沼津や三島から富士山を見上げると、富士の足元に東西に低く広がる山塊が目につきます。
愛鷹山と呼ばれる山塊ですが、あれだけ近いと富士山の眺めもさぞかし大きくて迫力あるのではと気になってきますよね。
そこで、今回は春先の天候穏やかな時期を狙って山塊でも最高峰の越前岳へ行ってたときの様子となります。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
概要
愛鷹山は、標高1504.2mとなる越前岳を主峰とした富士山の南方面すぐにある山塊です。
静岡県東部の本州と伊豆半島を繋ぐ位置にあることから、遠くは南アルプスの山並みから近隣は箱根、天城といった山々への眺めと合わせて、沼津湾や駿河湾といった海への眺めも得られる展望に恵まれたロケーションを持つ山塊です。
特に富士山間近ということもあって富士山への眺めは大きく迫力があり、登山をやるのであれば一度は目にして欲しい絶景となっています。
山塊内の登山コースは、危険箇所や急坂が少なく、そのような場所にはしっかりとしたロープが張られているので初心者向けにもおすすめできます。
ただし、呼子岳~鋸岳~位牌岳の区間だけは別です。長い期間整備されておらず事故も多発しているため2021年2月時点で立入禁止となっています。山道はしっかりと付いているようで踏破された熟練者の方々がブログにアップしていたりしますが、興味本位で踏み入れないことをおすすめします。
山行の記録
ここからは今回の山行の様子について述べていきます。
アプローチ
今回のスタート地点は「愛鷹登山口」。
最寄りのバス停も同じ名前で、JR三島駅から始発が出ている富士急シティバス・準急イエティ線という路線バスで向かうことになります。
時間にして50分ぐらいでしょうか対象のバス停に着くと直ぐ登山道に入るわけではありません。
20分ぐらい舗道を進んで山神社駐車場というところまで向かい、そこから登山道に入ってくことになります。
駐車場にはトイレも併設されていますが、いわゆる工事現場に置いてある簡易トイレが1つあるだけですので、前もって三島駅で済ませておくほうが面倒は無いかもしれません。
このときも、南口の改札を出る前のトイレで済ませると一番スムーズになります。
駅構外にも公共トイレありますが、少し歩くことになるので改札を出る前に済ませておくとよいでしょう。
山神社駐車場~黒岳
駐車場の一角で、身支度をしたら出発です。
今回は、富士山眺めるには格好のスポットとなる黒岳というピークに寄り道してから越前岳に赴くことにしました。
山神社の脇道から入り、無人の山小屋を過ぎて稜線まで上り詰めたら越前岳とは逆方向に進んでいくと、北側と東側に開けた黒岳山頂に到着です。
黒岳は富士山にほど近い愛鷹山塊の中でも一番富士山よりにあるピークということもあり、本当に富士山が大きく見えます。富士山を正面に据えたベンチが数基あるので、休憩場所としては最適です。
東側も箱根の山々が正面に確認できるので、こちら側の眺望も忘れずに楽しんでいくとよいでしょう。
黒岳~越前岳
黒岳から越前岳に向かうには、一旦分岐まで戻って逆方向に登っていきます。
最初のうちこそ展望の無い森林部を進むことになりますが、ある程度の標高まで登ると北方面の木々の間から富士山が顔を見せてくれます。南方面も鋸岳のギザギザな稜線が見えたりと天候に恵まれれば変化のある眺めを楽しめます。
頂上に近づくにつれて急な斜面も出てきますが、ゆっくり足を運べばバテることなく頂上まで到達できるでしょう。
頂上は主に西と南に開けていて、西方面に駿河湾や沼津湾、南方面に鋸岳、位牌岳などへの眺望が楽しめます。
富士山は頭が少しだ見える程度なので、富士山の写真が欲しい場合はここに上がってくるまでの間に撮影しておくと良いでしょう。
越前岳~呼子岳~蓬莱山
目的地となる越前岳への登頂が果たせたので、今回予定している残りのピークを消化していきます。
まずは、越前岳の南に位置する呼子岳です。
呼子岳の山頂での眺望は、木々に遮られてしまい特筆すべき点はありませんでしたが、越前岳から呼子岳に向かう間の稜線歩きでは、今回の山行で随一の眺望を楽しむことができました。
このまま南下したい気持ちになりましたが、先には立入禁止区間となっている鋸岳ルートが控えています。単独登山の身で立入禁止区間に入っていくのはリスクが高すぎるので、手前の蓬莱山山頂を踏んだらUターンして石割峠に降って前岳に登り返すルートをとりました。
蓬莱山~石割峠~前岳~バス停「須山」
蓬莱山から急坂を降って石割峠まで戻ったら、沢沿いを降っていくことになります。
今回は時期が良かったからなのか、沢に水は流れておらず全体が乾いており滑る心配も無しにガレ場をどんどん降っていくことができました。ただ、1時間以上ガレ場を降るのはなかなか難儀です。登り道よりも多く汗が出て息も弾んできたころに前岳への分岐を見つけます。
ここからの前岳山頂までの急坂区間は近年まれに見る急登で、備え付けのロープや木々を掴んで体を持ち上げていくように登ることとなりました。降りルートに使わなくてよかったと思えるほどでした。
前岳山頂は呼子岳に輪をかけて展望無しのピークで、特徴といえば山頂を示す表札が出ている程度です。椅子も無く休憩場所としては適していないので、立ち止まること無く下山口となる田向登山口方面に降っていきます。
ここからの下山ルートは痩せ尾根を降っていくことになるので、少し緊張を有することとなります。
ただ、周囲は木々に遮られているので高度感は無く、慎重に足を運んで行けば怖いと感じることもほぼ無いでしょう。寧ろ、展望の無い単調な降り道になるのでそちらのほうが堪えました。
下山口からは、バスの時間が合わなかったため「須山バス停」まで歩いてしまい、そこから三島駅まで戻ってJR東海道本線で都内へ帰りました。
まとめ
静岡県の良山、愛鷹山塊の越前岳への山行記録でした。
この山塊は山頂からの眺めよりも、道中からの眺めに恵まれているので、ゆっくり眺望を楽しみつつ高度を上げていくような歩き方に向いていると感じました。
唯一の難点としては、登山口までの路線バスの本数が少ない点になります。
往路は時間が読みやすく目当の便を逃すことも少ないですが、帰路となると様々な要因が重なって予定どおりにいかないことも出てきてしまいます。最寄りの停留所以外に、下山ルートに使えそうな近場の停留所の発着時間も事前に調査しておく必要があるでしょう。
それでも、手間に見合った山行を楽しめるますので、機会を作って足を運んでみることおすすめします。
ここまで、お読みくださり、ありがとぐおざいます。
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