山行の記録|愛鷹山の最高峰!越前岳登山(春先編)

沼津や三島から富士山を見上げると、富士の足元に東西に低く広がる山塊が目につきます。

愛鷹山と呼ばれる山塊ですが、あれだけ近いと富士山の眺めもさぞかし大きくて迫力あるのではと気になってきますよね。

そこで、今回は春先の天候穏やかな時期を狙って山塊でも最高峰の越前岳へ行ってたときの様子となります。

目次

基本情報

まずは、今回の山行についての基本情報です。

山行の基本情報

日付:2021/02/23

天候:晴れ

エリア:富士山エリア

コース概要:JR三島駅~バス停「愛鷹登山口」~黒岳~越前岳~前岳~バス停「須山」

難易度:体力☆、技術☆、危険☆

交通機関:

(往)JR「三島駅」から富士急シティバスで50分、バス停「愛鷹登山口」からアプローチ

(帰)富士急シティバス停留所「須山」より、三島駅方面行へ乗車

概要

愛鷹山は、標高1504.2mとなる越前岳を主峰とした富士山の南方面すぐにある山塊です。

静岡県東部の本州と伊豆半島を繋ぐ位置にあることから、遠くは南アルプスの山並みから近隣は箱根、天城といった山々への眺めと合わせて、沼津湾や駿河湾といった海への眺めも得られる展望に恵まれたロケーションを持つ山塊です。

特に富士山間近ということもあって富士山への眺めは大きく迫力があり、登山をやるのであれば一度は目にして欲しい絶景となっています。

山塊内の登山コースは、危険箇所や急坂が少なく、そのような場所にはしっかりとしたロープが張られているので初心者向けにもおすすめできます。

ただし、呼子岳~鋸岳~位牌岳の区間だけは別です。長い期間整備されておらず事故も多発しているため2021年2月時点で立入禁止となっています。山道はしっかりと付いているようで踏破された熟練者の方々がブログにアップしていたりしますが、興味本位で踏み入れないことをおすすめします。

山行の記録

ここからは今回の山行の様子について述べていきます。

アプローチ

今回のスタート地点は「愛鷹登山口」。

最寄りのバス停も同じ名前で、JR三島駅から始発が出ている富士急シティバス・準急イエティ線という路線バスで向かうことになります。

時間にして50分ぐらいでしょうか対象のバス停に着くと直ぐ登山道に入るわけではありません。

20分ぐらい舗道を進んで山神社駐車場というところまで向かい、そこから登山道に入ってくことになります。

駐車場にはトイレも併設されていますが、いわゆる工事現場に置いてある簡易トイレが1つあるだけですので、前もって三島駅で済ませておくほうが面倒は無いかもしれません。

このときも、南口の改札を出る前のトイレで済ませると一番スムーズになります。

駅構外にも公共トイレありますが、少し歩くことになるので改札を出る前に済ませておくとよいでしょう。

JR三島駅です。今回の山行では南口改札に向かいます。
南口改札手前のトイレです。ここ使うと捗ります。
JR三島駅南口改札です。都内からSuicaで来ると自動改札通れませんので、駅員の窓口で精算となります。
改札出たら、直進して駅構外へ。お目当ての乗り場は2番となります。
駅出て1分で着きます。
高速バスの文字が目立ちますが、富士急シティバスもここに泊まります。
バスがきました。準急イエティ行きと書いてありますが、電光掲示板だとiPhoneのカメラには映らないのですね。
バスから愛鷹山塊の全容を見ることができます。白富士もキレイでした。
愛鷹登山口到着です。
ここから真の登山口「山神社入口」のある山神社駐車場までは舗道歩きになります。
この区間で間違いそうなのはこの場所。直進が正解です。
どんどん進んでいくと、正面左手に駐車場がみえてきます。あの界隈で身支度すると良いです。
駐車場の看板には登山届ポストもあります。最近はオンラインでの届け出が主流なので紙で出す機会は減ってきそうです。
登山口は、鳥居を潜って進むことになります。一礼して端っこからが常識です。
祠の左を登っていくことになります。山行の安全をお祈りしてから向かいましょう。それではいってきます。

山神社駐車場~黒岳

駐車場の一角で、身支度をしたら出発です。

今回は、富士山眺めるには格好のスポットとなる黒岳というピークに寄り道してから越前岳に赴くことにしました。

山神社の脇道から入り、無人の山小屋を過ぎて稜線まで上り詰めたら越前岳とは逆方向に進んでいくと、北側と東側に開けた黒岳山頂に到着です。

黒岳は富士山にほど近い愛鷹山塊の中でも一番富士山よりにあるピークということもあり、本当に富士山が大きく見えます。富士山を正面に据えたベンチが数基あるので、休憩場所としては最適です。

東側も箱根の山々が正面に確認できるので、こちら側の眺望も忘れずに楽しんでいくとよいでしょう。

最初のうちは薄暗い杉林を進みますが
日の入る山道に変わっていきます。
途中で無人の山小屋に出くわします。中には入りませんでしたが、普通に使えそうです。
道なりに高度を上げていくと、越前岳と黒岳の分岐に到着します。まずは右の黒岳方面へ。
このあたりは特筆すべき点もなく登っていきます
階段なんかも出てきますが、無心に登ります。
机とベンチを発見。これはなかなかのロケーションですね。
看板の出ている丘みたいなところを右へ。
黒岳山頂到着です。
東側の眺め。左側木に隠れてますが、箱根の山がみえます。
北側を向くとでっかい富士山がみます。仕方の無いことですが写真じゃあまり伝わらないですね。
富士山足元の白いやつはイエティスノーパークというスキー場です。乗ってきたバスの行き先でしたね。さて、まだまだ序盤先に進みます。

黒岳~越前岳

黒岳から越前岳に向かうには、一旦分岐まで戻って逆方向に登っていきます。

最初のうちこそ展望の無い森林部を進むことになりますが、ある程度の標高まで登ると北方面の木々の間から富士山が顔を見せてくれます。南方面も鋸岳のギザギザな稜線が見えたりと天候に恵まれれば変化のある眺めを楽しめます。

頂上に近づくにつれて急な斜面も出てきますが、ゆっくり足を運べばバテることなく頂上まで到達できるでしょう。

頂上は主に西と南に開けていて、西方面に駿河湾や沼津湾、南方面に鋸岳、位牌岳などへの眺望が楽しめます。

富士山は頭が少しだ見える程度なので、富士山の写真が欲しい場合はここに上がってくるまでの間に撮影しておくと良いでしょう。

越前岳との分岐に戻って、直進します。
こんな感じの道を進むと
前方が開けてきます。
鋸岳展望台だそうです。ノコギリ状の尾根がよく見えます。
あのギザギザが通行止めの危険地帯です。実際には巻いて行くようですがそれでも危ない模様。
このあたりからは左右の木々の間から気持ちの良い眺望が望めます。
いきなりCAUTIONですか。
こっちは行っちゃダメなやつですね。少し除くと
写真じゃ解りづらいですが、ロープのちょっと先が切り立った崖でアイキャンフライできます。しませんけど。
ロープ張ってありますが、急坂ではありません。
愛鷹山塊2番目に高い位牌岳です。あそこへの登頂は次回までおあづけです。
更に登ると富士見台というところに着きます。脚立ぽいのがあるけど登って撮影しろということでしょうか。登らないですけど。
更に進んでいくと、前方に人だかりが見えてきます。
越前岳山頂です。コチラ方面から登ってくるとお地蔵様が出迎えてくれます。服装が可愛らしいですね。
山頂からは富士山の頭だけギリギリみえます。別の方向に目を向けると
駿河湾が見えます。手前の街並みは富士市でしょうか。
沼津、西伊豆方面も眺めが広がってます。暫し眺望を楽しんだら南進して呼子岳へ。

越前岳~呼子岳~蓬莱山

目的地となる越前岳への登頂が果たせたので、今回予定している残りのピークを消化していきます。

まずは、越前岳の南に位置する呼子岳です。

呼子岳の山頂での眺望は、木々に遮られてしまい特筆すべき点はありませんでしたが、越前岳から呼子岳に向かう間の稜線歩きでは、今回の山行で随一の眺望を楽しむことができました。

このまま南下したい気持ちになりましたが、先には立入禁止区間となっている鋸岳ルートが控えています。単独登山の身で立入禁止区間に入っていくのはリスクが高すぎるので、手前の蓬莱山山頂を踏んだらUターンして石割峠に降って前岳に登り返すルートをとりました。

次のピーク呼子岳へ。ここの稜線歩きが今回の山行で一番眺望が良かった区間でした。
山道は少し狭いですが、危険というほどでもありません。
木々の間から見える駿河湾と富士市。
こっちは富士宮市でしょうか。
冠雪した南アルプスもギリギリ見えてます。
稜線歩きを満喫できたあたりでロープ張りの登り坂になっていき
そこを登り詰めていくと
呼子岳山頂です。このお地蔵さんシリーズは愛鷹山のシンボル的な何かなんでしょうか。
振り返って富士山をみると、丁度雲が掛かってました。残念。
少し休憩入れて割石峠まで降っていきます。
ここの降りは傾斜があるので、若干注意です。
途中の風景。
越前岳。まだ近いですね。
降りきると石割峠です。
降りる方面と逆側。岩の割れた間から沼津湾が見えます。割石の由来はこの割れた岩なんでしょうかね。
地図をみると蓬莱山山頂は直ぐそこのようなので、少し寄り道です。
少しのつもりが、がっつり急坂でした。
蓬莱山山頂です。展望なし、注意の看板のみでした。
少し先を除くとこんな感じ。脆そうな稜線が続いています。あそこ進むのはちょっと厄介そうですね。今回はご遠慮します。

蓬莱山~石割峠~前岳~バス停「須山」

蓬莱山から急坂を降って石割峠まで戻ったら、沢沿いを降っていくことになります。

今回は時期が良かったからなのか、沢に水は流れておらず全体が乾いており滑る心配も無しにガレ場をどんどん降っていくことができました。ただ、1時間以上ガレ場を降るのはなかなか難儀です。登り道よりも多く汗が出て息も弾んできたころに前岳への分岐を見つけます。

ここからの前岳山頂までの急坂区間は近年まれに見る急登で、備え付けのロープや木々を掴んで体を持ち上げていくように登ることとなりました。降りルートに使わなくてよかったと思えるほどでした。

前岳山頂は呼子岳に輪をかけて展望無しのピークで、特徴といえば山頂を示す表札が出ている程度です。椅子も無く休憩場所としては適していないので、立ち止まること無く下山口となる田向登山口方面に降っていきます。

ここからの下山ルートは痩せ尾根を降っていくことになるので、少し緊張を有することとなります。

ただ、周囲は木々に遮られているので高度感は無く、慎重に足を運んで行けば怖いと感じることもほぼ無いでしょう。寧ろ、展望の無い単調な降り道になるのでそちらのほうが堪えました。

下山口からは、バスの時間が合わなかったため「須山バス停」まで歩いてしまい、そこから三島駅まで戻ってJR東海道本線で都内へ帰りました。

石割峠まで戻ってきました。今度は山神社方面へ降っていきます。
こんな感じのガレ場を永遠と降ります。足場デコボコで逆に疲れます。
ガレ場が広がっていて道が不明瞭ですが、看板やテープによる目印は豊富なので迷いはしません。
ランドマーク的な大杉。
歴史的な何か。
1時間も降ると林道っぽい道に変わっていきます。
前岳への登り口。看板でてましたが、こちら方面からだと逆向きで分かりづらいので注意です。
分岐から登っていきます。
改めて看板発見。ここから、今回の山行で屈指の急坂に入っていきます。
写真じゃ解りづらいですが、かなりの傾斜です。ロープを類って体を引っ張り上げる感じに登っていきます。
まだまだ登ります。
区間が狭いのに、標準コースタイム1時間30分になってます。高低差かなりあるってことなのでしょうね。
一本調子にモクモクと登っていくと
前岳山頂に到着です。なんにも無い開けた空間。眺望も無し。ツマラナイので田向方面に降っていきます。
木々に隠れてますが、越前岳と富士山のコラボ。夏場は何も見えないんだろうな。
田向へ降っていきます。
この区間も道は明瞭で迷わないでしょう。ただ、細尾根が続くので少し緊張しました。
降る方面が東側なので、箱根の山がよく見えます。
ズームすると右側に山頂ロープウェイ駅を確認。
意外と富士山もキレイに見えたりします。
そんな最後の眺望を楽しみながら降っていくと
細尾根が終わり、更に降ると
杉林に突入。ここまで来ると里も近いです。
神社を発見。お参りしておきましょう。
神社正面を降って
杉林を進んでいくと
川を横切る箇所に差し掛かります。これを越えると
車道に出られます。こっち方面から登るときわかりづらそうな入り口ですね。
近隣のバス停はUターンして向かいうことになります。
真っ直ぐに向かっていきます。
橋が出てくるので渡っていくと
バス停発見です。待ち時間かなりありそうなので、本数の多い須山停留所まで歩くことにします。
道なりにどんどん進みます。
大きなT字路を左に曲がると
学校があってその前が須山バス停になります。
三島行きは道の反対側なので、車に注意しつつ渡ります。
ここから見える富士山もかなりでかいです。
三島行きのバスが着ました。今回は時間が合わずにオフロには立ち寄れず、このまま帰宅となりました。おつかれさまでした。

まとめ

静岡県の良山、愛鷹山塊の越前岳への山行記録でした。

この山塊は山頂からの眺めよりも、道中からの眺めに恵まれているので、ゆっくり眺望を楽しみつつ高度を上げていくような歩き方に向いていると感じました。

唯一の難点としては、登山口までの路線バスの本数が少ない点になります。

往路は時間が読みやすく目当の便を逃すことも少ないですが、帰路となると様々な要因が重なって予定どおりにいかないことも出てきてしまいます。最寄りの停留所以外に、下山ルートに使えそうな近場の停留所の発着時間も事前に調査しておく必要があるでしょう。

それでも、手間に見合った山行を楽しめるますので、機会を作って足を運んでみることおすすめします。

ここまで、お読みくださり、ありがとぐおざいます。

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