいてくださいね。

「富士山駅」でのおトイレ事情は、改札前に一箇所と、バスターミナル内のバス切符売り場内に一箇所あります。

ここも、ゆっくり入っているとバス待ちの行列がとんでもない長さになることがあるので、速やかに済ませて列に加わるようにしてくださいね。

ちなみに先ほど少し触れた「富士山五合目フリーきっぷ」の仕様ですが、次のような設定になっています。

  • 2日間、富士急行線の大月駅〜河口湖駅区間を乗り放題
  • 富士山駅or河口湖駅〜富士スバルライン五合目までの富士急バス往復運賃込み
  • 発売期間は、2022年7月10日~2022年9月10日
  • お値段、おとな一人3,800円

参考までに、普通に大月駅から富士スバルライン五合目を往復すると次の通りです。

  • 大月駅〜富士山駅間の富士急線往復運賃:2,078円
  • 富士山駅〜富士スバルライン五合目間の富士急バス往復運賃:2,300円
  • 合計:おとな一人4,378円

合計で2割近く安くなるだけで無く、富士急線沿線が2日間乗り放題になるのが破格ですね。この乗り放題は、丹沢フリーチケットのように一回でも反対方向に戻ったらそこで終了という仕様ではなく、青春18切符のように完全に乗り降り自由なところが非常にポイント高いです。

購入方法は、大月駅の富士急線乗り換え有人窓口で「富士山フリーきっぷ下さい」と言えば誰でも買えます。

吉田ルートから富士山に登るなら買わない方が愚かモノになっちゃうので、富士急行さんが心変わりして仕様変更しないうちに、ガッツリと活用してやりましょう。

関連リンク

富士急バス公式サイトのお得きっぷのページを載せておきます。詳しくはこちらをご確認ください。

ギャラリー

東京駅から中央線高尾行きに乗っていきます。高尾駅での乗り換えを考慮して、前寄り3車両目に乗っておくと良いです。高尾駅で乗り換える車両六両編成なので、3両目が先頭車両の手前に停まる形になるんですよね。
高尾駅で乗り換え。お隣に乗り移る形になります。夏の時期は、利用客多いので席取り合戦が熾烈です。トラブルに巻き込まれないように注意です。
大月駅到着です。富士急行線は先頭車両側にあります。乗り換え用改札手前におトイレあるんですけど、お得きっぷを買うならスルーして、きっぷ購入を優先しましょう。
お得きっぷの購入は、乗り換え改札の有人窓口で買えました。一度JR駅を出て外側の窓口で購入するとなると結構なタイムロスになるので、これが地味に助かりました。
富士山五合目フリーきっぷです。2枚目の「ご案内」は捨てちゃっても大丈夫でした。二日有効なので小屋泊の富士登山にも十分対応できますね。
この日はナルト号でした。今は息子が主人公なんでしたっけ。よくわかんないや。
富士山駅に到着です。ほんとであればここから富士山の全貌を眺めることができるのですが、今回、富士山を見るには心眼が必要でした。
構内のおトイレは改札出る手前の右手です。
バス停は、改札を出て左に折れます。
左折したら、さらに左に折れます。
5番のりばがお目当てののりばです。
バスターミナルに着いたら横断歩道を二つ渡った奥に、5番のりばがあります。
こっちは、バスきっぷ売り場。この中にトイレがあります。必要によりお借りしましょう。それと、バスの往復チケットだけを購入したい時は、こっちに並んで購入してください。
5番のりばです。ここで待ちます。が、お互い無言のまま並ぶ人が多くて、時に行列がカオスになることがあります。よくわからん列になってたら、どこが最後尾か確認して並んだほうが良いように思います。トラブってからだと面倒ですしね。
富士スバルライン五合目に到着です。そしてこのバス電気自動車なんだとか。環境に優しくて良いことです。
五合目の案内図です。おトイレに寄って、身支度して、登山道に向かいましょう。
バス停付近から見ると、こんな位置関係です。
これが公衆トイレ。大きくて綺麗なんですよ。しかもタダ。お隣の休憩所が身支度にも使えて一石二鳥です。
おトイレと身支度が終わったら、登山口に向かいます。目の前で検温と協力金の受付してます。強制というわけでも無いですが、納得できるようならお支払いするのが良いのではないでしょうか。
ここが登山口です。諸々準備できたら出発しましょう。

富士急バス「富士スバルライン五合目停留所」〜吉田口六合目

「富士スバルライン五合目停留所」に降りたら、何はともあれ公衆トイレに向かいます。

ここの公衆トイレは綺麗で大きいのに無料なので使わない手は無いです。

六合目から先、登るにつれておトイレのチップ代が上がっていきますので、出発前にはひとまずおトイレを済ませておいた方がお財布に優しい山行になるでしょう。

ちなみに、周辺の店舗内のおトイレは有料です。

わたしも最初は何も知らずに、お金払っておトイレお借りしてしまいましたが、有料だからといって、特別綺麗だとか、便利だとか、そういうことは一切ありませんでした。

公衆トイレとレベルは同じなので、余程のことがない限りは公衆トイレで済ませることをおすすめします。

おトイレが済んだら、休憩所にある椅子やベンチをお借りして身支度を整えて登山口に向かいましょう。

登山口前では、検温と協力金の受付をしています。

協力金は、今の所強制ではないようです。

ご自身の懐具合と相談して、大丈夫なようなら協力しましょう。

登山口を過ぎると、お中道的トラバースルートを30分ほど降ります。

その後、アスファルトで固められた岩場と砂地を交互に登って吉田口六合目に入ります。

ここにも、協力金のテントがあり募集の呼びかけをしています。

富士山の環境保全のために必要なことだと理解はできますが、同じ山行の中で何度も「金払え」と言われるのは心情的にちょっとモヤっとしますよね。

担当の方も、支払ってくれた方に再度声掛けるような無駄は省きたいだろうと思います。

このため、協力金を支払った時にもらえる記念品「木札」をザックの見えるところに括り付けておくことをお勧めします。

そして、六合目からが富士登山も本番に入ります。

気持ちを入れ直して、登り始めましょう。

ギャラリー

やめよう弾丸登山の横からスタートです。
少し平坦な道を進んで
見晴らしの良い降り坂を吉田ルートに向かって進みます。
天気が良いと、ここからの眺めも素晴らしいのですが、この日は虚無感バッチリでした。
石畳になった道を進むと
吉田口六合目への分岐が見えてきます。まっすぐ行くと「佐藤小屋」に行けますが、今回は登頂目的なので六合目へ向かいます。
泉ヶ滝です。水は流れてはいないようで、滝の跡地という感じです。
アスファルトの道を登っていくと
砂地の道に変化します。
皆さん、モリモリ登っていきます。若い人はやっぱりペース早いです。追いつけないや。
落石の避難壕の中を通って暫く歩くと
六合目に到着です。ここに着くまでの間に「木札」を見える位置につけておきましょう。協力金払ってマンに呼び止められなくなります。
警察の出張所みたいな建物の前を通過すると
山頂へ向かう登山道に到着です。
そして、ここからが登り本番になります。焦らずゆっくり登っていきましょう。

吉田口六合目〜吉田口本八合目

吉田ルートは、七合目まで滑りやすい砂地の登山道が続きます。

滑るたびに、無駄な体力を消耗することになるので、ベタ足重視でゆっくり登っていってください。

天気が良いと、大きな砂防壁の合間から、山岳集落のように密集した山小屋街を見上げることができます。

七合目手前からは、溶岩流の固まった岩場が顔を出し始めます。

砂地よりも足場が安定するものの、登る時の傾斜は増しますので、人によっては厳しく感じるかもしれません。

なるべく、太ももを上げずにすむルートを見つけて小刻みに登るようにすると楽に登れると思うので参考にしてみてください。

それと、この辺りから他の登山客との間隔を少し大きく取るようにしたほうが良いです。

前の人の転倒に巻き込まれないようにというのもありますが、稀に、登るのに精一杯な方の持つ杖が、後ろに突き出されることがあるので、そういった点にも注意が必要です。

その後、七合目、八合目と山小屋ラッシュが続き、それらをクリアしたら須走ルートとの合流地点「吉田口本八合目」に到着します。

「浅間大社境内」の大きな案内が目印になります。

ここから、人口密度がグッと増えるのに合わせて、登る傾斜もグッとキツくなります。

兜の尾を締め直して進んでくださいね。

ギャラリー

吉田ルートは六合目からが富士登山の本番です。
休業中の山小屋を通過して
砂防壁で防御された砂利道を登ってきます。
天気が良ければ、上方の山岳集落みたいな山小屋たちが見えるのですが残念です。
七合目手前から、岩場に入っていきます。
小刻みに登って七合目に到着です。
花小屋さんだそうです。なかなか年季の入った山小屋ですね。
下界を見下ろしてみましたが、いやほんと虚無感バッチリですね。
人だかりが出来ていて何かと思ったら
急坂の岩場でした。渋滞になっていたようです。
急坂を登り切ると七合目、日の出館まで登ってきました。吉田口は、七合目と八合目の山小屋が多すぎて名前覚えられないです。
雲の中を登っていきます。
この辺りは、石で作った人工の階段になっていました。寧ろ、大きく太ももを上げないといけないのでキツい感じです。
七合目3つ目の山小屋、トモエ館に到着です。他のルートは、山小屋の名前間違えても到着できるように七合四勺とか七合五勺とかにしてるんですけど、吉田ルートの山小屋は多すぎてそうもいかないのかな。
なお、トモエ館は全館個室だそうです。贅沢だなー。
雲を抜けてきたのか、青空が少し見えてきました。
最近お天気の勉強をしてるので、雲見ると名前当てクイズが自分の中で起こります。上空にあるすじ雲が巻層雲。足元のモコモコの塊は層積雲。どうでしょう。合ってるかな。
なかなか急な岩場を通過していくと
救護所がありましたが、残念ながらお休みでした。
そして4つ目の七合目山小屋、鎌岩館に到着です。
雲を抜けたと思ったのですが、気のせいのようですね。まだまだ虚無感しっかり残ってます。
上方にも、うっすら霞が掛かっていました。
五つ目の七合目、富士一館です。
ここからも岩場が続きます。赤い鳥居が目立ってますね。まずはあそこまで登りましょう。
鳥居を潜ると神社ではなく
本七合目の山小屋、鳥居荘がありました。
そして、海外ツアー客と思われる方々と出会しました。邪魔にならないように、端っこを通過させてもらいます。
見た目が、チョー綺麗な東洋館に到着です。ここ泊まってみたいんですよねー。どんなんだろうか。
更に岩場をクリアしていきます。
吉田ルートは本当に山小屋が豊富です。それでも、ほとんどの部屋が連日満員なんだとか。大人気ですね。
ようやく八合目の文字が見えてきました。太子館です。標高も3,000mを越えてきましたね。
八合目の救護所です。こっちは開設しているようです。絶対にご厄介にならないようにしましょうね。
工事中の区間を登ります。
八大龍神だそうです。この辺りも霊場なんでしょう。ゴミ落としたり、つば吐いたりしないように。
真新しい石垣の横を登っていくと
2件目の八合目山小屋、白雲荘がありました。
工事の進んでいる砂防壁の道を上がっていくと
また鳥居があって
ここには冨士山天拝宮というお社みたいなのがありました。ここは富士講中興の祖と呼ばれた、食行身禄を祭っているんだそうです。
そして3件目の八合目山小屋、元祖室です。この変わった名前も、食行身禄に因んだものみたいです。この方が即身仏となった時に建てたお堂の名前が、元祖室だったのだとか。
この辺り、階段の段差が大きくて非常に登りづらいです。
そんな登りづらい階段を登っていくと富士山ホテル地帯に入り
山小屋の間をすり抜けていくことで
本八合目の須走ルートとの合流地点に到着します。ここは混雑しやすい場所なので、なるべく道の真ん中には立ち止まらないようにご注意ください。ちょー邪魔になりますよ。
下界を眺めると、今度こそ雲を抜けしたようで、眼下に綺麗な雲海が見えていました。

吉田口本八合目〜久須志神社

「吉田口本八合目」を通過すると、赤い火山石の目立つ岩場がメインになります。

浮石も多いので、誤って踏んでしまって転倒しないように、足元ご注意ください。

「八合五勺」の御来光館、「九合目」の迎久須志神社跡を通過すると、更に傾斜が増して、息が弾む場面が増えていきます。

酸欠で高山病を発病しやすい場所でもあるので、周囲を気にしつつ無理の無いペースで登ってください。

狛犬と鳥居が見えてきたら十合目「久須志神社」は目の前です。

鳥居の前は撮影スポットとして賑わうので、できるだけ「久須志神社」まで登り切ってから休憩を入れるようにしてあげましょう。

せっかく笑顔でポージングしているのに、ヘトヘトになった登山者がバックに映り込んでいるのは、ちょっとかわいそうですからね。

ギャラリー

それでは、吉田ルートからの登頂も後半戦に突入です。ギター持ってる登山者が居たり、素足で登ってる登山者が居たりと、なかなかカオスな状況の中を登っていきます。
おかしいな。雲は抜けたと思ったのですが、まだまだ雲の中を進むことになりそうです。
虚無感サイコーな中を登っていくと、八合五勺の案内が見えてきました。
御来光館に到着です。
見下ろすとこんな感じになりました。登ってきた山道が徐々に見えてきて良い感じです。
山頂は雲の間から薄ら見える程度です。
この辺りから、更に空気が薄くなってきた感じがするので、それに合わせてペースダウンしておきます。
九合目の案内が見えてきて
鳥居を通過すると
九合目の迎久須志神社の跡地がありました。
この裏手が、平坦な休憩所向きの場所になっていて、日によっては混雑するのですが、今日は天気が悪いのでガラガラでした。
特に休憩は取らずに山頂に向かいます。
山頂直下の急坂地帯に入ってきました。ここはいつ登ってもキツいですね。
四足獣のように腕も使って登っていきます。
ようやく最後の鳥居が見えてきました。
狛犬さまたちも健在です。ちょっと前を通りますよー。
そしてそして、ついに吉田口十合目、久須志神社に到着しました。吉田ルート登頂おめでとー。ありがとー。
登ってきた登山道を見下ろします。雲海が綺麗です。
そして皆頑張って登っているのが確認できます。あとちょっとー。頑張ってー。
下界を見ながら時計を見ると15時を回ってました。剣ヶ峰は諦めて、近場の久須志岳でお茶を濁して帰ることにします。ただ、久須志岳山頂はお茶を濁すとかじゃなくて、結構楽しめちゃったのは嬉しい誤算だったんですけどねー。

久須志神社〜久須志岳

「久須志神社」にてご挨拶を済ませたら「剣ヶ峰」へ向かいたかったのですが、時計を見ると15時を回っていました。

最近、体力の低下が顕著で、前回のお鉢巡りも1時間以上掛かっていたことを考えると、ここで「剣ヶ峰」まで行ってしまうと、最終バスに乗り遅れる恐れが出てきたので、今回はここまでで下山することとしました。

ただ、このまま帰るのもちょっと味気ない気もしたので、すぐ近くの「久須志岳」山頂まで赴いて、気になっていた「立体方位盤」を確認していくことにしました。

「久須志神社」から時計と反対周りにお鉢を進んで5分ほど登ると現地に到着です。

お目当ての「方位盤」には、「全日本山岳リレー縦走」と書かれており昭和41年の文字がありました。

わたしの生まれは昭和46年なので、わたしよりも年代ものだったようです。

その割には、方位盤に掘られた文字もはっきり読み取れるほどで、なかなかしっかりと作られたもののようでした。

小さな鳥居も立っていて、山頂に登った達成感みたいなものを味わった後、「久須志神社」の前まで戻って「吉田口下山道」から下山することとしました。

ギャラリー

久須志神社でご挨拶を済ませたら、時計と反対周りにお鉢を進みます。
少し登りますが、大した高さではありません。
のんびりと回り込むように登っていくと
方位盤と鳥居が見えてきて山頂に到着です。
山頂自体の様子は先に説明したので、ここでは方位盤の向きに合わせての四方向の眺めを載せてみます。これは西方向の眺め。
こっちは東方向の眺め。
そして、南方向の眺め。
最後に北方向の眺めです。外界は雲ばかりで全然わかりませんね。残念。
吉田ルートの乗っている方位盤の場所をアップにしてみました。吉田口とかスバルラインとかの文字見えてるでしょうか。富士五湖もちゃんと凹ませてあって、本当によくできてました。
最後に、ラストダンジョン感溢れる剣ヶ峰をもう一度眺めたら下山です。
方向的に河口湖の方向でしょうか。こちらの雲海もいい感じに広がっていました。
久須志神社に戻ってきました。
山頂山小屋前を通過して
成就岳を眺めて下山道に入ります。成就岳の山頂は、疲れちゃったのでスルーしちゃいました。テヘペロ。
さあ、時間もおしてきました。気張って下山していきましょう。

久須志岳〜吉田口下山道〜吉田口六合目〜富士急バス「富士スバルライン五合目停留所」

「吉田口下山道」は、砂地の九十九坂が続く滑りやすい下山道です。

そして、途中に須走口下山道と分岐地点があります。

この分岐を別れてしまうと、反対のルートに戻るのはなかなか大変なので間違えないようにする必要があります。

実際に間違える人が多いのでしょう。看板だけでなく、スピーカーで日本語や英語の音声も流しながら注意喚起していました。

間違える事なく吉田口下山道へ進むと、引き続き砂地の九十九坂を降っていくことになります。

この降り道ですが、須走口下山道よりも砂が浅いので、膝への負担が大きい点に注意しておく必要があります。

須走口下山道の「砂走り」のつもりで駆け降りると、途中から膝が笑ってしまいペースが極端に落ちるかもしれません。

腰を落として、膝や足首のクッションを活かしながら降りるようにしてみてください。

七合目に当たる公衆トイレが見えてきたらキツい九十九坂も終了間近です。

林間の道に入り20分ほどで吉田口六合目まで戻ってこれるでしょう。

ここからは、朝に登ってきた道を逆に辿っていくことで「富士スバルライン五合目」に帰ってこれます。

そして、バスの待ち行列に並ぶ前には、忘れずにおトイレを済ませておきましょう。

麓まで1時間はバスに乗りっぱなしになるので、おトイレ我慢したまま乗り込んでしまうと、人生の危機に陥るかもしれません。くれぐれもご注意くださいね。

ギャラリー

雲海広がる中、下山道を降ります。
下の方は、雲の中になっているようですね。
時間がおしているので、悠長なことも言ってられません。どんどん降りていきます。
須走ルートの登山道との合流地点を通過します。
富士山ホテルへの抜け道前を通過します。
須走ルートとの分岐地点まで降りてきました。ここ間違えると後戻りできないので注意です。
ちゃんと確認して吉田口・富士スバルライン五合目へ向かいます。
この山小屋の前を進みます。
下江戸屋という名前の山小屋でした。皇太子殿下御宿泊ということは、今上陛下が御宿泊したということですよね。箔がついて良きことです。
下江戸屋からの眺めです。須走を降る人々が見えますね。
こっちは、須走から登ってくる人たちかな。
そして、吉田口下山道を降りていく人々。こっちに合流して降りていきます。
相変わらずの九十九坂を降りると
中間地点の避難所に到着しました。九十九坂も概ねあと半分。先は長いです。
無心に降りていきます。
ペースを保ちながら、カクカク降りていくと建物が見えてきました。
七合目の公衆トイレです。ここまできたら九十九坂も終盤です。
残り3回ほどカクカクしたら
樹林帯に入り
落石のための避難壕の中を通ります。こいつ、シェルターといえばよかったのですね。
シェルターの中はこんな感じに手すり付きの階段になっています。正直、外側の砂地を降ったほうが楽なのですが、ここは注意に従って中を歩きましょう。
3度ほどシェルターを通過すると、完全に樹林帯に入ります。蒸しているように見えますが、こう見えて結構寒かったです。
六合目手前の分岐地点です。ここを左折すると吉田口登山道に戻れて永久ループに突入できます。戻らないですけど。
そして、吉田口六合目まで戻ってきました。17時を回ってますが、これから登るツアー客で賑わってました。明日のご来光狙いですね。立派な日の出が見れますように。
朝登ってきた道を逆走していきます。
砂地の坂を降り
樹林帯を降ります。
泉ヶ滝の分岐を通過したら
地味に足腰に効いてくる、ゆるい登り坂を進むと
富士スバルライン五合目の街並みが見えてきました。
登山口で振り返ってみましたが、山頂は雲の中ですね。
一旦、おトイレに寄り道して
バス停に到着です。時計は17時55分。15分早いと一本前のバスに乗れましたが、それは欲張りすぎですよね。最終バスに間に合ったのでヨシとしましょう。

おまけ

今回は、途中下車し放題の「富士山五合目フリーきっぷ」を購入していたので、「都留市駅」で途中下車して、「より道の湯」というスーパー温泉に文字通り「より道」してきました。

駅から徒歩1分の立地はとても便利で、出来てから日が浅いのか設備もとてもキレイでした。

お風呂の種類は「内風呂」「外風呂」「壺風呂」「ジェットバス」「炭酸風呂」、そして「サウナ」という構成。

よく行く埼玉県戸田市のスーパー銭湯「七福の湯」と構成が類似していましたが、スーパー銭湯なんてどこも似たり寄ったりなのでしょうね。

アメニティに、カミソリと歯ブラシをつけてくれて、時間制限無しのおとな一人1,100円(2022年8月時点)でした。

ふじやま温泉の1,800円に比べると、まあまあリーズナブルな価格です。

河口湖近辺はお風呂に困っていたので、良い選択肢が増えました。

また、活用させてもらうことにします。

お疲れ様でした。

以下に、「より道の湯」を詳しくまとめた記事も書いてます。詳しくはこちらを見ていってください。

ギャラリー

「より道の湯」の外観です。建物が黒塗りなので、夜中に見ると真っ暗でちょっと不気味ですね。
入り口も、なんだかヘンな施設の入り口みたいで気が引けましたが、内装はお風呂含めてチョー綺麗で、とても居心地が良かったです。
お風呂で汗を流してさっぱりしたところで、電車で帰宅しました。家に着いたら午前様になっちゃいましたが、今回もとても楽しい富士登山となりました。お疲れ様でした。

まとめ

富士山吉田ルートから久須志岳山頂に登った時の様子でした。

富士山登頂するなら、誰でも最高峰「剣ヶ峰」まで行きたいと思うことでしょう。

しかし、その時のコンディションによっては時間的、体力的に厳しい場合もあります。

そんな時には、また違った目的地を設定して楽しむといったこともできるのが、富士山の懐が大きい理由の一つなんだろうと思います。

わたしもまだまだ不勉強で、どんな楽しいものが隠れているか分かっていません。

また、楽しそうなもの見つけたら、ブログに書かせてもらいますね。

それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。

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