8月も下旬になりました。
2022年の富士山閉山日は9月10日となりましたが、三島駅発の路線バスは8月21日以降は富士宮五合目まで登りません。
富士宮駅発なら9月11日まで富士宮五合目まで運行してくれているようですが、都内から向かうには少々距離があり不便です。
更に、吉田口十合目に当たる「久須志神社」と、富士宮口十合目にある「山頂郵便局」も8月21日で、今期の営業は終了という話も入ってきました。
そこで、人生で一度も入ったことの無い「山頂郵便局」へ、この機会に行ってみようと思い立ち、お天気不安定な中を登って来てみました。
閉館時間近くでしたが、意外なくらい人が入っていて、現代でも「お手紙」の習慣が廃れてないことに、なぜか安心してしまいました。
もし、普段からお手紙出す習慣をお持ちでしたら、富士山山頂からのお手紙に挑戦してみるのも面白いかもしれませんよ。
そんな訳で、日本一高いところにある郵便局に興味ありましたら、是非、最後まで読んでいってくださいね。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
日付:2022/8/20
天候:曇りのち雨
エリア:富士山エリア
コース概要:富士急バス「富士宮口五合目停留所」〜富士宮口八合目〜浅間大社奥宮〜山頂郵便局〜富士宮八合目〜富士急バス「御殿場口新五合目停留所」
難易度:体力☆☆、技術☆、危険☆
交通機関:
(往)JR東海道線「三島駅」から富士急バスで、「富士宮口五合目停留所」へ
(帰)「富士宮口五合目停留所」から富士急バスで、JR東海道線「三島駅」へ
概要
富士宮ルート(ふじのみやるーと)
富士宮ルートは、静岡側にある3つの富士山登頂ルートの中で、標高2,400mから登り始めることのできる、最短の登頂ルートです。
道中に危険な場所は無く、山小屋も豊富なので初心者にはおすすめなルートになっています。
このため、登下山共にチョッパヤで行き来できるように感じますが、下山路として見ると言うほど早くは降れません。
これは、わたしの経験上のお話ですが、距離が長くても御殿場口の大砂走りを駆け下った方が断然速いです。
理由は、次の3つです。
- 登下山が同じ道になるので、すれ違いによる渋滞が頻繁に発生する
- 山小屋が多く、通過の度に人を避けるためスピードを落とす必要がある
- 硬い岩場が多く、足を下ろした衝撃がダイレクトに膝にかかり、足腰が疲れやすい
登山はゆっくり登って、ゆっくり降るのが良いですが、状況によっては急ぎ下山しないといけない場合もあるかと思います。何かの参考にしてみてくださいね。
富士宮含めて、主要登頂ルート4つについては、次の記事にまとめています。詳細はそちらをご覧ください。
山頂郵便局
富士山富士宮口十合目「浅間大社奥宮」のお隣に開設されている、日本で一番標高の高い場所にある郵便局です。
ここからは、お手紙を差し出すことができるようで、局員さんにお願いすると「富士山頂風景印」というレア度の高いハンコを捺印をしてくれるようです。
郵便局前にポストがあるのですが、こっちに投函しても「富士山頂風景印」を捺印してくれるのかは聞きそびれてしまってナゾなので、来年登った時に聞いてみます。
お手紙以外にも、限定の切手シートやレターセットを置いていたので、この場でお手紙したためて、そのままお出しすることもできます。
SNSでリアルタイムに情報をお届けするのが普通な昨今、直筆のお手紙でというのも、なんか特別感あって良いですよね。大事なあの人へのサプライズに、一通したためてみると感激されるかもしれませんよ。
関連リンク
郵便局公式サイトの情報です。より正確な情報が知りたい場合、こちらをご参照ください。
ギャラリー
今回の山行上でのポイント
地図上の位置と標高
今回の山行で歩いた場所について、地図上の位置、標高です。
「Download file」のリンクからGPXデータとしてダウンロードできます。
ご自由にご活用ください。
最高点の標高: 3720 m
最低点の標高: 2369 m
累積標高(上り): 1545 m
累積標高(下り): -1540 m
総所要時間: 06:06:06
歩いた軌跡
続いては、GPSデータを元にした軌跡です。
市販の地図
今回の山行ルートが掲載されている市販の地図も載せておきます。
本来であれば、国土交通省国土地理院のサイトから2万5千分の1地形図を購入、印刷して持参するのが正しい在り方ですが、毎回それだと面倒なので、紙面の地図は5万分1の市販地図をザックに入れて持って行くことにしています。
わたしの山行でのメイン地図はGPSアプリに移っており、紙面地図は予備扱いなため、今のところこの運用で困った事態には陥っていません。
ただ、読図の勉強をちゃんとしたい場合は、2万5千分の1地形図を購入した方が良いです。
5万分の1の等高線は荒すぎて地形把握には、ほぼ役に立たないのでご注意くださいね。
おすすめ展望ポイント
今回の山行ルート上の展望ポイントは、次の通りです。
- 富士宮口九合目・萬年雪山荘
富士宮口九合目・萬年雪山荘
今回の山行ルート上での展望ポイントは「富士宮口九合目・萬年雪山荘」です。
この日は、雲海がほとんどで展望はあまりよくはなかったのですが、雲の合間から駿河湾や相模湾を見ることができました。
ここ九合目より上は雲の中に入ってしまい、全く展望がなくなってしまいましたので、最後に下界を確認できた場所として、今回はこの場を挙げさせてもらいました。
ギャラリー
注意した方が良さそうな区間
今回の山行ルート上で、注意したほうがよさそうな区間は次の通りです。
- 八合目直下の急坂区間
八合目直下の急坂区間
今回の山行ルート上の注意した方が良い区間は「八合目直下の急坂区間」になります。
技術的に難しい場所では無いのですが、普段登山なんてやったことのない観光客には手間取る場所のようで、雨となったこの日も、かなり慎重に降っている海外の方がいらっしゃいました。
このため、人との間がかなり詰め詰めになっていて、一人がコケたら巻き込まれそうなちょっと危ないかなという状態になっていたので、今回注意区間として挙げさせてもらいました。
もし、同様の光景を目にするようなことがあったら、急かすように間を詰めたりせず、一歩引いた位置からの見守り隊になってあげてくださいね。
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今回の山行での服装
今回の山行では、次のような服装の組み合わせを持参していきました。
同じ時期に赴かれるときの参考にして見てください。
- ベースレイヤー:半袖Tシャツ
- ミドルレイヤー:薄手の長袖Tシャツ
- アウター:ソフトシェル、レインウェア
- ボトムス:薄手の長ズボン、厚手のソックス、スパッツ
- その他:手ぬぐい、ネックゲーター、薄手の手袋
今回の山行は、始終雲の中で気温は上がらず、停滞していると肌寒い中のスタートとなりました。
歩き始めは半袖Tシャツでも、涼しくて気持ち良い程度でしたが、八合目を過ぎたあたりから冷たい強風が吹き始めたので、防風のためソフトシェルを羽織って進むこととなりました。
その後、雨が降り始めましたが、土砂降りというほどではなかったので、半袖Tシャツとソフトシェルという格好で下山まで活動していました。
しかし、帰りのバス停で1時間30分ほどバス待ちを強いられて、汗びえしたTシャツにより徐々に体温が奪われていく感覚があったので、保険のために長袖Tシャツを追加して凌ぐこととなりました。
すぐに乾いたTシャツに着替えてしまえば、震えることなくバス待ちできたかもしれません。
夏のうちはこんな緩い対応でもなんとかなりますが、秋口に入ったら「低体温症まっしぐら」にもなり兼ねませんので、しっかり着替えるようにしたいと思います。
街中は、未だに夏な雰囲気だったので、半袖Tシャツで支障無く過ごせました。
以下の記事にわたしが里山登山に使っているウェアの具体的な品名や組み合わせについてまとめていますので、詳細知りたいようでしたら合わせて読んでみてください。
あなたが、同じ時期の同じ界隈に赴くときの参考になれば幸いです。
山行の記録
ここからは、今回の山行について述べていきます。
アプローチ
今回の富士登山は、「富士宮口五合目停留所」からのアプローチです。
以前の記事にも述べていましたが「東京駅」からの乗り継ぎは次の流れです。
- 「東京駅」からJR東海道線沼津行きに乗り込んで「三島駅」で下車
- 「三島駅」から富士急バス富士宮口五合目行きに乗り換えて、終点「富士宮口五合目停留所」で下車
そして、三島駅構外のバス切符売り場で「富士登山・フリーきっぷ」を購入するのも変わりません。
「富士宮口五合目停留所」まで往復5,000円のところを、3,400円で往復できるようになると言うのに、購入を見送る選択肢は無いでしょう。
ただし、窓口が一つだけなので行列になりやすく、「三島駅」に到着したら速やかにこの場所に向かうようにしましょう。
チケットを購入できたら、おトイレを済ませて「2番のりば」に並びます。
おトイレは省いてもいいのかもしれませんが「富士宮口五合目」までの乗車時間は2時間前後になります。
途中、「遊園地ぐりんぱ」「水ヶ塚公園」どちらかでおトイレ休憩を取ってくれる時もあるのですが、そんな話も無いまま終点まで乗っていくパターンもあります。
長丁場で万が一があると人生最悪の日になってしまうかもしれません。
乗車前に、おトイレは済ませておくのが無難でしょう。
また、「水ヶ塚公園」にて検温と協力金の集金があります。
協力金については、任意のようですが出来る範囲で協力してあげるのが良いと思います。
「富士宮口五合目停留所」に到着したら仮設レストハウスの前で身支度を整えてスタートしましょう。
関連リンク
先ほど触れた「富士登山・フリーきっぷ」について、富士急バス公式サイトのお得きっぷのページを載せておきます。正しくはこちらをご覧ください。
安いだけでなく、別の登山口に降りてしまっても対応可能なので、色々と汎用性の高い切符になっています。
富士急バスさんはいつもいい仕事をしてくれますね。ありがたいことです。
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富士急バス「富士宮口五合目停留所」〜富士宮口八合目
「富士宮口五合目停留所」からは、階段で一段上にある登山道の入り口に向かうことになります。
焼け落ちたレストハウスの前を通過して、警察の出張所が見えてきたら、そこが入り口になります。
階段を登ると「富士山表口五合目」という大きな看板が見えてきますので記念撮影をしてから、まずは体を慣らすため、ゆっくりとした歩調で登っていってください。
最初の山小屋となる六合目「雲海荘」と「宝永山荘」までは、五合目滞在の観光者がお散歩で登っていることもあるので、案外賑やかです。
普段から山登りしていない方々が混じっている時があるので、無理な追い越しとかでびっくりさせないようにご注意ください。
六合目を過ぎると、ここからは登頂目的の登山客がメインになっていきます。
山道も溶岩石の敷き詰められた岩場の区間や、スコリアと呼ばれる軽石状の火山石が降り積もった滑りやすい区間を交互に登っていくことになります。
その場のコンディションに合わせて、焦らずペースを守って登って行ってください。
新七合目「御来光山荘」、元祖七合目「山口山荘」と歩みを進めるにつれて、勾配も急になっていきます。
場所によっては、ガイドロープを掴んだり、岩を掴んだりした方が登りやすい箇所も出てきます。
いざという時に備えて、両手は出来るだけフリーにしておくと良いでしょう。
八合目「池田館」直下は、狭い岩場の急登になります。
無理に進むと接触事故を起こしかねない場所なので、譲り合って気持ちよく通過してくださいね。
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富士宮口八合目〜浅間大社奥宮〜山頂郵便局
八合目「池田館」から上方は、「浅間大社奥宮」の敷地内ということで、鳥居やお地蔵様などを見かけるようになります。
しかし、勾配が急になって渋滞が増えていくタイミングなので、そちらに意識が向いてしまい気がつくこと少ないかもしれません。
九合目「萬年雪山荘」、九合五勺「胸突山荘」と登っていくと、山頂直下の岩場に入ります。
富士宮ルートでは、ここが一番渋滞しやすい場所になるので、急かさず、焦らずの気持ちで通過してください。
鳥居が見えてきたら十合目はすぐそこです。
鳥居の前で一礼忘れずに、これも忘れずに端っこから通過すると「浅間大社奥宮」前に到着です。
この場所は、富士山山頂の中でもとても混雑しやすい場所になります。
この日も、雨風強まる悪天候の中でしたが、団体客が多数滞在していました。
良く記念撮影をしているので、邪魔にならないように対処してあげてくださいね。
「浅間大社奥宮」でご挨拶した後は、閉館間際の「山頂郵便局」に寄り道して「剣ヶ峰」に向かうつもりでで、稜線に出てみたところ、エラく寒い強風が吹いていたので、今回はこのまま下山することとしました。
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山頂郵便局〜富士宮八合目
ここ最近、御殿場ルートから降ってばかりだったので、この日は、来た道を戻るルートとしました。
山頂直下の渋滞区間で、何組かの団体の通過を待って、人が疎になったところで降っていきます。
このルートは、トレラン勢が降ることが少ないのか、駆け降りてくる登山客はほとんどいません。
このため、登ってくる人に意識を集中して降る形となりました。
改めて登ってくる方を観察していると、ほとんどの方が足元に意識を集中して歩いています。
特に、富士山は普段山登りなんてしてない層も多く登ってくる山なので、周囲に意識を向ける余裕なく、足元凝視して無心に登ってくる方が一定数いらっしゃいました。
登山には、登り優先という暗黙のマナーがあります。
自分は登っている方だから頑なに譲らないというのも考えものですが、登りに比べると降りの方が、視界も広く取れるだけでなく、後は下山するだけと心にも余裕が出来やすいはずです。
自身が降りる時には、なるべく登ってくる人に道を譲ってあげてくださいね。
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富士宮八合目〜富士急バス「御殿場口新五合目停留所」
八合目「池田館」まで到着したら、勝手にこのルートの核心部と思っている急坂区間を通過することになります。
単に降るだけなら大した場所では無いのですが、登り降りで人が入り混じりやすく、たまに混沌とします。
進退に迷ってしまったら、できるだけ相手に譲って、場が落ち着いてから通過してくださいね。
結果的にその方が早く通過できるでしょう。
八合目直下をクリアしたら、徐々に道幅も広くなるので、すれ違いのタイミングが減って、降るペースが上がってくるはずです。
しかし、砂利で足を取られやすくもなるので、ペースを上げすぎて転ばないように降っていってください。
元祖七合目「山口山荘」、新七合目「御来光山荘」と通過して六合目まで降れば、残りは30分ほどです。
一旦、バスの発着時間を確認してから、急いで降るか、ゆっくり降るか判断すると良いかもしれません。
この日、わたしも、このタイミングで急いでいたら15時台のバスに間に合っていたはずで、残念なことをしました。
そして、引き続き滑りやすい坂道を降ってレストハウス前の舗道を降れば、バス停に到着です。
「富士宮口五合目停留所」からは、主に次の三路線のバスが出ています。
- 富士宮駅行き
- 三島駅行き
- 水ヶ塚公園行き
間違えると、結構面倒なので、係の方に確認しつつ、適切なバスに乗り込んでくださいね。
特に「水ヶ塚公園行き」のシャトルバスには注意です。
「三島駅」「富士宮駅」に向かうなら、このシャトルバスはスルーして、それぞれの路線バスが到着するのを待って乗り込む方ようにしてください。
理由としては、「水ヶ塚公園」始発の「三島駅」や「富士宮駅」行きのバスが無いという点です。
このため、「水ヶ塚公園」に到着しても、「富士宮五合目」から出発する後続のバスに乗り直さなければ行けなくなるので、全くの無駄になります。
早く帰りたい気持ちあるとは思いますが、焦らずに正しい対応してくださいね。
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まとめ
富士山富士宮ルートをピストンして「山頂郵便局」を覗いてきた時の様子でした。
普段、日帰り登山ばかりなので、郵便局が開いている時間に訪れることが少なく、様子を知ることがなかったのですが、今回、意外と人気ある場所ということがわかりすっきりしました。
わたしの場合は、お手紙を出すような家族や友人が居ないので使う機会はほぼ無いんですが、そういうお相手がいるようでしたら、サプライズに「富士山頂風景印」の捺印されたお手紙を出してみてくださいね。
きっと、きっと、喜んでもらえると思いますよ。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございました。
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