下絵を生成AIに渡すと、水彩画風のイラストに変換できます。
難しいプロンプトは使いません。最低限の指示で行います。
今回は、このシリーズの中核となる工程です。実際に使用しているプロンプトもそのまま公開します。
このシリーズについて
初めにこの記事の位置付けについて説明しておきます。
この記事は「40代から始める登山ログのAIイラスト地図化手順」全8回シリーズの一部です。
全体の流れ
- 導入:なぜ登山ログを地図にするのか
- ヤマレコでログを保存する
- Googleマイマップでルートを表示する
- Google Earthで白地図の下絵を作る
- 生成AIで水彩イラスト化する
- 写真をイラスト化する
- Canvaで地図として整える
- まとめと応用
今回の工程
工程:生成AIで水彩イラスト化する
所要時間目安:12分
難易度:★★☆(中級者向け)
今回はこの工程を、順番に解説します。
生成AIでできること・できないこと
生成AIは便利ですが、万能ではありません。特に地図のような「正確性」が重要な画像では、生成AIに任せきりにすると形が崩れることがあります。まずは何を生成AIに任せ、何を人間側で固定するのかを整理します。
生成AIが得意なこと
生成AIが得意なのは、
- 手描き風への変換
- 水彩の質感付与
- 色味の統一
といった「表現の変換」です。
雰囲気づくりは非常に優秀なので、この部分を率先して生成AIへお願いするようにします。
生成AIが苦手なこと
一方で、
- 正確なルート形状の維持
- 分岐点の完全一致
- 地形の忠実な再現
といった作業は苦手です。
そのため、形状は固定、表現だけ変換という役割分担が重要になります。
今回の基本方針
今回の方針は明確です。
- 下絵の形は一切変更させない
- 表現だけを水彩風に変える
この前提でプロンプトを設計します。
下絵を固定するためのプロンプト設計
ここが今回の核心です。AIに自由に描かせるのではなく、「変更してはいけない条件」を明確に指定します。
工程を分けて指示を出すことで、解釈の幅を狭め、再現性を高めます。
以下が、わたしが実際に使用しているプロンプトです。
前提条件
まず、画像作成関連の工程や条件を念の為リセットするプロンプトを出します。合わせて、複数の工程に分けて指示する旨を伝えます。
他の画像作成の工程や条件が影響しないように、画像作成関連の工程や条件を一旦リセットしてください。
改めて、これから示す下絵や画像を利用して、イラスト地図の背景画像を作成してください。
作成は、以下の工程順に分割して指示を出します。
各工程での条件、指示を守りつつ完成させてください。
工程1:下絵の取扱条件を設定
工程2:イラスト地図の背景画像化
工程1|下絵の取扱条件を設定
最初の工程は、下絵の取り扱い条件を伝えます。同時に「下絵画像」もアップロードします。プロンプト内のファイル名は、前工程で付けた「2026-02-塔ノ岳_base.png」となっています。必要により置き換えてください。
まずは、工程1の指示です。
「2026-02-塔ノ岳_base.png」で示す画像は実際の地形データとGPSトラックを元にした「下絵」です。
以下の条件厳守の上、後続の工程で利用してください。
【最重要条件】
・移動ルートの線は1ピクセルも変更しないでください
・位置、形状、分岐点、曲がり方を完全に一致させてください
・尾根と谷の関係を改変しないでください
【表現】
・色は最小限
・装飾なし
・地図としての正確性を最優先
工程2|水彩画風への変換
次の工程で、下絵を水彩画風イラストへ変換させます。表示された画像を確認して、満足のいく結果になっていたら、自分のパソコンにダウンロードします。
続いて、工程2の指示です。
「工程1」で示した「下絵」を元に、手書き・水彩画タッチのイラストに変えてください。
その際、以下の条件を厳守してください。
【下絵の色ごとの意味合い】
・赤線は、移動ルート
・青エリアは、水系地形(海、湖、沼、河川)
・薄い黄色エリアは、平地、市街地
・緑色のエリアは、山系地形(色が濃いほど高地)
【ルート固定】
・移動ルートの位置と形状は下絵と完全に一致させてください
・分岐点は必ず同じ位置に描写してください
【表現】
・手描き、水彩画風
・日本の観光案内パンフレット程度のやさしい表現
・等高線や地形の読みやすさを維持
・色のトーンは、雪の低山のイメージ。グレーと白を基調に、アクセントに緑を少々。
【禁止事項】
・ルートのショートカット
・尾根越え表現
・見栄え優先の改変
ここまでの条件で作成したイラストを「背景画像」として表示してください。
失敗例と修正、保存方法
プロンプトを出しても、必ずしも一度で理想の出力になるとは限りません。ここでは、よくある失敗パターンと、その修正方法を整理します。最後に保存形式も確認します。
よくある失敗例
- ルートが滑らかに修正される
- 分岐点が消える
- 色味が強くなりすぎる
多くは、条件が弱い場合に起こります。
修正のコツ
修正時は、
- 「変更しないでください」を強調する
- 「完全一致」を繰り返す
- 禁止事項を再提示する
と安定します。複雑な文章にせず、同じ条件を再度続けるだけでもいい感じに改善してくれます。
保存形式
完成した画像は、PNG形式で保存します。ファイル名に「_bg(background)」を付けておくと整理しやすくなります。
例:2026-02-塔ノ岳_bg.png
ここまでに出来たこと、次回予告
これで、
- 正確なルートを維持したまま
- 水彩画風の背景画像
が完成しました。シリーズの中でも最も重要な工程でした。
次回は「登山写真をイラスト化する方法」を解説します。
背景ができたら、次は要素を重ねていきます。
少しずつ、一枚の地図に近づきます。

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