10月最後の週末。
富士五湖界隈でも紅葉シーズンに突入して、河口湖のもみじ回廊や山中湖の旭日丘湖畔でライトアップイベントなどが始まりました。
色々情報を見る感じだと、まだまだ色づき始めの時期とのことですが、それは麓でのお話。
山の上だったら、もう少し時期は早くなるので、そろそろ見頃なのではと三つ峠に赴いてみることにしました。
ただ三つ峠に登るだけとなると物足りないので、笹子駅から本社が丸、清八山と南下して三つ峠に登頂、下山後はもみじ回廊まで足を運んでみるプランにしてみました。
河口湖の紅葉、見頃がいつ頃になりそうか気になっているあなたには有力な情報になると思います。是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2021/10/30
天候:晴れ
エリア:河口湖エリア
コース概要:JR笹子駅~本社ケ丸~清八山~御巣鷹山~三つ峠~木無山~母の白滝~天空の鳥居~河口浅間神社〜もみじ回廊
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)JR中央線「笹子駅」から、登山口へ
(帰)富士急バス河口湖周遊「久保田一竹美術館」停留所 から、富士急行線「河口湖駅」 へ
概要
三つ峠
三つ峠は、山梨県の富士河口湖町にある開運山、御巣鷹山、木無山の3つのピークを合わせた名称ですが、最高峰1,785mの開運山を指して三つ峠と呼ぶことがほとんどです。
秋には紅葉、春には桜で賑わう富士山への眺望が華やかな山となっています。
詳しくは、春の山行記録に書きましたので、そちらも参考にしてもらえたら幸いです。
今回の山行ルートと注意が必要と感じた区間
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 1776 m
最低点の標高: 599 m
累積標高(上り): 2105 m
累積標高(下り): -1869 m
総所要時間: 07:59:12
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
注意した方が良さそうな区間
今回の注意したほうがよさそうな区間については次の点でした。
- 本社ケ丸~清八山の区間:この区間は手を使ったほうが安全な段差の大きな場所を数カ所通過することになります。本社ケ丸から清八山へ向かう場合は、概ね降り道となるので駆け足になって転ばないように注意してください。
- 御巣鷹山直下の急坂:清八山から御巣鷹山へ向かう山頂直下は、傾斜の大きい急坂になります。高低差200mを登り一辺倒に登っていくことになるので、なかなか体力を削られます。成るべく小股にゆっくりと登るようにしましょう。
- 木無山~林道に出るまでの区間:木無山から林道に向かう降り道も、傾斜が大きく滑りやすい道です。降りに使う場合は滑って転げ落ちないように注意して降りましょう。道幅は大きく滑落することは無いだろう点が唯一安心できるところでしょうか。
今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:薄手のフリース、ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、手袋
登山開始から下山まで半袖Tシャツでの活動となりました。
登り始めこそ寒くて早足になってましたが、30分も歩けば涼しさが心地よくなっていき、日が差す稜線に出たころには快適に行動することができました。
下山後、もみじ回廊までの街中歩きの際には、長袖Tシャツとソフトシェルを追加しました。
10月末の湖畔を歩くには半袖Tシャツだけでは、やはり寒い感じでした。
今回の着合わせについて、具体的なウェアのメーカーや名前も知りたい場合は、次の記事が参考になるかと思います。
あなたがお持ちのウェアと比較して適宜プランニングしてみてくださいね。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回は、JR中央線「笹子駅」からです。
笹子駅から、最初の目的地「本社ケ丸」へ至る登山ルートは合計3つあります。
箇条書きにすると次のようなルートになります。
- 船橋沢を辿って尾根まで登り、尾根筋から本社ケ丸へ向かうルート
- 道洞山を経由して角研山直下まで登り、そこから尾根筋を辿って本社ケ丸へ向かうルート
- 甲州街道を西へ向かい、奥野稲荷神社裏手の道から清八峠まで登り、本社ケ丸へ向かうルート
今回は2番目ルートで登ることとしました。
笹子駅を出たら直ぐを右折、更に先のT字路を右折すると登山口に到着します。
なお、笹子駅のおトイレは、駅構内にしかありません。駅を出てしまうと近くには民家しか無いので、おトイレを借りるわけにもいきません。
このため、構内のおトイレには必ず立ち寄っておきましょう。
ギャラリー
登山口~本社ケ丸
このルートは、登山口から急坂が続きます。
九十九坂になってはいますが、お手頃な里山での直登レベルの傾斜があります。
登山口までが日陰で寒いからと、厚着のままで取り付くと汗だくで後悔することになります。
30分近くは登り詰めることになるので、ザックを置いて着替えるのに適当な場所もありません。
このため、少し肌寒いくらいに調整してから登り始めるといちいち立ち止まらずに済むので捗るかと思います。
途中で小振りな鉄塔を通り過ぎて、林道と交差した後、更に急坂を登りつめていきます。
また鉄塔が現れますが気にせずに登っていくと、今までとは規模の違う鉄塔が現れます。
この場所は、北側の展望がとても良くてお天気が良い日には、秩父の山並みや甲府盆地がきれいに見渡せます。
わたしのお気に入りの場所の一つなので、立ち寄る機会あったら是非高台まで登って北側の風景を見渡してみて下さい。
鉄塔を過ぎてもしばらく尾根筋を歩きます。
そして、段々と細尾根となってきたところで本社ケ丸に到着です。
山頂からは、東側を除く三方向への展望に優れていて、特に富士山をバックにした三つ峠への眺めは秀逸です。
とても長いしたくなる場所ではありますが、山頂が狭い上に人気のスポットなので混み合います。
人が多いときには、記念写真を撮って早々に引き上げてしまいましょう。
ギャラリー
見渡した様子をインスタグラムに上げてるので、こっちでも雰囲気つかんでもらえると思います。
本社ケ丸~清八山
本社ケ丸から清八山方面への道のりは、ところどころ尾根道が細くなる難所があります。
落ちたら即人生終了するような場所は、ほぼ無いですが大怪我に繋がりそうな場所は普通にありますので、慎重に通過するようにして下さい。
本社ケ丸から清八山へ向かう区間の中間にも、とても展望の良い場所があります。
本社ケ丸の山頂と同様に東方面を除く三方向に開けているので、本社ケ丸が混み合っていたらこちらで一息着くのも悪くないでしょう。
展望ポイントを過ぎて少し歩くと、前述の三番目のルート「奥野稲荷神社裏手」からのルートに繋がる三叉路に辿り着きます。
ここまでこれば、清八山へのはもうすぐです。
最後の登り坂を登り詰めて、山頂で松の木越しの富士山を楽しみましょう。
ギャラリー
見渡すと、次のような感じになります。
清八山から見渡した図は、次のインスタグラムの投稿を見てみてください。
清八山~御巣鷹山
清八山からは長い降り坂が続きます。
途中に、御坂山や黒岳に続く「河口湖アルプス」への分岐がありますが、今回はスルーして直進です。
河口湖アルプスについては、別の山行記録に載せていますので、興味あったらそちらも御覧くださいね。
さて、本道に戻って降っていきます。
降り道自体は、とても整備されていて歩きやすいのですが、なかなかの長さを降ることになります。
途中バテないように、セーブ気味に降りていくと良いでしょう。
見晴らしの良い鉄塔を越えて、数箇所の小ピークを過ぎていくと、ロープの垂れ下がった直登地点に出くわします。
旺文社の地図で言うところの「露岩」というポイントです。
ロープは使わない方が楽に登れますが、ここから三つ峠の一画「御巣鷹山」に至るまでの登坂がなかなかの難物です。
傾斜が大きい上に、様々なルートで上り下りする人が多いためかさまざまな場所に足跡が付いています。
どこを登っても登れないことは無いですが、変な足跡を辿ってしまうと、木々を使ってよじ登ることになるので、しっかりと通じている先を確認しつつ登っていきましょう。
3段の踊り場的な平地を過ぎていくと、木々の間から山頂の電波塔が顔を出しています。
ここまで登れば山頂までは後ちょっと、気合いを入れ直して登りきってしまいましょう。
山頂は、電波塔が鎮座しているので楽しむべきものは何もありません。
ただの通過地点として、三つ峠最高峰の開運山へ向かってしまいましょう。
ギャラリー
御巣鷹山~三つ峠~木無山
御巣鷹山から開運山までの稜線は車の轍の残る、広くて明るい道です。
ただし、水はけがあまり良くないようで、雨の日の後はぬかるみがひどく登山靴が泥だらけになるのが困ったところです。
そんな轍道を進んでいくと、更に開けた開運山へのメインストリートと合流です。
ここからは、人口密度が途端に増えて老若男女さまざまなの方々とすれ違うことになります。
メインストリートに出てたら5分程度で開運山山頂に到着です。
山頂は比較的広いスペースがあるのですが、大人気のスポットなので、天候が良ければよいほど混み合います。
富士山への眺望が秀逸なため、昼食を取られるグループもいらっしゃいますので、ここも記念写真を撮ったら早々に引き上げたほうが、良いかなと思います。
開運山からは、河口湖湖畔に向けて下山していきます。
二つの山小屋を抜けて、ベンチのある展望地を過ぎたら木無山へ到着です。
木無山は山頂を示す大きな案内こそ建っていますが、三叉路の分岐地点で山頂ぽくありません。
ベンチなども無いので、気にせず通過してしまうのが良いかと思います。
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木無山~母の白滝
今回は、 河口浅間神社の方へ下山するので、木無山山頂の分岐は母の白滝方面へ向かっていきます。
分岐を過ぎて少しすると、滑りやすい傾斜のある降り坂に入っていきます。
濡れているとズルズルと滑る広い道です。
転んでも滑落に繋がることは無いですが、捕まるものが少ないので慎重に降っていくようにして下さい。
1時間も降ると林道に出ます。
出て直ぐに車止めのゲートがあるので、脇をすり抜けて更に降っていきます。
その後も、2度、3度と林道とぶつかる場所が出てきます。
この林道ですが、意外とオフロードバイクなどが通りますので、通過のときには注意して下さい。
鎖の柵が設けられた階段道に入って水音が大きくなってきたら母の白滝も近いです。
まずは、父の白滝という小さいですが勢いのある滝を通過して、更に階段道を降っていくと落差10m以上はあるだろう大きな滝が見えてきます。
ここが母の白滝です。
滝壺的なものはなくて、至近まで歩いて近づけますが水に濡れて滑りやすいので、近づく際は注意してくださいね。
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母の白滝の様子は、インスタグラムの投稿を参考にしてみてください。
母の白滝~天空の鳥居~河口浅間神社
母の白滝から、河口浅間神社へ降りるルートは2つです。
入り口の鳥居の脇から山道を降るか、鳥居を抜けて車道を降りるかになります。
以前、母の白滝に来た時に山道を降りましたので、今回は車道を降ってみることにしました。
キャンプ場を通過して、しばらく車道を降っていくと、開けたところに一基だけぽつんと建っている鳥居がありました。
掲げてある案内を読むと、どうもここが天空の鳥居の名前で有名な河口浅間神社の遥拝所のようです。
まだまだ整備途中という感じでしたが、たしかに富士山をバックに映える映像が取れそうな場所でしたので、天気が良いときに訪れるには良い場所かもしれません。
残念ながら、この場所に到達したときには富士山は雲隠れしてしまったので、一通り写真撮ったら引き上げることとしました。
この後は、代わり映えの無い車道を降ることで河口浅間神社の裏手に到着します。
有名な七本の大杉を眺めながら拝殿で下山の無事をご報告して立ち去ることとしましょう。
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河口浅間神社〜もみじ回廊
いつもであれば、ここから河口湖周遊バスで駅方面へ帰ってしまいますが、今回はもみじ回廊のイベントに寄り道してから帰ることとします。
河口浅間神社からは、徒歩なら30分もあれば到着します。道も一本道なので、右手に見える御坂山地の山々を見上げながらのんびり歩いていきます。
小学校を過ぎて、正面に「秀峰閣湖月」という立派な宿泊施設が現れたら左折して直ぐが会場です。
入り口で、コロナワクチンの接種可否を問われて検温を行った後に中に入れます。
残念ながら時期尚早で、紅葉の8割は緑色、コキア畑のコキアも身が細く、いろいろ楽しめるようになるには、もう少し待ったほうがよさそうでした。
最後に、見るに見兼ねた富士山が、再度顔を出してくれたのが印象的でした。
ありがとうございます。
ギャラリー
まとめ
本社ヶ丸から三つ峠、もみじ回廊まで紅葉狩りに赴いた様子でした。
10月末の河口湖近辺。
残念ながら麓の状況は、時期尚早であと一週間ぐらい待ったほうがよさそうでした。
しかし、山中では見頃を迎えていて、木々が色づく中で気持ちの良い秋の山行を楽しめることができました。
11月に入ってからも山中、見頃な状況続くと思いますので、ここ一ヶ月の間に赴いてみると幸せになれるかもしれません。
そして、今回のルートですが、健脚向けになっています。
すべてのルートを一回で回るのにはそれなりに体力が必要ですので、ちょっと厳しいなと感じたときには、笹子駅から本社ケ丸までの区間とか、河口浅間神社から三つ峠までの区間とか、一区間ずつ切り取って、あなたの山行に活かしてみて下さいね。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。
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