2022年も4月中旬を過ぎて、関東圏の大部分の桜は葉桜となってしまいました。
しかし、富士五湖の一つ「河口湖畔」の桜は散り始めたばかりということで、今年最後の花吹雪を楽しむために河口湖湖畔に足を運んでみました。
このように書くと最初から湖畔でお花見の計画で赴いたように見えますが、実は大々的にやらかした結果のプラン変更なのでした。
そのような訳なので、今回はカケラも山行をしていません。
さて、どんなことをやらかしたか気になった方は、本文の方を読み進めてもらえたら嬉しいです。
特典として、散り際の素敵な桜たちの様子も楽しむことができるので、あなたが桜好きであれば時間の無駄とはならないはずです。
それでは、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の散策についての基本情報です。
日付:2022/4/16
天候:曇りのち晴れ
エリア:河口湖エリア
コース概要:富士急行線「河口湖駅」〜船津浜〜八木崎公園〜冨士御室浅間神社〜さくらの里公園〜留守ヶ岩〜大石公園〜産屋ヶ崎〜船津浜〜富士急行線「河口湖駅」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)富士急行線「河口湖駅」から、スタート
(帰)富士急行線「河口湖駅」から、帰路へ
概要
河口湖(かわぐちこ)
河口湖は、山梨県河口湖町にある富士五湖の一つです。
面積こそ山中湖に次ぐ、富士五湖2番目の大きさとなりますが、湖畔一周の長さは19kmにも及び、こちらは富士五湖最長となっています。
その他にも、他の4つの湖には無い特徴として、河口湖大橋という車の通れる規模の大きな橋が架かっている点、うの島という無人島が湖面に浮かんでいる点などが挙げられます。
周囲を囲む山々は、一番有名な「三つ峠」を筆頭に、「御坂山」「黒岳」「破風山」「天井山」「足和田山」と御坂山地の山々が名を連ねます。
また、早くから観光地として開発されたことで、湖畔にはさまざまな観光施設が軒を並べていて、一年を通して非常に多くのイベントが開催されており、大勢の観光者が訪れる場所となっています。
四季別に挙げると、春の桜祭りに、秋の紅葉祭り、そして夏と冬にそれぞれ開催されている花火大会などがあります。
近年は、海外観光者の訪れる機会も大きく増え、日本語よりも海外の言葉を聞くタイミングの方が多いのではと錯覚するような土地柄に変化してきています。
その他の特徴としては、古くから富士山信仰の拠点として北岸に「河口浅間神社」、南岸には「冨士御室浅間神社」という重要な神社が建てられています。
特に「冨士御室浅間神社」の本宮は富士山山中に残る最古の社とされていて非常に重要な信仰の拠点となっているようです。
公共交通機関によるアクセスにも恵まれており、富士急行線や富士急行バスと多彩なアクセス方法を持つ交通の便がとても良い場所となっています。
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今回の散策上でのポイント
地図上の位置と標高
まずは、今回の歩いた場所について、地図上の位置、標高を示します。
最高点の標高: 869 m
最低点の標高: 827 m
累積標高(上り): 1552 m
累積標高(下り): -1554 m
総所要時間: 07:34:15
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめお花見ポイント
今回の歩いたルート上でお花見に適したポイントは、次の場所になります。
- 冨士御室浅間神社
- 河口湖ウォーキングトレイル(北岸)
- 河口湖ウォーキングトレイル(東岸)
冨士御室浅間神社
お花見を楽しめたポイントの一つ目は「冨士御室浅間神社」です。
河口湖南岸にある富士山信仰の重要な拠点の一つとなる神社ですが、南面に建つ黒い鳥居から拝殿に続く参道の両脇に植えられた桜たちがとてもきれいでした。
残念ながら、境内の桜は散ってしまっており、一週間ほど早く訪れたら満開の桜に彩られた参拝となったかもしれません。
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河口湖ウォーキングトレイル(北岸)
お花見を楽しめたポイントの一つ目は「河口湖ウォーキングトレイル(北岸)」です。
河口湖の湖畔にはさまざまな散策路が設置されています。
その中でも広範囲をカバーしている「ウォーキングトレイル」の北岸側に当たる区間の桜並木がとてもきれいに咲き誇っていました。
具体的には、「秀峰閣湖月」という宿泊施設から「河口湖美術館」の芝生広場までの区間となります。
ソメイヨシノをメインに、芝桜やチューリップ、ヤマブキにユキヤナギなどの春のお花も一緒に楽しみながら散策ができるとても魅力的な散策路になっています。
そして、ここからは対岸の先に大きく富士山が見えるため、桜と富士山を合わせて撮影する観光客で賑わいを見せていました。
できれば逆光になる夕方よりも早朝に訪れた方が良い場所ではありますので、きれいな写真を狙って訪れるつもりだとしたら、頑張って早起きしてみてくださいね。
河口湖湖畔でのお花見といったら、この区間は定番中の定番。抑えておけばまず間違いは無いでしょう。
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河口湖ウォーキングトレイル(東岸)
お花見を楽しめたポイントの一つ目は「河口湖ウォーキングトレイル(東岸)」です。
具体的には「産屋ヶ崎」から東に向かい「ホテル湖龍」付近までの湖畔に設置された散策路です。
こちらは、より発色の強い八重桜、枝垂れ桜の割合が多く、北岸よりも目に鮮やかな印象のあるお花見が楽しめます。
桜の他に、桃の木が植えられた区間もあり、さらにお花の主張が増した風景を楽しめます。
富士山もかろうじて見える範囲となりますので、富士山と春のお花をセットに楽しむことができます。
北岸と異なり、富士山が真南に当たらないことから、訪れるのが午後遅くなったとしても逆光となる機会が少なく、その点でおすすめの区間です。
少し歩く距離は伸びますが、北岸から産屋ヶ崎を通って東岸まで繋げて歩ければ、桜、富士山だけでなく、運が良ければ湖面に映る逆さ富士も目にすることができるかもしれません。
是非、お天気の良い日を狙って試してみてくださいね。
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注意した方が良さそうな区間
今回の歩いたルート上で、注意したほうがよさそうな区間は、特にありません。
だたただ、湖畔を歩いていただけなので当然といえば、当然ですね。
- 特にありません
今回の散策での服装
今回の散策では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:薄手のフリース、ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
今回の活動中は、半袖Tシャツにソフトシェルという出立で歩きました。
この日は気温17度付近と春の陽気ではあったのですが、湖畔は風が強く日陰に入る度に体力を持っていかれる感覚があったため、歩き始め5分ほどでソフトシェルを羽織っていくこととしました。
午前中こそ暑さを感じたものの、正午を周り夕方に近づくにつれて程よい感じとなってくれました。
交通機関での移動中は、半袖Tシャツと薄手の長袖Tシャツ、薄手のフリースでちょうど良い感じでした。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
散策の記録
ここからは、今回の散策について述べていきます。
今回のやらかした点
まずは、今回やらかした内容からです。
ざっくり言ってしまうと、思考停止が招いたお粗末な撤退劇といったところでしょうか。
当初のプランは「笹子駅」から沢筋を遡って「本社ヶ丸」まで登り、そこから「三つ峠」を経由して「河口湖北岸」に降下し、お花見を楽しむつもりでいました。
しかし、この日の前日は、日中から夜半にかけて長い時間雨が続いた日。
予定していた沢筋を遡るルートはスタート地点から水嵩が増していて、この先を進むのに不安を感じる状態となっていました。
雨の降った翌日です。ちょっと考えれば沢の水が増すのは当たり前のことで、最初のプランを固持したまま現地まで来てしまったのは、思考停止の何者でもありません。
この状態のまま沢筋を進んでも、臨機応変に判断できるか自信が無くなってしまったので、この日の山行は諦めて、湖畔散策に気持ちを切り替えることしたのが、今回のやらかした内容でした。
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改めてアプローチから
そんなわけで、山にも登らないのにガチ装備一式を担いで湖畔をお散歩することなりました。
改めてのスタート地点は、富士急行線の終点駅「河口湖駅」としました。
今回は「笹子駅」の無駄な往復というのがありましたが、通常の流れでいくと「東京駅」から中央線で「高尾駅」へ向かい、そこで松本行に乗り換えて「大月駅」へ。さらに富士急行線に乗り換えて「河口湖駅」へというルートになります。
「河口湖駅」は観光の要所ということもあり、とても大きく綺麗な駅なので、おトイレまで少し歩きますが、おトイレは入れる時に入っておくのは鉄板ですので、面倒がらずに立ち寄ってからスタートを切るようにしてください。
身支度は、駅の至る所に設置されている長椅子で行えば良いでしょう。
駅前は人通りだけでなく、自家用車や大型バスの往来も激しいので信号無視などせずに交通ルールを守って歩き出してくださいね。
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富士急行線「河口湖駅」〜船津浜〜冨士御室浅間神社
河口湖駅をスタートしたら、一番近い湖畔「船津浜」へ向かいます。
途中、桜の名所「円通寺」に寄り道して、お寺の前に立つ大きな桜の木を楽しんでから先に進みます。
「船津浜」からは時計回りに西へ進むか、反対周りに北に進むか悩ましいところですが、この日のお天気は午後から晴れ模様とのこと。
それなら、午後遅めの時間に北岸に到着できれば晴れた空のした富士山と桜のコラボが楽しめるかもという期待から、時計回りに進むこととしました。
湖の南岸をたどり「大池公園」「八木崎公園」と公園をたどり、「冨士御室浅間神社」の裏門に到着します。
裏門から礼拝場所となる里宮へ向かってみると、境内の桜はほぼ散り落ちてしまい少々寂しい状態でしたが、中央の黒い鳥居まで向かうと満開の桜たちから花吹雪の大歓迎を受けることができました。
その後、本宮まで戻りご挨拶してから、西岸へ向かって進むこととしました。
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冨士御室浅間神社〜小海公園
「冨士御室浅間神社」を後にしたら、そのすぐ隣の「シッコゴ公園」に入ります。
「シッコゴ」とは聞きなれない名前ですが、アイヌ語で「湿原」を指す名前とのことです。
実際には湿原地帯では無いですが、富士山から流れ込んできた溶岩により湿原のように見えるとのことから、そのように命名されたようです。
「シッコゴ公園」からは湖畔の遊歩道を通って道の駅「かつやま」に接続する「小海公園」まで向かうことができます。
どちらの公園も芝生が綺麗で、レジャーシートを敷いて寛ぐには最適な場所です。
ここを越えると、河口湖西端「長浜」に至り、そこから北岸に回り込んで東方面に進んでいくこととなります。
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小海公園〜留守ヶ岩〜大石公園
「小海公園」からは車道に出たり、遊歩道に戻ったりを繰り返しつつ「河口湖西岸」に向かいます。
そして、西湖に向かう分岐を横目に北上し「河口湖北岸」の湖畔に伸びる遊歩道を東に向かって進んでいきます。
途中、「さくらの丘公園」という大きな枝垂れ桜の立つ公園を通過しましたが、残念ながら、葉桜となっていました。
その後も、湖畔の遊歩道を進み続けると、「河口湖自然生活環館」という施設が見えてきます。
ここは、河口湖周遊バスの北側終点となります。
ここから東岸に向かう遊歩道に入ると「大石公園」の敷地となり、桜の名所として有名な「河口湖北岸の桜並木」に入ります。
ここからの眺めは、流石といったところで、湖畔に並ぶ桜並木のバックに冠雪した白富士が大きく映える素晴らしい眺めを楽しめます。
未だ経験はしていませんが、風の静かなタイミングに訪れることができたら、湖面に移る逆さ富士や桜並木なんかも楽しめるかもしれません。
この桜並木だけを目的に訪れるなら、「河口湖自然生活環館停留所」まで周遊バスで赴いてしまうのも良いプランかと思います。
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大石公園〜産屋ヶ崎
「大石公園」の桜並木は、有名どころということもあり、かなり混雑します。
記念撮影でいきなり立ち止まる方も多くいらっしゃいますので、ぶつかったりしないように、少し間隔をあけて散策すると良いでしょう。
そして、ちょっと気になる点としては、記念撮影のために、桜の枝を掴んでグッと自分に引き寄せて撮影する方がなかなかの人数いらっしゃいました。
個人的に、これはマナー違反のように感じます。
桜のお花はデリケートです。乱雑に扱えばすぐに散り落ちてしまいます。
風に煽られて舞い散る様は、儚げで上品な趣を演出してくれますが、人が揺すったり触ったりで散り落ちてしまう花びらからは、痛々しさしか感じません。
枝を折って持ち帰っている訳では無いからセーフという意見もあるのかもしれませんが、あるがままの姿から奇跡の一枚を撮るという方がカッコいいとも思いますし、極力おさわりは少なく楽しんでいただければ幸いです。
さて、年を取ると説教じみてしまうのは悪い傾向ですね。
話を散策の内容に戻します。
「大石公園」その先の「長崎公園」と湖畔の桜並木を進んでいくと、最後は河口湖大橋に向かう車道に合流します。
この橋は両脇に歩道が設置されているので歩いて渡ることも可能ですが、今回は一周する目的もあったので、橋の下を潜って「産屋ヶ崎」へ抜けていきます。
「産屋ヶ崎」には岬があり、その上に「産屋ヶ崎神社」があります。結婚、育児、家内安全をご利益としているので、そのあたりに悩みを持っているようならご挨拶しておくと今後素敵な展開が待っているかもしれません。
そうでなかった場合でも、あまり訪れる機会のある場所ではありませんので、近くまで赴いたらご挨拶しておきましょう。
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産屋ヶ崎〜船津浜〜富士急行線「河口湖駅」
「産屋ヶ崎」を過ぎたら、後は「河口湖東岸」をなぞって「船津浜」に戻り、そこから「河口湖駅」へ向かってゴールとなります。
この東岸の散策路にも、素敵な桜並木があって素敵なお散歩の場として賑わいを見せています。
「北岸」に比べると、富士山が手前の丘に隠れてしまう位置関係なので眺めが一段落ちてしまいますが、色味の鮮やかな八重桜や枝垂れ桜、桃の花が咲き乱れていて、こちらの方が華やかさが強い印象があります。
夕方でも逆光に負けずに鮮やかな濃いピンク色を見せてくれるので、日が落ちてきたら東岸に徐々に移って楽しむと良いでしょう。
そして、「船津浜」まで進んでしまうと、以降は観光地街です。
見るべき桜も極一部となりますので、速やかに「河口湖駅」まで進みゴールしてしまうと良いでしょう。
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まとめ
富士五湖中2番目に大きい湖「河口湖」での今年最後のお花見の様子でした。
実は富士五湖の標高は1,000m近い高さがあります。一番低い位置にあるとされる「河口湖」でも830mと、高尾山山頂の599mよりも200m以上高地に当たります。
このため、都内では散ってしまった桜たちもまだ楽しめる余地があったということです。
桜の花は、見頃の時期が非常に短いこともあり、気が付いたら都内は葉桜だらけということもあるかと思います。
そんな時は、河口湖界隈の高所で見逃してしまった桜の花々を楽しんでもらえたら幸いです。
それでは、ここまでお読みくださり、ありがとうございます。
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