近頃めっぽう流行りのご当地アルプス。
山の無い都心にはさすがに無いだろうと思いますよね。
いや、それが、あったんです。
その名も「下町アルプス」と言います。
ネーミングからアレな感じですが、実際に歩いてみるとスゴいのかもしれません。
今回は、そんなスゴいかもしれない下町アルプスを歩いた様子をお伝えしてみます。
基本情報
まずは、今回の山行についての基本情報です。
概要
下町アルプス
中村みつを著「東京まちなか超低山」という書籍にて、著者が紹介しているコースです。
京浜東北線を東側に見下ろす形で南北に延びる通称「上野台地」。
この台地の南端に当たる上野公園の西郷像をスタート地点として北上し、上中里
王子の飛鳥山公園を抜けて、同じく王子にある名主の滝近く「亀山」までを繋げたコースのようです。
経由するピークは8つもあり、それぞれ以下の山名で説明があるようです。
- 擂鉢山(上野)
- 大仏山(上野)
- 新堀山(所在不明)
- 道灌山(西日暮里)
- 平塚山(所在不明)
- 舟山(所在不明)
- 飛鳥山(王子)
- 亀山(所在不明)
都心にこんなに山があったのかと驚かれたことでしょう。
わたしも、飛鳥山以外は初耳で驚きましたが、どうもこれらは全部、国土地理院に認められた山ではないようです。
それどころか、昔の呼び名から山と見なして掲げているものもあり、結局、半分は所在不明で今回到達することができませんでした。
ただし、これがマイナス要因かというとそうではなく、寧ろ、探索ゲーム的な面白さがプラスに働き、なかなか面白い山行(?)を体験することができました。
今回の山行ルート
地図上の位置と標高
地図上での位置や標高は次のとおりです。
歩いた軌跡
実際に歩いた軌跡は次のとおりです。
山行の記録
今回は山行ではなく探索ですね。
そんなわけで、ここから探索の様子を詳しく述べていきます。
アプローチ
わたしは赤羽に在住しているので、赤羽駅南口から南下するルートで進めていきました。
よって、登山口にあたるスタート地点までのアプローチについては割愛です。
JR「赤羽駅」南口~王子稲荷神社~飛鳥山公園
赤羽駅南口からは西方面に出て線路に沿って南下していきます。
最初のピーク「亀山」ですが目印となるものは存在しません。
王子と東十条の間にある、「王子稲荷神社」に「亀山神社」の文字があったのでまずは「王子稲荷神社」に向かってみます。神社内の挨拶回りを終えて、色々探してみましたがこれといった形跡がありません。神社の横にある「王子稲荷の坂」を登りきってみましたが、そこにも目に付くようなものも見つけることできませんでした。
初っ端からピークを取りこぼす散々な結果となってしまいましたが、仕方ありません。
気を取り直して、王子駅まで南下して飛鳥山公園に入っていきます。
ここは、何度も足を運んでいるので間違えようがありません。
園内モノレール「あすかるご」山頂駅の目の前まで登り、「飛鳥山」ピークを無難に踏んで次へ向かいます。
飛鳥山公園~滝野川公園
飛鳥山の次のピークは「舟山(御殿山)」となっています。
残念ながら「舟山」という地名は探し出せなかったのですが、「御殿山」という名前は北区飛鳥山博物館のホームページにある江戸年表にて確認できます。
1647年(正保4)徳川家光が西ケ原御殿山で犬追物を催す
引用:北区飛鳥山博物館HP
そして、同ホームページに「御殿前遺跡」というものに関する記載があり、「滝野川公園」付近がそうだったことも判りましたので、同公園が「御殿山」だろうということで向かってみます。
現在は遺跡周辺には、滝野川公園、滝野川体育館、地震の科学館(防災センター)、消防署などがあります。
引用:北区飛鳥山博物館HP
公園内にピークを示す何かが無いか探してみましたが、特に見つけることはできず、残念なががらここも所在不明となりました。
そして、ここで痛恨のミスを犯します。
4番目にあたるピーク「平塚山」の所在であろう上中里の「平塚神社」をスルーで通り越してしまいました。
気が付いたのは、西日暮里公園にあった「道灌山の碑」を見てからで、流石に戻る気にもなれず、渋々先に進むことにしました。
滝野川公園~西日暮里公園~諏訪神社
前章では、少し脱線しましたね。
滝野川公園から西日暮里公園の「道灌山」までの様子に戻します。
ここまで本郷通りを南下していましたが、このまま進んでいくと西の駒込駅方面にズレていってしまうので、旧古河庭園前から東方面に伸びる滝野川支所前通りに入っていきます。
池袋・新宿方面に延びる山手線や湘南新宿線の沿線を跨ぎ、田端駅を越えて、西日暮里駅前の歩道橋を登ると西日暮里公園に到着します。ここで「道灌山の碑」が確認できました。
ここまで連敗続きでしたが「道灌山」のピークは踏めたようです。
この勢いで「新堀山」のピークも踏んでいこうということで、隣接する諏訪神社へ向かいます。
かつて、この神社付近が新堀山と呼ばれていたらしいのですが、残念ながらその形跡は見つかりません。
代わりに「三峰山」「御嶽山」という2つの山名が確認できましたので、山と呼ばれてはいたのでしょう。
しかし、「新堀山」を示す明確な痕跡は見つけられなかったので所在不明として先に進むことにしました。
諏訪神社~上野公園
なかなか思うように行かない今回の探索行ですが、残るは「大仏山」と「擂鉢山」の2座になってしまいました。
この二つのどちらかを落とすと半分のピークが未踏のままとなってしまいますので、どちらも死守したいところです。
上野公園までの道程は、間に「ゆうやけだんだん」で有名な谷中を通っていきます。
今回は道を外れているので立ち寄らずに先に向かいましたが、それでも途中に興味深い史跡や建物が林立していたので、この地区だけを目的に探索に来るのも面白いかもしれません。
さて、残る二つのピークですが「大仏山」は「上野大仏」、「擂鉢山」は「擂鉢山古墳」を指しているようです。
Googleマップでも検索可能なため、迷うことはないでしょう。
無事に二つともにピークを踏むことができ、ピークの半分を踏むことは死守できました。
まとめ
今回は、毛色の違ったご当地アルプスを歩いたときの様子でした。
ピークを特定するのに過去の歴史から紐解かないといけないという、なかなかにスゴいコースでしたが、色々調べながら歩くというのも久しぶりの体験で楽しい時間を過ごせました。
山行とは言えないですが、最近のGPS一発検索のお散歩に飽きてきたら、挑戦してみると脳みそが活性化して良いかもしれません。
最後に、東京23区内の散歩コースネタに次の記事なんかもいかがでしょう。興味ありましたら一緒に読んでいってくださいね。
それでは、ここまでお読みくださりありがとうございます。
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